サガレン王が神前の間で瞑想にふけっていると、ケールス姫は慌ただしく押し入ってきた。姫は両眼に涙をたたえて泣き伏した。
サガレン王が何事か問いただすと、ケールス姫はシルレングとユーズが王に反逆を企てて徒党を集め、今夜クーデターを行おうとしていると讒訴した。
王は、忠臣の二人がそのようなことをするはずがないと疑った。ケールス姫は自分がバラモン教に改心すると誓って王の歓心を買い、自害する振りをして、ユーズとシルレングの取り調べの権限の許可を王から得てしまった。
ケールス姫が去った後、今度はサガレン王の部下のゼムとエールがやってきて、竜雲に謀反の計画ありと王に伝えた。王は思案に暮れてしまった。
そこへケールス姫が戻ってきた。姫はゼムとエールが王の側にいるのを見ると、二人を反逆者呼ばわりして怒鳴りつけた。ゼムとエールも姫に反論して激しい言い争いになってしまう。
王は、この二人に限って決して不心得はないと毅然と言い放ち、姫に居間に帰るようにと厳然と指示した。ケールス姫はゼムとエールを睨み付けて言葉もなく居間に帰ってゆく。