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文献名1霊界物語 第19巻 如意宝珠 午の巻
文献名2第4篇 地異天変よみ(新仮名遣い)ちいてんぺん
文献名3第17章 言霊車〔662〕よみ(新仮名遣い)ことたまぐるま
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-04-04 18:43:36
あらすじ
はるか昔、陰陽いまだ定まらないときに、広大無辺の宇宙に生まれたのが葦芽のごとく萌えあがった一物は、たちまち化して神となった。これが天地の太元の大国常立尊である。

その御霊より分かれた天地の祖・国治立大神は、豊国主の姫神と力を合わせて世界を造られた。

また神伊邪諾大神と、神伊邪冊大神に命じて、天の瓊矛を給わって修理固成を命じた。そのとき現れた素盞嗚神は、大神の御心によって大海原を治めようと千々に心を砕いた。

しかし醜の御魂に成り出た八岐大蛇や醜狐によって、体主霊従の世の中となり、世は常暗となってしまった。百神たちは、この罪科の贖罪主として神素盞嗚大神を、高天原から追放した。

素盞嗚神は尊い位を振り捨てて、曲神を言向け和して五六七神政を開始しようと、百の悩みを忍びつつ、八洲の国をさすらうことになった。

八岐大蛇を言向け和そうと、大和心の雄心を振起して進んで行く神素盞嗚大神は、すべての罪を差し赦す。

八人の娘たちに苦しい神命を下し、斎苑の館から、日の出神や木の花姫とともに、恵みの露を天下に注がせ給う。

国治立大神と豊国姫命の分霊は、黄金山下に埴安彦・埴安姫と現れて、五六七神政の基礎を固めた。各地にそれぞれ国魂神や司神を定めて、ようやく天の岩戸も開き始めた。

英子姫、悦子姫、紫姫らが自転倒島の中心、世継王山の山麓に、幽玄微妙の神界の経綸を固め、一度に開く御経綸。玉照姫や玉照彦の二柱は時節を待っている。

玉照姫、玉照彦らが弥勒の御代に伊都能売の神の神業を開始し給う物語。三五教を守る神素盞嗚大神の真心にさすがの曲霊も感銘し、高姫や黒姫は心の底から改心した。悪魔も来勿止神より魂を鍛えられ、貴の御子を奉迎して神の仕組に参加した。

明治二十五年に開祖の肉体に皇大神は懸り、大本教の礎を築いた。開祖は心を一つにして記した神言を、国常立大神の貴の御声として慕い来る人は多く栄えた。

明治三十一年に変性女子が参加して、神の御教えを新聞に発表し、神霊界に神勅を表した。しかしそれを誤解するパリサイ人があらぬ言挙げをなして、神の教えも雲に包まれてしまった。

瑞の御魂は悲しんで、黒雲を払してパリサイ人や世の人を尊い神の教えに目覚めさせようと、病の身を押して、神の御心を写して述べ立てる栄の本の物語。言霊の車に乗って勇み行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年05月10日(旧04月14日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年2月28日 愛善世界社版281頁 八幡書店版第4輯 134頁 修補版 校定版285頁 普及版131頁 初版 ページ備考
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本文
 仰げば遠し其昔  広大無辺の大宇宙
 天地未だ定まらず  陰陽未分の其時に
 葦芽の如萠えあがり  黄芽を含む一物は
 忽ち化して神となる  これぞ天地の太元の
 大国常立尊なり  其御霊より別れたる
 天地の祖と現れませる  国治立の大神は
 豊国主の姫神と  力を協せ御心を
 一つになして美はしき  世界を造り玉ひつつ
 七十五声の言霊を  うみ出でまして千万の
 身魂を造り国を生み  青人草や山河を
 𪫧怜に委曲に生み終へて  神伊邪諾の大神や
 神伊邪冊の大神に  天の瓊矛を賜ひつつ
 修理固成の大神業  依さし給へる折柄に
 現はれませる素盞嗚の  神の尊は畏くも
 大海原を治しめし  国治立の大神や
 豊国主の姫神の  大御心を心とし
 千々に御胸を砕かせつ  千座の置戸を負ひ給ひ
 八洲の国を治めむと  心を配らせ給へども
 天足の彦や胞場姫の  醜の身魂に成り出でし
 怪しき霊伊凝り居て  八岐大蛇や醜狐
 醜女探女や曲鬼の  荒ぶる御代と成り果てて
 体主霊従の雲蔽ひ  世は常暗となり果てぬ
 日の神国を治食しめす  天照します大神は
 此状態を畏みて  岩屋戸深く差しこもり
 戦き隠れ玉ひしゆ  百の神たち驚きて
 安の河原に神集ひ  議り玉ひし其結果
 神素盞嗚の大神を  天地四方の神人の
 百千万の罪科の  贖罪主と定めまし
 高天原を神追ひ  追ひ玉へば素盞嗚の
 神は是非なく久方の  尊き位を振り棄てて
 大海原に漂へる  島の八十島百国の
 山の尾の上の曲神を  言向け和し麗しき
 五六七の神代を始めむと  百の悩みを忍びつつ
 八洲の国を遠近と  漂浪ひ給ふぞ尊けれ
     ○
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は転倒るとも  天津神達国津神
 百の神々百人を  誠一つの言霊の
 稜威の剣を抜き持ちて  天地にさやる曲津神
 八岐大蛇を言向けて  此世の災禍払はむと
 大和心の雄心を  振起しつつ進み行く
 神素盞嗚の大神は  すべての罪を差し赦す
 三五教を守りつつ  心も広き神直日
 大直日にと見直しつ  肉の宮より現れませる
 八の柱の姫御子に  苦しき神命を下しつつ
 斎苑の館に身を忍び  日の出神や木の花の
 姫の命と諸共に  恵の露を天が下
 四方の国々隈もなく  注がせ玉ふ有難さ
 埴安彦や埴安姫の  神の命と現はれし
 国治立や豊国の  姫の命の分霊
 黄金山下に現はれて  暗き此世を照さむと
 八千八声の時鳥  血を吐く思ひの苦みを
 永の年月重ねつつ  五六七神政の礎を
 常磐堅磐に固めまし  豊葦原の瑞穂国
 秋津の洲や筑紫島  常世の国や高砂の
 島にそれぞれ神司  国魂神を定めつつ
 天の岩戸もやうやうに  開き初めて英子姫
 教の花も悦子姫  空に棚引く紫の
 姫の命の現はれて  自転倒島の中心地
 錦の御機織りなせる  四尾の峰の山麓に
 幽玄微妙の神界の  経と緯との経綸を
 うまらに委曲に固めつつ  薫りゆかしき梅が香の
 一度に開く御経綸  松は千歳の色深く
 心の色も丹波の  綾の聖地に玉照彦の
 神の命や玉照姫の  神の命の二柱
 時節を待ちて厳御霊  瑞の御霊のいと清く
 濁り果てたる天地の  汚れを流す和知の川
 並木の松の立並ぶ  川辺に建てる松雲閣
 奥の一間に横臥して  五六七神政の神界の
 尊き経緯を物語る  アヽ惟神々々
 御霊幸はひましませよ。
     ○
 見渡す限り紺青の  み空に清く玉照彦の
 神の命や玉照姫の  神の命の現はれて
 弥勒の御代に伊都能売の  神の御霊の神業を
 開始し玉ふ物語  三五教を守ります
 神素盞嗚の大神の  仁慈無限の真心に
 流石の曲霊も感銘し  心の底より悔悟して
 ウラナイ教の神司  本つ教に帰順せし
 聞くも芽出度き高姫や  高山彦や黒姫の
 罪や穢れを贖ひし  松の心の松姫が
 高熊山の山麓に  心の岩戸を開きつつ
 最早悪魔も来勿止の  神に魂をば鍛へられ
 御稜威も高き高熊の  岩窟の中に駆入りて
 貴の御子をば奉迎し  天が下をば平らけく
 いと安らけく治め行く  神の仕組に参加せし
 誠心は三千歳の  花咲きいでて今茲に
 五六七の神代の開け口  松竹梅の宣伝使
 月雪花を始めとし  教を開く八島主
 言依別の言霊に  敵と味方の差別なく
 誠一つの大本を  世界に照す糸口を
 手繰りて述ぶる物語  筆執る人は松村氏 松村
 無尽意菩薩の山上氏  頭も照す身も照す 山上
 月照彦の肉の宮  言霊開く観自在
 三十三相また四相  妙音菩薩の神力を
 愈現はす十九の巻  永き春日に照されて
 物語るこそ楽しけれ。
     ○
 四方に塞がる雲霧を  神の御水火に吹き払ひ
 心も清く身も清く  青き御空を五六七殿
 本宮山の新緑は  大本教の隆盛を
 衣の色に現はして  行手を祝ぐ如くなり
 眼下に漂ふ金銀の  波に浮べる大八洲
 天の岩戸の其上に  大宮柱太しりて
 千木勝男木も弥高く  朝日に輝く金光は
 神の御稜威の十曜の紋  冠島沓島や六合大の
 常磐木茂る浮島は  擬ふ方なき五大洲
 言霊閣は雲表に  黄金の冠戴きつ
 聳えて下界を打まもる  教御祖を斎りたる
 甍輝く教祖殿  金竜殿や教主殿
 木々の梢も青々と  春風そよぐ神の苑
 水に浮べる錦水亭  地水に輝く瑞月が
 尽くる事なく物語る  瑞の御霊の開け口
 神の力も厳御霊  五十鈴の滝の鼕々と
 際涯も知らぬ神の代の  奇しき尊き物語
 高天原と鳴り亘る  言霊閣のいや高に
 声も涼しき神の風  常磐堅磐に吹き送り
 醜の草木を靡かせて  世人の胸に塞がれる
 雲を晴らして永久の  花咲く春の神国に
 導き救ふぞ雄々しけれ  アヽ惟神々々
 御霊幸はひましませよ。
     ○
 月日並びて治まれる  聖の御代の二十余り
 五つの年の睦の月  寒風荒ぶ真夜中に
 本宮新宮坪の内  遠き神代の昔より
 貴の聖地と聞えたる  竜門館の神屋敷に
 現はれ給ひし艮の  皇大神は三千歳の
 こらへ忍びの松の花  手折る人なき賤の家に
 住まはせ玉ふ未亡人  出口直子の肉宮に
 電の如懸りまし  宣らせ給へる言霊は
 三千世界の梅の花  一度に開く時来り
 須弥仙山に腰をかけ  曲津の猛ぶ世の中を
 神の御水火に言向けて  ミロクの御代を開かむと
 厳の雄健び踏みたけび  厳のころびを起しつつ
 神の出口の口開き  大本教の礎を
 固め給ひし雄々しさよ  賤が伏家の賤の女は
 神の御声に目をさまし  黒白も分ぬ暗の夜を
 光眩き旭子の  日の出の神代に還さむと
 朝な夕なに命毛の  御筆を執りて神言を
 心一つに記しつつ  二十七年が其間
 唯一日の如くにて  仕へ玉ひし言の葉は
 国常立の大神の  貴の御声と尊みて
 集まり来る諸人は  遠き近きの隔てなく
 貴賤老幼おしなべて  聖地をさして寄り来る
 神の御稜威の赫灼に  日々に栄えて大本は
 朝日の豊栄昇るごと  四方の国々照らし行く
 変性男子と現れて  錦の機の経糸を
 仕組みて茲に七年の  月日を重ねて待ち給ふ
 時しもあれや三十余り  一つの年の秋の頃
 変性女子の生御魂  神の教を蒙りて
 穴太の郷を後にして  変性男子の住所をば
 訪ねし事の縁となり  愈茲に緯糸の
 機織姫と現はれて  襷十字に掛巻も
 畏き神の御教を  稜威の仕組の新聞紙に
 写して開く神霊界  金言玉詞の神勅を
 心も狭き智慧浅き  パリサイ人が誤解して
 あらぬ言挙げなしければ  清けき神の御教も
 漸く雲に包まれて  高天原の空暗く
 黒白も分かぬ人心  瑞の御霊は悲しみて
 此雲霧を払はむと  心痛むる折柄に
 忽ち轟く雷の  雲の上より落ち来り
 身動きならぬ籠の鳥  忠と囀る群雀
 漸く声をひそめける  瑞の御霊の神言もて
 パリサイ人や世の人を  尊き神の御教に
 眼を覚まさせ助けむと  心を定めて病労の
 身もたなしらに述べ立つる  尊き神の御心
 筆に写して松の世の  栄えの本の物語
 臥竜如来と現はれて  松雲閣に横たはり
 落葉を探す佐賀伊佐男  (佐賀伊佐男)  垢を清むる温泉の
 湯浅清高両人を  (湯浅清高)  金剛童子や勢多迦の
 二人の役になぞらへて  倒れかかりし神柱
 立直さむと真心の  限りを尽し身を尽し
 世人の覚醒を松村や  外山豊二氏加藤明子  (外山豊二)
 藤津久子の筆の補助  神代の巻の前宇城  (加藤明子)
 口に任せて信五郎  なみなみならぬ並松の  (藤津久子)
 流れも深き物語  空吹く風の颯々と  (宇城信五郎)
 心いそいそ言霊の  車に乗りて勇み行く
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ
(大正一一・五・一〇 旧四・一四 松村真澄録)
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