高姫が甲板に来ると、常彦と春彦が手をつないで、歌い踊っている。二人は高姫に勘当されたお祝いに踊っているのだ、と高姫に答える。調子に乗っていると、春彦は足を踏み外して海に落ちてしまった。
常彦は声を限りに助けを求めると、船客の一人が綱に板切れをつけて放り投げ、春彦を助け上げた。常彦がよく見れば、それは国依別であった。国依別は高姫に悟られないようにと、常彦に釘を刺し、姿を隠した。
高姫は、自分に懸っている日の出神が春彦を助けたのだ、と意気を上げている。常彦はそんなはずはないと高姫に反論したが、高姫は怒って常彦の胸倉をとり、喉を締め付けた。常彦は悲鳴を上げる。
春彦は高姫の足をさらえた。今度は高姫が海中に落ちてしまった。常彦と春彦は、高姫に綱を投げて助け上げたが、高姫は日の出神に感謝する。高姫の傲慢な物言いに二人はあきれてしまうが、高姫がまた胸倉を取ったことで、また険悪になってしまう。
船が陸に着いた。高姫は面を膨らして一番に飛び出して行った。常彦と春彦もそっと後を追った。
船長のタルチールは息子に船を与えて船長とすると、言依別命と国依別と一緒に宣伝歌を歌いながら高砂島に進み入った。