六人の宣伝使と弥次彦、与太彦は、途中林の中で野宿をした。しかし起きてみると、音彦、弥次彦、与太彦を残して五人の宣伝使の姿が消えてしまった。
弥次彦と与太彦は騒ぎ出すが、音彦は慌てず、追ってフサの都に歩いて行こう、と先を促す。弥次彦と与太彦はおかしなやり取りをしている。
すると、にわかに人馬の物音が聞こえ、三人はウラル教の捕り手たちに囲まれてしまった。弥次彦と与太彦はものすごい勢いで拳をふるって血路を開き、駆け出した。音彦はその後を宣伝歌を歌いながらゆうゆうと進んで行く。
ウラル教の捕り手頭は、三人を捕らえるように下知するが、捕り手たちは口ごたえして動かない。捕り手頭は一人で追いかけようとするが、馬に振り落とされて帰幽してしまった。
捕り手の一人・八公は仕方なく、一人で峠を下って宣伝使らを追いかける。
音彦らは丸木橋を渡って逃げるが、さらにウラル教徒らに囲まれてしまい、逃げ出す。荒男の館に迷い込んでまたそこから逃げ、泥田にはまりこんでまたそこから逃げる。
最後に小鹿峠に追い込まれ、数十人の捕り手に囲まれた三人は、決死の覚悟で断崖の谷間に飛び降りた。