はるか昔、陰陽いまだ定まらないときに、広大無辺の宇宙に生まれたのが葦芽のごとく萌えあがった一物は、たちまち化して神となった。これが天地の太元の大国常立尊である。
その御霊より分かれた天地の祖・国治立大神は、豊国主の姫神と力を合わせて世界を造られた。
また神伊邪諾大神と、神伊邪冊大神に命じて、天の瓊矛を給わって修理固成を命じた。そのとき現れた素盞嗚神は、大神の御心によって大海原を治めようと千々に心を砕いた。
しかし醜の御魂に成り出た八岐大蛇や醜狐によって、体主霊従の世の中となり、世は常暗となってしまった。百神たちは、この罪科の贖罪主として神素盞嗚大神を、高天原から追放した。
素盞嗚神は尊い位を振り捨てて、曲神を言向け和して五六七神政を開始しようと、百の悩みを忍びつつ、八洲の国をさすらうことになった。
八岐大蛇を言向け和そうと、大和心の雄心を振起して進んで行く神素盞嗚大神は、すべての罪を差し赦す。
八人の娘たちに苦しい神命を下し、斎苑の館から、日の出神や木の花姫とともに、恵みの露を天下に注がせ給う。
国治立大神と豊国姫命の分霊は、黄金山下に埴安彦・埴安姫と現れて、五六七神政の基礎を固めた。各地にそれぞれ国魂神や司神を定めて、ようやく天の岩戸も開き始めた。
英子姫、悦子姫、紫姫らが自転倒島の中心、世継王山の山麓に、幽玄微妙の神界の経綸を固め、一度に開く御経綸。玉照姫や玉照彦の二柱は時節を待っている。
玉照姫、玉照彦らが弥勒の御代に伊都能売の神の神業を開始し給う物語。三五教を守る神素盞嗚大神の真心にさすがの曲霊も感銘し、高姫や黒姫は心の底から改心した。悪魔も来勿止神より魂を鍛えられ、貴の御子を奉迎して神の仕組に参加した。
明治二十五年に開祖の肉体に皇大神は懸り、大本教の礎を築いた。開祖は心を一つにして記した神言を、国常立大神の貴の御声として慕い来る人は多く栄えた。
明治三十一年に変性女子が参加して、神の御教えを新聞に発表し、神霊界に神勅を表した。しかしそれを誤解するパリサイ人があらぬ言挙げをなして、神の教えも雲に包まれてしまった。
瑞の御魂は悲しんで、黒雲を払してパリサイ人や世の人を尊い神の教えに目覚めさせようと、病の身を押して、神の御心を写して述べ立てる栄の本の物語。言霊の車に乗って勇み行く。