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文献名1霊界物語 第23巻 如意宝珠 戌の巻
文献名2第3篇 有耶無耶
文献名3第12章 家島探〔724〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ高姫を乗せた舟の船頭は東助といった。高姫は東助に、家島まで急ぐようにと言いつけた。途中、高姫は饅頭を伏せたような島が目に入って、島の様子を東助に尋ねたが、東助が神島は船頭に恐れられていて誰も足を踏み入れるものはいない、と答えると、高姫はやはり玉の隠し場所は家島に違いないと思い込んでしまった。
家島に着くと、高姫は山林の中に姿を隠してしまった。東助は煙草を吸いながら浜辺で待っている。そこへ玉能姫らが追いついてきた。
鶴公は東助に、高姫がどこへ行ったかしきりに尋ねた。東助がとぼけると、高姫はてっきり山に登って行ったに違いないと、玉能姫を山に登らせようとする。
玉能姫は急ぐことはないので休息しようと言う。玉能姫は、玉は竜神がどこかに持って行ってしまったので、本当のありかは自分は知らないのだが、高姫が心配で追って来たのだ、と明かした。そして、もっと日の当たるところで休息しようと二三町ばかり山を登ったところで腰を下ろした。
一行は雑談にふけって時を費やすが、ついに貫州が正体を表し、実は高姫を示し合わせて玉能姫をここにおびき寄せたのだ、と脅しにかかる。玉能姫は、そんなことは淡路島ですでに見抜いていた、と笑う。
貫州たちは何とかして玉能姫を山に登らせようとするが、玉能姫は男たちを突き飛ばして坂を走りくだって逃げる。後からは男たちが追いかけてくる。坂の下では、高姫が現れて手を広げ、行く手をさえぎった。
玉能姫は危機に陥り、木花姫命に祈願を凝らした。すると辺りは濃い霧に包まれ、玉能姫は逃げることができた。後を振り返ると、高姫一行の周りだけに霧がかかっている。
玉能姫が磯端に着くと、虻公と蜂公が助けに来ていた。玉能姫は自分の乗ってきた舟に乗ると、東助の舟の綱を解いて流してしまい、虻公、蜂公とともに帰って行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年06月12日(旧05月17日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm2312
本文の文字数5460
本文のヒット件数全 1 件/木花姫=1
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本文  負ぬ気強き高姫は  折から漕来る漁夫船
 是幸ひと飛び乗りて  海の底より尚深き
 執着心に駆られつつ  三つの宝の所在をば
 諸越山の果て迄も  探し当てねば措くものか
 仮令蛇となり鬼となり  屍は野べに曝すとも
 海の藻屑となるとても  此一念を晴らさねば
 大和魂が立つものか  日の出神の生宮と
 自ら謳うた手前ある  愈実地を嗅出して
 日の出神の神力を  現はし呉れむと夜叉姿
 髪振り乱し海風に  身を梳り荒浪を
 乗り切り乗り切り漸くに  高砂沖にと着きにける。
船頭『もしもしお客さま、右手に見ゆるはあれが有名な高砂の森、それから続いて石の宝殿、曽根の松の名所、如何です、一寸彼処へお寄りになつては』
高姫『や、妾はそんな事どころぢやない。一時も早く家島迄行かねばならぬのだ。お前、御苦労だが何卒気張つて一刻でも早く漕つて下さい。それそれ後から今の五人の悪党者が追ひ駆て来る。追ひ付かれては大変だからなア』
船頭『儂も力一杯漕いで居るのだが、何と言うても向方は五人だから、交る交る身体を休め以て来るのだから旨いものだ。然し乍ら儂も此界隈にては艪では名を売つたもの、船頭の東助と言へば名高い者ですよ。其代り賃銀は他人の三人前払うて貰はねばなりませぬ』
高姫『三倍でも五倍でも十倍でも構ふものか。一歩でも早く着きさへすれば払つてやる。然し一歩でも後れる様の事があつては矢張三人前ほか払ひませぬぞや』
東助『有難う、それなら是から一気張り致しませう。何程上手な者でも此東助には叶ひませぬからな』
と捩鉢巻を締め浸黒い膚を出して凩に向ひ汗を流し乍ら、一層烈しく艪を漕出した。
高姫『これこれ、船頭さま、左手に饅頭の様な島が浮いて居るが、あれは何と言ふ島だい』
船頭『あれですか、あれは瀬戸の海の一つ島と言ひ神島とも言ひましてな、それはそれは恐ろしい島ですよ。昔から私の様な船頭でも寄りついた事は無いのですから』
高姫『あの島へ去年の五月の五日に船を漕いで行つた女があるだらう。お前、聞いて居るだらうなア』
東助『滅相も無い事仰有いますな。常の日でさへも彼の島へ船は着きませぬ。况して五月五日と言へば神島の神様が高砂の森へお渡り遊ばす日だから、船頭は総休みです。此辺一帯は昔から五日の日に限つて船は出しませぬ。万一我慢をして船を出さうものなら、忽ち船は顛覆し生命をとられて仕舞ふのだから、何処の阿呆だつて、そんな日に船を出したり恐ろしい神島などへ渡りますものか』
高姫『あの島には何か宝物でも隠してある様な噂は聞きはせぬかな』
東助『沢山の船頭に交際て居ますが、そんな話の気位も聞いた事はありませぬワイ。神様の話を言つても海が荒れると言ふ位だから、もう此話は是きりにして下さい』
高姫『さうかなア、矢張さうすると家島に違ひない。さア早く頼みます』
東助『承知しました』
と一生懸命、向う風に逆らひつつ漸く家島の岸に着いた。
高姫『あゝ御苦労だつた。流石は東助さま、よう早う着けて下さつた。お礼は沢山に致しますぞえ、後からの連中が来ても妾が此山へ登つたと言つてはいけませぬぞえ。若しも尋ねたら、高姫は神島に上がらしやつたと言うてお呉れ、屹度だよ』
東助『はい、承知致しました』
 高姫はパタパタと忙がしげに老樹こもれる山林の中に姿を隠して仕舞つた。東助は只一人舷に腰を掛け松葉煙草をくゆらして居る。
 半時ばかり経つと、玉能姫の一行を乗せた小船は矢を射る如く此場に寄り来り、
玉能姫『あ、お前さまは高姫さまを乗せて来た船頭さま、まア御苦労で御座いましたな。高姫さまは此山へお登りでしたか』
東助『え……その……何で……御座います』
と頭をガシガシ掻いて居る。其間に船は岩端に繋がれ五人は上陸した。
玉能姫『あなたの乗せた来た女の方は此山へ登られましたか』
東助『はい、登られたか、登られぬか、つい……昼寝をして居つたものですから根つから分りませぬ。貴女等が若し此処へおいでになつてお尋ねになつたら、神島へ行かしやつたでせう』
鶴公『ハヽヽヽヽ、何と歯切れのせぬ、どつちやへも付かずの答だな。一体船頭さま、お前は神島へ寄つたのかい』
東助『滅相も無い、誰があんな所へ寄せ着けますかい』
鶴公『そんなら、如何して高姫さまが神島へ寄つたのだ、実の処は此家島へ着いたのだけれど、神島へだと言つてスコタンを喰はして呉れと頼まれたのだらう。それに違ひない。お前は船頭に似合はず腹の黒い者だな』
東助『何を言つても金のもの言ふ世の中ですからな。船頭だつて金儲けは矢張大切ですワイ』
鶴公『ハヽヽヽヽ、分つた分つた、てつきり此島だ。玉能姫様、さア早く登りませうか。貴女の大切な宝を掘り出して呑まれて了はれちや大変ですぜ』
玉能姫『それもさうですが、余り慌るには及びませぬ。探すと言つたつて是だけ広い島、さう容易に見当るものぢやありませぬわ、まア一服致しませう』
貫州『玉能姫様の仰有る通り慌るには及ばぬぢやないか。高姫は高姫で勝手に探すだらう、一日や二日歩いたつて探しきれるものぢやないから。まア、玉能姫様、先づゆつくりとさして貰ひませう。随分疲労れましたから』
玉能姫『あ、さう為さいませ。私は実の所、宝の所在は存じませぬ。只一度手に触れた計り、後は竜神様が何処かへお隠しなされたのですから……此広い世界の何処かの島に隠してあるのでせう。妾が此処へ追つ駆てきたのは、高姫様のお身の上を案じ、お気が違うては居らぬかと、宣伝使としてまさかの時にお助け申さうと思つて来たのですから、斯んな危い山に上るのは止しませう。まアまア木蔭へでも這入つて、風の当らぬ暖い処で日向ぼつこりを致しませう』
と先に立ち二三丁山を登り、日当りよき処にて休息する。見れば非常に大きな清水を漂はした池が展開して居る。
鶴公『何と好い景色で御座いますな。こんな高い山に大きな池があるとは不思議ですわ』
玉能姫『此処は陸の竜宮かも知れませぬな』
東助『此島には斯んな小さい池だけぢやありませぬ。山の頂上にも中程にも大変大きな深い池があつて、底知らずぢやと言ふ事です。実に不思議な島ですわ。此広い島に昔から誰一人住んだ人がないのも一つの不思議、何でも大きな大蛇が出て来て、人の臭がすると皆呑んで仕舞うといふ噂ですから、誰だつて、此処に住居する者はありませぬ』
貫州『さうかな、随分恐ろしい所と見えるわい。斯んな所に一人放かして置かれたら堪るまいなア』
清公『そりや、さうとも。誰だつてやりきれないわ』
 色々雑談に耽り一時ばかり光陰を空費した。
貫州『さア玉能姫様、高姫さまは屹度此山の頂上さして登られたに違ひありませぬ。宝を先に掘り出し呑まれて仕舞つては大変ですから、ボツボツと出掛けませうな』
玉能姫『妾は少し足を痛めましたから、此処に休んで待つて居ます。何卒御苦労だが貴方等五人連れ行つて下さい』
貫州『いや、それはなりませぬ。もう斯うなれば本音を吹くが、吾々は絶対に高姫崇拝者だ。こりや、お節、斯うなる以上はジタバタしてもあかないぞ。綺麗薩張と玉の所在を白状致せ。四の五のと吐すが最後、此池へ岩を括り着け、四人の荒男が放り込んで仕舞ふが如何だ』
玉能姫『今更そんな啖呵をきらなくても、淡路島より船を出した時から、高姫と八百長喧嘩をし、目と目と合図をして居たでせう。そんな事の分らぬ玉能姫ですか。そんな嚇し文句を並べたつて迂濶と乗る様な不束な女とはチツと違ひますぞ。繊弱き女と思ひ侮つての其暴言、此玉能姫は斯う見えても若彦が妻、教主言依別命様より御信任を辱ふした抜目のない女です。お前さん等の五人や十人が何程捩鉢巻をして気張つた処で何になりますか。ウンと一声、霊縛をかけるが最後、気の毒乍ら万劫末代動きのとれぬ石地蔵になつて仕舞ひますよ。それでも御承知なら、何なりと試みにやつて御覧』
貫州『あゝ仕方の無い女だなあ』
鶴公『もしもし玉能姫様、嘘言ですよ。貫州はいつもあんな狂言をやつて空威張りをする癖があるのです。アハヽヽヽ』
東助『何だ、お前達は山賊か知らぬと思つたら、此山中で気楽さうに芝居をしてゐるのか、随分下手な芝居だなア』
玉能姫『何でも宜しいよ。之から高姫さまに会うて玉の所在でも知らして上げませうかな』
貫州『やア流石は玉能姫様ぢや。実に立派な御精神、貫州誠に感服仕りました。宣伝使はさうでなくては往きますまい。堅いばつかりが女ぢや御座いませぬ。まアよう其処まで打解けて下さいました。貴女がさう出て下されば、敵もなく味方もなく三五教は益々天下泰平、大発展は火を睹る如く明かで御座います。さア玉能姫様、お手を引いて上げませうか。……おい清公、貴様はお腰を押してお上げ申せ。俺はお手を引いて此急坂を登るから』
玉能姫『ホヽヽヽヽ、年寄か何ぞの様に如何に女の身なればとて、これしきの山が苦しうて如何なりますか。何卒お構ひ下さいますな。さアさアお先へお上り下さい。妾は一番後から参ります』
貫州『いや、さうはなりませぬ。高姫さまの御命令ですから……オツトドツコイ……そりや嘘言だ。中途に逃げられては虻蜂とらずになつて仕舞ふ。あゝ迂濶副守の奴、囁来よつた。もしもし玉能姫様、此奴ア皆私に憑依してる野天狗が混ぜ返すのだから、お心に触へて下さいますな』
玉能姫『霊肉一致の野天狗様が仰有つたのでせう、ホヽヽヽヽ左様なれば貴方等の御心配成さらぬ様に真ん中に参りませう。玉能姫が逃げない様に十分御監督なされませ』
貫州『別に貴女を監督する必要もありませず、悪い所へ気を廻して貰つては困りますよ』
玉能姫『何れそちらは高姫様を加へて荒男や神力の強い方が六人、此方は一人、到底衆寡敵しますまい。一層の事此池へ飛び込んで死にませうかな』
鶴公『それは何と云ふ事を仰有るのだ。死ぬのはお前さんの勝手だ。然し乍ら此方が困る、宝の所在を白状した上では死ぬるなつと生るなつと勝手になされ。それ迄はどうあつてもお前に死なれては高姫さまの願望が成就致しませぬから、何程死なうと踠いたつて、斯う五人の荒男が付いて居る以上は駄目ですよ。観念なさいませ、あゝ然し乍ら可惜美人を死なすのも勿体ないものだなア』
玉能姫『それでお前さま達の腹の底はすつかり分りました。妾にも覚悟がある』
と言ふより早く後から跟いて来る三人を苦も無く突倒し、急坂目蒐けて韋駄天走りに元来し道へ降り来る。五人は捩鉢巻を締め乍ら、
五人『オーイ、玉能姫、待つた、逃がして堪らうか、おいおい皆の奴、彼奴が船に乗る迄に引つ掴まへねばなるまい。さア急げ急げ』
と一生懸命に追つ駆ける。玉能姫は阿修羅王の如く髪振り乱し、血相を変へて力限りに下り来る。道の真ん中に大手を拡げて立ち現はれた一人の婆は高姫であつた。
高姫『オホヽヽヽ、到頭高姫の計略にかかり此島まで引摺り廻されて来よつた。いい馬鹿者だな。さアもう斯うなる以上は何程踠いても駄目だ。何処にお宝を隠したのか、神妙に白状するが宜い。此期に及んで愚図々々言ふなら、お前の生命でもとつて仕舞ふまいものでもない。此高姫の身の上にもなつて見て貰ひ度い。いい年をして、お前の様な若い女や初稚姫の様なコメツチヨに馬鹿にしられて、如何して世の中が歩けませうぞ。賢相でも流石は若い丈けあつて、肝腎の知慧がぬけて居る。さア如何ぢや、玉能姫、もはや否応はあるまい』
玉能姫『オホヽヽヽ、何処までも疑ひ深い訳の分らぬ方ですこと。知らぬ事は何と仰せられても知りませぬ。仮令首が千切れても言はぬと云つたら言ひませぬから、其心組で覚悟遊ばせ』
 斯く争ふ処へ五人の男、地響き打たせ乍ら此場にドヤドヤとやつて来た。玉能姫の身辺は危機一髪に迫つて来た。流石の玉能姫も進退谷まり如何はせむと案じつつ一生懸命に『木花姫命助け給へ』と祈願を籠めた。忽ち四辺は濃霧に包まれ咫尺を弁ぜず、恰も白襖を立てた如く見えなくなつて仕舞つたのを幸ひ、玉能姫は少しく道を横にとり、あと振り返り見れば濃霧は高姫一派の附近に極限され、外は一面の快晴である。玉能姫は神恩を感謝し乍ら磯端に漸く辿り着いた。
 玉能姫の消息如何にと案じ煩ひ、虻、蜂の両人は一艘の船を操り乍ら、丁度此場についた所である。
玉能姫『ア、お前は虻、蜂の両人、よう来て下さつた。話はまア後でゆつくりしよう』
虻公『何卒此船に乗つて下さい』
玉能姫『いえいえ妾は乗つて来た船がある。一人で操つて帰りますから、お前さまは其儘妾に従いて帰つて下さい』
と言ふより早く船に飛び乗り、高姫の乗り来りし船の綱を解き放ち、波のまにまに漂はせ置き二艘の船は矢を射る如く再度山の麓を指して帰り行く。
(大正一一・六・一二 旧五・一七 北村隆光録)
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