一方、娘の黄竜姫に会うために蜈蚣姫一行は、部下を引き連れて船に乗って竜宮島に向かっていた。船には蜈蚣姫に表面上心を合わせた高姫が乗っていた。
大島に着いた一行は、水を求めて島内に進み入った。しかし数々の怪異に妨げられ、高姫は意識を失った蜈蚣姫らに責められて苦悶を味わう。そのさなかに真正の日の出神が現れて、高姫は戒めを受けた。
空中より巨大な光玉が現れて高姫の面前に轟然として落下した。ふと眼を覚ますと、蘇鉄の木の下に一同は倒れていた。蜈蚣姫らバラモン教の一行は、息も絶え絶えになって苦しんでいる。
高姫は思わず貫州を呼んだ。貫州は一人、水を見つけて瓢箪に汲んで戻ってきた。高姫は日の出神の訓戒も忘れて、バラモン教徒たちを置き去りにして、自分たちだけで竜宮島に渡ろうと貫州に持ちかけるが、貫州は高姫を諌めバラモン教徒たちに水を含ませて蘇生させた。
蘇生した蜈蚣姫やスマートボールは高姫を暗に非難するが、高姫はバラモン教徒たちの守護神が自分に懸って言ったのだ、と気にも留めない。高姫と蜈蚣姫はひとしきり、口合戦をやっている。
一同は貫州に水のありかを教えられ、ありったけの器に水を入れてまた船に戻り、西南に向けて出港した。