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文献名1霊界物語 第15巻 如意宝珠 寅の巻
文献名2第4篇 神行霊歩よみ(新仮名遣い)しんこうれいほ
文献名3第21章 帰顕〔588〕よみ(新仮名遣い)きけん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ一行は、金砂、銀砂、真珠を敷き詰めた清庭を進んで行くと、黄錦の制服を着た神人が迎え出た。それは言依別命であった。言依別命は一行を宮殿の奥へ招きいれ、国祖・国治立命に面会した。次に、神素盞嗚命に面会した。神素盞嗚命は、言依別命ら一行四人は、聖地の有様を観覧してから現界に復帰し、使命を果たした後に再び高天原に帰り来るように、と神命を申し渡した。その後、一行は松彦の案内で聖地の様子を見聞した後、松彦から与えられた四つの金色の翼を着けると、気がつけば河鹿峠の谷底に倒れていた。馬は辺りで草を食んでいる。一行は高天原の様子を見せてもらったご神恩に感謝し、天津祝詞を奏上すると、馬に乗って山中を進んでいった。
主な人物 舞台 口述日 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月5日 愛善世界社版266頁 八幡書店版第3輯 378頁 修補版 校定版264頁 普及版122頁 初版 ページ備考
OBC rm1521
本文の文字数3678
本文のヒット件数全 3 件/神素盞嗚=3
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本文  松彦一行は金砂、銀砂、真珠を一面に敷きつめたる清庭を進む折しも、二三の従者を伴なひ、黄錦の制服を着したる顔色美はしく、姿何処となく優美高尚なる神人現はれ来り、莞爾として松彦に向ひ、
『松彦殿、御苦労なりしよ。先づ先づ奥にて休息あれ。オー玉彦、厳彦、楠彦殿よくマア御出で下さいました』
 三柱は此声の何とも言ひ得ぬ温味あるにフト顔を上ぐれば、河の辺にて別れたる言依別の命なりける。
 三人は驚き乍ら、
『ヤア貴神は言依別命様』
と言つたきり、嬉し涙をハラハラと流してゐる。言依別命は、
『御一同此方へ御出でなされ』
と先に立ちて歩み、緩やかに美はしき宮殿の階段を上り行く。
 一行は恐る恐る後に続く。美はしき桧造りの宮殿の真中央に、四人は据ゑられた。言依別命は数多の美はしき男女の侍神に命じ、玉杯に酒を盛り、珍らしき果物を添へて差出し勧むる。一同は意外の待遇に狂喜し、身の措き所も知らず、何となく心いそいそとして落着きかねし風情なり。
 寸時休憩の後、言依別命は三人を伴ひ、木の香薫れる美はしき廊下を伝ひて、奥へ奥へと伴ひ行く。言依別は拍手を終り、神言を奏上するや錦の帳をサツト押開け入り来る白髪の老神、莞爾として一同の前に現はれ給ひ、
『汝言依別命以下三人の神司、よくも参りしよな。汝は此の高天原の荘厳を胸底深く畳込み、聖地の状況を十分に視察し、数日此処に滞留して聖地の空気を吸ひ身魂を清め、復び現界に現はれ、汝が残りの使命を果し、然して後改めて此処へ帰り来られよ。われこそは国祖国治立命なるぞ』
と儼として犯すべからざる威容に笑を湛へ、軽く一礼して奥殿に入らせ給うた。
 言依別以下三人は、嬉しさに胸塞り、何の応答もなくばかり、嬉し涙に時の移るをも知らず俯向きゐる。又もや威厳の中に温情の籠れる声にて、
『汝言依別命並に玉彦命、厳彦命、楠彦命、汝が至誠は地の高天原に通じたり。悠々聖地の状況を観覧し、復び現界に復帰して汝が使命を果せし上、改めて此処に帰り来れ。われこそは豊国姫神の分霊否伊都能売の身魂、神素盞嗚なるぞ』
と声も涼しく宣らせ給へば、一同は思はず、ハツと頭を擡げ御顔を眺むれば、三五の月の御顔色譬ふるに物無き気高さに、又もやハツと頭を下ぐる其の刹那、微妙の言葉につれて徐々と奥殿に入らせ給ふ後姿を遥に拝し奉り、又もや恭敬礼拝感謝の涙に咽びつつ、祝詞の声も嬉し涙に湿る許りなりき。
 この時何処よりともなく現はれ来る以前の天使松彦は、
松彦『ヤア皆様、結構でございました。大神様の命に依つて、これから神界の一部を御案内いたしませう。サア御出でなさいませ』
と御殿を下り、スタスタと進み行く。四人は松彦の後に続く。松彦は十重の高楼に四人を導き、四方の風景を指さして一々説明を与ふる。
 金銀の波を湛へたる湖は四方を囲み、金銀の帆を張りたる五色の船は、右往左往に往来しつつありき。遥の彼方に浮かべる如く見ゆる松生茂る一つの島を示し、松彦は、
『彼の島は三十八万年の昔、顕恩郷と称へて南天王の守り給ひし楽園でありました。大地の傾斜旧に復してより、今は御覧の如く低地は残らず湖水となり、唯高山の頂きのみ頭を現はし、今は国治立大神の御安息場所となりました。彼のきらきらと輝く光は、十曜の神紋でございます』
言依別『三十八万年とは、それは何時から計算しての年数でございますか』
松彦『素盞嗚大神、天の高天原を神退ひに退はれ給ひし日より計算しての年数でございます』
言依別『アア然らば最早数十万年の年月を経たるか。はて不思議千万、合点の行かぬことであるワイ』
松彦『神界に時間はありませぬ。これも現界より見ての年数です。アレアレ四方を御覧なさいませ。尊御退隠時代は、彼の波の漂ふ辺りは残らず美はしき山でございました。また少しく東に当つて小さき、黒き影の見えまするのは、古のシナイ山の頂でございます。斯くの如く世態は一変し、陸地は大湖水となり、海の各所に新しき島嶼が続出しました』
と話す折しも、美はしき羽翼を列べて十四五の鳥、此の十重の塔に翺け来り、五人が前に羽根を休めける。
 見れば鳥と見しは見誤りにて、羽根の生へたる小さき人間なりき。松彦は一同に向ひ、
『彼は天地の間を往来し、神々の御言葉を伝ふる使神であります。地上の世界は炎熱甚しく相成りたれば、今は罪軽き神人は残らず、日の御国に移住をすることになつてゐます。そのために空中郵便が開始され、つまり彼の使は三十世紀の昔に於ける郵便配達夫の役を勤むるものでございますよ。日の御国に御用がございますれば、此処で手紙を御書きなさいませ。この十重の神殿は謂はば天と地との文書の往復を掌る一等郵便局のやうなものです』
言依別『吾々は神代の文字は知つてゐますが、今日の時代は文字も大変異つてゐませうね』
松彦『昔のやうに今日の時代は、毛筆や、鉛筆や、万年筆などの必要はありませぬ。唯指先を以て空中に七十五声の文字を記せば、配達夫は直に配達して呉れますよ。私が一つ手本を見せませう。この交通機関は廿一世紀の初期から開始されたのですよ』
と右の指を以て空中に七十五声の片仮名を綴りて、一つの語を作り、
『サア、これで手紙が書けました。文字が言語を発する時代となつて来ました』
と言つて笑つてゐる。四人は耳を傾けて珍らしき文字の声を聞かむと努めける。文字の声は音楽の如く聞え来たりぬ。其の文面に拠れば、
『唯今地の高天原に誠の神の教を伝ふる言依別命、玉彦、厳彦、楠彦の四柱が御出でになり、国治立の大神様、又神素盞嗚の大神様に御対面遊ばされ、唯今十重の高楼に御上がりになつて、四辺の景色を眺めてゐられます。天の高天原に於て此の方々に対して御用がございますれば、直に御返事を下さいませ。左様なら』
と明瞭と聞えて来た。使の神は空中の文字をクルクルと巻き乍ら、羽根の間にはさみ、天空目蒐けて電光石火の如く飛び去りぬ。
松彦『今に御返事が参りませうよ。暫く四辺の景色を眺めて御待ち下さいませ』
 三人は驚きて、
『モシ言依別の命さま、妙なものですなア。随分世の中も開けました。二十世紀時代の人間は文明の極致に達したとか、神界の秘密を探つたとか、時代を征服したとか言うて居た時代もありましたが、今日になつて見れば実に幼稚なものですな』
と話しゐる。此時以前の使は、電の如く此場に降り来たりぬ。而して松彦に空中返書を手渡し乍ら、又もや矢を射る如く東天指して翔け去りにける。其の文面に曰ふ。
『天の高天原より返事を致します。唯今御申越しの言依別命外三人は、未だ現界に尽す可き神業の数多あれば、一度現界へ御帰し下され度し。時代は三十五万年の古に復して、河鹿峠の谷底へ帰顕せしめられ度し。右御返事申します。地の高天原の消息の司松彦殿』
と空中文字の返書が声を発して、自然に物語りゐる。
玉彦『アア未来の世は結構だナア。吾々も此儘神界にゐたいものだが、アーア三十五万年の未だ苦労を済まさねば、此処へ来ることは出来ぬのかなア。アヽ仕方がありませぬ、左様なら、松彦様、これから御暇を致します』
 松彦は、
『皆様、暫らく御待ち下さいませ。空中交通機を上げませう』
と又もや指先にて空中に、何事か記す其の刹那、金色燦然たる鳥の翼の如きもの四組、何処ともなく此場に降り来たりぬ。
『サア之を御着けなされ』
と云ふより早く自然的に四人の肩の辺りに、金色の翼はピタリとくいつきたり。四人は一度に、
『アアこれは立派だナア』
と羽ばたきを試むるや、身は益々高く空中に飛び揚がり、一瀉千里の勢を以て電波よりも早く、西の空を目蒐けて進み行く。眼下に横たはる四人の肉体、ハツと見下す途端に吾に返り四辺を見れば、河鹿河の谷底に倒れ居たるなり。乗り来し駒は如何にと見れば、無心の馬は河辺の青草をグイグイとむしりゐたりける。
言依別『アア暫くの間、気が遠くなつたと思へば、有り難い、高天原の状況やら、数十万年後の世界の状況を見せて貰つた。これも全く国治立尊、神素盞嗚尊の広き、厚き御恵みだ。サア一同此処に禊身を修し、天津祝詞を奏上して、潔く大神の御隠退場に参向致しませう』
と身を浄め、口を嗽ぎ拍手の声勇ましく、天津祝詞を奏上し終つて又もや駒にヒラリと跨り、天馬空を駆ける如く、身も軽々しく坂道指して、道なき小柴の山中を一目散に上り行く。
(大正一一・四・四 旧三・八 外山豊二録)
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