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文献名1霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻
文献名2第1篇 正邪奮戦よみ(新仮名遣い)せいじゃふんせん
文献名3第8章 ウラナイ教〔575〕よみ(新仮名遣い)うらないきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-01-16 01:35:20
あらすじ
広い館の門には、風雨にさらされた表札に、神代文字で「ウラナイ教の本部」と書かれていた。安彦は、田加彦と百舌彦に中の様子を見てくるように依頼した。

二人が塀を乗り越えて館の中の様子を見ると、高姫という教主らしい肥えた中婆が中央に控え、七八人の宣伝使らしい男女がとろろ汁を吸っている。いずれも、盲人のような手つきである。

田加彦と百舌彦は、盲人らしいのを幸いに、とろろ汁を奪って吸ってしまう。ウラナイ教徒たちは、仲間にとろろ汁を取られたと思って喧嘩を始めてしまう。

高姫は盲人の真似をしていただけだったので、二人に気づき、出刃包丁を持って追いかけ、大騒ぎになる。

田加彦と百舌彦は、逃げる途中に針だらけの枝が仕掛けてある水ためにはまり込んでしまうが、高姫もよろめくはずみに水ために落ちて苦しむ。その隙に田加彦、百舌彦は逃げてしまう。

安彦、国彦、道彦は水ための側を通りかかり、高姫を救出した。そこへ田加彦、百舌彦が戻ってきた。高姫は二人がとろろ汁を盗んだことを非難する。道彦は話を聞いて吹きだし、お詫びに田加彦と百舌彦をウラナイ教にくれてやろう、という。
主な人物 舞台 口述日 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月5日 愛善世界社版92頁 八幡書店版第3輯 314頁 修補版 校定版92頁 普及版41頁 初版 ページ備考
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本文  安彦、国彦、道彦の宣伝使を始め、田加彦、百舌彦の五人は、此広き館の門前に佇み内部の様子を耳を澄ませて聞き居たり。
 フト表門を眺むれば、風雨に曝された標札に幽に『ウラナイ教の本部』と神代文字にて記されてある。安彦は覚束なげに半剥げたる文字を読み、
『ヤア此奴は、ウラル教と三五教を合併した変則的神教の本山と見える哩、それにしても最前の女の声、何となく聞き覚えのある感じがする。ハテなア、オー百舌彦、田加彦、汝はそつと此塀を乗り越え、中の様子を探り吾等の前に報告して呉れ』
 百舌彦、田加彦は嬉し気に打ち諾き、木伝ふ猿か、小蟹の蜘蛛の振舞逸早く、ヒラリと塀を飛越えて、庭先の木の茂みに姿を隠し、様子を窺ひつつありき。
 ウラナイ教の教主と見えて、ぼつてり肥た婆一人、雑水桶に氷のはつたやうな眼をキヨロつかせながら中央に控へて居る。七八人の宣伝使らしき男女は、孰れも白内障か、黒内障を病んだ盲人の如く、表面眼はキロキロと光りながら、何も見えぬと見えて手探りして巨大なる丼鉢に麦飯薯蕷汁を多量に盛り、ツルリツルリと吸うて居る。二人の薬鑵頭の禿爺は、頻りに摺鉢に山の薯を摺つて居る。これも何うやら盲人らしく手探りしつつ働いて居る。二人は此光景を見やり、
『オイ百舌公、此処の奴は何奴も此奴も皆盲人ばかりだと見える。大きな丼鉢に麦飯薯蕷汁をズルズルと啜つて居るぢやないか、俺達も之を見ると俄に胃の腑の格納庫が空虚を訴へ出したよ。どうだ、盲を幸ひにそつと一杯頂戴して来ようぢやないか』
 百舌彦は、
『ソイツは面白からう』
と言ひながら、のそりのそりと足音を忍ばせ一同の前に現はれ、素知らぬ顔して控へて居る。禿爺は丼鉢に麦飯薯蕷汁を盛り、
『サアサアお代りが出来ました、高姫サン』
とニウツと突き出す。高姫と云ふ中年増のお多福婆は機械人形のやうに両手を前にさし出した。折も折百舌彦の面前に突き出した丼鉢を百舌彦は作り声をしながら、
『ハイ、これは御馳走様、もう一杯下さいな』
 爺は丼鉢を百舌彦に渡し、
『よう上る高姫サンぢや』
と小声に呟きながら又探り探り台所の方に帰り往き、一生懸命に薯を摺つて居る。
高姫『コレ松助、何処に置いたのだえ、早く此方へ渡して呉れないか』
 松助は耳遠く盲と来て居るから、何の容赦もなく一生懸命に鼻を啜りつつ薯を摺つて居る。彼方にも此方にもミヅバナを啜るやうな声が、ずうずうと聞えて居る。
 百舌彦、田加彦は、丼鉢の両方より噛みつくやうに腹が減つたまま、ツルツルと非常な吸引力で、蟇蛙が鼬を引くやうに大口開けて呑み込んだ。此時松助は又探り探り麦飯に薯蕷汁を掛た大丼鉢を、足許覚束なげに、川水の中を歩くやうな体裁で、
『サアサア高姫サン、お代りが出来ました』
 田加彦は又もや作り声をして、
『アア松助、御苦労であつた。もう一杯お代りを頼むよ』
『ハイハイ、もう薯のへたばかりじやが、それでも宜しければお上りなさいませ』
と面膨らし、部屋に引返す。高姫は、
『コラコラ松助、未だ持つて来ぬか、何処へ置いたのだい』
 田加彦、百舌彦は矢庭に一杯を平げた。傍に十数人の盲人は、丼鉢を前に据ゑ、一口食つては下に置き楽しんで居る。
 百舌彦は甲の丼鉢をソツと乙の前に置き、乙の丼鉢を丙の前に置き、丙の丼鉢を高姫の前にソツと据ゑた。
甲『まだ半分余りはあつた積りだに何時の間に此様に減つて仕舞つたらう、オイ貴様俺のを一緒に平げて仕舞つたな』
乙『馬鹿を云ふな、俺の丼鉢を何処かへやりよつたのだ。自分は一人前平げて置いて未だ他人のまで取つて食うとは、余りぢやないか』
と互に盲人同志の喧嘩が始まつた。十数人の盲人は、取られては一大事と丼鉢を堅く握り、下にも置かず、ツルツルズルズルと吸うて居る。田加彦は、火鉢の灰を掴んで、盲人の丼鉢に一摘みづつソツと配つて廻つた。
『ヤア何んだ、この丼鉢の………俄に薯蕷汁の味が変つたやうだ。他人が盲人だと思つて馬鹿にしよるナ、誰か灰を入れよつたわい』
百舌彦『ハイハイ、左様々々』
高姫『ヤヽ、誰か声の違ふ奴が来て居るらしい、オイ皆の者気をつけよ、何だか最前から怪しいと思つて居た。俺は最前から盲人の真似をして居れば、何処の奴か知らぬが、二人のヒヨツトコ野郎奴、要らぬ悪戯をしよつた。サアもう了見ならぬ、家の爺が酷い肺病で、此処に薯蕷汁によう似た痰が一杯蓄へてある。之を食つてサツサと出て失せ』
 百舌と田加は頭を掻きながら、
『ヤア、そいつは御免だ』
高姫『御免も糞もあつたものか、ヤアヤア長助、伴助、二人の者を縛つて了へ』
『畏まつた』
と次の間より、現はれ出でたる大の男、出刃庖丁を振り翳し、二人に向つて迫り来る。高姫も眉を逆立て、出刃庖丁を逆手に持ち、三方より二人に向つて斬つてかかる。百舌彦、田加彦は丼鉢を頭に被りトントントンと表を指して逃出す。百舌彦の被つた丼鉢には爺の吐いた痰が一杯盛つてあつた。頭から痰を一ぱい浴びたまま、スタスタと表を指して駆け出す。二人の荒男は大股に踏ん張りながら二人の後を追ひかけ来り、澪れた痰につるりと辷つて、スツテンドウと仰向けに倒れた。
 高姫は出刃を振り翳しながら表に駆け出で、二人の荒男に躓き、バタリと転けた機に長助の腹の上に出刃を突き立て、長助はウンと一声七転八倒、のた打ち廻る。忽ち館の中は大騒動がおつ始まりける。
 田加彦、百舌彦は一生懸命に駆け出し、道端の溜り池にザンブと飛込み、痰を洗ひ落さうとした。此水溜は数多の魚が囲うてある。鼬や川獺の襲来を防ぐために柚の木の針だらけの枝が一面に投げ込んであつた。二人はそれとも知らず真裸となつて飛込み柚の木の針に刺されて身体一面に穴だらけとなり辛うじて這ひ上りメソメソ泣き出してゐる。
 婆は眉を逆立て二本の角を一寸許り髪の間より現はしながら此場に現はれた。二人が姿を見て心地よげに打ち笑ひ、蹌跟く機に又もや池の中にザンブと斗り落ち込み、
『アイタタアイタタ』
と婆々が悶え苦しむ可笑しさ、二人は真裸のまま、
『態ア見やがれ』
と云ひつつ足をちがちがさせ田圃道を走つて往く。安彦、国彦、道彦の三人は素知らぬ顔して宣伝歌を歌ひつつこの池の傍を通り過ぎむとするや、池の中より高姫は掌を合し、頻りに助けを呼んで居る。三人の宣伝使は気の毒さに耐へ兼ね、漸くにして高姫を救ひあげた。高姫は大に喜び三人に向つて救命の大恩を感謝したりける。
 此時逃げ去つた百舌、田加二人の男は真裸の儘慄ひ慄ひ此場に現はれ来り、
『モシモシ宣伝使様、寒くつて耐りませぬワ、何うぞウラナイ教の婆アサンに適当な着物を貰つて下さいな。ナア婆アサン、お前も宣伝使のお蔭で命拾ひをしたのだから着物位進上なさつても安いものだらう』
安彦『ヤア吾々は着物の如きものは必要が御座らぬ。平にお断り申します』
国、道『吾々も同様、衣服なんか必要が御座らぬ』
百舌彦『エヽ気の利かぬ宣伝使だな、此処に二人も着物の要る御方が御座るのが目につきませぬかい』
道彦『吾々はウラナイ教の信者になつたと見え、薩張明盲人になつて仕舞つたよ。アハヽヽヽヽ』
高姫『お前等は、ノソノソと吾が座敷に這ひ込み、薯蕷汁を二三杯もソツと横領して喰ひ、其上大勢の盲人を附け込み、薯蕷汁の中に灰を掴んで入れた不届きの奴ぢや、着物をやる処ぢやないが、併し生命を救けてもらつた其お礼として、長公、伴公の死人の着物を呉れてやらうか』
道彦『これやこれや、貴様等二人は薯蕷汁を盗み食つたのか』
百舌彦『ハイ、トロロウをやりました。其代り酷い目に遭つたんぢや、汚い物を頭に被つたんぢや。盲人を瞞して薯蕷汁を多量食つたんじや、それから長公伴公に追ひかけられてタンタンタンと一生懸命逃げたんじや。門口で長公伴公が転倒つたんぢや、其処へ婆が飛んで来て転けたんぢや、倒けた拍子に長公のどん腹を突いたんぢや、二人は一生懸命、痰の体を清めんと溜池に矢庭に飛込んたんぢや、柚の針に身体を突かれて痛かつたんぢや、たんたんと立派な着物を頂戴致し度いもんぢや、なア田加たん』
 道彦は吹き出し、
『アハヽヽヽ、身魂の汚い奴ぢやなア、貴様は之から改心を致してウラナイ教の盲人仲間に入れて貰うと都合がよからう。モシモシお婆アサン此等二人は三五教の教理は到底高遠にして体得する事は出来ませぬ、善とも悪とも愚とも訳の分らぬ半ドロ的の人間ですから、ウラナイ教の宣伝使にでもお使ひ下さらば最も適任でせう』
婆『それはそれは誠に有難い御仰せ、ウラナイ教の宣伝使には至極適当の人物、幾何で売つて下さいますか』
道彦『サア、ほんの残り者の未成品もので御座いますから、無料にまけて置きます。米や麦を食べさして貰うと胃を損ねますから、身魂相当に鰌や蛙で飼うてやつて下さい、アハヽヽヽ』
婆『オホヽヽヽ』
(大正一一・四・一 旧三・五 加藤明子録)
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