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文献名1霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻
文献名2第3篇 鬼ケ城山
文献名3第16章 城攻〔627〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ鬼熊別と蜈蚣姫は宣伝使らが三嶽の岩窟を破って鬼ケ城に進んできたことを知り、城内の兵士を集めて作戦会議を開いた。
荒鷹、鬼鷹は、紫姫、丹州、鹿公、馬公とともに言霊戦に立ち向かうことを申し出、鬼熊別・蜈蚣姫の許可を得た。
鬼ケ城側が防戦準備をしていると、加米彦が寄せ手として宣伝歌を歌いながら進んできた。
加米彦の宣伝歌に鬼ケ城の士卒たちは苦悶の態を現したが、鬼ケ城からは丹州が応戦した。丹州の歌は、鬼熊別を弁護するようでいて、それとなく改心を勧める歌であった。
続いて夏彦が、攻撃側として宣伝歌を歌うが、こっけいな言霊で、加米彦からからかわれる。
守備側の鬼ケ城では、鹿公が立って防戦の歌を歌うが、これもまたこれまでの経緯を滑稽に歌った歌で、歌い終わると鹿公は、一目散に三五教の陣に走ってきて降伏してしまう。
鹿公の様子のおかしさに、宣伝使一同は吹きだす。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月23日(旧03月27日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所
OBC rm1716
本文の文字数5426
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本文  冷たき風も福知山、世を艮の大空に聳り立ちたる鬼ケ城、千引の岩にて固めたる、鬼熊別が千代の住家、金城鉄壁一卒これを守れば万卒攻むべからざる、敵の攻撃に対しては絶対的の安全地帯、岩窟の中に築きたる八尋殿に砦の棟梁鬼熊別は、角の生えたる命の女房、顔色黒い蜈蚣姫数多の人足従へて夜昼堅固に守り居る。鬼熊別が懐中刀と頼みたる、荒鷹、鬼鷹始めとし、紫姫や容貌美き丹州の、味方の兵士を呼び集め、三五教の宣伝使、悦子姫が率ゐ来る言霊隊の進軍に対して、防戦の協議を凝らす大会議、数多の従卒岩窟戸の周囲を十重二十重に取り囲み、敵の襲来に備へ居るその物々しさ、よその見る目も勇ましき。鬼熊別は一同に向ひ、
『三五教の奴原、大江山に在す鬼雲彦の御大将の館を蹂躙し、尚ほ進みて三嶽の岩窟を破壊し去り、今や少数の神軍をもつて本城に押し寄せ来るとの注進、吾は名に負ふ大軍を擁し、斯る堅城鉄壁を構へ居れば、如何なる英雄豪傑鬼神の襲来と雖も屈するに及ばず、然はさりながら油断は大敵、汝等は是より、味方の数多の部下を引率し、所在武器をもつて敵に向ひ、只一戦に殲滅せよ、夫についての作戦計画、意見あらば各吾前へ開陳せよ』
と厳命したりければ、荒鷹は進み出で、
荒鷹『御大将の御仰せ、一応御尤もでは御座いますが、御存じの通り大江山の鬼雲彦は数多の味方を擁しながら、僅四人の宣伝使のために一敗地に塗れて雲を霞と遁走せられたる如く、到底天来の神軍に対し武器をもつて向ふは心許なし、何か良き方法あらばお示し下さいませ』
蜈蚣姫『さうだと申して此鬼ケ城に於ては、槍、長刀、剣の外に敵に対する武器はあらず。汝等如何に致す所存にや、良策あらば遠慮なく開陳せよ』
鬼鷹『畏れながら、鬼熊別、蜈蚣姫様に申上ます、敵は言霊を以て迫り来り、五色の霊光を放射し敵を縦横無尽に駆悩ます神力を具備し居れば、到底此儘にては叶ひ難し。吾は幸ひ一声天地を震撼し、一言風雨雷霆を叱咤する神力を図らずも三嶽山の山上に於て白髪異様の神人より伝授されました、もう此上は大丈夫、仮令幾万の武器ありとも、部下の身体を霊縛されなば如何ともする事は出来ますまい、吾々は言霊を以て寄せ来る敵を殲滅するを最上の策と存じます』
鬼熊別『汝一人如何に言霊を応用すればとて、其他の部将は如何致す積りだ』
鬼鷹『畏れながら、荒鷹、丹州、紫姫のお歴々は、私と一度に神変不思議の言霊の妙術を神人より伝授され居りますれば、必ず必ず御心配あらせられな、仮令三五教の宣伝使、神変不思議の霊術をもつて迫り来るとも、吾が言霊の威力を以て、縦横無尽にかけ悩まさむ、必ず必ず数多の部下を労し、兇器をもつて向はせ給ふべからず、確に吾々勝算が御座る』
と事もなげに述べ立てたるに、鬼熊別、蜈蚣姫は満面に笑を湛へ、
『然らば鬼鷹汝に全軍の指揮を命ず、必ず共に油断致すな、吾は是より高楼に登り、汝等が奮戦の状況を見む、蜈蚣姫来れ』
と此場を立つて奥の一間に悠々と忍び入る。忽ち聞ゆる宣伝歌の声に耳を聳立て、
鬼鷹『ヤアヤアかたがた、敵は間近く攻め寄せました、何れも防戦の用意あれ』
荒鷹『仮令三五教の宣伝使、悦子姫、音彦、加米彦、青瓢箪彦、腰の曲つた夏彦、狐のやうに目の釣り上つた常彦押寄せ来るとも、吾は孫呉の秘術を揮ひ、否々神変不思議の言霊の妙術を発揮し、敵を千変万化に駆悩まし、勝鬨上げるは瞬く間』
と勇める顔色英気に満ち、威風凛々として四辺を払ふ勇ましさ。一同は双手を打ち一斉にウローウローと鬨の声、山岳も崩るる許りの光景なり。
 宣伝歌の声に一同は勇み立ち、鬼鷹、荒鷹其他の言霊隊は廊下に立ち現はれ、寄せ来る神軍の言霊の散弾に向つて防戦の用意に取りかかりぬ。寄手の部将加米彦は声も涼しく宣伝歌を宣り始めたり。
『神が表に現はれて  善と悪とを立て別ける
 鬼熊別の運の尽き  亡び行く世は如月の
 三五の月は大空に  明皎々と輝きて
 鬼の頭を照すなり  万代祝ふ加米彦が
 悪魔の砦に攻め寄せて  宣る言霊は天地の
 百の神達八百万  諾ひ給へ鬼ケ城
 群がる曲を言向けて  西のへと逐散らし
 豊葦原の瑞穂国  隈なく照す言霊の
 誠の水火を受けて見よ  槍雉刀や剣太刀
 穂先を揃へて攻め来とも  皇大神の守ります
 吾加米彦の誠心は  火にも焼けない又水に
 溺れもせない如意宝珠  万代朽ちぬ生身魂
 玉の御柱立て直し  言向け和す其ために
 今や加米彦向うたり  吾と思はむ奴原は
 一人二人は面倒だ  千万人も一時に
 小束となつて攻め来れ  三五教の宣伝使
 神の御魂を蒙りて  息吹の狭霧に吹き払ひ
 風に木の葉の散る如く  吹き散らさむは目のあたり
 心改め吾前に  帰順致すかさもなくば
 城を枕に討死か  それも厭なら逸早く
 城明け渡し逃げ出せ  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  此加米彦が麻柱の
 心の魂に言向けて  丹波の空に塞がれる
 雲霧四方に吹き払ひ  清めて晴らす神の道
 嗚呼面白い面白い  神の守りの宣伝使
 嗚呼惟神々々  御魂幸はひ坐ませよ』
と謡ひ終りし加米彦が宣伝歌に四辺を守る数多の部卒は頭を振り暫く苦悶の体を現はしける。
 少壮白面の丹州は、加米彦の言霊に応戦すべく白扇を披き左右左に打ちふりながら、
『誠の風の福知山  人の心の鬼ケ城
 鬼も大蛇も言向けて  世人を救ふ神心
 鬼熊別はバラモンの  神の教の宣伝使
 素より悪き者ならず  顔色黒き蜈蚣姫
 色の黒いに霊ぬかれ  知らず識らずに水晶の
 清き霊は曇り果て  常夜の暗となり果てぬ
 さはさりながら加米彦よ  人は神の子神の宮
 悪の中にも善がある  善に見えても悪がある
 鬼熊別の大将は  欲に心を曇らせて
 曲の言霊宣りつれど  時節来れば又元の
 神の霊と立ち復り  神の御為め国のため
 世人のために勲功を  ひよつと立てまいものでない
 許せよ許せ麻柱の  神の教の宣伝使
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 唯何事も人の世は  直日に見直せ聞き直せ
 身の過ちは宣り直せ  これぞ天地の大神の
 御旨に等しき心なり  嗚呼加米彦よ加米彦よ
 これの砦に立ち向ひ  言霊戦を開始して
 勝鬨あぐる汝が心  さはさりながらさりながら
 満つれば欠くる世の習ひ  弱きを助け強きをば
 抑へて行くが神の道  勝に乗じて徒に
 吾等が味方を悩ますな  神の御眼より見給へば
 世界の者は皆我が子  神は親なり人は子よ
 人と人とは兄弟よ  兄弟喧嘩は両親に
 対して不幸となるものぞ  吾が言霊の一つだに
 汝が耳に入るならば  早く此場を立ち去れよ
 世人を救ふ宣伝使  嗚呼惟神々々
 御魂幸はへましませよ』
と謡ひ終り忽ち姿を隠したり。
加米彦『何だ丹州の奴、敵だか味方だか訳の分らぬ事を云ひよつたな、エヽ気の弱い奴だ。鬼熊別に余程気兼をして居ると見える哩、アハヽヽヽヽ』
 腰のくの字に曲つた小男の夏彦は敵の岩窟に向ひ、言霊戦を開始すべく宣伝歌を歌ひ始めたり。
『鬼の棲家と聞えたる  曲津の潜む鬼ケ城
 鬼熊別や蜈蚣姫  牛のやうなる角生やし
 虎皮の褌きうと締め  広い世界をのそのそと
 吾物顔に蹂躙り  彼方此方の女達
 弱いと見たら忽ちに  小脇に掻い込み連れ帰り
 寄つてかかつて嬲者  生血を啜り肉を喰ひ
 未だ飽き足らで人の家に  隙を窺ひ忍び込み
 目より大事と蓄へた  金や宝をぼつたくり
 栄耀栄華の仕放題  雲に聳ゆる鬼ケ城
 殊更高い高楼に  登つて悠くり酒喰ひ
 世人を眼下に見下して  暑さ寒さも知らず顔
 いかい眼を剥き鼻を剥き  大い口をかつと開け
 人を見下ろす鬼瓦  夏彦司の言霊の
 霰を喰つて忽ちに  がらりがらりとめげ落ちる
 鬼熊別の身の果てぞ  今から思ひやられける
 春とは云へど夏彦が  誠にアツき言霊の
 矢玉を一つ喰つて見よ  鬼鷹、荒鷹、鹿に馬
 紫姫も丹州も  風に木葉の散る如く
 不意を喰つてばらばらばら  夕立のやうな涙雨
 乾く間もなき袖時雨  月は御空に輝けど
 汝がためには運の尽き  ウロつき間誤つきキヨロつきの
 ウロつき廻る狐憑き  鬼に大蛇はつきものぢや
 昔々の神代より  鬼の夫に蛇の女房
 世の諺はあるものに  これや又何とした事か
 鬼の女房に蜈蚣姫  青い爺に黒い嬶
 サア是からは夏彦が  日頃鍛へし言霊の
 霊弾を向けて鬼ケ城  紅蓮の舌で舐めてやろ
 嗚呼面黒い面赤い  嗚呼惟神々々
 とても叶はぬ叶はぬから  耐りませぬと鬼共が
 逃げ行く姿を目の当り  見る吾こそは楽しけれ
 見る吾こそは面白き。
アハヽヽヽ』
加米彦『オイ夏彦、何と云ふまづい言霊だ、ソンナ事で敵が降服するものか、宣り直せ宣り直せ』
夏彦『身魂相応の言霊をやつたのだ、何程宣り直せと云うても、はや品切に相成申候だよ』
加米彦『アハヽヽヽ、怪体の言霊もあるものだなア、併しこれも今度の戦闘の景物と思へば辛抱が出来るよ』
夏彦『何れ腰が曲つて居るものだから、臍下丹田から出る言霊も何うせ腰折れ歌だよ、アハヽヽヽ』
 岩窟の方より鹿公は立ち上り、又もや扇を打振り打振り、寄せ手に向つて大音声に言霊戦を開始したり。その歌、
『真名井ケ原に現れませる  豊国姫の大神に
 詣でむものと紫姫の  神の司は都をば
 立ち出で給ひ馬と鹿  二人の伴を従へて
 山越え谷越え川を越え  大野ケ原や里を越え
 真名井ケ原の手前迄  進み来れる折柄に
 三嶽の岩窟に立て籠る  荒鷹、鬼鷹両人が
 部下の魔神に欺かれ  真名井ケ原は此方ぢやと
 云うた言葉を真に受けて  暗き岩窟に誘はれ
 深い穴へと放り込まれ  馬と鹿とは馬鹿を見た
 紫姫は幸に  渋皮剥けたるお蔭にて
 鬼鷹荒鷹両人が  お目に留まつて助けられ
 チンコ、はいこと敬はれ  岩窟の女王となり済まし
 権威を揮ふ凄じさ  間もなく出て来た麻柱の
 神の教の宣伝使  容貌も形も悦子姫
 松吹く風の音彦や  背の堅い加米彦が
 のそのそ来る谷の口  バサンバサンと衣洗ふ
 婆々にはあらぬ紫姫の  神の司の優姿
 肝を潰して加米彦が  荊棘の茂る坂道を
 転けつ辷りつ漸うに  岩窟の前にやつて来て
 思ひがけなき陥穽  ドスンと落ちて尻餅を
 ついたかつかぬか俺や知らぬ  それから三人のこのこと
 紫姫に誘はれ  岩窟の中にやつて来て
 俺を助けて呉れた故  そこで二人は麻柱の
 神の教に入信し  三嶽の山の絶頂で
 レコード破りの風に遇ひ  これや耐らぬと四つ這ひに
 なつて漸う木の茂み  一同此処に息やすめ
 白河夜船と寝て居れば  鬼鷹荒鷹やつて来て
 鹿と馬とを後手に  縛つて又もや岩窟に
 押し込められた夢を見て  ビツクリ仰天起き上り
 月の光を賞めながら  其辺をぶらつく時もあれ
 現はれ来る黒い影  摺つた揉みたといさかいつ
 とうとう鬼鷹荒鷹の  二人の奴を言向けて
 三五教に導きつ  悦子の姫の命令で
 帰つて来たは表向  おつとどつこいこれや違ふ
 俺が言ふのぢやなかつたに  余り嬉して間違つた
 ヤイヤイ夏彦常彦よ  ドツコイすべつた灰小屋で
 灰にまみれて真黒気  もう斯うなれば是非もない
 他人は兎も角俺だけは  今を限りに鬼熊別の
 大将に尻を喰ますぞよ  むかづくまいぞよ蜈蚣姫
 うつかり剥げた嘘の皮  俺の身魂はまだ暗い
 言霊戦は皆駄目だ  嗚呼惟神々々
 御霊幸はひましませよ  蛙は口から知らぬ間に
 腹の中をば曝け出し  もう叶はぬから逃げて出る
 三五教の宣伝使  本当に吾は帰順する
 何うぞ赦して下されや』
と尻を捲つて一散走り、音彦が戦陣に向つて、一目散に逃げ来る可笑しさ、悦子姫、音彦、加米彦は可笑しさに吹き出し、笑ひ転けたり。
(大正一一・四・二三 旧三・二七 加藤明子録)
(昭和一〇・五・二六 王仁校正)
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