神素盞嗚大神は奥殿より神司たちを従えて現れ、一同に向かって愉快気に目礼をし、座の中央に立ち給いて喜びの歌を歌い給うた。
その歌は、国治立大神のご退隠の昔から歌い始め、神伊弉諾大神の御子と生まれたご自身が大海原に漂う島々を治めたこと、さらに天の誓約の故事から千座の置戸を負って高天原を追われたことを歌っていた。
地上をさすらった神素盞嗚大神は、八岐大蛇を言向け和しつつ瑞の御霊と現れて、旅の果てにフサの国のウブスナ山脈の最高地に館を定め、日の出神に守らせた。
このたび末子姫がさすらいの旅の末に、ウヅの国にたどり着いてこの国の救世主と任じられたその初めは、バラモン教に乗っ取られたメソポタミヤの顕恩郷を言向け和すために、自らの八人の娘たちを遣わしたことだった。
大神は、斎苑の館を出でてここに来てみれば、教えの御子たちがアマゾン河の悪神たちを言向け和した功に勇み立ち、祝い言葉をかけるためにここに現れたのだ、と歌った。
そして、神より万人に与えられた真心によって神政に仕えて天職を立て、その真心を決して汚すことなかれ、と諭して祝歌を終えた。