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文献名1霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻
文献名2第2篇 恩愛の涙
文献名3第8章 縺れ髪〔720〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ一方、熊野に向かった木山彦夫婦は、熊野の滝にて息子の鹿に会わせてくれるようにと願をかけて行を行っていた。
二十一日の水行を終えた夜中に、馬のひずめの音と共に中空を駆けて、七八人の神人が現れた。そして夫婦に向かい、熱誠に免じて息子に会わせてやるが、夫婦共に前非を悔いて天則違反の罪を自白せよ、と告げた。
木山彦は、壮年のころにひとりの女と夫婦の約束をし子供をもうけたが、振り捨てて今の女房をもったことを懺悔した。そのため秋彦は継母が来たので六歳の頃に家を飛び出してしまったことを明かした。
一方木山姫は、嫁ぐ前に親の許さぬ仲の男の子を産んだが、子を男に預けてそのまま身を隠したことを懺悔した。
神人は、親子の対面を許すほどに信仰に励むように、と二人に言い渡して姿を消した。そこへ常楠夫婦、駒彦、秋彦、虻公、蜂公がやってきて、滝で禊を始めた。夜陰のことで、木山彦夫婦はただ、熱心な信仰者がやってきたものと思って夜を明かした。
夜が明けると、木山彦は常楠夫婦と駒彦、秋彦の姿を見つけて声をかけた。そして、秋彦が自分の子供であることを明かして親子の対面を果たした。常楠は涙を流して祝意を表した。一同は無言のまま滝に手を合わせて熊野大神に感謝の祈願を祈っている。
このとき麗しい雲が起こり、一柱の女神が現れた。女神は、駒彦は常楠とお久の子であり、秋彦は木山彦とお久の子であり、虻公は常楠と木山姫の子であり、蜂公は木山彦とお久の子であることを告げた。
女神は、いずれも天則違反から生まれたため、神界の罪により今日まで親子の対面を果たすことができなかったが、信仰の力によって罪が許されたのだ、と明かした。そして自分は天教山の木花姫命であると明かすと、姿を消した。
一同は神恩に感謝しながら、若彦の館を指して進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年06月11日(旧05月16日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所
OBC rm2308
本文の文字数2544
本文のヒット件数全 1 件/木花姫=1
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本文  木山彦の一行は漸くにして熊野の滝の麓に衣類を脱ぎすて、夫婦は此処に何事か祈願を凝らし七日七夜を送つた。従者の助公は木山彦の命に依り直ちに帰郷し、木山彦の不在を守る事となりぬ。
 此処に夫婦は一心不乱になつて、今一度吾子の鹿公に会はせ給へと祈つて居る。三七二十一日の水行を了へた夜半頃、何処ともなく山奥の谷を響かせ馬の蹄の音勇ましく、此方に向つて中空を駆来る異様の神人、七八人此場に現はれ、夫婦に向ひ、
『汝は日高の庄の酋長にて木山彦夫婦なるべし。汝が熱誠なる祈願を聞き届け、一人子の鹿公に遇はしてやらう程に、夫婦共前非を悔い、今迄なし来りし天則違反の罪を吾前に自白せよ』
と言葉厳しく言ひ渡し、鏡の如き目を光らし、白馬に跨つた儘両人の顔を睥睨して居る。扈従の神と見えて六七人は稍小さき馬に跨り各手槍を携へて居る。夫婦は戦慄き恐れ『ハイ』と許りに平伏したり。
木山彦『私は壮年の頃或一人の女と夫婦の約束を結び、子迄成したる仲を無惨にも振り捨てて、今の女房を持ちました。悪い事と申せば私一代に是により外に覚えは御座いませぬ。其報いにや、二人の娘は人身御供に取られ、一人の伜は継母が来たので何時の間にか、幼少の頃吾家を飛び出して行方は更に分らず、年は追々寄つて来る、世の中の寂寥を感じ、面白からぬ憂き年月を送る折しも其伜に邂逅ひ、半時の間も待たず言葉一つ云ひ交さず、又もや竜神の宮の犠牲に取られて仕舞ひましたのも、全く神様の冥罰が当つたので御座いませう。何卒其子に遇はして下さるやうと、夫婦の者がお願ひに参つたので御座います。今では女房も年を取り、継子が帰つたとても余り辛くは当りますまいから、も一度遇ひ度う御座います。承はれば、我子は宣伝使となつて竜神の宮の悪神を平げ、世界を遍歴して居るさうで御座います。何卒々々今迄の深き罪をお赦し下さいまして、哀れな老夫婦に今一度面会をさせて下さいませ』
と涙ぐむ。異様の神人は言葉爽かに、
『如何にも汝の申す通り寸分の間違ひはない。汝の女房木山姫も随分継子に辛く当つたものぢや。併し乍ら最早今日は余程心も柔ぎ居れば、親子の再会を許して遣はす。必ず必ず神信仰を怠るな』
 木山姫はハツと平伏し、涙と共に去し昔の懺悔話を語り出したり。
『今日迄夫にも隠して居りましたが、神様は何も彼もよく御存じで御座いますから、包み隠さず一伍一什を神様の御前、夫の前に白状致します。妾は若気のいたづらから一人の男を拵へ腹が膨れ、遂には親の許さぬ子を設け、種と云ふ男に産子を渡し其儘姿を隠し、今の夫に娶られたもので御座います。アヽ其子は今何うして居りませうか、もし此世に成人して居ますなら、神様のお慈悲で一目遇はして頂きたう御座います』
と涙と共に頼み入る。木山彦は妻の物語を聞いて今更の如く呆れ居る許りなりき。馬上の神人はニコニコしながら、
『汝の遇ひ度しと思ふ子は、今に遇はしてやらう。必ず信仰を怠るな』
と言葉終ると共に、一同の神の姿は掻き消す如く消え失せにけり。
 斯る所へ常楠夫婦を始め秋彦、駒彦、虻公、蜂公の六人連は、此滝に身を清めむと夜中に闇を冒して出で来り、忽ち真裸となり滝水に身を清め、天津祝詞を奏上した。木山彦は夜陰の事とて一行の何人なるか気が付かなかつた。唯熱心なる信仰者とのみ思ひつめ、夫婦は一生懸命に祈願の祝詞を夜の明くる迄、大地に平伏して奏上して居た。
 夜は漸々に明け離れ、一同の顔はハツキリとして来た。
木山彦『オヽ其方は常楠夫婦では御座らぬか、ヤア、秋彦、駒彦の宣伝使殿、これはこれはよい所でお目に懸りました。突然ながら、秋彦の宣伝使は私の伜で御座る。ようまア無事で居て呉れた。竜神の宮の神を征服げると云ふ神力を備へて居るとは実に偉いものだ』
と涙をホロリと零す。秋彦は藪から棒の此言葉を少しも訝かる色なく、
秋彦『アヽ貴方が父上で御座いましたか、ようまあ達者で居て下さいました』
と人目も構はず木山彦に抱きつき、嬉し涙に掻き暮れて居る。
常楠『此間から合点の往かぬ事のみ突発して、彼方からも此方からも親子の対面ばかり、吾々夫婦は三人の子を発見致しました。之も全く大神様のお引き合せ、酋長殿も大切なお息子に御面会遊ばして、こんな大慶な事は御座いませぬ』
と涙を流し祝意を表する。秋彦、駒彦、虻公、蜂公四人は無言の儘手を合せ、滝水に向つて『熊野大神様、有り難く御礼申上げます』と心の中で祈願を籠めて居る。
 此時何処ともなく麗はしき雲起りて四辺を包み、忽然として現はれた一柱の女神、言葉淑やかに宣り給ふやう、
『秋彦、駒彦両人が至誠に免じ、神界より親子の対面を許したのであるぞよ。今改めて汝等に告げむ。駒彦は常楠、お久の二人の中より生れた子である。又秋彦は木山彦とお久との間に生れた子である。次に虻公は常楠と木山姫との中に生れた子である。次に蜂公は木山彦とお久との中に生れた子である。何れも皆天則違反のいたづらより生れ出でし御子なれば、神界の罪に依りて今日迄親子互に顔を知らず、親は子を探ね、子は親を探ねつつあつた。されど汝等が信仰の力に依つて各罪を赦され親子の対面をなす事を得たのである。夢々疑ふ事勿れ。我は天教山より下り来れる木花姫命なるぞ』
と宣り終へ給ひて、微妙の音楽に送られ崇高なる御姿は煙の如く消え給ふ。
 四辺を包みし麗はしき雲はさつと晴れて、さしもに高き那智の滝の落つる音、滔々と轟き渡り、滝の飛沫に各日光映じ、得も云はれぬ麗はしき光景となつた。一同は神恩を感謝し、茲に水も漏らさぬ親子の縁を喜びつつ、若彦館を指して進み往く。
 惟神霊幸倍坐世。
(付記)
木山彦──お久……秋彦(鹿)遁児、六才、継母
常楠(種)──お久……駒彦(馬)失児、三才、天狗
常楠──木山姫(おたつ)……虻、捨子、水児、一才
木山彦──お久……蜂、水児、一才
(大正一一・六・一一 旧五・一六 加藤明子録)
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