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文献名1霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻
文献名2第1篇 雪山幽谷よみ(新仮名遣い)せつざんゆうこく
文献名3第6章 瑞の宝座〔617〕よみ(新仮名遣い)みずのほうざ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-10-23 15:54:38
あらすじ樹木が鬱蒼として四方を山に囲まれた清浄の境域に、水晶のような水が流れ、所々に青い清泉が散在している。中空には微妙の音楽と共に天津乙女が舞い、霊鳥が飛び交っている。苔むす麗しい巌の上に、悦子姫が立って日の丸扇を両手に持って、豊国姫命と三五教を讃える歌を歌い舞っている。音彦はこれまでの宣伝の経緯を歌に歌った。そして真名井ケ原の霊場を讃え、ここに禊して瑞霊と成り代わって曲津神を言向け和す決意を表した。一同は音彦の歌に勇み立った。そして、豊国姫命が神姿を現すという中央の石の宝座に向かって天津祝詞を奏上し、宣伝歌を歌い終わった。そこへ加米彦が息せき切って報告にやってきた。黒姫が、フサの国からやってきた高山彦という将軍と結婚し、共に軍勢を引き連れて真名井ケ原に攻め寄せてきたのであった。音彦は青彦と加米彦に、ウラナイ教軍を言向け和すように命じ、自らは悦子姫とともに豊国姫命の神勅を乞うた。加米彦、青彦が言霊を射照らすと、魔軍はばたばたと倒れ、高山彦は黒姫とともに馬に乗って遁走した。二人が戻ってくると、悦子姫に豊国姫命が降臨して、神勅を降しつつあった。ご神名は、豊雲野尊またの御名を豊国姫神という。国治立大神と共にいったん地底の国に身を潜めていた。再び地教山に現れた。そして国土を修理固成しつつ時の至るのを待っていた。天運循環し、天津神よりこの聖地を鎮座所と定められた。この地に霊魂を止めて自転倒島はもとより、大八洲の国々に霊魂を配って世を永遠に守る。鬼雲彦を使役していた八岐大蛇の片割れが、鬼ケ城に姿を隠して、聖地を窺っている。悦子姫、音彦、加米彦、青彦は進撃して敵を言向け和せ。悦子姫らは豊国姫命の神勅により、鬼ケ城へ向かった。音彦は、平助親子に祝詞と宣伝歌の力を説いて聞かせた。平助らは家路についた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月21日(旧03月25日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年1月10日 愛善世界社版79頁 八幡書店版第3輯 553頁 修補版 校定版82頁 普及版35頁 初版 ページ備考
OBC rm1706
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本文  樹木鬱蒼として生茂れる四方山に包まれたる清浄の境域に、水晶の如き水は潺々として流れ、処々に青み立ちたる清泉幾つとなく散在して居る。中空には容色麗しき天津乙女の七八人、微妙の音楽につれて右往左往に舞ひ狂ひ、迦陵頻伽、鳳凰、孔雀の瑞鳥相交はりて前後左右に飛び交ふ様は、天国浄土の大祭日も斯くやと思はるる許りの壮観なりき。苔生す美はしき巌の上に容色端麗にして威儀儼然たる一人の女性、日の丸の扇を両手に持ちて唄ひ居れり。
『自転倒島は松の国  堅磐常磐に揺ぎなく
 御代は平らに安らかに  国も豊に治まりて
 天下泰平国土成就  五穀成熟山青く
 水清く実に豊国姫の  神の命の知らす世は
 天津御空の神国か  常世の春の永久に
 栄え久しき松の御代  天津神たち国津神
 万の神等始めとし  百の民草押し並べて
 歓ぎ賑ふミロクの世  天津乙女は天上に
 錦の袖を翻し  鳥は万代囀ひ舞ふ
 天と地との水鏡  真如の月を浮べつつ
 神素盞嗚の大神の  此世を清め洗ひます
 瑞の霊は弥赫耀に  輝き渡る大御代の
 誉目出度き三五の  神の教の遠近に
 真名井ケ原と鳴り響く  豊国姫の神霊
 神素盞嗚の瑞霊  野立の彦や野立姫
 暗夜を照らす日の出別  一度に開く木の花の
 咲耶の姫の御神姿  青雲高き富士の山
 轟き鳴戸瀬戸の海  深き恵みの神の露
 潤ふ世こそ楽しけれ  潤ふ世こそ楽しけれ
 春とは言へど尚寒き  四方の山々樹々の雪
 纒ひて謳ふ君が御代  君と臣とは睦び合ひ
 青人草も服ひて  世は永久に栄え行く
 国治立の大神の  表に現はれ知らす世を
 松竹梅の永久に  待つ間の長き鶴の首
 万代祝ぐ緑毛の  亀の齢の限りなく
 三五教の神の教  千代に栄えよ永久に
 幾億年の末迄も  動かぬ御代と進み行け
 変はらぬ御代と開け行け  教の道は開け行く
 御代の扇の末広く  神の御風に靡く世を
 来たさせ給へ惟神  霊幸倍坐し坐世よ
 アヽ惟神惟神  霊の幸を永久に
 世人の上に悉く  蒙らせ給へ大御神
 豊国姫の神霊  千代に八千代に祈ぎ奉る』
と自ら謡ひ自ら舞ひつつあるのは三五教の宣伝使悦子姫なりき。音彦は立ち上り、
『高天原を追はれて  地教の山に伊邪那美の
 尊に会はせ給ひつつ  名も高国別と現はれし
 活津彦根と諸共に  山河渡り野路を越え
 高山四方に廻らせる  西蔵国を言向けて
 フサの国をば横断し  ウブスナ山の頂に
 斎苑の宮居を建て給ひ  熊野樟日の命をば
 守護の神と定めつつ  神素盞嗚の大神は
 八洲の国を悉く  廻り給ひて今此処に
 自転倒島に渡りまし  由良の港の国司
 秋山彦の神館に  暫時息をば休ませつ
 聖地を指して出で給ひ  国武彦の大神に
 神政成就の経綸を  神議りに議らせつ
 東を指して出で給ふ  後に残りし英子姫
 万代祝ふ亀彦の  神の命は大江山
 曲の猛びを鎮めむと  悦子の姫を伴ひて
 剣尖山の谷の底  由緒も深き霊泉に
 魂を清めて皇神の  珍の御舎仕へまし
 悦子の姫は青彦を  伴なひ再び大江山の
 魔窟ケ原に来て見れば  心汚き黒姫の
 辻褄合はぬ繰言に  言向け兼ねて進み来る
 心も清き雪の道  天の橋立後に見て
 駒に鞭つ膝栗毛  此音彦も諸共に
 悦子の姫の後を追ひ  真名井ケ原に来て見れば
 聞きしに勝る神の園  天の真名井と名にし負ふ
 清き流れに身禊して  瑞の霊となり代り
 四方の国々島々に  羽振りを利かす曲神を
 言むけ向和し神国の  守護の神と現はれて
 瑞の霊に神習ひ  御代永久に守るべし
 アヽ勇ましし吾心  アヽ美はしき神の庭
 神より生れし神の子の  務めを尽すは此時ぞ
 神の力を世に広く  輝き照らすは此時ぞ
 アヽ惟神々々  霊幸倍坐世よ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  神の大道は変へざらめ
 誠の道は外さざれ  容も貌も悦子姫
 聖の御代に青彦や  万代祝ふ加米彦の
 身魂照らすは今なるぞ  勇み進みて皇神の
 珍の御業に仕へなむ  珍の御業に仕へなむ
 アヽ惟神々々  御霊幸倍坐世よ』
 音彦の此歌に悦子姫を始め一同は勇み立ち、豊国姫の時々神姿を現はし給うてふ、中央の石の宝座に向つて天津祝詞を奏上し、宣伝歌を謡ひ終る。折しも息せききつて走り来る加米彦は、
『ハー悦子姫様、音彦さま、青彦さま、その他の御連中様、御用心なされませ、只今ウラナイ教の魔神の大将株なる黒姫は、何時の間にやら数多の眷族を駆り集め、此地に向つて攻め寄せ、貴方等を十重二十重に取捲き、霊肉ともに殲滅せしめむとの計略整へ、時ならず此場に向つて進撃し来る形勢歴然たるもので御座いますれば、別条はありますまいが其お考えで居て下さい。仮令黒姫幾千万の曲神を引率れ押寄せ来るとも、此加米彦が円満清朗なる言霊の発射に依つて、一人も残らず言向け和すは案の内、必ず共に御油断あるな』
と息を喘ませ物語る。
音彦『アハヽヽヽ、黒姫の奴、百計尽きて今度は死物狂ひになりよつたな、小人窮すれば乱すとかや。ヤア之は面白い面白い、それに就いても俄に偉い元気になつたものだナア』
加米彦『承はれば高姫の肝煎りにて、フサの国より高山彦と云ふ勇将、数多の軍勢を引き率れ来り、黒姫と結婚の式を挙げ勢力を合して大団体を作り、一挙に素盞嗚尊の根拠地たる、真名井ケ原を攻略せむとの彼等が計画と承はる、必ず必ず御油断あるな』
音彦『アハヽヽヽ、又しても又しても、飛んで火に入る夏の虫か、憐れな者だな。青彦、汝は加米彦と共に、言霊を以て寄せ来る敵を言向け和せ、吾は悦子姫様と共に豊国姫の降臨を仰ぎ神勅を乞はむ』
『委細承知仕りました。吾々二人ある限り仮令雲霞の如き大軍一時に攻め寄せ来るとも、言霊の速射砲を以て鏖殺しに仕らむ、アヽ面白し面白し』
と勇み喜ぶその健気さ。悦子姫は声を掛け、
『ヤア加米彦殿、青彦殿、妾は皇大神の深き御威霊を賜り、最早神変自由の神業を修得したれば、天下に恐るるものは何物もなし。汝等妾に心惹かれず力限り言霊を以て奮戦せよ』
 加米彦、青彦一度に頭を下げ地上に両手をつき、
『委細承知仕りました、何分宜敷御願ひ申す』
と勇み進みて此場を立退かむとする。時しもあれ、加米彦の急報に違はず近づき来たる黒姫が軍勢、高山彦を先頭に旗鼓堂々と此方に向つて進み来る物々しさ。
 加米彦、青彦は寄せ来る高山彦の軍勢に向ひ、
『ヤア高山彦、御参なれ、身の程知らぬ馬鹿者共、某が言霊の速射砲にかかつて斃るな』
 高山彦は馬背に跨り乍ら、
『ヤア汝は噂に聞く木端武者の加米彦とやら、その広言は後に致せ、ヤアヤア者共、加米彦、青彦に向つて進撃せよ』
 常彦、菊若、夏彦、富彦、岩高の大将株は高山彦の指図の許に、各々数多の部下を引率れ、二人の周囲をバラバラと取り囲み、
『サア加米彦、青彦、其他の奴輩、もう斯うなつては叶ふまい、此方が刃の錆とならむよりは、一時も早く心を改め素盞嗚尊の邪教を捨ててウラナイ教の誠の道に帰順致すか、神は汝等を憐れみ給ふぞ、我を折り降参致せば、如何に反対せし悪の身魂も赦して遣はす、サア返答は如何じや、如何に汝勇猛なりとて多勢に無勢、最早汝が運の尽、返答如何に覚悟は如何ぢや』
と四方八方より抜刀を揃へ攻めかかる、加米彦、青彦は一度に高笑ひ、
『アハヽヽヽ、心も黒い色も真黒々の黒助の黒姫に加担致す馬鹿者共、仮令幾万人攻め来る共蟷螂の斧を揮つて竜車に向ふにも等しき奴輩、吾言霊の神力を見よ』
と云ふより早く双手を組み一生懸命に神霊の注射をサーチライトの如く指頭より発射し、右に左に向つて振り廻せば、数多の寄せ手は俄に頭痛み、眩暈ひ、舌つり、身体或は強直し或は痳痺し、ウンウンと呻声を立てて此場にバタリと倒れたり。黒姫は此体を見て高山彦の馬に跨り、馬上に二人抱き合ひ乍ら雲を霞と逃げ行く可笑しさ。加米彦は打笑ひ、
『アハヽヽヽ、青彦殿、扨ても扨ても愉快な事では御座らぬか、吾々誠の神の教を伝ふる宣伝使に向ひ、傍若無人にも凶器を携へ攻め来り、脆くも吾言霊の発射にザツクバラン、身体竦み忽ち地上に倒れて藻掻く可笑しさ、それに付けても一層面白きは黒姫、高山彦の両人、味方を見捨て逃げ行く狼狽へさ加減、何と愉快では御座らぬか』
青彦『アハヽヽヽ、実に愉快ですな、矢張三五教は違ひますよ』
加米彦『貴方も、もう高姫のウラナイ教には、よもや後戻りは成されますまいなア』
青彦『仮令大地が覆へるとも変つてなりませうか』
加米彦『サア、何とも分らぬ、まだお前さまの言霊には少し許り濁りがある、その濁りの分がまだウラナイ教に執着心があるのだ』
青彦『殺生な事を言つて下さるな、其濁りはウラナイ教の信仰の惰力でせう。もう暫らくお待ち下さらば本当の言霊が出る様になりませう』
加米彦『それは兎も角、悦子姫様、音彦さまがお待ち兼ねでせう、サアサア早く霊場へ引き返しませう』
と先に立つて行く。悦子姫は音彦の審神の許に豊国姫の神の御降臨の最中なりける。
音彦『只今悦子姫の肉の宮に懸らせ給ふ大神は何れの神に坐しますぞ、仰ぎ願はくば御名を名乗らせ給へ、某は三五教の宣伝使音彦の審神者に御座います、神界の思召、何卒委細に吾等に仰せ聞けられ下されますれば有難う御座います』
神懸者『我は豊雲野尊、又の御名豊国姫の神なるぞ、国治立の大神と共に一旦地底の国に身を潜め、再び地教の山に現はれて、大海原に漂へる国土を修理固成なしつつ時の至るを待ち居たりしに、天運循環して天津神より此聖地を我鎮座所と神定め給ひたり。我は此地に霊魂を止め自転倒島はいふも更なり、大八洲の国々島々に我霊魂を配り置きて世を永久に守らむ。汝は之より鬼雲彦を使役しつつありし八岐大蛇の片割れ鬼ケ城山に姿を隠し時を窺ひ、聖地を蹂躙せむとしつつあれば一日も早く此場を立ち去り、加米彦、青彦を引率れ此比治山の峰伝ひに鬼ケ城山に向へよ、我は汝が影身に添ひ、太しき功勲を永久に立てさせむ、必ず必ず案じ煩ふな、仮令幾千万の曲神攻め来るとも屈するな、恐るるな、神を力に誠を杖に善く戦へ、誠の鉾を執つて敵を言向け和せよ、又此聖地は我霊魂永久に守りあれば後に心を残す事なく一刻も早く此処を立ち出でよ。加米彦、青彦、汝等も音彦と共に鬼ケ城に向つて進撃せよ』
音彦『委細承知仕りました、いざ之よりは悦子姫様を先頭に吾々一同時を移さず、八岐大蛇の退治に立ち向ひませう、何卒々々御守護を仰ぎ奉る』
豊国姫『何事も神に任せ汝等が力のあらむ限り誠を尽せよ』
と云ひ残し神あがり給ひければ、悦子姫は初めて正気に復り、
『アヽ有難し有難し、大神の御降臨、サア音彦殿、その他御一同様、鬼ケ城に時を移さず神勅のまにまに向ひませう』
『委細承知仕りました、左様ならば之より参りませう』
加米彦『サア平助、お楢、お節どの、御苦労でありました、之でお別れ致しませう』
平助『私達は之から貴方等に別れて後は如何致しませう、只今の如く数多の軍勢押し寄せ来らば、吾々は如何とも防ぎ戦ふ事は出来ませぬ、何卒吾々も一緒に連れて行つて下さいませぬかナア』
音彦『ヤ、それはなりませぬ、然し乍ら如何なる敵も御心配遊ばすな、叶はぬ時は三五教の祝詞を奏上し宣伝歌をお謡ひなさい。さすれば如何なる強敵も雲を霞と逃げ去つて仕舞ひます、之が神歌の功力であります。左様なら、親爺どの、婆アさま娘子、御縁があらば又御目に懸らう』
と左右に分れ比治山の嶺伝ひに南を指して宣伝歌を謡ひつつ一行四人は進み行く。平助親子三人は名残を惜みつつ、トボトボと家路を指して帰り行く。
(大正一一・四・二一 旧三・二五 北村隆光録)
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