宇豆姫は一人述懐の歌を歌っていた。その歌には、宇豆姫が鶴公を慕っていることが歌われていた。
そこへスマートボールがやってきて、宇豆姫の力になりたいと申し出た。宇豆姫は自分の心を見透かされたような気持ちになり、また鶴公派のスマートボールを頼もしく思ったが、その場は単に、神様に感謝を捧げていただけだと答えた。
そこでスマートボールは、宇豆姫が清公と結婚するという城内の噂について問いただした。宇豆姫は即座に否定し、また清公は好かないときっぱり言ってのけた。
スマートボールは宇豆姫を問い詰めて、ついに宇豆姫の口から、意中の人が実は鶴公であることを聞き出した。スマートボールは、自分はこの恋を成就させるために力を尽くすことを宇豆姫に誓った。
そこへ、黄竜姫がやってきた。黄竜姫は人払いをして宇豆姫と二人きりになった。黄竜姫は、地恩城の左守である清公の妻に宇豆姫を任命する、と厳然と言い渡した。宇豆姫は道理を交えた黄竜姫の申し渡しに同意する以外はなかった。
黄竜姫が去った後、宇豆姫はその場に泣き崩れてしまった。たまたま廊下を通りかかった鶴公は、宇豆姫を介抱する。二人は互いに思いを打ち明けあい、互いにその心を知ることができただけで思い残すことはない、と覚悟を決めた。