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文献名1霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻
文献名2第3篇 神山霊水
文献名3第14章 奇の岩窟〔581〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ実は娘は木花姫命の化身であり、高国別の心を固めようとして問答を仕掛けたり、引っ掛け戻しをしたりしていたのであった。
木花姫命は、岩窟を探検して魔神に悩まされる多数の生霊を救うように、と高国別に命じて姿を消した。
主な人物 舞台 口述日 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm1514
本文の文字数3474
本文のヒット件数全 2 件/木花姫=2
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本文  高国別はドサリと陥穽に落ち込んだ。以前の女、又もや追掛来り、
『ホヽヽヽヽ』
と笑ひ乍ら、何時の間にか金線を吊り下ろし、高国別の腮に引つかけ、振釣瓶を手繰る様にプリンプリンと引き上げる。高国別は喉締め上げられ、又もや旧の穴の口に上つて来た。
『ホヽヽヽヽ、あのマア蒼いお顔』
高国別『エー、又しても又しても、能く悪戯をする女だなア。繊弱き女の分際として荒男の腮に綱を掛け、引き上るとは不届千万な、飽迄も図々しい奴だ。見た割りとは力の強い女だなア』
『オホヽヽヽ、何処までも執着心の綱は離れませぬよ。此者と見込みを付けて神が綱を掛けたら放さぬぞよ、引掛戻しの此仕組、開いた口が閉まるまいがな』
『人の腮太に堅い堅い金線を引掛けよつて開いた口が閉んで仕舞つた哩、コウ之見よコンナ型がつきよつた』
『喉の型はついたが妾のかたは、如何してつけて下さる』
『エー、五月蝿い奴だ、かたをつけるも、つけぬも有つたものかい。貴様と俺とは夫婦でも無ければ味方でも無い、又不倶戴天の敵でも無いのだ。あまりチヨツカイを出すと将来の為めにならぬぞ』
『貴方、ちつと見方が違ひは致しませぬか、堅き誠の心を以て飽迄も神の道を進まねばなりますまい。軽挙妄動を慎み慎重の態度を以て神の道に仕ふるが貴方のお役』
『エー味方が違ふの、敵が違ふのと、あた八釜しい哩、一体貴様は何者だ、如何も腑に落ちぬ代物だなア』
『妾は腑に落ちぬ代物か知りませぬが、貴方は穴に落ちる代物だ。ホヽヽヽ、一寸当てて御覧、妾の正体が分らぬ様な事で、如何して此地底の岩窟が探険出来ませうか。第一着手として妾の素性を能く審神して下さい』
『吁、邪魔臭いな、お前の方から「妾は何々の何々じや」と自白せぬかい。さうしたら此方が正か邪か、真か偽かと言ふ事を審神して与るのだ』
『ホヽヽヽヽ、デモ審神者の、探り審神者の、ヘボ審神者サン、妾のネームを聞かねば審神が出来ませぬか、貴方には神様の御守護は零ですな』
『何だ、審神者には審神者としての権能があるのだ、人に物を尋ねるのに何故自分のネームを名告らないのか、「妾は何か当てて御覧」ナンテ、まるで十字街に立てる旅人が「俺は何方へ行くか知つてますか」と尋ねる様なものだ。ソンナ理窟が何処にあるかい、早く名告らないか』
『ホヽヽヽヽ、お前サンは丁度「私の行く処は何処で御座います」と、人に訊ねる様な審神者だ。ソンナ審神者が如何して地底の岩窟が探険出来ませうぞ。妾の素性がはつきり分る迄、千遍でも万遍でも綱を掛けて引掛戻しをしますから覚悟をなさいませ、ホヽヽヽ』
『アーア「進退維れ谷まる」とは茲の事だ、黐桶へ足をつツ込んだ様な者だ、困つたな。オイオイ女、良い加減に洒落て置いたら如何だ、神界の御経綸の妨害致すと為めにならぬぞ。如何だ、神界へ汝の罪を奏上致さうか』
『何と言つても放しはせぬ、いや一寸も動かしはせぬ、動くなら動いて御覧うじ、ホヽヽヽヽ』
『アーア、仕方が無いなア、いやもう何れの神か知りませぬが、トコトン往生致しました。何卒今迄の御無礼、お気障は千万御座いませうとも、広き厚き大御心に見直し聞直し下さいまして御勘弁を願ひます。鼻の高国別も斯うなつちや台なしだ、此鼻は薩張り常世城の鷹取別ぢやないがベシヤベシヤだ』
『ホヽヽヽヽ、此鼻々々、不細工屋姫の低国別サン、合点がゆきましたか』
『オヽヽ、いつたいつた、いやもう、ずんと合点がいつた哩』
『ソンナラ当てて御覧』
『マアマア矢つ張女ぢや。怪体な訳の分らぬ女神だな』
『妾のネームは何と申しますか』
『サア何と申して好いやら、一向合点がゆかぬ、大方お前サンはジユピターの神であらう』
 女は首を左右に振り、
『違う違う』
『ソンナラ、ジユピターの神のシスターだらう』
『違う違う』
『アポロの女神か、アテーナの女神か、あてなア、合点の往かぬ事だ』
『お前も余つ程アポーロ(阿呆)の男神だよ、オホヽヽヽ』
『アヽ斯うなると天下の審神者は並や大抵では無い哩』
『さうさ、俄信心の俄審神者では此女神の正体は分りますまい』
と鼻をチヨンと抑へて見せた。高国別は忽ち大地に平伏し、
『之は之は御無礼を致しました。いやもう梅花の春陽に会うて一度にパツと開く如く爛漫たる桜花の如く心の暗は開けました。貴神は天教山に坐します木花姫の命様』
と両手を合せて拝跪する。忽ち空中に微妙の音楽聞え、馥郁たる梅花の香、鼻に迫るよと見る間に如何はしけむ、女神の姿は煙と消えて、野路を吹き渡る風に雪さへ交つてちらつき初めた。
 此時捩鉢巻、襷十文字に綾どり、息せききつて此場に現はれた一人の男、大地にピタリと頭を下げ、
『もうしもうし、高国別の神様、カナンの家に御逗留遊ばす立派なお方から、大事変が突発したから貴神様を呼んで来いと仰せられました。サア一時も早く私の後についてお帰り下さいませ。タヽヽ大変な事が出来ました』
『ナニ、須佐之男之尊様が某に帰れと仰有つたか、はて、合点の往かぬ事だワイ』
と双手を組んで小丘の上に端坐した儘考へ込んで居る。地底よりは何者の声とも知らぬ、
『ヤアヤア、高国別、何を愚図々々致して居る、早く地底の岩窟へ這入つて来ないか、岩窟内には大惨事が突発致して居るぞ。人を救ふは宣伝使の役だ、数十人の生霊をみすみす見殺しに致すか』
と呶鳴り声が聞えて来た。
 男は、
『もしもし高国別サン、大神の御命令で御座います、サアサア早く御越し下さいませ。神様の御命令には一時も早く立帰れ、愚図々々致さば主従の縁をきるとの厳しき御仰せ、サア早くお越し下さい』
 地底の岩窟より、
『ヤア高国別、汝は数十人の生霊を見殺しに致す所存か、宣伝使の天職を何と心得て居る。九死一生の場合だ、一刻も早く岩窟に侵入して人命を救へ』
『もしもし何卒早くお帰り下さい、大神様の一大事』
『大神様の一大事とは如何なる事が突発いたしたか、詳細に物語れよ』
 男は、
『大神様には数百人のウラナイ教の魔神に十重二十重に取囲まれ、衆寡敵せず御身辺刻々に危機に瀕し給ふ。早く早くお帰り遊ばせ、時遅れては一大事、必ず必ず躊躇逡巡して呑臍の悔を貽し給ふな』
 地底の岩窟より、
『ヤアヤア高国別、数十人の生霊を見殺しに致す所存か、疾く来りて可憐なる彼等の生命を救へ』
と両方より絞木にかかつた高国別はホツと一息、兎やせん斯くや詮術もなくなく涙に暮れて居る。忠と仁との板挟みになつた高国別は忠ならむとすれば仁ならず、仁ならむとすれば忠ならず、心は宙に岡の上、双手を組んで深き思案に沈み居る。地底の岩窟よりは阿鼻叫喚の声、益々烈しく手にとる如く耳朶をうつた。
『アヽ如何にせむ、彼方たてれば此方がたたぬ、此方たてれば彼方がたたぬ、両方たつれば身がたたぬ』
と両刃の剣を執るより早く両肌を脱いで、左の脇腹にグツと突き立てむとする折しもあれ、忽然として此場に現はれたる以前の女神、忽ち高国別が右手をグツト抑へて動かさず。高国別は身を藻掻き手を振り放ち、又もや両刃の剣を我脇腹に突き立てむとする折しも、以前の女神は飛鳥の如く飛びかかり、両刃の剣を手早くもぎ取り声厳かに、
『汝は忠と仁との分水嶺に立ち其去就に迷ひ、今や自ら身を殺さむとせしは不覚の至りなり、先づ先づ心を落付けよ。神須佐之男の大神は御安泰に坐しますぞ、汝が真心を試さむ為め、木花姫之命身を変じて迎への男となり、所存の臍を固めしめむとなしたる神業なり。須佐之男尊は神変不思議の神力在しませば心慮を煩はすに及ばず、一時も早く地底の岩窟に落ちて、魔神に悩まされつつある数多の生霊を救へ』
と言葉終ると共に女神の姿も男の影も煙の如く消え失せた。高国別は地底の岩窟目蒐けて身を躍らしヒラリと飛び込んだ。岩窟は意外に広く幾十丁ともなく前方に開展して居る。高国別は足を速め神歌を歌ひ乍ら先へ先へと進んで行く。
(大正一一・四・三 旧三・七 北村隆光録)
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