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文献名1霊界物語 第34巻 海洋万里 酉の巻
文献名2第1篇 筑紫の不知火
文献名3第4章 歌垣〔954〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ三人は寝つきもならず、岩窟のそばの暗闇の中に端座して世の開けるのを待っていた。すると岩窟の中からウーウーと唸り声が始まり、言霊により黒姫の行為を厳しく戒める声が聞こえてきた。
黒姫は悪神の声だとして岩窟からの声に口応えを始める。芳公は神様の声にさからうものではないと黒姫を諫めるが、黒姫は自分は国治立命様の片腕たる竜宮の乙姫の生き宮だと威張りだす。
芳公と房公は、生き宮はもっと立派な人間だと思ったがだまされたと黒姫に文句をつけ始め、口喧嘩のようになってしまう。
岩窟の声はさらに言霊により黒姫の所業を並べて非難し、改心を迫る。黒姫は気色ばんで、言霊により岩窟の声に対して孫公の作り声だろうと言い返す。
岩窟の声は最後には宣伝歌にて、高山彦が女を作っていると歌い、聖地の伊勢屋の娘といちゃついていると歌うと、何者か忍ばせて岩窟から出て行った。
黒姫はけしからんことを言うと立腹するが、芳公は高姫のローマンスが神界まで聞こえているのでしょうとすっとぼける。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月12日(旧07月21日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm3404
本文の文字数5235
本文のヒット件数全 1 件/火の国=1
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本文  三人は暗の中に端坐し、寝つきもならず、夜の明けるのをもどかしげに待つてゐる。忽ち傍の岩窟より『ウーウー』と唸り声が始まつた。夜は既に丑満の刻である。森羅万象寂として声なく、蚯蚓の鳴声さへ聞える静かさであつた。そこへ岩窟の中からウーウーと唸り声が聞えて来たのだから、一層三人の耳には厳しく感応へるのであつた。岩窟の中より何者の声とも知れず、
『エヽヽえぐたらしい婆アだの。折角ここ迄連れて来た力になつた孫公を途中に見すてて、自由行動を執るとは、実にえぐい悪魔のやうな精神だ。此世の閻魔が現はれて、汝が襟首取つ掴み、千仭の谷間へ放り込んでやらうか。
オヽヽ鬼か大蛇か曲神か。譬方なき人非人、恋の暗路に踏み迷ひ、はるばる年を老つてから、亜弗利加三界迄、犬が乞食の後を嗅つけたやうにやつて来るとは、さてもさても見下げ果てたる婆アぢやなア。
カヽヽ烏の様な黒い顔を致して、何程秋波を送つても、高山彦は見向きも致そまいぞや。かけがへのない大事の男だと、其方は思うて居るだらうが、高山彦は天空海濶、汝が如き婆アには一瞥もくれず、到る処に青山あり、行先や吾家で、世界の女は残らず吾妻と、極端に慈善主義を発揮し居る、気の多い男の愛を、独占しようと思つても駄目だよ。早く、カヽヽ改心致して帰つたがよからうぞ。
キヽヽ気味の悪い此谷間で、夜を明かし、月照彦神に散々脂を絞られて苦しむよりも、一時も早く自転倒島へ立帰れ。神は嘘は申さぬぞよ』
 黒姫は首を傾け乍ら……どことはなしに、最前の孫公の声に能く似てゐるなア……と半信半疑の念に駆られてゐる。
黒姫『コレコレ、何者の悪戯か知らぬが、此暗い夜さに、そんなせうもない言霊は止めて貰ひませうかい。アタ面白くない、悪神さま迄が、高山彦々々々と云つて、此黒姫をからかふのだな。随分柄の悪い厄雑神だなア』
房公『モシ黒姫さま、お前さまはそれだから可かぬと云ふのだ。神様に口答へをするといふ事がありますか』
黒姫『黙つてゐなさい、子供の口出しする所ぢやありませぬ。黒姫には勿体なくも、竜宮の乙姫様が、御守護遊ばして御座るのだから、天地の間に恐るべき者は、国治立命様只一方計りだ。其他の神々は皆枝神さまだ。其国治立命様の片腕になつて御働き遊ばす竜宮の乙姫様の……ヘン生宮で御座りますぞ。何ぼ暗いと云つても、余り見違をして貰ひますまいかい……なア竜宮の乙姫様』
房公『ヘーン、永らく竜宮の乙姫さまを聞きませなんだが、一体どこへ行つて御座つたのですか』
黒姫『竜宮の乙姫様の肉体は即ち黒姫だ。黒姫の霊は即ち竜宮の乙姫様だ。それが分らぬやうな事で、三五教の信者と言へますか』
芳公『私は又、竜宮の乙姫様はモツト立派な御方で、其御神力の億万分の一程黒姫様に霊が憑つてゐるのだと思うてゐるのだが、黒姫様の霊が全部竜宮の乙姫と聞いては、最早乙姫様を尊敬する気がなくなつて了つた。何だ阿呆らしい、こんな事なら、はるばる可愛い女房子を棄ててここ迄従いて来るのだなかつたになア。孫公はあんな目にあはされて、くたばるし、黒姫さまの箔はサツパリ剥げるし、岩窟の中からは怪体な声がするし、夜は追々と更けて来る。あゝ是程ガツカリした事があらうか、……なア房公、夜が明けたら、お前と二人孫公の坐つてる所へ往つて助け起し、三人は元の聖地へ帰らうぢやないか。本当に馬鹿らしい目にあうたものだ』
黒姫『コレコレ両人、お前は此黒姫をまだ諒解してゐないのだなア。千変万化、変幻出没極まりなき竜宮の乙姫様の御神力を御存じないのだなア。抑も竜宮の乙姫様は一朝時を得れば、天地の間に蟠り、風雨雷電を起し、地震をゆらし、大国治立尊の御神業の片腕に御立ち遊ばすのだ。今日は乙姫殿の蟄伏時代だ。時到らざれば、蠑螈、蚯蚓と身を潜めて、所在天下の辛酸を嘗め、救世済民の神業に奉仕してゐるのだよ』
芳公『ヘーン、高山彦のハズバンドをはるばる捜しに廻るのが、それが救世済民の御神業と申すのですか。何と妙な救世済民もあつたものですなア』
黒姫『エヽ喧しい。ホヤホヤ信者の身を以て、宣伝使の心中が分つて堪るものか。高山彦様は因縁の身魂、此身魂と夫婦揃はねば、経と緯との仕組は成就しませぬぞや。それだから、黒姫がはるばると高山彦様を探ねて来たのだよ。男旱もない世の中に、高山彦さまの様な老人を、恋や色で、どうして斯んな所迄探ねて来る者がありませうか。何程色の黒い黒姫だとて、ヤツパリ女は女だ。捨てる神もあれば拾ふ神もあるのだから、男が欲しければ、高山さまだなくつても、沢山にありますぞや。人民と云ふ者は直そんな所へ心を廻すから困つて了ふ。チツとお前も凡夫心を捨てなされ。大神様が笑つてゐらつしやいますよ。
 君ならで誰をか知らぬ吾心
  高山彦の夫ぞ志たはし……オツホヽヽヽ』

房公『ヘーン、どないでも理屈はつくものですなア。イヤもう貴女の能弁にはサツパリ寒珍仕りました。イヒヽヽヽ』
 岩窟の中より、
『イヽヽいや広き筑紫の島を捜す共
  高山彦の影だにもなし。

 うろうろとそこら辺りをうろついて
  しまひの果に糞掴 むなり。

 あこがれてここ迄来る黒姫も
  アフンと致して泡を吹くなり。

 遠国を股にかけたる黒姫も
  詮方なさに涙こぼしつ。

 オースタリヤ竜宮島に渡り来て
  玉も取らずに帰る憐れさ。

 かしましき高姫司に従ひて
  竹生の島に玉をさがしつ。

 来て見れば真つ暗やみの岩の前
  怪しき声の聞え来る哉。

 暗がりに何か知らぬが物を云ふ
  狐狸と迷ふ黒姫。

 怪しからぬ悪い心を発揮して
  孫公さまを見殺しにする。

 今夜こそ一つ脂を取つてやろ
  二つの眼白黒姫の顔。

 さてもさても迷ひ切つたる黒姫の
  恋の暗をば如何に晴らさむ。

 白波を押分け来る四人連れ
  黒姫司の口車にて。

 スタスタと此れの谷間を登り来る
  黒姫の面青く見えけり。

 瀬を早み岩にせかるる谷川の
  別れて末にあはれぬとぞ思ふ。

 空を行く雲を眺めて思ふかな
  高山彦の峰はいかにと。

 立替ぢや立直しぢやと其処ら中
  立つて騒いだ黒姫の尻。

 千早振神代も聞かず黒姫の
  黒き心は顔に出にけり。

 月照の神の命の鎮まりし
  此岩穴の恐ろしきかな。

 手に合はぬ黒姫なれど岩窟の
  神の足には踏まれてぞ行く。

 トコトンの改心出来るそれ迄は
  高山彦は姿見せまい。

 何事もおのれの我では行かぬもの
  高姫司の改心を見よ。

 西東北や南と駆まはり
  玉を捜した心愚かさ。

 烏羽玉の暗より暗き黒姫が
  心の空を照せたきもの。

 ねんごろに月照彦が説きさとす
  道を畏み守れ三人等。

 のど元を過ぎて熱さを忘るてふ
  黒姫司の心果敢なさ。

 春すぎて夏すぎ秋の夕間ぐれ
  衣の袖に露ぞこぼるる。

 久方の高天原を立出でて
  つくしの島に何をさまよふ。

 フサの国北山村の館をば
  後に眺めて黒姫の空。

 黒姫が心の倉を打あけて
  見れば大蛇がうごなはりゐる。

 怪しからぬ変性女子の行ひを
  何も知らずに吐く黒姫。

 屁理屈を朝な夕なにまくし立て
  人に嫌はれ国を立ち去る。

 惚々と高山彦に目尻下げ
  涎をくつた昔恋しき。

 ますかがみ見むと思へば黒姫の
  心の塵を吹き払へかし。

 身はここに心は高山彦の前へ
  朝な夕なに神を忘れて。

 むつかしき其面付は何の事
  高山彦に嫌はれぬよに。

 目をあけて己が姿を省みよ
  高山だとて愛想つかさむ。

 もろもろの心の罪を吐き出して
  神の御前に宣り直しせよ』

 黒姫は稍景色ばみ乍ら、声する方に向つて、
『ややこしい暗の中から声出して
  口騒がしく何吐くらむ。

 いろいろと人の欠点をば並べ立て
  それで気のすむ奴は曲神。

 うかうかと聞いてはならぬ房公よ
  芳公腹の据ゑ所ぞや。

 幽霊のやうに取りとめないことを
  岩に隠れて吐く曲神。

 えら相に月照彦の真似をして
  囀る奴は孫公なるらむ。

 世の中に恐ろしい者はない程に
  おどしの利かぬ黒姫を知れ。

 来年のこと言や鬼が笑へ共
  吾行く末を見て居るがよい。

 理屈計り吐く舌こそ達者でも
  身の行ひのそはぬ孫公。

 累卵の危き身とは知らずして
  黒姫さまを嬲る身知らず。

 恋慕した高山彦のこと計り
  意地くね悪い孫公が言ふ。

 ろくでない其託宣はやめてくれ
  耳がいとなる腹が立つぞよ』

 岩窟の中より、一層大きな声で、
『わからない奴は黒姫計りなり
  暗に迷ふも無理であるまい。

 ゐつまでも恋の虜となり果てて
  此処迄来たか可哀相な婆。

 うつつにも夢にも高山々々と
  吐く言葉を聞くぞうたてき。

 ゑん切つた男の尻を追ひまはし
  アフンとやせむアフリカの野で。

 をに大蛇狼さやぐアフリカの
  荒野さまよふ恋の虜が。

 ウツフヽヽ、イツヒヽヽ
 是れからは月照彦も宿を替へ
  火の都へと進みゆかなむ。

 黒姫よ胸に手をあて思案せよ
  高山彦は独身でないぞよ。

 房公よ早く心を改めて
  黒姫さまを思ひ切るべし。

 芳公よよしや天地は沈む共
  黒姫司に従いちやならぬぞ。

 孫公はモウ今頃は火の国
  高山彦の側にゐるだろ。

 高山彦神の命は黒姫の
  様な女房は好かれまいぞや。

 淡雪の若やる胸をそだたきて
  玉手さしまきいねます高山彦。

 黒姫がこんな所を眺めたら
  さぞや目玉を白黒にせむ。

 まなじりをつけ上げ口を尖らして
  鼻息あらく熱を吹くらむ。

 いざさらば月照彦もこれよりは
  黒姫司をみすててぞゆく。

 小島別教司の其昔
  あらはれましし岩窟恋しき。

 古の建日の別の御跡を
  後にみすてて行くぞ悲しき。

 孫公はさぞ今頃は面白く
  可笑しき歌をうたひ居るらむ。

 アハヽヽヽ、オホヽヽヽ、と笑ひこけ
  エヘヽヽ、イヒヽ、今ここを去る。

 暗の夜に鳴かぬ烏の声きけば
  あはれぬ先の高山彦ぞ恋しき。

 黒姫がいかに心を焦す共
  高根の花よ手折られもせず。

 今頃は高山彦は聖地にて
  伊勢屋の娘と酒を呑むらむ。

 如意宝珠紫玉は云ふも更
  黄金の玉は愛想つかして。

 黒姫に肱鉄砲をくはしつつ
  自転倒島にかくれましけり』

と云つた限り、足音を忍ばせ、何処ともなく行きて了ひけり。
黒姫『コレ房、芳の両人、今の歌を聞きましたか、怪しからぬ事を云ふぢやないかい』
芳公『何だか知りませぬが、実に感心な歌でしたよ、あの神さまの云つた通りですもの。余程黒姫さまも、神界迄ローマンスが話の種になつてるとみえますな、アツハヽヽヽ』
黒姫『オホヽヽヽ』
(大正一一・九・一二 旧七・二一 松村真澄録)
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