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文献名1霊界物語 第32巻 海洋万里 未の巻
文献名2第3篇 瑞雲靉靆よみ(新仮名遣い)ずいうんあいたい
文献名3第16章 回顧の歌〔907〕よみ(新仮名遣い)かいこのうた
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-10-15 03:04:16
あらすじ
ウヅの神館の八尋殿に、末子姫の発起として大歓迎会が開かれた。言依別命は立って簡単な祝歌を歌った。太古の昔の大神のご神業の経緯から、自転倒島の霊場に三五教が開かれ、教主に自分が任命されてここにあることを歌った。

そして、厳と瑞の大神の御言によって自分が聖地を離れて高砂島に来たところ、神素盞嗚大神の娘・末子姫がはからずもウヅの神館に迎えられたところを目の当たりにしたことを歌った。

末子姫の侍女・捨子姫に懸った神素盞嗚大神の命により、アマゾン河の魔神征服に赴いた経緯を歌い、一同見事に神業を成し遂げ凱旋してみると、この館に神素盞嗚大神がご来臨されていることを祝した。

尊い神の御恵みを称え、祝歌を結んだ。言依別命は歌い終わると、末子姫に続いて奥殿に進み入った。

続いて国依別は金扇を開いて祝歌を歌いかつ舞った。言依別命にしたがって船に乗り、途中高姫一行を救いつつ高砂島にやってきた経緯を歌った。言依別命と別れてヒルの国で楓別命の館に立ち寄り、地震の危難から人々を助けたこと、ウラル教のブールを三五教に改心させたこと、その後シーズン川を越えて帽子ケ岳に登り、再び言依別命にまみえた冒険の愉快さを歌った。

そしてアマゾン河から凱旋し、ウヅの神館に末子姫がおさまり、松若彦と捨子姫の補佐、そして神素盞嗚大神のご来臨というめでたさを寿ぎ、歌い終わると欣然として奥殿に続いた。
主な人物 舞台ウヅの館 口述日1922(大正11)年08月23日(旧07月01日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年10月15日 愛善世界社版176頁 八幡書店版第6輯 212頁 修補版 校定版183頁 普及版73頁 初版 ページ備考
OBC rm3216
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本文  ウヅの神館の八尋殿に、末子姫の発起として大歓迎会は開かれ、言依別命は立つて、簡単なる祝歌を歌ひ給ふ。

『此世を造り固めたる
 厳の御霊とあれませる
 国治立の大神は
 百八十国の神人を
 おいずまからず永久に
 五六七の神世に救はむと
 天地の律法制定し
 清き教を立て給ひ
 豊国姫の大神は
 瑞の御霊と現はれて
 錦の機を織らせつつ
 天教地教の神の山
 堅磐常磐に鎮まりて
 貴の聖地と諸共に
 教を開き給ひける
 時しもあれや天足彦
 胞場姫二人の霊より
 生れ出でたる曲津神
 八岐大蛇や醜狐
 曲鬼共の現はれて
 豊葦原の瑞穂国
 隈なく荒び猛りつつ
 神の依さしの八王神
 八頭神まで籠絡し
 追々勢力扶植して
 塩長彦を謀主とし
 国治立の大神が
 此世を遂に退隠の
 余儀なきまでに至らしめ
 世は刈菰の乱れ行く
 あゝ惟神々々
 神の主なる厳御霊
 国治立の大神は
 天教山の火口より
 身を跳らして根の国に
 一度は落ちさせ給へども
 此世を思ふ真心の
 凝り固まりて身を下し
 野立の彦と現はれて
 豊国姫の化身なる
 野立の姫と諸共に
 天教地教の両山に
 現はれ給ひて三五の
 教を開き給ひけり
 再び厳の御霊を
 分けさせ給ひて埴安彦の
 厳の御霊や姫命
 時節をまちてヱルサレム
 黄金山下に現はれて
 救ひの道を宣べ給ふ
 其御心を畏みて
 国大立の大神の
 四魂の神とあれませる
 御稜威も殊に大八洲彦
 神の命や大足彦の
 神の命の神司
 神国別や言霊別の
 瑞の御魂と現はれて
 茲に再び三五の
 清き教を四方の国
 開き給ひし尊さよ
 国大立の大神は
 神素盞嗚の大神と
 現はれまして許々多久の
 罪や汚穢を一身に
 負はせ給ひて天地の
 百神等の罪科を
 我身一つに引き受けて
 八洲の国に蟠まる
 八岐大蛇や醜神を
 天津誠の大道に
 言向け和して助けむと
 いそしみ給ふぞ尊けれ
 ウブスナ山の斎苑館
 此処に暫く現れまして
 日の出別の命をば
 後に残して皇神は
 いろいろ雑多に身をやつし
 島の八十島八十の国
 大海原を打ちわたり
 自転倒島に出でまして
 貴の霊場と聞えたる
 綾の聖地に上りまし
 四尾の山に潜みます
 国治立の御化身
 国武彦の大神と
 互に心を合せつつ
 経と緯との糸筋を
 整へ給ひて世を救ふ
 錦の機を織り給ふ
 錦の宮の神司
 玉照彦や玉照姫の
 貴の命にかしづきて
 八尋の殿に三五の
 神の教を開きつつ
 教主の役を任けられて
 教を開きゐたりしが
 厳の御霊や瑞御霊
 経と緯との大神の
 御言畏み聖地をば
 後に眺めて和田の原
 渉りてここに来て見れば
 思ひがけなき瑞御霊
 神素盞嗚の珍の子と
 生れ給ひし末子姫
 桃上彦の鎮まりし
 教の館に現はれて
 神の教を楯となし
 恵の露を民草の
 頭に下し給ひつつ
 五六七の神世の有様を
 今目のあたり開きます
 斯かる尊き霊場に
 参り来りし楽しさよ
 時しもあれや素盞嗚の
 神の尊ははるばると
 これの館に出でまして
 捨子の姫に神懸り
 アマゾン河の曲神を
 言向け和し救へよと
 宣らせ給ひし言の葉を
 謹み畏み屏風山
 帽子ケ岳に立向ひ
 国依別に巡り会ひ
 琉と球との霊光に
 数多の魔神を言向けて
 目出度く凱歌を奏しつつ
 十八柱の神の子は
 ウヅの館に安々と
 帰りて見れば有難や
 神素盞嗚の大御神
 はるばる此処に出でまして
 憩はせ給ふ嬉しさよ
 あゝ惟神々々
 御霊幸はひましまして
 高砂島は云ふも更
 豊葦原の瑞穂国
 百八十島の果て迄も
 恵の露に潤ひて
 世は泰平の花開き
 梅の香りの五六七の世
 松の操のいつ迄も
 色も変らず永久に
 栄えましませ惟神
 神の御前に願ぎまつる
 朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも
 誠の力は世を救ふ
 誠の神は今ここに
 現はれ給ひし上からは
 天地と共に永久に
 神の言葉は失せざらむ
 厳の御霊や瑞御霊
 金勝要の大御神
 日の出神や木の花の
 咲耶の姫の神力は
 竜宮海の底深く
 天教山の空高く
 千代に八千代に揺ぎなく
 輝き渡り天地の
 光となりて輝かむ
 あゝ惟神々々
 神の尊き御恵を
 謹み感謝し奉り
 神の司を始めとし
 四方の民草悉く
 神の恵を嬉しみて
 常磐の松のいつ迄も
 変らざらまし高砂の
 島根に生ふる青松の
 梢に鶴のすごもりて
 名さへ目出度き尉と姥
 亀の齢のどこ迄も
 大海原の波清く
 吹く風さへも朗かに
 静まりませと祝ぎまつる
 あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ』

と歌ひ了り、末子姫の後を逐ひて、神素盞嗚大神の休ませ給ふ奥殿指して進み入る。
 国依別は立上り、金扇を開いて祝歌を歌ひ且つ舞ひ始めた。其歌、
『錦の宮を立出でて  言依別の大教主
 高砂島に出でませる  御供に仕へまつりつつ
 波間に浮ぶ琉球の  宝の島に上陸し
 琉と球との玉を得て  棚無し船に身を任せ
 伊猛り狂ふ荒浪を  乗り切り乗り切り高砂の
 島の手前に来て見れば  高姫一行暗礁に
 船を乗上げ浪の上  渡りて進む時もあれ
 山なす浪に襲はれて  命危く見えければ
 高島丸の船長に  命じて船に救はしめ
 テルの港に来て見れば  先頭一に高姫は
 常彦、春彦伴ひて  姿を早く隠しける
 言依別の神司  われを伴ひ三座山
 国魂神を祀りたる  竜世の姫の神霊地
 集まり来る国人の  霊と肉とを救ひつつ
 暫く此処に止りて  誠の道を宣り伝へ
 それより進んでヒルの国  楓の別の永久に
 鎮まりいます神館に  出で行く折しも天地は
 震ひ動きて山は裂け  河は溢れて人々の
 住家は砕け諸人は  水と炎に包まれて
 苦み悶ゆる憐れさよ  楓の別の妹なる
 紅井姫の命をば  艱みの中より救ひ出し
 ヒルの館に立向ひ  稜威の言霊宣り上げて
 天変地妖を鎮定し  館を立ちてアラシカの
 峠を越えて日暮しの  館に教を開きたる
 ウラルの道の神司  ブール其他の人々に
 神の教を宣り伝へ  紅井姫やエリナ姫
 二人の女性を預けおき  又もやここを立出でて
 安彦、宗彦従へつ  ブラジル峠に差しかかり
 丸木の橋を危くも  生命カラガラ打ちわたり
 シーズン川を乗越えて  帽子ケ岳に立向ひ
 別れて程経し神司  言依別に巡り会ひ
 手を握りたる楽しさよ  琉と球との霊光に
 アマゾン河や森林の  数多の魔神を言霊の
 御水火に助けしづめつつ  凱歌をあげて十八の
 神の柱は潔く  ウヅの館に来て見れば
 思ひ掛なき末子姫  捨子の姫と諸共に
 貴の教をひらきまし  松の神代と栄えゆく
 其目出度さは言の葉の  尽す限りにあらじかし
 心静かな国彦が  御子の松若彦の神
 主の君に能く仕へ  治まるこれの神館
 来りて見れば瑞御霊  神素盞嗚大神は
 はるばるここに出でまして  我等が言霊軍をば
 遥に守り給ひつつ  光り輝き給ふこそ
 実に尊さの限りなれ  あゝ惟神々々
 国依別の神司  厳の御霊や瑞御霊
 日の出神や木の花姫の  貴の命の御前に
 国魂神を通しつつ  嬉しみ尊み祝ぎまつる
 畏み尊み祝ぎまつる』
と歌ひ終り、欣然として奥殿に進み入る。
(大正一一・八・二三 旧七・一 松村真澄録)
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