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文献名1霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻
文献名2第1篇 南海の山
文献名3第3章 松上の苦悶〔715〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ宇都山郷(宇津山郷) データ凡例 データ最終更新日2018-06-28 09:34:07
あらすじ若彦の館を訪れた三人の客とは、案の定杢助、国依別、玉治別であった。若彦が、先ほど館に魔我彦・竹彦がやってきたことを告げると、三人は青山峠で魔我彦たちが、国依別と玉治別を殺害しようとしたことを明かした。
若彦は驚いたが、杢助は一計を案じて若彦に授けた。若彦はそ知らぬふりをして、魔我彦・竹彦が待つ客室に戻ってきた。そして、信者で病気になっている者があるから後で鎮魂を施してほしい、と魔我彦に頼み、それまで館で休んでいるように伝えた。
魔我彦は若彦の様子や、三人の来客ということから、杢助たちがやってきて事が露見したのではないかと気を揉む。そこで様子を探ろうと竹彦に神懸りをやらせた。
竹彦の神懸りは八岐大蛇の眷属だと名乗り、杢助・国依別・玉治別がやってきて復讐を企んでいるから、あきらめて自害しろと魔我彦に告げた。魔我彦が何とかして助けてくれ、と頼むと、八岐大蛇の眷属は庭の松の木の上に登れ、と命じた。
松の木の下には杢助らがやってきた。杢助は二人を雷のような声で怒鳴りつけた。魔我彦が八岐大蛇の眷属に助けを求めると、八岐大蛇の眷属は松の木の上から紫の雲に乗せて救ってやるから飛び降りろ、と命じた。
魔我彦と竹彦は、松の木の上から飛び降りて真っ逆さまに落下し、人事不省となった。国依別と玉治別は二人を介抱し、息を吹き返した。
魔我彦と竹彦を怨んでいるか、という杢助の問いかけに、国依別・玉治別は揃って毛筋ほども怨みの心はない、と宣言した。
また杢助は高姫一派の姦計を白状するようにと魔我彦・竹彦に迫るが、魔我彦は高姫との約束を破るわけにはいかない、と拒否した。杢助は約束を守ろうという良心がまだ魔我彦に残っているとして、追及をやめた。
杢助はこれまでの経緯を宣伝歌に歌うと、若彦・国依別・玉治別には三国ケ岳の探検を命じ、自分は魔我彦と竹彦を連れて聖地に帰ることとなった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年06月10日(旧05月15日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所
OBC rm2303
本文の文字数6700
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本文  原野を遠く見晴らした若彦館の奥の間に招ぜられた三人の男は、杢助、玉治別、国依別であつた。
若彦『これはお三人様、打ち揃うてよくも御入来下さいました。今も今とて貴方方の噂を致して居りました。呼ぶより誹れとはよう云つたものですなア』
杢助『言依別の教主の命に依つて、紀の国へ急遽出張致しました』
若彦『言依別の教主は、矢張り相変らず勤めて居られますか』
杢助『これは又妙なお尋ね、教主が変つてなるものですか』
若彦『高姫さまは何うなりました』
杢助『高姫さまは相変らず聖地で働いて居られます』
 若彦『ハテナ』と思案に暮れる。
若彦『玉能姫は如何致しましたか』
杢助『玉能姫様は初稚姫様とお二人、錦の宮の別殿にお仕へになつて居ります。併し妙な事をお尋ねですな。誰か当館へ来た者がありますか』
若彦『ハイ、先程魔我彦、竹彦の両人が参りました』
 国依別は是を聞くより俄に眉を吊りあげ、何と無しに不穏な色を顔面に漂はした。
国依別『其の魔我彦は何処に参りましたか』
若彦『離れの座敷で休息して居られます』
杢助『アハヽヽヽ、これは妙だ。悪い事は出来ぬものだなア』
若彦『魔我彦が何を致しましたか』
杢助『イエ、人の心位恐ろしいものはありませぬ』
若彦『何だか、そはそはと両人は致して居りますので、これには深い様子のある事と思ひ、どつこにも逃げないやうに五人の荒男をもつて監守さして置きました。一体何んな事をやつたのです』
 杢助は、青山峠の頂上より谷底へ玉治別、国依別を突き落し、殺害を企てた事を小声に耳打ちした。若彦は倒れむ許りに打ち驚き、
若彦『どこ迄も執念深き高姫一派の奸計。何うしても金狐、大蛇、悪鬼の守護神が退かぬと見えますな。何う致しませう。此儘追ひ帰すか、但は帰順させるか二つに一つの方法を執らねばなりますまい』
杢助『まア私に任して下さい』
と腕を組んでやや思案に耽る。暫くありて杢助は若彦の耳に口を寄せた。若彦は打ち頷き、此場を立つて離れ座敷に進み入り、五人の男に向ひ、
若彦『アヽ皆の者御苦労であつた。各自自分の部屋に帰つて休息して下さい。……魔我彦さま、竹彦さま、長らくお待たせ致しました。嘸お退屈でせう』
魔我彦『何卒お構ひ下さいますな。お客さまは何うなりましたか』
若彦『ハイ、ほんの近くの百姓が見えましたので御座います。何れも用をたして帰りました。何卒御悠くりとして下さい。併し一つ貴方にお願ひ仕度き事が御座います』
魔我彦『お願ひとは何事で御座いますか』
若彦『実は熱心な信者が病気にかかつて此館に籠つて居りますが、何うも怪しい病気ですから、一遍貴方の御鎮魂を願ひ度いのです』
魔我彦『神徳の充実した貴方がゐらつしやるのに、何うして私のやうな者がお間に合ひませうか』
若彦『あの病人は何うしても貴方の鎮魂を受けなくては癒らないのです。総てものは相縁奇縁と云うて、何程神様の御神徳だと云うても、意気の合ぬものは到底効能がありませぬ。何卒貴方急ぎませぬから、お休みになつたら鎮魂を施して下さい』
魔我彦『承知致しました。一つ神様に願つて見ませう』
若彦『早速の御承知、本人も喜ぶ事でせう。併し乍ら、何か物怪が憑いて居ると見えて、昼は平穏です。夜分になつてから一つお願ひ申しませう』
 魔我彦は傲然として、
『ハイ宜敷い』
と大ぴらに首を振つて居る。表の方には杢助、玉治別、国依別の三人小声になりて、何事か話に耽つて居る。若彦は二人に向ひ、
若彦『些しく表に用が御座いますれば失礼致します。何卒御悠くりと今日はお休み下さいませ。今晩お世話にならなくてはなりませぬから』
と云ひ捨て立ち去る。後に二人は小声になり、
魔我彦『何うも怪しいぢやないか。何うやら、杢助がやつて来て居るやうな気がしてならぬ。まかり間違へば青山峠の陰謀が露見したのだなからうかなア』
竹彦『私も何だか心持が悪くなつて来た。何うぞして此処を逃げ出す工夫はあるまいかなア』
魔我彦『ひよつとしたら二人の奴、谷底で蘇生したかも知れないぞ。それなら大変だ。一つお前神憑りをやつて見て呉れ』
 竹彦は言下に手を組み、瞑目した。忽ち身体震動して、
竹彦『ウヽヽ、此方は八岐の大蛇の眷属であるぞよ。今表に杢助、玉治別、国依別の三人が現はれて、今夜を待つて復讐せむとの企みをやつて居るぞよ』
魔我彦『それは大変です、何とかして助かる工夫はありますまいか』
竹彦『ウヽヽ、もうかうなる以上は、館の周囲は荒男が取り巻き警戒して居る。力強の杢助は表に隠れて居る。もはや袋の鼠、両人の身体は逃れる見込はあるまい』
魔我彦『ハテ、困つた事だ。何うしたら良からう』
と顔色を変へてまごつく。
竹彦『ウヽヽ、周章るには及ばぬ。先づ気を落ち着けよ。かういふ時こそ刹那心が必要だ。何れ人を呪はば穴二つ、天に向つて唾したやうなものだ。自業自得だ、諦めて三人に命をやつたらよからう』
 魔我彦は益々狼狽へ、
魔我彦『命惜しさに吾々は信仰もし、宣伝使もやつて居るのです。そんな事があつて耐るものですか。かういふ所を助けて下さるのが神様だ。何とかよいお指図を願ひます』
竹彦『ウンウン、自業自得だ。仕方がない、今表に折伏の剣を三人が力限り研いで居るぞ。あの業物で、すつぱりとやられたら、二人の身体は見事梨割りになるだらう、ウフヽヽヽ』
魔我彦『何卒、吾々二人を此処から救ひ出して下さい。もうこれきり改心を致しますから……』
竹彦『ウンウンウン、先づ周章ずと日が暮る迄待つたらよからう。何程謝罪つた所で、これだけ大勢強い奴が取巻いて居るから何うする事も出来はしない。なまじいに逃げ隠れ致して、名もなき奴に命を取られ恥を曝すよりも、汝が持てる懐剣で刺違へて死んだがよからう。それが最善の方法だ』
魔我彦『この不安状態がどうして今夜迄待てますか。また大切な一つの命を、さう易々と放る訳には行きますまい』
竹彦『ウヽヽ、この肉体も可愛さうなものだが、其方も可愛さうだ。併し玉治別、国依別の命を易々と取らうと企んだ張本人は魔我彦だから仕方がない、観念致せ』
魔我彦『これが何うして観念が出来ませう』
竹彦『ウヽヽ、命が惜いか、吾身を抓つて人の痛さを知れ、貴様が命の惜しいのも、玉、国両人が命の惜しいのも同じ事だ。併し乍ら、玉、国両人は常から命が大切だと云うて居る位だから、死ぬのは嫌なに違ひない。それに引かへ貴様は高姫と共に、日々烏の啼くやうに命はいらぬ、お道の為なら仮令どうなつても惜しくないと云うて居るぢやないか。命の無くなるのは貴様の日頃の願望成就ぢや、こんな目出度い事は又とあるまい。アハヽヽヽ』
魔我彦『貴方は何れの神様か存じませぬが、ちと気に食はぬ事を仰有る。お引取を願ひます』
竹彦『ウヽヽ、さうだらう、気に食はぬだらう。尤もぢや、口先でこそ命はいらぬと云つて居つても、肝腎要な時になると、娑婆に未練の残るのは人間として、普通一般の当然の執着心だ。その執着心を取らなければ、誠の神業は成就致さぬぞ』
魔我彦『同じ事なら肉体を持つて御用を致し度う御座います。アヽしまつた事をした。何うしたらよからうかなア。日はだんだんと暮れて来る。愚図々々して居れば何んな目に遇はされるか知れやしない、翼でもあれば、たつて帰るのだけれど』
竹彦『ウヽヽアハヽヽヽ、それ程命が惜しければ此方の申す様に致すか』
魔我彦『命の助かる事なら何んな事でも致します。何うぞ早く仰有つて下さいませ』
竹彦『ウンウンウン、汝等両人は庭先のこの松の頂上に登り、天津祝詞を一生懸命に奏上致せ。さうすれば天上より紫の雲をもつて汝の身体を迎へ取り、安全地帯に送つてやらう。何うぢや嬉しいか』
魔我彦『ハイ、助かる事なれば結構です。そんなら何時から登りませう』
竹彦『時遅れては一大事、半時の猶予もならぬ。松の木を目蒐けて登つてゆけ。竹彦の肉体も共に登るのだぞ。ウンウンウン』
と云ひながら霊は元に帰つた。魔我彦は四辺キヨロキヨロ見廻し、人無きを幸ひ庭先の大木を命を的に猿の如くかけ登つた。竹彦も続いて頂上に登りついた。二人は一生懸命に天津祝詞を声の限り奏上した。此声に驚いて若彦を初め、杢助、玉、国其他の一同は松上の二人の姿を見て、『アハヽヽヽ』と笑ひどよめいて居る。二人は一生懸命汗みどろになつて惟神霊幸倍坐世を奏上して居る。杢助は態と大きな声で、
杢助『サア、是から曲津彦と竹取別の両人を料理して酒の肴に一杯やらうかい』
と雷の如く呶鳴りつけた。魔我彦は是を聞き戦慄し、次第々々に慄ひ声になり、遂には息も出なくなつて仕舞つた。竹彦は『ウヽヽ』と又もや松上にて神憑りを始めた。
魔我彦『貴方の御命令通り此処迄避難しましたが、あの通り杢助以下の連中が樹下を取り巻いて居ります。どうぞ早く雲をもつて迎ひに来て下さい』
竹彦『ウンウンウン、斯の如く濃厚な紫の雲、汝の身体を取囲んで居るのが目に入らぬか。活眼を開いて四辺を熟視せよ』
魔我彦『何うしても我々の目には見えませぬ』
竹彦『ウンウンウン、見えなくつても雲は雲だ。竹彦の肉体と手を繋いで天に向つて飛びあがれ。さうすれば摘み上げて此館より脱出せしめ、安全地帯に救うてやらう。男は決断力が肝要だ。サア早く早く』
と促され、魔我彦は無我夢中になつて竹彦の手をとり、一イ二ウ三ツと声を揃へて一二尺飛び上つた途端に、松上より眼下の荒砂を敷きつめた庭に真逆様に墜落し、蛙をぶつつけたやうにビリビリと手足を慄はせ、人事不省に陥つた。若彦、杢助、玉、国其他の者は此光景に驚き、忽ち樹下に人山を築き、水よ水よと右往左往に慌て廻る。お光は手桶を提げ慌しく走り来る。杢助は直ちに水を含み、両人の面部に息吹の狭霧を吹きかけ、漸くにして二人は唸りながら生気に復し、四辺をキヨロキヨロ見廻し、玉治別、国依別の姿を見て『キヤツ』と叫び、又もや人事不省に陥つて仕舞つた。玉治別は魔我彦を、国依別は竹彦をひつ抱へ、奥の間深く運び入れ、夜具を敷いて鄭重に寝させ、神前に向つて天津祝詞を奏上し、更めて鎮魂を施した。漸くにして二人は息を吹きかへす。
玉治別『魔我彦さま、何うでした。随分御心配なさつたでせう』
魔我彦『ハイ、誠に申訳のない事を致しました。何うぞ命だけは御猶予を願ひます』
玉治別『人を助ける宣伝使がどうしてお前の命が欲しからう。お蔭で大変な修業をさして貰ひました。併し此後はあんな危険な事は止めて貰ひたいものだ。天の真浦の宣伝使が、駒彦、秋彦に宇津山郷の断崖から雪中へ落されたよりも余程険難でしたよ』
 魔我彦は真赤な顔をして俯向く。
国依別『竹彦さま、気がつきましたか』
竹彦『ハイ、気がつきました。悪い事は出来ませぬワイ。余り成功を急いだものですから何分貴方方は高姫さまの御神業の妨害をなさる悪人だと信じきつて、あゝ云ふ無謀な事を致しました。併し乍ら魔我彦の精神は存じませぬが、決して竹彦はそんな悪人ではありませぬ。八岐の大蛇の邪霊が私に憑いてあんな事をさせたのですよ。何卒私を恨まぬやうに願ひます』
杢助『随分不減口を叩く男だな。併し乍らお前も是で悪は出来ないと云ふ事は分つたであらう』
魔我彦『私も肉体がやつたのではありませぬ。八岐の大蛇の眷族が憑つたのですから、どうぞ神直日大直日に見直し聞き直しを願ひます』
杢助『大体お前達は高姫の脱線的熱心に惚込んで居るから、そんな不善的な事を平気でやつて、立派な御神業が勤まると思うて居るのだ』
魔我彦『何事も日の出神さまの御命令通りだと思つて、高姫さまの意志を一寸忖度して居る処へ守護神がやつて来て、霊肉一致、二人を谷底へ突落し、殺さうとしたのです。併し乍ら魔我彦の肉体は何も知りませぬ』
杢助『玉治別、国依別の宣伝使は青山峠の絶頂から、あの深い谷間へつき落され、すんでの事で五体を粉砕するやうな目に遇はされても、お前達両人に対し鵜の毛の露程も恨んで居ないのは実に感服の至りだ。お前達も此両宣伝使の心を汲みとつて、少し改心したらどうだ。さうして改心を証明する為に、今迄の高姫一派の計略を此処ですつかり自白したがよからう』
魔我彦『そればつかりは自白出来ませぬ、高姫さまから仮令死んでも云うてはならないと口留めされ、私も万劫末代、舌を抜かれても言はないと固く約したのですから』
杢助『仮令善にもせよ、悪にもせよ、まだ良心に輝きがあると見えて、約束を守ると云ふ心がけは見上げたものだ。俺達も是以上は最早追及せぬ。玉治別さま、国依別さまこの両人を赦しておやりでせうなア』
玉治別『赦すも許さぬもありませぬ。何事も神様の御経綸、我々に油断は大敵だと云ふ実地の教育を与へて下さつたのですから、其お役に使はれなさつた御両人に対し、御苦労様と感謝こそすれ、寸毫も不足に思つたり恨んだりは致しませぬ』
国依別『私も玉治別と同感です。魔我彦さま、竹彦さま、安心して下さい。当つて砕けよと云ふ事がある。此上は層一層親密にして、神界の御用を勤めようぢやありませぬか』
 杢助は立つて歌を歌ひ、しらけた此場の回復を図つた。
『大和河内を踏み越えて  漸々此処に紀の国の
 青山峠の谷間に  言依別の御言もて
 勇み進んで来て見れば  音に名高き十津川の
 激潭飛沫の谷の水  衣類を脱ぎて真裸体
 ざんぶとばかり飛び込みて  御禊を修する折からに
 樹々の青葉も追々に  黒ずみ来り天津日の
 影は漸く隠ろひて  闇を彩る折からに
 頭上をかすめて落ち来る  二つの影は忽ちに
 青淵目がけて顛落し  人事不省になる滝の
 辺に二人を抱きあげ  よくよく見ればこは如何に
 玉治別や国依別の  神の命の宣伝使
 青山峠の断崖より  つき落されて此さまと
 聞いたる時の驚きは  流石に豪気の杢助も
 胸に浪をば打たせつつ  闇を辿りて漸々に
 二人を伴ひ平岩の  麓に漸く近寄つて
 其夜を明かし両人に  様子を聞けば魔我彦や
 竹彦二人の悪戯と  聞いて再び胸躍り
 深き仔細のある事と  此処に三人はとるものも
 取敢ずして若彦が  館に訪ね来て見れば
 思ひがけなき両人が  離れ座敷でひそびそと
 深き企みを語り合ふ  善悪邪正の其報い
 忽ち現はれ北の空  雲を払つて照り渡る
 北極星の動きなき  若彦さまが雄心に
 再び動く三人連れ  魔我彦竹彦両人は
 虚実の程は知らねども  兎も角前非を心から
 悔いしが如く見えにける  嗚呼頼もしや頼もしや
 仕組の糸に操られ  心にかかりし村雲も
 愈晴らす今日の宵  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましまして  鷹鳥姫が迷ひをば
 晴らさせ給へ魔我彦や  竹彦一派の迷信を
 朝日の豊栄昇るごと  照し明して三五の
 道の誠を四方の国  国の内外の島々に
 月日の如く明かに  照させたまへ天津神
 国津神達八百万  百の御伴の神達の
 御前に頸根つきぬきて  遥に祈り奉る
 慎み祈り奉る』
と歌ひ終つて両人に向ひ、
杢助『サア、魔我彦さま、竹彦さま、此杢助と共に聖地へ帰りませう。若彦、玉治別、国依別は是より伊勢路に渡り近江に出で、三国ケ岳を探険して聖地へ帰つて下さい。聖地には又もや高姫の陰謀が劃策されてあるから、杢助は是より両人を伴ひ、すぐ帰国致さう』
と云ふより早く忙しげに此館を立ち出た。魔我彦、竹彦は何となく心落着かぬ面持にて、悄々後に従ひ聖地をさして帰り行く。
(大正一一・六・一〇 旧五・一五 加藤明子録)
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