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文献名1霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
文献名2第2篇 紅裙隊よみ(新仮名遣い)こうくんたい
文献名3第13章 姉妹教〔879〕よみ(新仮名遣い)しまいきょう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじブールは、ユーズがエスを連れてくるものと思っていたが、ユーズはエスが牢から出ようとしないことを報告した。エリナに責められたユーズは、ブールの命によってエスを牢に入れて虐待していたのだ、と言い訳を始めた。一行はブールとユーズの案内で、水牢のエスに会いに行った。国依別は牢内のエスに、三五教の味方をしてくれたことのお礼を述べた。エスは国依別に挨拶とお礼を述べ、自分を教主に讒言して牢に入れ虐待していた張本人は、ユーズであることを明かした。エリナはエスの苦労話を聞いてわっと泣き伏した。ユーズはエリナに駆け寄って介抱しようとしたが、エリナに突き飛ばされて、水牢の中に落ちてしまった。エスはその隙に水牢を出ると、外から鍵をかけてしまった。一行はユーズを牢に置いたまま、ブールの居間に戻ってきて歓談した。ブールは祭服を着けて一行を祭壇に導き、改心の意を表した。ここに国依別の裁定によってエスをこの地の三五教の教主となした。そしてヒルの神館と提携してヒルの国・カルの国双方に三五教を広めることとなった。アナンとユーズは牢内で修行の末助け出されて赦され、改心して神の道に仕え、一生を安く暮らすことができた。国依別は四五日逗留したのち、キジとマチを連れて日暮シ山に別れを告げ、ブラジル峠を指して宣伝歌を歌いながら進んで行く。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月19日(旧06月27日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年9月15日 愛善世界社版151頁 八幡書店版第6輯 97頁 修補版 校定版154頁 普及版71頁 初版 ページ備考
OBC rm3113
本文の文字数4705
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本文  ブールは国依別一行と共に奥の間に端坐しキジ、マチ、エリナ、などより耳の痛い様なくすぐつたい様な御礼の詞を受け乍ら、どうぞ早くユーズがエスを此処へ連れて来て甘くやつてくれないかなア……と心待ちに待つて居た。
 そこへユーズが拍子抜けのした顔をさげてやつて来たので、ブールは早くも其顔色を眺め、エスがもしや牢死でもしてゐたのではなからうか、万々一そンな事があろうものなら、如何して此場を甘く切り抜けようか、数百人の部下はあつても、何れも国依別に対しては、無勢力の腰抜計りだ。進退これ谷まつた……と心の中に独り打案じ乍ら、ブールは余所余所しく、
『オイ、ユーズ、エス様は御機嫌ようゐらせられたかなア』
『何時の間にやら御歴々方の御入来、ヤアこれはこれは国依別様、よくマア此茅屋へゐらせられました。何分親指がなつてゐないものですから、甘く滑車が運転致しませぬ。吾々も殆ど機関の油が切れて、声を上げむ計りになつて居ます……あなたは素敵滅法界なナイスさま、どこからお越しになりましたか。天の河原に玉の御舟を泛べ、月の鏡を懐中に入れ、黄金の棹をさして、お下り遊ばした棚機姫様か、但は天教山の木の花咲耶姫さまの御降臨か、松代姫様の御再来か、何とも云へぬ立派なお方で御座いますなア』
と追従たらだら述べ立てる。
『左様の事を尋ねて居るのでない。エス様は御機嫌うるはしくゐらせられたか……と云ふのだ』
『ハイ、教主様のあなたが発頭人で水牢へ打込み遊ばした、あのエスさまの事ですかい。斯う申したと云つて、千座の置戸を負ふのは、人に将たる者の当然負ふべき職掌ですから、どうぞ悪く取らない様にして下さいませ。吾々一統はそンな残酷なことをするものでないと御意見申上げましたのに、あなた様は首を左右に傲然とお振り遊ばし、ジヤイロコンパスの様に目玉を急速度を以て回転させ、チツともお聞き遊ばさぬものだから、とうとうあの様な大惨事が突発したので御座いますよ。あなたの仰有る通り、吾々が正直に守つて居るものならば、エスさまは遠の昔、幽界の人になつてゐられるのですが、見えつ隠れつ、此ユーズが甘い物を持運び……オツト、ドツコイ教主さま、そンな六つかしい顔をしちやなりませぬぞ。すべて部下の罪悪を一身に引受け、一言も呟かないのが将たる者の襟度で御座いますよ。マア兎も角、後は云はいでもお察しを願へば、国依別さま、エリナさま、大体判断はつくで御座いませう』
『ブール様、随分エスさまは苛酷的な御同情を蒙られたと見えますねい』
『さう言つて貰ひますと、何とも御返事の仕方が御座いませぬが、実の所はユーズが……』
『モシモシ教主さま、さう脱線しちやいけませぬよ。それでは教主たる価値はサツパリ零ですよ。モウ斯うなる上は旗色の好い方へ従くのが利益だ。仮令ブールさまに何々せられても、構ひませぬワイ。国依別様に何々してドツとお気に入り、結構な宣伝使にして貰つて、都合好くば、エー○○を○○に貰ふやうになるかも知れない。それだから、見えつ隠れつ、お父うさまのエスさまを大切にして来たのだ。なア、エリナさま、斯う見えても、表は表、裏には真に美はしい慈愛の涙を湛へて居る苦労人で御座いますよ』
 エリナは『ヘエン、左様ですかいナ』と空にうそぶく。
『何を云つてゐるのだ。エス様を早く迎へて来ぬか』
『ハイ、何と云つても、流石はエスさまさまですよ。ヤツパリ私の睨ンだ通り、偉いですな、見上げたものですよ。私が何程申上げてもビクとも動かうともなさいませぬワイ。丸で死ンだ馬の様ですワ』
 エリナはサツと顔色を変へ、
『エー、お父うさまが亡くなつたのですか』
『イエイエどうしてどうして、海老の様にピンピンシヤンシヤン撥ねまはつてゐられます。実の所を何もかもブチあけて申上げますが、今日迄大変にブールさまの命令に依つて虐待をして居りましたが、あなた方がお出でになつたと云ふので、レコの大将、ブールブールと地震の孫の様にふるひ出し、大に蒟蒻(困惑)致しまして、俄思ひ付の一芝居、エスさまを、あなた方よりも一足先ここへ出て来て貰ひ、酒でもドツサリ呑まして篏口令を布き、ヤツと此場の芥を濁さうと遊ばしたのですが、お前さまの来やうが余り早かつたものだから、すべての計画が喰ひちがひ、たうとう画餅になつて了つたのです。子供か何ぞの様に、酒位呑まして機嫌をとり、今迄の虐待振を隠さうと思つても、駄目なことはきまつてをるのに、あわてた時と言ふものはそれ位の知慧より出ませなンだワイ。本当に余り教主様の知慧が薄つぺらなのには、部下一同こンにやく否困惑の体で御座います。決して決して此ユーズが悪いのぢや御座いませぬ。一番先にエスを入れようと発起したのはユーズぢや御座いませぬから、其お積りで願ひますよ。そしてエスさまは何もかもチヤンと御存じで、あなたのここにお出でになつた事もとうしだとか、すいのうだとかで、よく御承知で御座いましたよ。こンな結構な御みとの中において貰うて、誰が出るものか、千年万年経つたとて、いつかな動きは致さぬと、それはそれはエライ頑張り様で御座いす。察する所教主のブールさまが、エスさまのお側へ自らお出でになり、頭を下てお詫をなさらねば到底お出ましになる気遣ひはありませぬワ』
『ブールさま何うでせう。国依別が直接エスさまの居られる所へ参りましたら……さうでなければ、年寄の片意地、中々動きますまいで……』
『あンな所を見られましては、誠に済みませぬ。是から私が参つてお連れ申して来ますから、どうぞ此処に暫く待つてゐて下さいませ。……サア、ユーズお前も出て来い、又せうもない事を喋ると可けないから……』
『さうでせう。私がここに居りますのは、定めて御都合が悪い事ぢやと、前以て承知致して居りますワ』
『サア皆さま、行きませう。ユーズさま、案内して下さい、エリナさま、これから恋しいお父うさまに会はして上げませう。御喜びなさいや』
『ハイ、有難う御座います。何分宜しく御願申します』
 茲にユーズを先頭に、ブールを始め、国依別の一行は地底の薄暗き水牢の傍に探り探り立寄り、
『私は三五教の国依別と申す者で御座います。あなたはウラル教の宣伝使であり乍ら、よくもマア三五教の宣伝使を御世話して下さいました。其為あなたは斯様な所へ押込められ、さぞさぞ御難儀な事で御座いましたでせう』
 エスは涙を流し乍ら、
『ハイ、有難う御座います。よう来て下さいました。実は昨日迄、非常な、そこに居りまするユーズの奴、虐待を加へましたが、俄に態度が一変し、最前も最前とて、追従たらだら、私を引出し、今迄の悪逆無道の帳消しの材料にせうと云ふ様な、ズルイ事を考へて来た事が分りましたので、ワザと頑張つて、千年万年もこんな結構な御みとは出ないと意地張つてやりました。さうした所が、それを真に受けて心配を致し、頼むの頼まないのつて、実に気の毒なやうでした。誰だつて、斯様な所に半時の間も居りたいものが御座いませうか、御推量下さいませ』
と云ふ声さへも、涙に湿つて聞えて居る。エリナは之を聞くよりワツと計りに其場に泣き伏した。ユーズは周章て抱き起し、
『もしもしエリナ様、シツカリなさいませ。此親切なユーズが御介抱致しますれば、モウ大丈夫で御座います』
『エー父の仇敵、物言ふも汚らはしい、私の体に触つてお呉れな』
と言ひ乍らドンと突き放した。途端に牢の入口が折よく開いてあつた為、忽ち牢の中の水溜りへ真逆様にドブンと落込ンで了つた。
 エスは其隙に早くも牢内を駆出し、外から入口の戸をピシヤリと締め、錠を卸して了つた。ユーズは水溜りより這ひ上り、
『モシモシ開けて下さい、私で御座います』
『お前だから、放り込ンだのだよ。サア今迄エス様をいろいろと讒言致して罪におとした其方の事だから、今日から罪亡ぼしにエス様の代りに水牢住ひを致すのだ。天罰と云ふものは恐ろしいものだ。現在エスさまの娘エリナさまに押込まれたぢやないか。是も決してブールがしたのぢやない。お前の罪が重なつて、お前を水牢へ投込ンだのだよ』
『それは余り胴欲ぢや厶いませぬか。一寸外に忘れた物も御座いますなり、アナンに会うて言ひたい事も沢山ありますから、這入れなら這入りますから、一遍丈出して下さいな』
『ならぬならぬ、自分の悪事を残らず、教主は千座の置戸を負ふべきものだなぞと申して、国依別様一統の前でブールの讒言を致したであらう。その様な大悪人を外へ放養するのは、モールバンドを野に放つたやうなものだからのウ』
『お前さま、チツと其処で修行をなさいませ。何程弁解したつて駄目ですよ。此エスがお前さまの部下に、門の入口で捉まへられ、教主様の前に引出された時、教主は何と仰有つたか、覚えて居るであらう。あの時の御言葉に……ユーズ、お前はエスをさう悪く言ふけれど、チツとは考へてやらねばなろまい。世の中は相身互だから、仮令三五教の宣伝使の宿をしたと云つて、そンな小さい事を云ふものでない、許してやつたがよかろと仰有つた時には、俺も有難涙が澪れたのだ。それに貴様が駄々をこねて、教主からして、そンな規則をお破りになるのならば、此ユーズは数多の信徒を一人も残らず引率して、バラモン教に入信し、此館を転覆させて了ひますと云つて、脅迫し、遂に已むを得ず、教主も俺をこンな所へ放り込む事を黙許されたのだ。さうだからお前が悪の張本人だ。お前さへ斯うして何時迄も茲に蟄居して居れば、三五教とウラル教は心の底から解け合うて、互に長を採り、短を補ひ、姉妹教となつて、仲よく神業に参加する事が出来るのだ。サア皆さま、何時迄も斯ンな所に居つても仕方がありませぬ。どつかへ参りませうか』
 ブールは、
『どうぞ私の居間迄御越し下さいませ。御案内致しませう』
と先に立つて、吾居間へ帰り行く。後にユーズは声をあげ、
『オーイ オーイ、助けて呉れ 助けて呉れ』
と呼ばはつて居る。一同は委細構はず、ブールの居間に帰り来つて、葡萄酒を与へられ、甘さうに、四方山の話に耽り乍ら、飲ンでゐる。少時らくあつて、教主は奥の間よりいかめしき祭服を着し来り、
『サア御一同様、私は是より神殿へ参ります。どうぞあなた方も御参り下さいませ』
 国依別以下は打うなづき乍ら神殿に進み、ブール導師の下に神言を奏上し、終つて再び奥の間に引返し、ブールは心の底より改心の意を表し、国依別の裁決に依つて、エスを教主となし、エリナは内事一切の司に任じ、紅井姫は暫く賓客として、日暮シ山の花と謳はれ、遂に三五教を樹て、ブールの妻となり、ヒルの神館と相提携して、ヒル、カル両国に亘り、大勢力を拡充し、万民を救ひ助け芳名を轟かしける。
 ユーズは百日の間の苦行をさされた上、許されて、再び神に仕へ、アナンも亦陥穽の底より救ひ出され、悔い改めて神の道に清く仕へ、一生を安く送る事とはなりぬ。
 茲に国依別は四五日逗留の上、キジ、マチの両人を従へ、日暮シ山に別れを告げ、山野河沼を渡り、ブラジル峠を指して、宣伝歌を歌ひ乍ら進み行く。あゝ惟神霊幸倍坐世。
(大正一一・八・一九 旧六・二七 松村真澄録)
(昭和九・一二・一八 王仁校正)
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