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文献名1霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
文献名2第1篇 神軍霊馬よみ(新仮名遣い)しんぐんれいば
文献名3第4章 夢か現か〔594〕よみ(新仮名遣い)ゆめかうつつか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ亀彦は、二人の門番を足にぶらさげ引きずりながら、本宅の入口にまでやってきた。そこで英子姫と再会した。そして足を蹴り上げると、二人の門番は空中を飛ばされて、ぷりんぷりんと、元の門番小屋に戻されてしまった。門番たちは、偉い豪傑が来た、と思っていたら、それは夢であった。銀公と加米公は二人揃って、同じ夢を見ていたのであった。するとそこへ、夢で見たとおりの美人の旅連れがやってきた。また後から、亀彦と名乗る宣伝使が夢の通りの出で立ちでやってきた。二人は逆らっては一大事と、門を開けて一行を迎え入れる。英子姫と亀彦はようやく再会した。秋山彦は、亀彦を案内する。亀彦は敵地にて秋山彦の素性をよく知らないため、一瞬疑いの心に囚われるが、思い直して秋山彦の後を追った。すると、通された居間には神素盞嗚大神、国武彦が厳然と控えていた。亀彦は神素盞嗚大神との再開に感激するまもなく、館には鬼彦が捕り手を従えて襲来した。早速迎え撃とうとする亀彦に対して、国武彦が制止した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月05日(旧03月09日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月25日 愛善世界社版47頁 八幡書店版第3輯 418頁 修補版 校定版49頁 普及版20頁 初版 ページ備考
OBC rm1604
本文の文字数3855
本文のヒット件数全 2 件/神素盞嗚=2
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本文  亀彦は二人の門番を、靴に穿いたやうな心持で、本宅の入口迄やつて来た。門口の騒がしさに中より戸を引き開けて現はれし二人の女、
『ヤア貴方は亀彦さま』
亀彦『ヨウ、お二人様、不思議な処でお目に掛りました』
英子姫『亀彦さま、貴方何を足に引つかけてゐらつしやるの』
亀彦『ヤア、何でも御座らぬ、糞から生いた銀蠅が一匹と糞亀が一匹、足に喰ひつきました、鰌の生でもあつたら一つやつて下さいナ、アハヽヽヽ』
二女『ホヽヽヽ』
銀、加米『チエツ、人を馬鹿にして居やがる、此銀公司を捉へて銀蠅だの、加米を糞亀だのと虫の好い事を云やがるワイ。これや亀の奴、今に、一寸の虫でも五分の魂だ、むしかへしをやつてやるから、其覚悟で居たらよからうぞ』
 亀彦は、右の足を中天に向つてピンと跳る途端に、銀公は七八間プリンプリンプリンと中天に舞ひ上り、表門の自分の室の前に行儀よく落ちたまま、チヨコナンと坐つて居る。亀彦は又も左の足をピンと跳ると、加米公は中空を毬の如く舞ひながら再び自分の門番小屋にチヨコナンと坐つて居る。
銀公『アヽヽヽ、淋しい事だ、偉い奴が来よつて、俺を中天に蹴り上げよつたと思つたら、何んだ夢を見て居たのか、それにしても怪体な夢を見たもんだワイ』
加米公『ヤヤ銀公、貴様も夢を見たのか、俺も其通りだ。亀と云ふ奴が来よつて、俺を足の先で中天に蹴りよつたと思つたら、俺も矢張り夢だつた。アヽコンナ夢を見るやうでは、碌な事はない哩、獏に喰はせ獏に喰はせ、茫々漠々として夢の如しだアハヽヽ』
 此時門前に声あつて、
『モシモシ門番様、妾は漂泊の旅の女、何卒お慈悲に此門開いて下さいませ。悪神に取巻かれ、命からがら此処迄逃げて参りました』
『ヤア聞き慣れぬ女の声』
と云ひながら門をサラリと開けば、二人は丁寧に目礼しながら、奥を目蒐けて足早に進み往く。
銀公『オイ加米公、夢に見た通りの二人の美人がやつて来よつた。夢と云ふものは馬鹿にならぬなア』
加米公『ヨー其夢なら俺も見たのだ。夢に見た美人と些とも違はぬ瓜二つだ、併しながら、斯う夢が当るとすれば、今度目に出て来る亀彦と云ふ強い奴は、それこそ大変だぞ、柔なしく下に出て無事に門を通すに限るぞ』
銀公『オヽさうだ、相手にならぬやうに柔しく開けてやらうかい』
 斯かる所へ門前に聞ゆる男の声、門をポンポンと叩いて、
『モシモシ、私は旅の男亀彦と申します、お邪魔で有りませうが、此門を何うか開けて下さいますまいか』
加米公『それそれ夢が本当になつて来たぞ、加米さんがよい相方だ』
と又もや門をサラリと開き、
加米公『これはこれはようこそお出で下さいました。サアずつと奥へお通り下さい、どうぞ中天へ放り上げる事だけは、オツト、ドツコイこれは夢で御座いました、早く柔しく暴れずにお入りなさいませ』
亀彦『私は決して乱暴な事は致しませぬ、御安心下さいませ』
と奥を目蒐けて悠々と進み入る。
 由良の港の人子の司  秋山彦の門前を
 サツと開かせ入り来る  暗夜もはれて英子姫
 四方の景色も悦子姫  小春の朝日を身にうけて
 冬の初と云ひながら  まだ温かき破風口に
 猫の眠て居る長閑さよ  夜昼不寝身の門番も
 主には尽す忠勤振  中門サラリと引き開けて
 何の躊躇も荒男  門番役に送られて
 玄関口にさしかり  頼も頼もと訪へば
 あいと応へて二人の女  襖押しあけ出で来る
 アツと見合す顔と顔  オヽ亀彦か姫様か
 思はぬ所で遇ひました  魔神の様子は如何にぞと
 問はむとせしが待て暫し  心許せぬ此館
 如何なる魔神の潜むやら  隙行く駒のいつしかに
 漏れてはならぬ壁に耳  父の便りを菊月の
 九月八日の今朝の秋  目と目に物を云はせつつ
 二人の女は静々と  奥の間さして入りにける
 後にしよんぼり亀彦は  両手を組みて思案顔
 あゝ訝かしや訝かしや  様子ありげの此館
 英子の姫の御眼つき  只事ならぬ気配なり
 戸を押し明けて踏み込もか  待て待て暫し待て暫し
 大事の前の一小事  もしも仕損じた其時は
 長の苦労も水の泡  遇はぬは遇ふに弥まさる
 例も数多ある月日  暫しは此処に佇みて
 家の内外の様子をば  事細やかに探らむと
 直日に見直し聞直し  思ひ直すぞ雄々しけれ。
 玄関に佇みし亀彦は、さし上る朝日に向つて合掌し、何事か沁々と暗祈黙祷を続けて居る。此時玄関の襖を颯と開いて現はれ出でたる二人の娘は、亀彦に向つて丁寧に会釈し、
『これはこれは遠方のお客様、奥へ案内致しませう、サアこうお出でなさいませ』
と廊下を指して、ニコニコしながら先に立つて進み入る。
 亀彦は、
『ヤア有難い有難い、一つ違へば門前払ひの憂目に遇ふ所だつた。アヽ世間に鬼はない、此処には広いお庭がある。鬼は外々福は内、家の様子は何処となく物床しげに、一弦の琴の音さへも聞えて居る。あの声は確に英子姫の御手すさび、此家は自と平和な風も福の神、上下揃うて睦まじく月日を送る其様子、もしや此家に、吾が慕ふ神素盞嗚の大神の隠れ在すには非ざるか、神ならぬ身の心にも、物穏かな内外の空気』
と独り言ちつつ娘の後に従ひて、長き廊下を伝ひ行く。
 此家の主人と見えて、人品骨柄卑しからぬ、五十前後の男、服装正しく衣紋繕ひ出で迎へ、
『これはこれは噂に聞き及ぶ三五教の宣伝使亀彦様、よくも入らせられました。私は此郷の人子の司、秋山彦と申すもの、サアサア遠慮なくズツと大奥へお通り下さいませ、御案内致しませう』
と先に立つて進み往く。亀彦は不審の首を傾けながら、前後左右に目を配り、心を注ぎ、
『ヤア、嫌らしき程の鄭重なもてなしだ。愚図々々して居ると抱き落しにかけられて、醜の窟のやうに陥穽にでも落されるのではあるまいか。否々人を疑ふは罪の最も大なるもの、心に曇りあれば人を疑ふとやら、アヽ恥かしい、未だ副守護神の奴、身体の一部に割拠して猜疑心の矢を放ち猛威を逞しうせむと計画して居るらしい、恐るべきは心の内の敵だ』
と思はず大声を出した。
 秋山彦は此声を聞いて後振り返り、
『これはこれは亀彦様、貴方は今敵だと仰せられましたが、決して敵では御座いませぬ、御心配なくお通り下さい』
『イヤ誠に済みませぬ、吾々の心中に潜む副守の奴が囁いたのです、心の鬼が身を責るとやら、いやもう神ならぬ身の吾々人間は、宣伝使と云ふ立派なレツテルは貼つて居りますが、実にお恥かしい代物です』
と歩み歩み語り居る。
『サアこれが大奥の間で御座います、貴方にお会はせ申度き御方も御座いますれば、何卒お入り下さいませ』
と腰を屈め、淑やかに襖を押しあけ案内する。亀彦は不審の雲に包まれながら進み入り、上座を見れば、こは如何に、正面の高座には、神素盞嗚の大神、厳然として控へさせたまひ、少しく下がつて国武彦、右側には英子姫、ズツと下がつて悦子姫、此家の妻と見えて四十歳許りの麗しき女、行儀よく控へ居る。亀彦は一目見るより打ち驚き、
『ヤア貴神は尊様』
と一言云つたきり後は涙にかき曇り、袖に顔をば覆ひつつ暫しが間は平伏沈黙を持続し居たりける。四十許りの女は亀彦の頭を上ぐるを待ちかねたやうな調子で、
『これはこれは亀彦様とやら、よく来て下さいました。妾は秋山彦の妻紅葉姫と申す者、御存じの通り不便の土地、お構ひも出来ませぬが、どうぞ、ゆるりと御逗留下さいませ』
亀彦『これはこれは痛み入つたる御挨拶、何分宜敷くお願ひ致します。ヤア貴神は尊様で御座いましたか、好うまア無事で居て下さいました。嬉しう存じます』
素尊『其方は亀彦なりしか、無事で先づ目出度い。英子姫が途中に於ていかいお世話になつたさうだナア』
亀彦『どう致しまして』
英子姫『亀彦さま貴方も無事でお目出度う、妾は今の今迄お案じ申て居りました、安心安心』
と喜ぶ折しも、門外俄に騒がしく数多の人声、秋山彦は慌しく入り来り、
『アヽ皆様、お静かにして下さいませ、表は私が引受けます、一寸した事が起つて来ました』
素尊『アハヽヽヽ、其方好きに取計らへ』
亀彦『秋山彦殿、事が起つたとは鬼雲彦の襲来したのでせう、何卒私も連れて行つて下さい、ヤア面白い面白い、日頃鍛へし言霊の力を試すは今此時』
と先に立つて行かむとす。国武彦は初めて口を開き、
『ヤア亀彦暫く待たれよ、尊の御許しあるまでは、一寸も此場を動く事罷りなりませぬぞ』
 亀彦右の手にて頭を掻きながら、
『ヘエヘエヘヽヽヽヘイ、シシ仕方がありませぬ、ハイ、鳴るは鳴るは此腕が、ウンウンと云つて仕方が無いワイ』
一同『アハヽヽヽ、オホヽヽヽ』
(大正一一・四・五 旧三・九 加藤明子録)
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