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文献名1霊界物語 第27巻 海洋万里 寅の巻
文献名2第1篇 聖地の秋よみ(新仮名遣い)せいちのあき
文献名3第3章 魚水心〔785〕よみ(新仮名遣い)ぎょすいしん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2021-10-22 20:41:41
あらすじ高姫、黒姫、高山彦は、夏彦、常彦と夕餉を済ませてひそひそ話にふけっている。高姫は夏彦と常彦に、麻邇の宝珠の神業の様子を尋ねた。そして、黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫らの手柄を聞いて、憤慨する。そして、玉が聖地に来たのも自分たちを守護する日の出神と竜宮の乙姫のはからいだと嘯き出す。常彦は、それだから言依別教主は、高姫と黒姫が来ないと玉をお披露目できないと言って、二人が来るのを待っているのだ、と高姫に伝えた。高姫は相好を崩して、言依別もこのごろはやっと出来てきた、と独りごちる。そして、それなら言依別の方からこちらにやってきて、懇願するべきだとまた嘯き出す。夏彦は、なんとか理屈をつけて、高姫・黒姫を動かそうと説得する。話は杢助の話になり、高姫は杢助をけなし出す。夏彦はそれに同調する振りをして、杢助の本心を高姫・黒姫に諭そうと、たとえ話で説得する。常彦は、国依別に石魚を持ってこさせたのも、実は言依別教主の指図で、それは高姫・黒姫がまだ寛大な心になっていないのではないか、という懸念から、それを試そうとしたのだ、と明かした。高姫は、そんな心配は無用だと憤慨し、そこまで言うなら自分の大精神を見せてやる、と言って教主館に行くことをほとんど承諾した。そこへ外から宣伝歌が聞こえて来て、亀彦が高姫館の門を叩いた。高姫は、今日は来客があるからと言って亀彦を帰した。高姫、黒姫、高山彦は、亀彦も国依別の計略の片棒をかついで後ろめたいのだろう、と笑っている。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年07月22日(旧閏05月28日) 口述場所 筆録者外山豊二 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年6月20日 愛善世界社版63頁 八幡書店版第5輯 264頁 修補版 校定版65頁 普及版26頁 初版 ページ備考
OBC rm2703
本文のヒット件数全 1 件/高姫館=1
本文の文字数6184
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本文  高姫、黒姫、高山彦、夏彦、常彦の五人は、四方山の話に耽り乍ら晩餐を済ませ、窓を開けて月を拝し乍ら、ヒソヒソ話に耽つてゐる。
高姫『夏彦、常彦さま、お前さまは言依別の教主に随いて、五色の御玉を御迎へに秋山彦の館まで往つたぢやありませぬか』
夏彦『ハイ行きました。それはそれは御立派な事で御座いましたよ。なんでも初稚姫、玉能姫、玉治別、久助、お民の五人さまが、竜宮の一つ島の諏訪の湖の竜の宮居とかで、乙姫さまから五色の結構な玉を御頂きなされ、それを自分の手柄にするのも勿体ないと云ふ御精神から、初稚姫さまは紫の玉を梅子姫様に御渡し遊ばされ、それに倣うて四人の御方は黄竜姫、蜈蚣姫、友彦、テールス姫にその玉を無言の儘渡されたといふ事です。人間も、アー云ふ工合に私を捨て譲り合つて行けば、何事も円満に行くのですがなア』
高姫『何ツ、黄竜姫や蜈蚣姫、彼の友彦にテールス姫、彼んな輩がそんな御用をしましたかい。何程人物払底だと云つても、あんまり酷いぢやありませぬか。さうしてその玉は今聖地に納まつてあるだらうな。竜宮の乙姫さまの肉の宮、黒姫さまが此処に御座るのだから、謂はば黒姫さまが二三年も竜宮の島に渡つて御仕組をして置かれたのだ。それも此の高姫が神様の御都合で、黒姫さまを聖地から追出したのが矢張御用になつて居るのだ。そんな事の分つた奴は一人も有りますまい。何を云つても杢助のやうな没分暁漢が総務さまだからね』
夏彦『それは誰もよく存じて居ります。これは全く日の出神さまや、竜宮の乙姫様の御蔭で授かつたのだと云つて居ますで』
高姫『それは定つて居るぢやないか。併し日の出神の肉の宮と、竜宮の乙姫さまの肉の宮は、何方ぢやと云ふ事が分つて居らねば駄目ですよ』
常彦『それは云はいでも定つてゐますがな。系統の肉体に憑らいで何処へ憑らはりませう。乙姫さまだつて、依然日の出神さまの生宮に引添うて御座る御方に定つとるぢやありませぬか。それで言依別神様が信者一同に玉を開けて一度拝まし度いのだけれど、肝腎の系統の生宮さまが御帰りになる迄、吾々は開ける事は出来ないと云つて、御自分で何処かへ御納めになりました。貴方が些とも言依別さまの御館へ顔出しをなさらぬものだから、待つてゐられるのですよ』
高姫『言依別も大分此頃は改心が出来たと見えますワイ。此の肉体が日の出神の生宮ぢやと云ふ事が徐々と気が付いたらしい。なア竜宮の乙姫さま、それに就いても、些と分らぬぢやありませぬか。吾々が訪ねに行かずとも、それが分つた以上は日の出神や竜宮の乙姫様へ御礼に来ねばならない筈だ。本末顛倒も実に甚しい』
夏彦『決して決して、言依別様はそんな御考へは些とも無いのですが、貴方は何時も言依別の奴灰殻だとか、四足身魂だとか仰有るものだから言依別様は、貴方の御宅を御訪ねなされ度いのは胸一杯になつて居らつしやるのですが、人手の少いのに、又々秋季大清潔法をなさらんならぬ様な事が起ると、御気の毒だと云つて控へて御座るのですよ』
高姫『そんな御心配は要りませぬわ。日の出神や竜宮の乙姫の生宮が分る丈の身魂なら、最早四足身魂は退散して居るに違ひないから、高姫、黒姫が待ちかねてゐるから一遍御出でなさいと云つて下さい。いろいろと言うて聞かしたい事もある。何程賢い教主だと云つても年の若い経験の無い社会大学を卒業せない人だから、言はねばならぬ事が山程あるのだけれど、又煩さがられると思うて今迄云はずに居つたのだよ。それが本当なら言依別も見上げたものぢや。オツホヽヽヽ』
夏彦『折角立派な御玉が納まつて皆の信者が拝観したいと云つて待つて居ります。何卒その玉を貴女の御手で開いて貰はなければ誰も開く事が出来ぬのですから、何卒早く御機嫌を直して錦の宮へ御参詣の上、言依別様と御相談して下さいな』
高姫『ソリヤ道が違ひませう。言依別は教主だと云つても、それは人間が定めたもの、誠生粋の日の出神様や竜宮の乙姫様の御鎮まり遊ばす肉の宮へ、一度の面会にも出て来ぬと云ふ失礼な事がありますかい』
 夏彦は言ひ憎さうに一寸頭へ手を上げて、
夏彦『あなたの仰有る事も一応は御尤ものやうに考へますが、そこはさう四角張らずに、言依別様は言依別様として、教主と云ふ名に対し貴方から御訪問なさるが至当だと思ひます。それも亦直接に御会ひになつてはいけませぬ。何程御嫌ひになつても総務の杢助さまの手を経て御面会をなさいませ。それが至当だと此の夏彦は御神徳を頂いてゐます』
高姫『あんな杢助や国依別のやうな行儀知らずに、阿呆らしくて面会が出来ぬぢやありませぬか。二つ目には四足かなんぞのやうにゴロンと横になり、不作法な…生宮の前でも寝て話をすると云ふ代物だから、国依別までが同じ様に猿の人真似をしよつて、好いかと思つてグレンと仰向けになり応対をして居るから、この高姫が「些と心得なさい、失礼ぢや無いか」とたしなめてやれば、霊界物語でさへも仰向けになつて、足をピンピン上げ以て結構な神界の因縁を説かれるぢやないかと、屁理屈をこねる仕方の無い奴だ。そんな奴を又言依別さまも人間が好いものだから、悦んで使つてゐると云ふ御目出度さ。第一これからが退けて了はなくちや、三五教も何時になつても駄目ですよ』
夏彦『あなたの御言葉は実に御尤もです。私も時々杢助さまが仰向けになつて、私達にいろいろの事を御指図をなさるので時々ムツとしてその訳を詰問すると杢助さまの言草が面白い。「今のやうな百鬼昼行の世の中の人間は、みんな鬼や蛇や悪魔が人間の真似をして立つて歩いて居るのだ。さうして蟹が行く横さの道計り平気でやつてゐるから耐らない。今日の世の中を革正しようと思へば、何うしても人のようせぬ事を致さねば立替、立直しは出来ない。今日の社会を見なさい、その潮流は滔々として横へ横へと流れてゐるぢやないか。それが所謂天地自然の道だ。川の水でも潮水でも横に流れて居るべきものだ。数多の人命を乗せて走る汽車も矢張横に長うなつてゐる。レールでさへもさうぢやないか。もしもレールがチヨコンと坐つたり、立てつて見なされ、汽車は忽ち転覆するぢやないか。横に流れて居る河川は洋々として少しも淹滞なく、又愛らしい雛を育てる牝鳥は翼の中へ大切に抱えて巣の中へ寝てゐます。卵を孵すのだつて寝て居らねば孵りはしない。ノアの方舟だつて矢張り水面を横に進んで流れてゐる、水平社の運動でも……」と仰有いましたよ』
高姫『そんな屁理屈がありますか。この庭先の松や篠竹を見なさい。皆地から真直に上へ向つて立つてるぢやありませぬか。横になつてる奴は幹が腐つて風に吹き倒された木許りぢや。又本打切り末打断ちて皮を剥かれた枯木の材木ばつかりだ。横になつてる奴に碌なものがありますか。さうだから杢助では駄目だと云ふのですよ』
と力をこめて握拳で閾を思はずポンと叩き、『アイタヽヽ』と云はんとしたが、『アイ……』と云つた限り顔を顰めて左の手でコツソリと撫でてゐるその気の毒さ。
常彦『なんと理屈は何方へでもつくものですな。火中水あり、水中火あり、火は水の力を借つて燃え上り、水は火の力に依つて動かされる道理で、何方から聞いても理屈は合ひますワイ。それで経が変性男子、緯が変性女子と神様が仰有るのでせう。経糸計りでは所詮駄目で、矢張り緯糸が無ければ錦の機は織る事は出来ませぬ』
高姫『その緯がいかぬのですよ。緯は梭が落ちたり、糸が切れたり致すから、それで変性女子の行方は駄目だと云ふのだよ……
 機の緯織る身魂こそ苦しけれ 一つ通せば一つ打たれつ
なんて弱音を吹いて居るやうな言依別に何が出来ますかいな。イヤイヤ矢張言依別は出来ぬとも限らぬ。此頃は大分に改心をしかけたから、変性男子の経糸に対して、私がサトクとなつて立派な機を織つて見せませう。緯糸になる緯役さへサトクの言ふ通り従いてくれば好いのだ。……ナア黒姫さま、さうぢやありませぬか』
黒姫『左様々々、貴方の仰有る通り一分一厘毛筋の横巾程も違ひはありませぬ。何卒一時も早う杢助さまが改心さへしてくるれば、何にも云ふ事はありませぬがなア』
常彦『杢助さまの方では何卒一日も早く高姫さまや黒姫が改心さへしてくれれば何も云ふ事はないがなア…と首を傾げて大変に考へてゐましたよ。国依別だつてあんたの敵対役に実際の所はこしらへてあるのですよ。此間もお肴だと云つて石を持つて来たでせう。それは大きな声では云へぬが全く言依別様の御指図ですよ』
高姫『ナニ、言依別が……あんまりぢやないか』
常彦『言依別様は深い思召しがあつて国依別にあーいふ事をさせて、お前さまが怒るか怒らないか、怒るやうでは玉の御用をさす時機がまだ来て居らぬのだし、それを耐へ忍ぶやうな高姫さまなら、モウ大丈夫だからと云つて気を御引きなさつたのですよ。お前さまは矢張腹が立ちませうね』
高姫『エー腹が立つといふやうな、そんな小つぽけな精神で、大和魂と云はれますかい。大海は塵を選まず、百川の濁流を呑んで濁らずと云ふ高姫の態度ですからなア。天の高くして諸鳥の飛翔するに任するが如く、海の濶く深くして魚鼈の躍るに任すが如しといふ広大無辺の大精神ですから……ヘン……あんまり見損ひをして貰ひますまいかい。妾を試すなんて猪口才過ぎる。矢張自分の心が小さいからだよ。自分の心の尺度を以て、生神様の大精神を測量しようと思ふのが、テンから間違つてゐる。併し乍らそこまで言依別もなつたか、ホンに可愛いものだ。……そんなら常彦さま、お前、言依別さまに逢つて、高姫さまは彼の位な事は、何処を風が吹くらんといふやうな態度で、余裕綽々、泰然自若として笑つて御座つたと、実地正真らしく……オツトドツコイ……実地正真の立派な態度を、よく腹へシメこんで置いて申上げるのだよ』
常彦『兎も角今日の有りの儘を申上げたら好いのですか。嘘は一寸も云はれぬ御道ですからなアー』
高姫『エー矢張モウ云うて下さるな。妾が直接に御目にかかつてその寛大振を見せて来るから、今日の事は何にも云ひつてはなりませぬぞ』
常彦『魚心あれば水心あり、打てば響くとやら……、ナア夏彦、さうぢやないか。チツトはコンミツシヨンとか、ボーナスとか有りさうなものだなア』
黒姫『オホヽヽヽ、何と現金なお方だこと』
常彦『何分此肉体は融通の利く人間ですが、三五教の誠の教を守護神の奴、腹中で、すつかりと聞き居つたものだから、相手の通り云ひたがつて仕様がありませぬ。この肉体は何も云ひませぬ。副守の奴に何か気をつけてやつて下さい。袂が重ければ重い程都合が宜しいで。少々の重味位乗せた所で、中々の強い奴ですからなア』
高姫『マアマア成功の後、御注文通りボーナス(棒茄子)なつと、ボーウリ(棒瓜)なつと、干瓢なつと上げませうかい』
常彦『そいつはなりませぬぞ。何事も前銭を出して註文して置かねば、何程変換されても仕方がありますまい。証拠金とか手付金とか先へ頂いて公証役場へ行つて、公正証書でも取つて置きませうかな。アハヽヽヽ』
高姫『コレ常彦さま、冗談もよい加減にしなさい。……千騎一騎の此場合ぢやありませぬか』
常彦『ソラさうでせう。あなたにとつては千騎一騎、吾々は及ばず乍ら麻邇宝珠の御迎へを御勤め申し、一寸休養を賜はつて居るところですから、極めて悠々閑々たるものです。兎も角他の苦労で徳をとらうと云ふのは、却て骨が折れるものですワイ。併しこれは世間の話しですよ。お前さまは気が早いから直に自分の事に取つて怒る癖があるから剣呑だ』
高姫『何を仰有る。それは大きな声で云はれぬが、言依別命の事でせうがなア』
常彦『あんたはさう思つてますか。それで安心だ……。なア夏彦さま』
夏彦『オホヽヽヽ、イヤモウ何うも感心いたしました』
 斯かる処へ夜の閑寂を破つて宣伝歌の声が聞えて来た。
『神が表に現はれて  善と悪とを立別ける
 此世を造りし神直日  心も広き大直日
 唯何事も人の世は  直日に見直せ聞直せ
 身の過ちは宣り直せ  頑迷不霊の高姫も
 執着深き黒姫も  天と地との御水火より
 現はれませる神の御子  神素盞嗚大神の
 仁慈無限の御心を  酌みとりまして言依別の
 瑞の御魂は八尋殿  麻邇の御珠を奥深く
 納め給ひて高姫や  黒姫さまの帰るまで
 拝観する事ならないと  言葉厳しく宣り伝へ
 高姫さまの一行が  聖地を指して帰り来る
 その吉日を待ち玉ふ  思へば深し神の恩
 仰げば高し御恵み  露だも知らぬ高姫が
 聖地に帰り来乍らも  錦の宮の大前に
 未だ詣でし状も無し  玉照彦や玉照姫の
 神の柱は言ふも更  神素盞嗚大神の
 珍の御子とあれませる  五十子の姫や梅子姫
 わけて尊き英子姫  言依別の教主等に
 未だ一度も挨拶の  便りもきかぬうたてさよ
 あゝ惟神々々  御霊幸倍ましまして
 執着心と片意地に  とりからまれし両人や
 高山彦の身魂をば  神の御稜威にさらさらと
 清め玉ひて片時も  疾く速けく大前に
 詣で来りて神業に  参加なさしめ玉へかし
 如何に高姫黒姫が  頑強不霊と云ひ乍ら
 神の御裔の方々に  無礼の罪を重ぬるは
 実に悲しき事ぞかし  教の道の友彦を
 一度遣はし見たれども  金門を守る安公に
 追ひ退はれて減らず口  叩いて館へ立帰り
 面を膨らせブツブツと  小言の限り列べ立て
 とりつく島もなき別れ  われは亀彦宣伝使
 英子の姫の御言もて  高姫黒姫両人を
 今や迎へに来りけり  月は御空に皎々と
 輝き渡り万有に  恵みの露を賜へども
 心の空の村雲に  十重に二十重に包まれて
 黒白も分かぬ胸の闇  晴らし玉へよ天津神
 国津神達八百万  三五教を守ります
 皇大神の御前に  万代祝ふ亀彦が
 謹み敬ひ祈ぎ奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸倍ましませよ』
と歌ひつつ高姫館を指して次第々々に近づき来る。
 亀彦は門の開きあるを幸ひ、つかつかと進み来り、
亀彦『モシモシ夜中にお邪魔を致しまするが、私は亀彦の宣伝使で御座りまする。江州の竹生島より英子姫様と同道にて聖地へ参つて居りまする。承はりますれば高姫様、黒姫様、高山彦と共にお帰り遊ばしたとのこと、御機嫌をお伺ひに参りました。お差支なくばお通し下さいませ』
高姫『ヤア貴方は亀彦さまか。よくマア竹生島に於て国依別さまと東西相応じ、御親切に何から何まで御注意下さいまして有難う御座います。私も一度英子姫様始め、貴方達にもお礼のためにお伺ひ致したいと思つて居ましたが、何とは無しに貧乏暇なしで御無礼を致して居りまする。併し乍ら今日は来客がありますので、失礼乍らお帰り下さいませ。只今の宣伝歌を拝聴いたしましたが、随分立派なお声でお節もお上手になられました。丁度竹生島の社の後に現はれ玉うた女神様のお声その儘でしたよ。オホヽヽヽ』
亀彦『御差支とあれば是非が御座いませぬ。左様ならば、お暇致しませう』
と云ひつつ月の光を浴び乍ら足早に帰り行く。後見送つて高姫は、
高姫『オホヽヽヽ、やつぱり気が咎めると見えますワイなア。……黒姫さま、高山彦さま、あの亀彦が恐相な帰り様、計略の裏をかかれて、コソコソと鼠のやうになつて逃げたぢやありませぬか』
黒姫『ウフヽヽヽ』
高山彦『アハヽヽヽ』
(大正一一・七・二二 旧閏五・二八 外山豊二録)
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