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文献名1霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
文献名2第4篇 言霊将軍
文献名3第25章 会合〔891〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ一方、国依別と安彦・宗彦たちは帽子山山頂に着き、秋山別とモリスを待ちながら、神言を奏上していた。すると、背後から宣伝歌が聞こえてきた。高砂島への宣伝の旅の様子を語るその歌を聞いて、国依別はそれが言依別命だと悟り、百万の援軍を得た嬉しさに満たされ、襟を正して待っていた。
そこへ、秋山別とモリスがやってきた。二人は国依別一行を見つけると、嬉しさに嗚咽啼泣し、道中に受けた試練をそれぞれ報告し、神恩への感謝を表した。
やがて言依別命一行も姿を現し、合流した。言依別命と国依別はここを策源地として、アマゾンの時雨の森の魔神たちに対して言霊戦を開始することとなった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年08月20日(旧06月28日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm3125
本文の文字数2663
本文のヒット件数全 1 件/豊国姫=1
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本文  国依別は安彦、宗彦両人と共に、樹木鬱蒼たる森林を越え、谷を渉り、小山を幾つか越えて、漸くに屏風山脈の最高所と聞えたる帽子ケ岳の頂上に登りつき、秋山別、モリス両人の此処に来り会するを待ちつつ、榧の木の根元に神言を奏上し乍ら待合せ居たりけり。
 此時山の背後より宣伝歌の声聞え来たれり。
『神が表に現はれて  善と悪とを立わける
 此世を造り玉ひたる  国治立大神は
 豊国姫と諸共に  豊葦原の瑞穂国
 青人草を始めとし  鳥獣や魚に虫
 草の片葉に至るまで  生たる命を与へつつ
 各其処を得せしめて  此世に清く美はしく
 茂らせ玉ふ有難さ  さは去り乍らブラジルの
 此神国は広くして  高山三方に立ちめぐり
 東に荒波狂ひ立つ  大海原を控へたる
 人跡稀なる国なれば  酷の曲津は各自に
 先を争ひ寄り来り  アマゾン河を始めとし
 時雨の森に集まりて  牙を光らせ爪を研ぎ
 時々山を乗り越えて  アルゼンチンやテルの国
 ヒル、カル其他の国々へ  現はれ来り曲の業
 青人草の安全を  破りて此世を脅かす
 其曲神を三五の  清き御水火に言向けて
 天が下には鬼もなく  醜の大蛇や曲神の
 影をば絶ちて千早振る  神の依さしの神業に
 清めむものと葦原の  中津御国を後にして
 荒波猛る海原を  国依別と諸共に
 進み進みてテルの国  テル山峠を乗越えて
 神素盞嗚大神の  八人乙女の末子姫
 鎮まりゐますウズ国の  神の都に現はれて
 暫し蹕を止めしが  神素盞嗚大神は
 はるばる浪路を打わたり  イソの館を後にして
 珍の御霊の宇都の国  現はれ来り宣たまはく
 一日も早くアマゾンの  河に沿ひたる森林に
 汝言依別神  二三の伴を引連れて
 進めや進め早進め  屏風の如く南北に
 立ち並びたる青垣の  大山脈の最高地
 帽子ケ岳に国依別の  教の司の一行が
 来りて汝を待つならむ  此神言を畏みて
 数多の月日を閲しつつ  山野を渡り川を越え
 漸く此処に来りけり  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましまして  国依別に巡り会ひ
 力を合せ村肝の  心を一つに固めつつ
 神の依さしの神業に  仕へ奉りてアマゾンの
 時雨の森に迷ひたる  鷹依姫の一行や
 高姫、常彦、春彦の  危難を救ひ森林に
 蟠まりたる悪神を  伊吹の狭霧に吹き散らし
 生言霊の神力に  悪魔を善に宣り直し
 言向和し一日も  早く神業成し遂げて
 神素盞嗚大神の  御前に復命させ玉へ
 旭はてるとも曇るとも  月はみつともかくるとも
 時雨の森の悪神は  いかに勢猛くとも
 厳の御霊の大神が  依さしの言をどこ迄も
 楯に飽く迄戦はむ  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』
 帽子ケ岳の東方を登り来る宣伝使は、此歌に現はれたる言依別命の一行にぞありける。
 国依別は此宣伝歌を聞いて、大に喜び、百万の援軍を得たる如き心地して、襟を正して待ち居たり。安彦は嬉しげに、
『宣伝使様、今の宣伝歌は何とも知れぬ清涼な言霊で、大変な強味のある音声では御座いませぬか。此様な高山へ三五教の宣伝使が出て来うとは夢にも思ひませぬが、誰がやつて来るのでせうかなア』
『誰だかチツとも分らぬが、大方神様が御越しになるのだらう。サー行儀よくして、ここに坐つて、御迎へしたがよからうぞ』
『ハイ、畏まりました。併乍ら、秋山別、モリスの両人は大変に遅いぢやありませぬか。大方一昨日の烈風に吹きまくられて、どつかへ散つて了つたのぢや御座いますまいかな。実に案じられた者です。宣伝使様は如何御考へなさいますか』
『あの二人はまだ十分の改心が出来てゐないから、故意とに南の谷を登らせたのだよ。キツといろいろの神様の試練に会うて魂を研き、立派な人間になつて、ここへやつて来るから、お前達二人も余程しつかりせないと、恥しいことが出て来るよ』
『しつかりせいと仰有つても宗彦は、是以上如何したらよいのですか。あれ丈猛獣の声が聞えても、又襲来されても、レコード破りの大風が吹いてもビリともせず、一生懸命に御神力に依つて胴をすゑて来た吾々ぢや御座いませぬか』
『まだどこやらに、胴のすわらない所が、国依別の目から見れば沢山あるよ。これから時雨の森へ行かねばならぬが、あれ位の事が何ともなかつたと云つて、自慢をするやうな事では、到底、ドエライ奴に出会した時には、怺へ切れないやうなことが出て来るよ。お前が胴をすゑて居つたといふのも、吾々が居つたからだよ。単独であの坂を越えて、胴が据わつてをつたなら、モウ大丈夫だが、三人の真中に立つて、やうやうここまでやつて来たお前の腕前、案じられたものだよ』
と話して居る折しも、モリスは秋山別の手を引いて漸く此処に登り来り、国依別の一行を見るや、余りの嬉しさに嗚咽涕泣久しうし、漸くに口を開いて、
『国依別様、誠に有難う御座いました。南の谷間を、汝等両人通つて行け……と仰せられた時は、何とも云へぬ淋みしさを感じ、又幾分か貴方を恨ンで居りましたが、イヤ実に結構なお神徳を頂きまして、始めて、神様や貴方の御仁慈の御心が分りました。吾々両人は未だ身魂に曇が多く、到底アマゾン河の言霊戦に参加する資格は御座りませなかつたが、どうやら、斯うやら、やツと及第点を得られた様な感じが致します。今更めて厚く感謝し奉ります』
と両人は土の上に手をついて、嬉し涙にくれてゐる。
 宣伝歌の声は追々近付きしと見る間に、言依別命は先頭に、二三人の伴人と共に、国依別が端坐し待ち居たる榧の大木の側近く進み来る。
 是より言依別命、国依別の両将はここを策源地となし、いよいよ時雨の森の魔神に対し、言向戦を開始することとはなりぬ。此物語は紙面の都合に依り、未の巻に口述する事とせり。
 惟神霊幸倍坐世。
(大正一一・八・二〇 旧六・二八 松村真澄録)
(昭和九・一二・一九 於北陸路 王仁校正)
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