高姫、黒姫、高山彦は、部下のアールとエースを連れて、大船に乗ってタカの港を出港していた。太平洋を横切って、淡路の洲本に帰還し、酋長の東助館にやってきた。
東助館の門番として、虻公と蜂公が控えていた。高姫は傲然として中に入れるように命令するが、虻公と蜂公は、東助から高姫が来ることを言い含められていたようで、取り合わない。
虻公と蜂公は、高姫を何とか誤魔化してこの場に釘付けにしようとするが、聖地で御用があることを匂わせる。高姫は勘違いして東助館の中に秘密があると思って入ろうとする。そこへ東助の妻・お百合が騒ぎを聞きつけて出てきた。
お百合は、館の中は至る所に暗渠があって、地図がないと歩けないのだ、と脅すと、ようやく高姫はあきらめて去っていった。
一方、生田の森の杢助館には、国依別、秋彦、駒彦の三人が留守をしていた。国依別は、今回の竜宮島の神宝納めの神業のために聖地に行かなければならないため、秋彦と駒彦に留守を頼む。
三人が高姫の噂をしていると、窓の外に高姫一行が夜叉のような顔をしてやってくるのが見えた。駒彦は二人を奥の間に隠れさせて、自分が応対係りになると買って出た。
駒彦は高姫らを馬鹿な話で煙に巻こうとする。その中で、すでに神宝は聖地に納まったことを仄めかす。高姫は奥の間にも人がいることに気が付き、国依別と秋彦を見つける。二人は鼠の真似をして高姫を馬鹿にする。