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文献名1霊界物語 第17巻 如意宝珠 辰の巻
文献名2第3篇 鬼ケ城山よみ(新仮名遣い)おにがじょうざん
文献名3第17章 有終の美〔628〕よみ(新仮名遣い)ゆうしゅうのび
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-02-14 01:04:22
あらすじ
常彦は、随所に滑稽をちりばめつつ、鬼熊別に降伏を促す宣伝歌を歌う。防戦の馬彦は、どっちの味方かわからない歌を歌い、攻撃側の加米彦に冷やかされる。

青彦が改心を促す宣伝歌を歌うと、それに応じて荒鷹が歌を返すが、その歌は、今まで自分が使えた鬼熊別・蜈蚣姫に改心を促す歌になっていた。

続いて音彦が宣伝歌を歌い、鬼鷹がそれに応じた。鬼鷹はこれまでの悪行を悔いて、瑞霊の恵みに立ち返るよう促す歌を歌い、天地に向かって合掌しつつ、嬉し涙を流しながらその場に倒れた。

鬼熊別の部下たちも、鬼鷹の歌に感激して大地にひれ伏した。続いて紫姫、悦子姫が宣伝歌を歌った。すると鬼ケ城の高殿から火煙が上がった。見ると、鬼熊別と蜈蚣姫は天の岩船に乗り込んで東方の天に逃げて行った。

敵味方の士卒たちは三五教万歳の声を張り上げた。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年04月23日(旧03月27日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年1月10日 愛善世界社版267頁 八幡書店版第3輯 622頁 修補版 校定版275頁 普及版119頁 初版 ページ備考
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本文の文字数5903
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本文 常彦『世は常暗と成り果てて  鬼や大蛇や曲津神
 天が下をば横行し  吹き来る風は腥く
 歎き悲しむ人の声  鬼の棲むてふ大江山
 憂を三嶽の岩窟に  鬼熊別の片腕と
 誇り顔なる鬼鷹や  情容赦も荒鷹の
 爪研ぎすまし世の人を  見付け次第に引攫み
 岩窟の中へと連れ帰り  人を悩ます曲津神
 それさへあるに鬼ケ城の  数多の部下を従へて
 天が下をば吾儘に  振る舞ひ暮す曲霊
 鬼熊別を始めとし  それに連れ添ふ蜈蚣姫
 数多の魔神と諸共に  バラモン教の教理をば
 世人欺く種となし  男、女の嫌ひなく
 暇さへあれば引捕へ  己が棲処へ連れ帰り
 無理往生に部下となし  日に日にまさる頭数
 烏合の衆を駆り集め  世を驚かす空威張り
 山砦は立派に見ゆれども  その内実は反比例
 風が吹いてもガタガタと  障子は踊る戸は叫ぶ
 柱はグキグキ泣き出す  一寸の風にも屋根の皮
 剥けて忽ち雨が漏る  コンナ山砦を偉相に
 難攻不落の鉄城と  誇る奴等の気が知れぬ
 鼻の糞にて的貼つた  様な要害何になる
 三五教の言霊に  忽ち城は滅茶々々に
 砕けて逃げ出す曲津共  蜘蛛の子ちらす其の如く
 四方八方に散乱し  這うて逃行く可笑しさは
 他所の見る目も哀れなり  ドツコイ待つたそれや先ぢや
 今は鬼鷹荒鷹が  死力を竭して防戦の
 真最中のお気苦労  遥に察し奉る
 もう良い加減に我を折つて  運の尽きたる此城を
 綺麗薩張引き渡せ  花も実もある其間に
 渡すが利巧なやり方ぞ  人を助ける宣伝使
 相互の為にならぬ様な  下手な事をば申さない
 サアサア如何ぢや、さア如何ぢや  返答聞かせ早う聞かせ
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令千年かかるとも  三五教の言霊の
 続く限りは攻めかける  水攻め火攻めはまだ愚
 地震雷火の車  大洪水は宵の口
 それより怖ひ俺の口  口惜しからうが我を折つて
 素直に降参するが良い  宵に企みた梟鳥
 夜食に外れてつまらない  顔を見るのが気の毒ぢや
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 只何事も三五の  神の教の吾々は
 直日に見直し聞直す  深き恵に省みて
 鬼熊別の家来ども  胸の戸開いてさらさらと
 醜の岩窟を明け渡せ  渡る浮世に鬼は無い
 泣いて暮すも一生ぢや  怒つて暮すも一生ぢや
 笑うて暮せ鬼ケ城  笑ふ門には福が来る
 鬼は仏と早変り  仏は神と出世する
 神が表に現はれて  善と悪とを立て別ける
 此世の立替立別の  出て来る迄に逸早く
 神の御子と生れたる  鬼熊別の家来共
 叶はぬ時の神頼み  もう斯うなつては百年目
 早く山砦を明け渡せ  此常彦が気をつける
 アヽ惟神々々  御霊幸倍坐世よ』
夏彦『何だ、常彦、俺の言霊を随分冷かしたが貴様の言霊は何だ、長い長い大蛇の様なぬるぬるとした、蜒りさがした骨無し歌ぢやないか』
常彦『きまつた事だ、先方が大蛇の身魂だから此方もぬるぬると長く攻かけたのだよ』
加米彦『何だか根つから能う分る言霊だつた、之には流石の鬼熊別も胆を潰して腹を抱へて笑ひ転けるであらう、アハヽヽヽ』
 馬公は岩窟の高欄の上に立ち、怪しき身振りをし乍ら謡ひ初めた。
『花の都を立ち出でて  馬と鹿との二人連れ
 紫姫のお伴して  比沼の真名井に詣でむと
 遥々やつて来た折に  バラモン教の神の子と
 現はれ出でたる鬼鷹や  心の荒き荒鷹の
 二人の奴にうまうまと  口の車に乗せられて
 馬と鹿との両人は  馬鹿にしられて三嶽山
 岩窟の中に放りこまれ  泣いて怒つて暮す中
 折も悦子のお姫さま  音彦さまや加米彦の
 二人の取次従へて  岩窟の中に御入来
 折よく私は助けられ  忽ち変る三五の
 神の教の信徒と  なつて嬉しき今日の日は
 鬼の棲まへる鬼ケ城  言霊戦に加はりて
 鬼熊別の土手つ腹  突いて突いて突き捲り
 オツトドツコイこら違うた  心の裡は兎も角も
 表は矢張鬼ケ城  鬼の味方になり居れと
 悦子の姫が仰有つた  かねて定めた八百長の
 此言霊の戦ひに  敵と味方の区別なく
 言向け和し三五の  神の教を敷島の
 大和島根はまだ愚  豊葦原の瑞穂国
 国の八十国八十の島  一度に開く梅の花
 開いてちりて実を結ぶ  結ぶ誠の神の縁
 鬼熊別の大頭  お色の黒い蜈蚣姫
 一時も早く村肝の  心の鬼を追ひ出し
 神に貰うた真心に  早く復つて下されや
 馬公が一生のお頼みぢや  荒鷹改心するならば
 敵も味方もありはせぬ  天下泰平無事安穏
 千秋万歳万々歳  散らぬ萎れぬ花が咲く
 誠一つの神の道  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 神のお道は変らない  誠の道は二つない
 誠一つに立ち復り  神の光に照されて
 恵の露に潤へよ  鬼熊別や蜈蚣姫
 三五教の宣伝使  音彦加米彦青彦よ
 お前も一寸我が強い  序に言霊放し置く
 アヽ惟神々々  霊幸倍坐世よ』
鹿公『アハヽヽヽ、オイ馬、貴様は何方に向つて言霊戦をやつたのだ、貴様余程筒井式だな』
馬公『きまつた事だ、味方をつついたり、敵をつついたりするからつつい式だよ、旗色の良い方へつくのが当世の処世法だ、オツトドツコイ戦略だよ、ハヽヽヽ』
 攻撃軍の青彦は敵城に向ひ、又もや立つて言霊の発射を開始する。
『三五教の宣伝使  誠の道を宣べ伝ふ
 神の御子たる青彦が  之の山砦の司神
 鬼熊別や蜈蚣姫  二人の君に物申す
 天と地との其中に  生とし生ける者皆は
 皇大神の珍の御子  青人草と称へられ
 神の御業をそれぞれに  御仕へまつる者ぞかし
 汝が命も天地の  神の霊魂を受け給ひ
 此世に生れし者なれば  人の憫れを顧みて
 善と悪とを推し量り  世人を救ふ其為めに
 誠の道に立ち復れ  それに従ふ人々よ
 バラモン教の神の教  心一つに励しみて
 仕へ給ふは良けれども  神の心を取違へ
 知らず識らずの其中に  曲津の神の容器と
 成らせ給ひて天地の  神の御前に許々多久の
 罪をば重ね世を穢し  根底の国の苦みを
 受けさせ給ふ事あらば  吾等はいかでか忍びむや
 天を父とし地を母と  仰ぎ生れし人の子は
 皆兄弟よ姉妹よ  一日も早く神直日
 心も広き大直日  神の真道に立復り
 誠の道にのりかへて  今迄尽せし曲業を
 神の御前に悔い給へ  三五教は世を救ふ
 神の誠の言の葉を  四方に伝ふる天使
 心の耳に安らかに  吾言霊を聞し召せ
 アヽ惟神々々  霊幸倍坐世よ』
と声淑やかに謡ひ終つた。荒鷹は又もや立ち上り青彦に向つて、言霊の砲弾を発射し始めた。
『神の恵のあら尊  心の荒き荒鷹も
 心新に立直し  世の荒浪に掉して
 神の助けの船に乗り  心改め行ひを
 改め直し世を広く  神の教を服ひて
 誠の道を立て徹し  バラモン教やウラナイの
 神の教の長を採り  短をば捨てて新玉の
 春立ち返る初より  あな有難や三五の
 神の教に身を任せ  心の花も一時に
 開いて薫る梅の花  日の出神や木の花姫の
 神の命に神習ひ  野立の彦や野立姫
 埴安彦や埴安姫の  神の命の御心を
 うまらにつばらに推量りて  神素盞嗚大神の
 此世を洗ふ瑞霊  厳の霊の御教
 身もたなしらに励しみて  仕へ守るぞ嬉しけれ
 鬼熊別や蜈蚣姫  今迄仕へし荒鷹が
 今改めて願ぎ申す  汝が尽せし許々多久の
 邪悪の道を今よりは  改めまして天地の
 神の御言を謹みて  朝な夕なに村肝の
 心にかけて守りませ  汝が命に真心を
 尽しまつるは荒鷹が  清き心の表現ぞ
 必ず怒らせ給ふまじ  回顧すれば荒鷹が
 バラモン教に仕へてゆ  早や二十年になりたれど
 天と地との神々や  世の人々の身に対し
 一つの功績立てしこと  まだ荒鷹の身の因果
 赦し給はれ天津神  国津神等百の神
 偏に願ひ奉る  アヽ惟神々々
 霊幸倍坐世よ』
 荒鷹は斯く謡ひ涙をはらはらと降らし鬼熊別、蜈蚣姫の端坐せる高楼の前に向つて合掌したり。三五教の宣伝使音彦はすつくと立ち敵城に向ひ、又もや言霊の速射砲を差し向けたり。その歌、
『日本の国は松の国  松吹く風の音彦が
 音に名高き鬼ケ城  司の神と現れませる
 鬼熊別の御前に  稜威の言霊宣り上げて
 清き言の葉宣り伝ふ  豊葦原の中津国
 メソポタミヤの楽園に  教開きしバラモンの
 鬼雲彦が言の葉は  霊主体従の御教
 三五教も其通り  之亦霊主体従を
 珍の御旗と押し立てて  四方の草木を靡かしつ
 天が下をば吹き払ふ  科戸の風の神司
 松に声あり立つ波の  音彦此処に現はれて
 誠の道を宣べ伝ふ  霊主体従と称へたる
 その名目は一なれど  内容は変る雪と墨
 白き黒きも弁へて  汝が命は逸早く
 お伴の者と諸共に  誠の神の開きたる
 三五教の御教に  一日も早く片時も
 疾く速けくかへりませ  元は天地の分霊
 天が下には敵も無し  相互に扶け助けられ
 睦び親しみ世の中に  茂り栄ゆる人の道
 省み給へ蜈蚣姫  鬼熊別の司神
 三五教の音彦が  真心籠めて宣り申す
 吾言霊の一つだに  汝が命の御耳に
 響き渡りて行ひを  直させ給へば我として
 之に越えたる喜びは  又と世界にあらざらめ
 アヽ惟神々々  霊の復しを待ち奉る』
と謡ひ終つて岩石の上に腰を下ろしたり。鬼熊別の片腕と聞えたる鬼鷹は白扇を開いて衝つ立ち上り、攻撃軍に向ひ言霊の応戦を開始したりけり。
『神の身魂と生れ乍ら  誠の道を踏み外し
 心汚き鬼神の  醜の曲津の群に入り
 日に夜に募る許々多久の  罪や穢に包まれて
 此世からなる生地獄  心に鬼が棲むのみか
 鬼雲彦の曲津神  鬼熊別や蜈蚣姫
 醜の従僕となり果てて  名も恐ろしき鬼鷹と
 天地の御子と生れきて  万の長と名を負ひつ
 鬼畜生や鳥翼  虫にも劣る醜魂の
 此世を乱す曲業に  心砕きし浅猿しさ
 かかる汚なき吾身にも  慈愛の深き皇神は
 恵の鞭を鞭たせつつ  今日は嬉しき三五の
 神の教に照されて  心も広く蓮花
 薫り床しき木の花の  咲耶の姫の御仰せ
 日の出神の御神力  千座の置戸を負ひ給ひ
 普く世人を救ひます  神素盞嗚大神の
 瑞の御霊と現はれて  身魂も清き神の御子
 神も仏もなき世かと  日に夜に胸を痛めしが
 時節待ちつる甲斐ありて  悪を斥け善道に
 忽ち復る今日の空  霽れゆく雪の跡見れば
 三五の月は皎々と  己が頭を照らしつつ
 恵の露をたれ給ふ  アヽ惟神々々
 御霊幸倍坐世よ  仮令大地は沈むとも
 月日西より昇るとも  神に誓ひし吾心
 幾世経ぬとも変らまじ  変る浮世と云ひ乍ら
 遠き神代の昔より  誠の道に変りなし
 アヽ尊しや有難や  三五教の神の教
 喜び仰ぎ奉る  曲津の集まる鬼ケ城
 八岐大蛇の醜魂  八握の剣抜き持たせ
 五百美須麻琉の玉の緒に  神の御水火を結びつつ
 心の鏡照り渡る  月照彦の大神や
 足真の彦の大神の  伝へ給ひし御教
 埴安彦や埴安姫の  神の命の現はれて
 織り出でませる経緯の  綾と錦の神機を
 天津御風に飜し  山の尾の上や河の瀬に
 荒ぶる百の神等を  草木の風に靡く如
 言向け和し皇神の  御水火も清く九十
 十曜の神紋中空に  靡かせ奉り皇神の
 御稜威を四方に輝かし  醜の山砦に進撃し
 太き功績を永久に  立てて心の真木柱
 高天原に千木高く  仕へまつらむ吾心
 アヽ惟神々々  御霊幸倍坐世よ』
と謡ひ終り、天地に向つて合掌し嬉し涙に咽びつつ地上にドツと打ち倒れたり。鬼熊別が幕下の者共、感激の涙にうたれ、ものをも言はず大地に平伏し、落つる涙に大地を潤しける。紫姫は立ち上り声淑やかに宣伝歌を謡ひ初めたり。
『救ひの神と現れませる  厳の御霊や瑞御霊
 天教山や地教山  名さへ目出度き万寿山
 霊鷲山の三葉彦  神の命の御教は
 天地四方に拡ごりて  世は永久に開け行く
 アヽ惟神々々  御霊幸はひ坐しまして
 醜の魔風も凪ぎ渡り  荒き波風鎮まりて
 御代は平らに安らかに  常磐堅磐の松の世と
 治め給ふぞ尊けれ  妾は都に現はれて
 紫姫と名乗りつつ  恋しき父に生き別れ
 悲しき月日を送る内  心の色も悦子姫
 嬉しき便りの音彦や  名さへ目出度き加米彦の
 教の御子に助けられ  三五教の御柱と
 仕へまつりし今日こそは  千代も八千代も忘られぬ
 生日足日と祝ひつつ  心に住める曲津見を
 禊ぎ祓ひて真澄空  三五の月のいと円く
 神の大道を力とし  円く治めむ神の国
 アヽ有りがたや尊しや  三五教の神の恩
 千代に八千代に永久に  仕へまつりて忘れまじ
 アヽ惟神々々  御霊の幸を賜へかし
 アヽ惟神々々  御霊の幸を賜へかし』
と謡ひ終り天地に向つて恭しく拝礼したり。三五教の宣伝使長悦子姫は立上り、鬼熊別の館に向つて声を張上げ宣伝歌を送りたり。
『天の八重雲掻き別けて  天降りましたる皇神の
 珍の御子と現はれし  神素盞嗚の瑞霊
 木花姫の生御霊  日の出神の厳霊
 三五の月の御教を  四方の国々隈もなく
 月照彦の大神や  金勝要の大御神
 従ひ給ふ八百万  神の使の宣伝使
 教を開く八洲国  誠の道にさやりたる
 八岐大蛇や醜の鬼  醜の狐や曲神の
 曇りし御魂を照さむと  心を千々に配りつつ
 霜の剣や雪の空  雨の襖に包まれて
 尾羽打ち枯らしシトシトと  あてども無しに進み行く
 教伝ふる宣伝使  夜な夜な変る石枕
 草の褥に雪の夜着  世人の為に身も窶れ
 心も疲れ山河を  数限りなく渡り来て
 曲津の神にさいなまれ  寒さを凌ぎ飢、渇
 心を千々に尽しつつ  救ひの綱に操られ
 愈此処に鬼城山  司の神と現はれし
 鬼熊別や蜈蚣姫  永久の棲処と聞えたる
 魔窟の山に登り来て  宣り足らはれし言霊の
 稜威の力に許々多久の  罪や穢を吹き払ひ
 祓ひ清むる神の道  世は紫陽花の変るとも
 色香褪せざる兄の花の  一度に開く神の教
 宣り伝へ行く楽しさよ  アヽ惟神々々
 御霊幸倍坐世よ』
と言葉短に謡ひ終れる折しも高殿より、火煙濛々と立ち昇り阿鼻叫喚の声、耳朶を打つ。一同はハツと驚き見上ぐる途端に鬼熊別、蜈蚣姫の二人は高閣に納めたりし天の岩船にひらりと飛び乗り、プロペラの音轟々と中空を轟かせ乍ら東方の天を目蒐けて一目散に翔り行く。敵も味方も一度に声張上げて、
『三五教の宣伝使、万歳々々』
と三唱したりける。此声に驚き目覚むれば瑞月の身は宮垣内の賤の伏屋に横たわり、枕許には里鬼と綽名を取つた丸松が、真赤な顔をして二三人の隣人と共に酒をグビリグビリと傾け居たりける。
(大正一一・四・二三 旧三・二七 北村隆光録)
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