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文献名1霊界物語 第16巻 如意宝珠 卯の巻
文献名2第1篇 神軍霊馬よみ(新仮名遣い)しんぐんれいば
文献名3第5章 秋山館〔595〕よみ(新仮名遣い)あきやまやかた
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ秋山彦は、鬼雲彦の手下・鬼彦らの一行に捕らえられてしまった。秋山彦を助けようと血気にはやる亀彦に対して、国武彦は「秋山彦一人の命くらいどうということはない」と挑発する。怒った亀彦が表へ走ろうとするのを、英子姫が制止した。しかし捕らえられたと思われた秋山彦は、無事に奥の間に戻ってきた。国武彦は、実は配下の白狐たちの神術によって鬼彦らを追い払っていたのだ、と明かす。神素盞嗚大神は、亀彦の真心をその行いから知り、満足の意を表した。そして、大江山は国武彦と白狐たちに任せて、一行は聖地を指して進むこととした。神素盞嗚大神は、聖地に入って三五教の教えを固める意を歌に歌った。また国武彦は、自分が国治立大神の分霊であり、瑞霊・神素盞嗚大神に仕え守る役割であることを明かした。英子姫は大江山の悪神たちが、大神出立の後に秋山彦を襲うことを心配し、この館に残って鬼雲彦を言向け和す役を願い出るが、国武彦は後は自分に任せるようにと諭した。一行は由良の港から、世継王丸に乗り込んで、河瀬をさかのぼり聖地に向かった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月14日(旧03月18日) 口述場所瑞祥閣 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1922(大正11)年12月25日 愛善世界社版58頁 八幡書店版第3輯 422頁 修補版 校定版60頁 普及版25頁 初版 ページ備考
OBC rm1605
本文の文字数7281
本文のヒット件数全 9 件/神素盞嗚=9
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本文  高天原を追はれて  千座の置戸を負はせつつ
 八洲の国を漂浪の  旅に出立ち給ひたる
 神素盞嗚の大神の  行衛如何と案じつつ
 東の空を打眺め  心にかかる村肝の
 雲の渦巻サラサラと  晴れて嬉しき今日の朝
 君の便りを菊月の  上九日の菊の宴
 親子主従めぐり会ひ  胸の岩戸も秋山彦の
 神の司の真心に  綾と錦の機を織る
 赤き心は紅葉姫  万代祝ふ亀彦が
 暗を照らして英子姫  心地もわけて悦子姫
 廻り会うたる折柄に  表に聞ゆる鬨の声
 忽ち開く表門  秋山彦は立出でて
 寄せ来る魔軍に打向ひ  天の数歌勇ましく
 力限りに宣りつれば  敵の人数も大江山
 鬼雲彦が部下共  大地にドツと打倒れ
 苦み悶ゆる状態は  実に面白き限りなり
 顔色赤く目は青く  棕櫚の赤髪を振紊し
 六尺計りも踏張つて  ノソリノソリと遣つて来る
 鬼雲彦が懐の  刀と頼む鬼彦は
 虎皮の褌締め乍ら  牛の様なる角目立て
 大口開けて高笑ひ。
鬼彦『アハヽヽヽ、猪口才千万な、秋山彦が言霊の防戦、左様な事でたぢつく様な鬼彦と思うて居るか。此方には雲霞の如きジヤンジヤヒエールが、数限りもなく控へて居るぞ。仮令汝獅子王の勢あるとも、此鬼彦が片腕を揮ふや否や、汝の身体は木つ端微塵、今日は九月九日、大江山の本城に於ては、鬼雲彦の御大将、バラモンの大祭典を御執行の贄として、神前に暖かき人肉を供へ、血の酒を献らねばならぬ。それに就ては、バラモン教を目の敵と狙ふ三五教の張本人、素盞嗚尊一族の者、汝が館に隠れ忍ぶと聞く、四の五の吐さず、速に主人を吾面前に引ずり出せ。ゴテゴテ吐さば、それがし自ら踏み込みて、片つ端から腕を捻ぢ、脚を折り、量を低く致して此網代籠に詰め込み、汝諸共神の神饌に供してくれむ』
と言ふより早く、秋山彦の襟首をグツと握り、締め附けたり。秋山彦は豪力無双の鬼彦に捻ぢ伏せられ乍ら、委細構はず言霊を奏上せむとするや、手頃の石を拾つて秋山彦の口に捻ぢ込み、其上に猿轡を啣ませ、
鬼彦『アツハヽヽヽ、最早大丈夫だ、サア秋山彦、汝が唯一の武器と頼む言霊も、モウ斯うなつては叶ふまい。オイ言霊はどうだい……ヤアヤア皆の者共、最早心配は要らぬ。速に立上れ』
と云ふ間もなく、言霊に打たれて苦悶し居たる部下の魔神共は、やうやう立上がり、真つ青な顔に、空元気を附け、ガタガタ震ひの空威張り声、
『ウワア ウワア』
と鬨を作つて、盛に示威運動を開始するこそ可笑かりける。
 奥には糸竹管絃の響、長閑な歌の声、此場の光景を知らず顔に響き渡りける。魔軍は力限りに鬨の声を揚げ呶鳴り立て居たり。此方の奥殿には、此声を峰の嵐の音と聞き流し酒宴の真最中、慌ただしく駆けつけ来る門番の銀公、加米公はピタリと両手をつき、頭を畳に摺り附け乍ら、
『申上げます、表門はタタ大変で御座います』
紅葉姫『ヤア汝は加米、銀の両人、大変とは何事なるぞ。委曲に物語れ』
加米公『ハイハイ申上げます、あのモシ……あの……何で御座います。夫れは夫れは申上げ難い事で……マアマア大変な事が出来ました……斯う言へば、申上げずとも大抵、御判断が附きませう』
紅葉姫『早くしつかり申しなさい』
加米公『オイ銀公、お前は上役だ。詳しい事は、お前が知つとる筈だ。御主人の御容子を……』
銀公『ヤア此方は折悪く雪隠に往つて居つたのだから、実状は承知して居らぬ。加米、貴様は実地目撃して居つたのだ。直に申上げぬか』
加米公『上役の分際として、御主人様が危急存亡の場合、雪隠へ隠れよつて、慄うて居つたぢやないか。俺は何分大勢の寄せ手に、肝を潰し、目は眩み、実地目撃不充分、貴様は安全地帯に身を隠し、雪隠の窓から覗いて居よつたのだ。早く申さぬと、御主人様の口に石を捻ぢ込み、猿轡を箝め、高手小手に縛しめて、網代籠に、手足をもぎとり量を低うして、今日の祭典に大江山の本城に連れ帰り、犠牲にするかも知れぬぞや、早く実地を申さぬかい』
銀公『ハア申上げます。加米公の申した通り、寸分違は御座いませぬ。早く何々をなさらぬと、鬼彦が御主人様を何々して、何々へ何々するかも知れませぬ。どうぞ一時も早く表門に立向ひ、御主人様をお助け下さいませ』
素尊『ハヽヽヽヽ』
国武彦『ヤア面白い事が出来ました。鬼彦とやらの軍勢を、当館を開放し奥深く侵入させて、彼等が手振り足振りを眺め乍ら、悠くりと菊見の宴を張りませう』
亀彦『これはこれは国武彦の御言葉とも覚えぬ。今承はれば、秋山彦は敵の為に囚はれの身となり、危機一髪の場合、チツトは紅葉姫の御心中も察し上げねばなりますまい。それだから此亀彦が、寄せ来る敵に向つて進まむと致せし時、横合から吾が行動を止めさせられたは、其意を得ぬ。冷淡至極の貴下が振舞、秋山彦を見殺しになさる所存か返答聞かう』
と目を怒らし、腕を張つて詰め寄せたれば、国武彦はニツコリしながら、
『秋山彦の一人や二人犠牲にした処で、何騒ぐ事があるか。一人を殺して吾々数人が助かると云ふものだ。一人を損するか、吾等一同を損するか、利害得失を能く胸に手を当て、算段をして見よ。情を棄つるか、理智を棄つるか、二つに一つの性念場だ。情に惹かされ、大事を謬る天下の痴呆者、仮令秋山彦の三人、五人殺されようとも、神素盞嗚尊様さへ御無事ならば、吾等は是れにて満足致す。マアマアゆつくりと、酒でも飲みて、今日の酒宴を賑やかに致せ。喜悦の座席に血腥い話を持込まれては、サツパリお座が醒める』
亀彦『汝国武彦とは真赤な詐り、大江山に現はれたる、鬼雲彦が鬼の片腕、国武彦と名を偽り、三五教に忍び込み来たり、内外相応じ、神素盞嗚尊を損はむとする者ならむ、首途の血祭り、亀彦が一刀の下に斬りつけ、蹴散らかして呉れむ』
と短剣ヒラリと引抜いて、切つて掛かるを、国武彦は少しも騒がず、体を左右に躱し、あしらひ乍ら、
『アハヽヽヽヽ、亀の踊は格別面白う御座る、ヤア素盞嗚の大神殿、御愉快では御座らぬか』
『ワハヽヽヽヽ面白い面白い』
亀彦『是れは怪しからぬ、利己主義の中心、個人主義の行方……高天原を神退ひに退はれたは、寧ろ当然の成行、此亀彦は今迄貴神が悪逆無道の心中を知らず、至善至美至仁至愛の大神と信じて居たは残念だ。モウ斯うなる上は、天下の為に汝を滅し、吾れも生命を棄てて、宇宙の悪魔を除かむ』
と切つて掛るを、英子姫、悦子姫は其前に立塞がり、
『オホヽヽヽヽあの亀彦の元気な事、さぞお草臥でせう。妾が代つて一芝居致しませう。マアマアお休み遊ばせ』
 紅葉姫は声を挙げて泣伏しける。
亀彦『是れは是れは紅葉姫様、お歎き御尤も、主人の災難を聞き乍ら、女房として此れがどう忍ばれませう。あかの他人の亀彦さへも、残念で残念で堪りませぬワイ。斯う云ふ時に助けて貰はうと思つて、秋山彦が日頃の親切、イヤモウ気楽千万な素盞嗚の御大将呆れ蛙の面の水と申さうか、馬耳東風と言はうか、味方の危難を対岸の火災視し、一臂の力も添へざるのみか、愉快気に酒を飲むで戯むれむとするは、人情軽薄紙の如く、イヤもう実に呆れ果てて御座る。サア紅葉姫殿、斯かる連中に斟酌なく、亀彦と共に表へ駆け出し、秋山彦が弔戦、此細腕の続かむ限り、剣の目釘の続く丈、縦横無尽に斬り立て、薙ぎ立て、敵の奴輩一人も残さず、秋の紅葉を散らせし如く、大地を血汐に染めなし、血河屍山の大活動を仕らう、紅葉姫、サア亀彦に続かせ給へ』
と表を指して行かむとす。英子姫は腰の紐帯を取るより早く、亀彦が首にヒラリと打かけ、グイと引戻せば、亀彦は細紐に喉笛を締められ、脆くも仰向に其場にパタリと倒れたり。表に聞ゆる人声は、刻々に館の奥を目蒐けて近づき来る。
 紅葉姫は、
 心も魂も捧げたる  神素盞嗚の大神に
 力の限り身の限り  仕へまつるか但し又
 此場を棄てて吾夫の  秋山彦を救はむか。
 神命は重し又夫の身の上は、妻の身として坐視するに忍びず、千思万慮とつおいつ、心の中を紅葉姫、顔に散らした唐紅の血汐漲る鬨の声、胸はドキドキ、刻々に、近付き来る敵の勢、姫が心ぞ憐れなる。
 此場に近付き来るかと聞えし声は、何時しか消えて跡なき小春空、秋山彦は悠然と騒がず、遽らず、奥の間指して帰り来る。亀彦、紅葉姫の両人は、余りの嬉しさに、ハツと胸逼り、ものをも言はず、其場に打倒れ、夢か現か幻かと、吾と吾が心を疑ひ、思案に時を移すのみ。国武彦は立ちあがり、
『亀彦、紅葉姫、心配致すな。吾等が眷族鬼武彦をして、鬼雲彦の悪逆無道を懲す為神変不思議の神術を用ひ、敵の本城に忍ばせたれば、少しも案ずる事勿れ』
と始めて事情を打明けたるにぞ、亀彦、紅葉姫は、
『ハヽア、ハツ』
と計りに嬉し泣き、暫しは顔を得上げざりしが、素盞嗚尊は亀彦に向ひ、
『ヤア亀彦、汝が心の中の美はしさ、吾れは満足致したぞよ、イザ是れより賑々しく酒宴を催し、大江山の本城は彼等眷族に打任せ、吾々一行は由良の湊より船に乗り綾の高天原に進まむ』
と宣示し給へば、亀彦は勇み立ち、
亀彦『アヽ、ハツハヽヽヽ芽出たし芽出たし、愈是れより大神の御伴致し、聖地を指して逸早く進み上り、神政成就の基を開かむ、ヤア秋山彦、紅葉姫、お喜びあれ。貴下が誠忠、至誠、至愛の真心天地に通じたり。併し乍ら吾々一同当家を去らば、再び大江山より鬼雲彦の部下の者、又もや押し寄せ来るも計り難し、随分心を附け召されよ』
 秋山彦夫婦は涙を揮ひ、
『何から何まで、貴下の御親切、骨身に徹して辱なう存じます。併し乍ら吾等は神素盞嗚大神の御守りあれば、必ず御心配下さいますな、一時も早く聖地を指して御上り下され。神政成就の基礎を樹立する為、御奮励の程偏に希ひ上げ奉る』
と慇懃に謝辞を述べける。
素尊『ヤア秋山彦夫婦、多大いお世話になりしよ。我れは是より一先づ聖地に立向ひ、天下の悪神を掃蕩すべき準備をなさむ、船の用意を致せ』
秋山彦『ハハア委細承知仕りました。……銀公、加米公、汝は一時も早く湊に出で、御船の用意にかかれ』
銀公『ハヽア委細承知仕りました。併し乍ら船は敵軍の為に殆ど占領せられたるやも計られませぬ。万々一船なき時は、如何取計らひませうや』
 秋山彦双手を組み頭を傾け思案にくるるを、国武彦は、
『ナニ心配に及ばぬ、御船は残らず国武彦が眷属を以て守らせあれば大丈夫なり。安心致せ。且又当邸の周囲には、最早敵の片影だもなし、勇み出船の用意をせよ』
 銀公、加米公は、
『ハイ』
と答へて此場を立去りぬ。又もや糸竹管絃の響は屋外に洩るる陽気と一変したりけり。
 神素盞嗚尊は突立上り、声も涼しく歌はせ給ひぬ。
『高天原を立出でて  四方の国々島々を
 世人を助け守らむと  彼方こちらと漂浪の
 旅を重ねて西蔵や  フサの荒野を打渡り
 ウブスナ山に立籠り  イソ山峠の絶頂に
 仮の館を構へつつ  熊野樟毘命をば
 留守居の神と定めおき  我れは悲しき隠れ身の
 愛しき娘は四方八方に  四鳥の別れ釣魚の涙
 憂を重ねてやうやうに  渡りて来る和田の原
 醜の曲津も大江山  鬼雲彦を言向けて
 世人の悩みを救はむと  船に揺られて由良湊
 心も赤き秋山彦の  館に暫し身を休め
 四方の国形伺へば  十里四方は宮の内
 内と外との境なる  大江の山にバラモンの
 神の司の鬼雲彦が  又もや砦を築きつつ
 醜の荒びの最中に  訪ねて来る艮の
 神の命の分霊  国武彦と現はれて
 我れに附添ひ右左  前や後を構ひつつ
 鬼武彦の伊猛るの  神に従ふ白狐共
 暗夜を照らす朝日子や  月日明神神徳も
 高倉稲荷の活動に  悩ませられて悪神は
 愈今日は運の尽  月に村雲花に風
 心の錦秋山彦の  神の司の真心は
 紅葉の姫の如くなり  光眩ゆき英子姫
 すべての用意も悦子姫  万代固むる亀彦が
 忠義の刃研ぎすまし  さしもに猛き曲神を
 言向和すは目前  吁、面白し面白し
 さはさりながら神心  凡ての敵を救はむと
 善をば助け曲神を  懲して救ふ神の道
 青垣山を繞らせる  天津神籬磐境と
 現はれませる世継王山  深き仕組を暫くは
 雲に包みて弥仙山  本宮山に現はれて
 はちすの山の蓮華台  三五教の御教を
 常磐堅磐に搗固め  鬼も大蛇も丸山の
 神の稜威に桶伏や  汚れを流す由良の川
 言霊響く五十鈴川  曲の健びは音無瀬の
 水に流して清め行く  科戸の風の福知山
 めぐりて此処に鬼城山  鬼も悪魔も無き世ぞと
 治むる御代こそ楽しけれ  治むる御代こそ楽しけれ』
 国武彦は立ちあがり歌ひけり。その歌、
『宇宙を造り固めたる  大国治立神の裔
 国治立の大神と  綾の高天原に現はれて
 天地の律法制定し  天地を浄め照さむと
 思ひし事も水の泡  天足の彦や胞場姫の
 邪気より成れる鬼大蛇  醜の狐や悪神の
 荒びの息は四方の国  充塞がりて月も日も
 光失ひ山河や  木草の果てに至るまで
 所得ずしてサワサワに  騒ぎ烈しき醜の風
 誠嵐の吹き荒び  日の稚宮に坐しませる
 日の大神の思召し  根底の国に退はれて
 百千万の苦しみを  嘗め尽したる身の果ては
 野立彦の神と現はれて  天教山を胞衣となし
 猛火の中を出入し  此世を守る我が身魂
 世を艮の神国と  鳴り響きたる中津国
 自転倒島の中央に  姿隠して今は早
 国武彦となり下り  五六七の御代の来る迄
 心を尽し守らむと  神素盞嗚の大神の
 瑞の御霊と諸共に  愈此処に厳御霊
 三と五との組合せ  八洲の国を三五の
 教の則に治めむと  心尽しの益良夫が
 花咲く春を松の世の  松の緑に花が咲き
 一度に開く白梅の  花の香を天地に
 揚ぐる時こそ待たれける  我は是より世継王の
 山の麓に身を忍び  弥勒の御代の魁を
 勤むる艮金の神  神素盞嗚の大神は
 一旦聖地に現はれて  三五教の礎を
 築固めたる其上に  又もや海原打渡り
 大地隈なく言向けて  五六七の御代の魁を
 開く神業に真心を  注がせ給ふ瑞御霊
 三五の月のキラキラと  明き神代を望の夜の
 月より丸く治めませ  治まる御代は日の本の
 誠一つの光なり  誠一つの光なり』
 英子姫は立上り、
『父大神の御言もて  妾姉妹八乙女は
 豊葦原の中津国  メソポタミヤの顕恩の
 郷に籠れる曲神の  鬼雲彦を平げて
 三五教の神の道  八洲の国に照さむと
 思ふ折しも曲神が  醜の企みの捨小船
 波のまにまに流されて  流す涙も海の上
 荒き汐路を踏み分けて  やうやう此処に揺られつつ
 由良の湊に来て見れば  秋山彦が真心に
 妾等二人は照されて  心の暗も晴れわたる
 斯る浮世に鬼無しと  世人は言へど大江山
 鬼の棲家のいと近く  人の生血を絞り喰ふ
 此有様を聞き乍ら  どうして此場を去られうか
 父大神や国武彦の  神の命の出立は
 是非に及ばず然り乍ら  妾は後に残り居て
 鬼雲彦の一類を  言向和し世の中の
 醜の災禍根を絶ちて  聖地に進むも遅からじ
 許させ給へ父の神  国武彦の大神よ
 偏に願ひ奉る  偏に拝み奉る』
と両手を合せ、二神に向つて拝礼し、涙と共に頼み入る。
国武彦『英子姫の願、一応尤もなれども、多寡が知れたる鬼雲彦が一派、何の恐るる事かあらむ。神力無限の鬼武彦をして、彼れ悪神が征討に向はせたれば安心あれ、サアサア一時も早く聖地を指して進み行かむ。躊躇に及ばば、鬼雲彦が一派鬼掴の眷属共、我等が到着に先立ち、聖地を穢すの虞あり、イザ早く……』
と急き立つれば、神素盞嗚の大神は、装束整へ、一行と共に悠然として此家を立出で、由良の湊の渡船場、世継王丸に身を任せ、折から吹き来る北風に真帆を孕ませ、悠々と河瀬を溯り給ふこそ尊けれ。
(大正一一・四・一四 旧三・一八 於瑞祥閣 松村真澄録)
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