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文献名1霊界物語 第26巻 海洋万里 丑の巻
文献名2第3篇 神都の秋よみ(新仮名遣い)しんとのあき
文献名3第12章 秋の色〔777〕よみ(新仮名遣い)あきのいろ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-10-11 23:04:47
あらすじ天足彦と胞場姫の体主霊従の御魂より現れた邪神によって、国治立大神の神政は破れ、妻神・豊国姫命とともに地の底にいったん降ることになった。夫婦の神は野立彦命・野立姫命と再び現れ、また黄金山下に埴安彦・埴安姫と現れたのは瑞の命の御仕組だった。エルサレムの聖地を遠く離れた自転倒島の中心地・青山を四方にめぐらせた下津岩根の霊場である桶伏山の蓮華台に、橄欖山になぞらえた四尾山に国武彦となって現れ、また瑞霊は言依別命と現れた。青雲山の黄金の玉、国治立大神が沓島に秘め置いた如意宝珠、紫の玉、と霊力体の三つの御霊が揃って三五の教えは栄えていく。さらに諏訪の湖に深く隠されていた五個の麻邇の玉がめでたく聖地に納まった。清く正しい信徒らに守られて神宝が八尋殿の宝座に収められた。このような例は、はるか昔に天の岩戸が開けて以来なかった瑞兆である。錦の宮の神司である玉照彦と玉照姫は、麻邇の宝珠を奉迎し、梅子姫らの功績を賞しようと一段高い壇上に相並んだ。緯と経の錦の宮の神柱の赤き心は瑞穂の国を隈なく照らす尊さである。二人は、送り届けられた玉の輿を開いて、宝珠を納めた柳箱を次々に取り出し、言依別命に手渡して奥殿に斎かせた。ここに納玉の式もめでたく完了し、信徒らは直会の宴ににぎわしく悦び歌い、この瑞祥を祝った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年07月19日(旧閏05月25日) 口述場所 筆録者谷村真友 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年6月5日 愛善世界社版166頁 八幡書店版第5輯 201頁 修補版 校定版183頁 普及版60頁 初版 ページ備考
OBC rm2612
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本文  松の神世の礎は  目出度く立ちて足曳の
 山と山との奥深く  紅葉踏み分け鳴く鹿の
 声爽かに佐保姫の  錦織りなす秋の空
 雲井の空もいと高く  和知の流は淙々と
 言霊鼓打ちながら  神世を祝ふ尊さよ
 天地開けし始めより  金竜銀竜二柱
 海月の如く漂へる  泥の海原練固め
 海と陸とも立別けて  山川草木生ましつつ
 完全に委曲に現世を  開き給ひし国治立の
 神の命に引添うて  豊国姫大御神
 厳と瑞との三五の  錦の機を織らせつつ
 いと安らけく平けく  神世を開き給ふ折
 エデンの園に現はれし  天足の彦や胞場姫の
 体主霊従の醜業に  魂は乱れて日に月に
 弱り果てたる其隙を  八岐大蛇や醜狐
 曲鬼共が忍び入り  常世の国の天地を
 曇らせ乱す常世彦  常世の姫の二柱
 塩長彦を推戴し  豊葦原の瑞穂国
 醜の魔の手に握らむと  心を尽し身を尽し
 権謀術数限りなく  醜の荒びを不知火の
 地上に生れし百神は  仁慈無限の大御神
 国治立大神の  開き給ひし神政に
 向つて醜の鉾を向け  常世の彦を謀主とし
 力限りに攻め来り  天地暗澹曲津霊の
 荒ぶる世とは成り果てぬ  国治立大神は
 天津御空の神国の  日の若宮に登りまし
 大海原に瀰れる  醜の雄猛び詳細に
 詔らせ給ひて天の下  百の罪咎残りなく
 償ひ玉ひて天教の  山の火口に身を投げて
 世人の為めに根の国や  底の国まで遍歴し
 野立の彦と名を変へて  忍び忍びに世の中を
 守らせ給ふ尊さよ  豊国姫も夫神の
 後を慕うて波の上  阿波の鳴門の底深く
 沈み給ひて根の国や  底の国まで到りまし
 野立の姫と身を変じ  再び地上に現はれて
 夫婦の水火を合せつつ  仁慈無限の御心に
 百の神人救はむと  黄金山下に現はれて
 埴安彦や埴安姫の  瑞の命の御経綸
 種々雑多と身を変じ  珍の都を後にして
 波に浮べる神の島  自転倒島の中心地
 青山四方に繞らせる  下津岩根の霊場に
 尊き御姿隠しつつ  此世の曲を払はむと
 百千万の苦みを  忍び給ひて松の世の
 安けき神世を待ち給ふ  桶伏山の蓮華台
 橄欖山になぞらへし  四尾の峰の山麓に
 国武彦と身を変じ  言依別と現はれて
 綾の錦の貴機を  織らせ給へる時もあれ
 青雲山より送り来し  黄金の玉を始めとし
 国治立大神の  沓になります沖の島
 秘め置かれたる貴宝  金剛不壊の如意宝珠
 又もや聖地に現はれて  神徳日々に栄え行く
 高春山にアルプスの  教を楯に籠りたる
 鷹依姫が守れりし  紫色の宝玉も
 神のまにまに集まりて  高天原の御宝
 霊力体の三つ御霊  此処に揃ひて神界の
 尊き経綸の開け口  天地の神も勇み立ち
 百千万の民草も  厳の恵みに浴しつつ
 神の立てたる三五の  教は日々に栄え行く
 錦の宮はキラキラと  旭に輝く美はしさ
 又も竜宮の一つ島  諏訪の湖底深く
 秘め置かれたる麻邇の玉  玉依姫の計らひに
 目出度く聖地に納まりて  神徳輝く四尾の
 峰も黄金の色添ひて  機の仕組も明かに
 現はれたりと言依別の  瑞の命を始めとし
 錦の宮に並びたる  八尋の殿に集まれる
 信徒達も勇み立ち  老若男女の別ちなく
 綾の聖地に堵列して  玉を迎ふる勇ましさ
 あゝ惟神々々  尊き神の御計らひ
 麻邇の宝珠は恙なく  清く正しき人々に
 前後左右を守られて  八尋の殿に造られし
 宝座にこそは入り給ふ  かかる例は久方の
 天の岩戸の開けてゆ  今に至るもあら尊と
 世界を治むる神国の  瑞兆とこそ知られけり
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ。
    ○
 錦の宮の神司  月日も清く玉照彦の
 厳の命や玉照姫の  瑞の命は欣々と
 お玉の方に導かれ  八尋の殿に出でまして
 梅子の姫や初稚姫の  貴の命の一行が
 黄金の島より遥々と  麻邇の宝珠を奉迎し
 聖地に送り来りたる  其功績を賞せむと
 聖顔殊に麗しく  所狭き迄立ち並ぶ
 老若男女を掻き分けて  一段高き段上に
 相並ばして立ち給ふ  其神姿の崇高さよ
 三つの御玉や五つ御玉  其宝玉と相並び
 光争ふ玉照彦の  伊都の命や玉照姫の
 瑞の命の神司  お玉の方を差し加へ
 愈此処に三つ御魂  玉治別や玉能姫
 加へて此処に五つ御魂  三五の月の神教は
 世界隈なく冴え渡り  常世の暗を晴らすなる
 尊き厳の神業は  九月八日の秋の空
 澄み渡りたる明かさ  手に取る如く思はれぬ
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましまして
 経と緯との機織の  錦の宮の神柱
 玉照彦の美はしく  玉照姫のいと清き
 厳の御霊は天地に  輝き渡り紅葉の
 赤き心は葦原の  瑞穂の国に隈もなく
 伊照り渡らす尊さよ  二人の玉照神司
 送り来れる玉の輿  サツと開いて麻邇の玉
 深く包める柳筥  弥次々に取り出し
 言依別の玉の手に  渡し給へば謹みて
 一々玉筥奥殿に  斎かせ給ふ尊さよ
 天地の神は勇み立ち  百の信徒歓ぎ合ひ
 御空は高く風清く  人の心は靉々と
 平和の女神の如くなり  愈此処に納玉の
 式も目出度く終了し  言依別の神言もて
 玉照彦を始めとし  麻邇の宝珠に仕へたる
 神の司は云ふも更  三五教のピユリタンは
 老も若きも隔てなく  男女の差別なく
 皇大神に供へたる  珍の神酒御食美味物
 山野海河取揃へ  心も開く直会の
 宴の蓆賑しく  此瑞祥を祝ぎて
 歓び歌ひ舞ひ踊り  聖地の秋は天国の
 開き初めたる如くなり  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましまして  此歓びは永久に
 外へはやらじと勇み立ち  金扇銀扇打開き
 天の数歌うたひ上げ  金蝶銀蝶の春の野に
 戯れ狂ふ其状は  絵にも描かれぬ景色なり。
 由良の港の秋山彦の館より、御船に奉安し迎へ来りし、五個の麻邇宝珠は玉照彦、玉照姫、お玉の方の介添へにて教主に渡し給へば、言依別命は恭しく推戴き、錦の宮の奥殿に一つづつ納め給ふ事となつた。それより神饌に供したる山野河海の美味物を拝戴し、酒肴其他種々の馳走をこしらへ、一同之を頂き十二分の歓喜を尽し、大神の御神徳を讃美しながら、各吾住家に引返すのであつた。
(大正一一・七・一九 旧閏五・二五 谷村真友録)
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