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文献名1霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
文献名2第2篇 蓮華台上よみ(新仮名遣い)れんげだいじょう
文献名3第7章 鈴の音〔772〕よみ(新仮名遣い)すずのおと
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-10-01 21:27:28
あらすじ
五十子姫は、笑みを湛えて祝歌を歌った。厳の大神、瑞の大神を称え、自身の神業の遍歴をの結果、苦難の末に父大神と国武彦神の前に麻邇の玉を持ち帰ることができた喜びを歌った。

続いて音彦が立って舞いながら歌った。元はウラル教の宣伝使であったのが、波斯の国で日の出神に導かれて三五教の神業に参加し、麻邇の宝珠の神業が完成した場に居合わせることができたことへの感謝を歌った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年07月18日(旧閏05月24日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年6月5日 愛善世界社版109頁 八幡書店版第5輯 183頁 修補版 校定版121頁 普及版39頁 初版 ページ備考
OBC rm2607
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本文  五十子姫はさも嬉し気に満面に笑を湛へ、金扇を開いて満座の中に向つて祝歌を歌ひ、長袖淑やかに舞はせ給うた。
『厳の御霊の大御神  瑞の御霊の大御神
 八洲の国に蟠まる  八岐大蛇を言向けて
 此世の曲を払はむと  国治立大神は
 心を千々に砕かせつ  雲井の空の弥高き
 位を捨てて根の国に  尊き御身をしのばせつ
 又もや此世を守らむと  天教山の火口より
 水火の艱苦を凌ぎつつ  豊葦原の瑞穂国
 隈なく廻り神人の  心を包む村雲を
 科戸の風に吹き払ひ  速川の瀬に浄めむと
 百千万に身を窶し  悪魔の猛ぶ世の中を
 守らせたまふぞ尊けれ  ウブスナ山の頂上に
 建ち並びたる斎苑館  五十子の姫は父神の
 勅を畏み顕恩の  郷に下りて三五の
 誠の道を楯となし  バラモン教の神柱
 鬼雲彦や其外の  神の司に近寄りて
 救ひの道を伝へむと  思ひし事も水の泡
 是非なく此処を立ち出でて  梅子の姫と諸共に
 エデンの流れを横ぎりつ  踏みも習はぬ旅枕
 雨や霰に身を曝し  醜の魔風に梳り
 彼方此方と神の道  開く折しもバラモンの
 神の司に捕へられ  恨は深し海の原
 半朽ちたる捨小船  主従四人は村肝の
 心淋しく天地の  神の御前に太祝詞
 涙と共に唱へつつ  果しも知らぬ浪の上
 浮きつ沈みつ竜宮の  宝の島に辿りつく
 神の御稜威もタカ港  御船を捨てて上陸し
 鬼熊別の貴の子と  生れ出でませる小糸姫
 教の道の司とし  地恩の郷に現はれて
 大宮柱永久に  太知り立てて賑しく
 教の園の花薫り  実を結びたる秋の空
 梅子の姫や小糸姫  其他の司に暇乞ひ
 今子の姫と諸共に  神の恵の著く
 屋根無し船に身を任せ  浪太平の海原を
 大小無数の島を縫ひ  漸う此処に自転倒の
 秀妻の国の神島に  辿り着きたる嬉しさよ
 自転倒島を西東  北や南と駆廻り
 三五教の大道を  四方に伝ふる折もあれ
 思ひも寄らぬ竜宮の  一つ島なる秘密郷
 黄金の湖の底深く  秘め置かれたる麻邇の玉
 此処に現はれ北の空  打ち眺めつつ綾錦
 聖地を指して参下り  言依別と諸共に
 秋山彦の御館  来りて見ればこは如何に
 焦れ焦れし吾父の  神素盞嗚大神や
 国武彦大神の  厳の温顔伏し拝み
 嬉し悲しの胸の中  譬へむよしも泣くばかり
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましまして
 父大神の大神業  国武彦の御経綸
 完全に委曲に成り遂げて  堅磐常磐の松の世を
 千代に八千代に万代に  築かせ給へ久方の
 天津御空の神国の  日の若宮に永久に
 鎮まりいます日の神の  御前を慎み畏みて
 遥に願ひ奉る  瑞の御霊の麗しく
 厳の御霊の影清く  三五の月の何時迄も
 照れよ光れよかくるなよ  あゝ惟神々々
 神の御前に願ぎまつる』
と歌ひ終つて旧の座に着き給うた。
 音彦は立ち上つて銀扇を拡げ自ら歌ひ自ら舞ふ。
『ウラルの彦やウラル姫の  開き給ひしウラル教
 名さへ尊きアーメニヤ  教の館を後にして
 ウラルの道を開かむと  波斯の海をば浮びつつ
 僅に四五の神司  率ゐて進む一つ島
 三歳四歳と身を尽し  心を尽し皇神の
 教を開く甲斐もなく  わが信仰の仇花に
 実りもせない山吹の  黄金花咲く此島も
 何の効果も荒浪の  上を辷つて帰り来る
 時しもあれや波斯の海  荒風すさび浪猛り
 千尋の海に吾船は  早沈まむとする時に
 同じ御船に乗りませる  三五教の神司
 日の出別の神人に  危き所を助けられ
 始めて悟る神の道  タルの港に上陸し
 波斯の原野をトボトボと  神のまにまに宣伝歌
 歌つて進む勇ましさ  弥次彦、与太彦両人を
 御供の司と定めつつ  小鹿峠にさしかかる
 時しもあれやウラル教  目付の神に取囲れ
 進退ここに谷まりて  千尋の谷間に身を投じ
 人事不省の其儘に  三途の川や八衢の
 淋しき光景探りつつ  日の出別の神人に
 呼び生かされて甦り  深くも悟る神の道
 皇大神の御心を  島の八十島八十国の
 あらむ限りに伝へむと  遠き近きの隔てなく
 廻り廻りて自転倒の  島に漸う辿り着き
 大江の山や鬼ケ城  バラモン教の神司
 堅磐常磐の鉄城と  頼みて拠れる真最中
 吾言霊に吹き払ひ  心いそいそ五十子姫
 右と左に別れつつ  神の御為道のため
 世人の為に赤心を  尽す折しも三五の
 神の教の貴宝  三つの御玉は永久に
 神のまにまに納まりて  天の御柱いや太く
 下津岩根に経緯の  機の仕組も近づきて
 教の花も遠近に  薫り初めたる秋の空
 又もや来る五つ御玉  天火水地と結ぶなる
 五つの御玉の麻邇宝珠  綾の聖地に恙なく
 集まりますと聞きしより  心の駒も勇み立ち
 錦の宮の御前に  感謝の涙流しつつ
 三五教の神司  言依別に従ひて
 由良の港に来て見れば  妻の命の御父と
 現はれませる瑞御霊  神素盞嗚大神は
 聖顔殊に麗しく  身も健かに神業に
 尽させ給ふ嬉しさよ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましまして  三つの御玉の麗しく
 五つの御玉の清らかに  心の空は日月の
 伊照り輝く其如く  雲霧もなく永久に
 神の光を世に照し  ミロクの神世の礎を
 下津岩根に搗き凝らし  上津岩根に搗き固め
 三五の月の御教を  守る吾等の神業を
 守らせ給へ天津神  国津神等八百万
 埴安彦や埴安姫の  伊都と美都との二柱
 清き御魂の御前に  慎み敬ひ願ぎまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
(大正一一・七・一八 旧閏五・二四 加藤明子録)
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