いよいよこの十六巻より、太古における日本国内の物語となります。十五巻までは、天教山と大台ケ原山を除いて、すべて外国の物語でした。
神素盞嗚大神の八人の娘の一人・英子姫は、メソポタミヤの顕恩郷から邪神によって舟に流され、日本海に至って丹後の国天の橋立付近の竜燈松の根元に安着します。
しかし大江に割拠するバラモン教の鬼雲彦の手下らによって種々の辛酸を嘗め、由良の港の秋山彦の館に逃れます。
そして父・神素盞嗚大神および国治立命の御分霊なる国武彦命に面会し、大江山の白狐・鬼武彦らに救われます。
その他、ウラナイ教棟梁の高姫・黒姫らの大活動によって、剣尖山麓の禊の大修行や、皇大神の貴の御舎の建設が成る物語や、悦子姫ら一行が天の真奈井嶽に向かって豊国姫命のご降臨地を訪ねる一幕など、厳の御魂、瑞の御魂の大神が、綾の高天原の蓮華台上に、神秘的経綸の基礎を開き給う深遠なる経緯の大略を述べました。
引き続き数巻に渡り、内地の物語が続きます。
数十万年前の神代の物語ですが、神様の意思を表白するために、便宜上近代の言語を用いていますので、ご諒承ください。