高天原に復活した人間の霊身は、地上世界に生存していた如くに思想・感情・意識を有している。楽しく神の懐に抱かれて、種々の積極的神業を営むのである。さて人間はどうして現界に肉体をもって生まれてくるのか。
高天原の天人は、地上と同様に夫婦の情交を行い霊の子を産む。これを地上の肉体人の息に交えて人間を産ませるのである。人間は神の子・神の宮である。天人夫婦に因縁の深い地上の男女が霊に感じて、胎児を宿すのである。
その霊が蒔かれた田畑の良否によって、その子の善悪の発達に、影響を及ぼすことは止むを得ない。せっかくの天からの種子を発育不良にしてしまっては、人生みの神業を完全に遂行することはできなくなり、宇宙の大損害をもたらすのである。
人間が現界へ生まれてくる目的は、天国を無限に開くべく、天からその霊体の養成所として降されたのである。数十年の短い肉体的生活を営むためではない。肉体と共にその霊子が発達して、天国の神業に奉仕するためである。
そして天国に復活するときには、死という関門を越えて霊界に復活しなければならない。神の方から見れば、生き通しであって、死は皆無なのである。ただし根底の国へ落ちて行く人間の霊魂は非常な苦しみを受ける。
人間は未来の世界があることを知らなければ、真の道義を行うことができない。神幽現三界を通じて善悪正邪の勤怠応報が厳然としてある、ということを悟らなければ、人生の本分は尽くされない。
天国に住む天人は、地上を去って天国に来る人間を非常に歓待する。だから私は天国を、霊魂の故郷と呼ぶのである。
真神は人間が地上でよく発達し、完全な天人となって天国の住民となり、霊的神業に参加することを非常に喜び給うのである。
故に人間は、神を信じ愛し、善の行いを励み、本体なる霊魂を完全に発達させ、天津神の御許へ、神の大御宝として還ることができるよう、努力しなければならない。