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文献名1霊界物語 第36巻 海洋万里 亥の巻
文献名2第4篇 言霊神よみ(新仮名遣い)ことたましんぐん
文献名3第23章 雪達磨〔1011〕よみ(新仮名遣い)ゆきだるま
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-10-14 12:45:32
あらすじサガレン王は立って中央の高座に登り、堂々として述懐の歌を歌った。天の目一つの神の教えによって誠を悟り、君子姫、清子姫らと協力し、都について火災の災害から人々を救ったことに感謝を表した。自らの心の油断を懺悔し、これからの国造りへの抱負を述べると共に、竜雲たちの改心を促して、王は歌を終えた。天の目一つの神は立って祝歌を歌い、王の改心と火災の災害への献身を称え、この宴にて上下和楽の様が実現されたことに喜びの意を表した。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年09月24日(旧08月4日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1923(大正12)年12月30日 愛善世界社版259頁 八幡書店版第6輯 674頁 修補版 校定版270頁 普及版114頁 初版 ページ備考
OBC rm3623
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本文の文字数2570
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本文  サガレン王は悠然として立ち上り、金扇を拡げて中央の高座に登り堂々として歌ひ舞ふ。
『あゝ有難し有難し  天地の神の御恵は
 伊行きたらひて隈もなく  吾等を始め人々の
 身魂を照らし給ひけり  荒風すさぶシロの島
 白雲山の頂きに  吹き起りたる竜雲が
 醜の御息に包まれて  バラモン教の宣伝使
 国別彦の神司  サガレン王の身辺は
 日に夜に危くなりにけり  時しもあれや真心の
 岩より固き兵士の  現はれ来りて災を
 逃れて吾を救ひつつ  花咲く春を松浦の
 小糸の館に守り行く  千代も八千代も揺ぎなき
 固き岩窟に隠ろひて  白雲山の雲霧を
 科戸の風に吹き払ひ  神地の都を十重二十重
 包みて曇らす竜雲を  神の軍を励まして
 取り除かむと朝夕に  武道を励む折もあれ
 神の恵みの浅からず  深霧分けて北光の
 三五教の神司  鳩の如くに降りまし
 天地の神の御心を  完美に委曲に説き給ひ
 至仁至愛の心もて  曲の砦に向へよと
 教へ給ひし尊さよ  タールチンやエームスの
 忠誠無比の司等は  翁の言葉に悦服し
 日に夜に励みし武術をば  全廃なして惟神
 神の御前に跪き  誠一つの言霊を
 放ちて曲を悉く  言向和し天国の
 恵みに浴し救はむと  心を定むる折もあれ
 瑞の御霊の救ひ主  神素盞嗚大神の
 八人乙女の君子姫  心の色も清子姫
 又もや此処に来りまし  再び神の御教を
 宣らせ給ひし有難さ  吾はそれより君子姫
 其他の司を引連れて  白雲山の山麓に
 薨輝く神地城  来りて見れば城内は
 黒煙四方に立ち昇り  紅蓮の舌は遠近の
 建造物を悉く  嘗め尽さむず勢に
 暫し見とれて居たりしが  忽ち響く神の声
 神の御子なる諸人を  救ふは今や此時と
 吾身を忘れて黒煙の  中に自ら突進し
 采配振つて下知すれば  君子の姫や清子姫
 タールチンやエームスや  キングス姫やテーリスの
 清き司は逸早く  煙に包まれ悩み居る
 数多の人を救ひ出し  城の馬場に連れ来り
 色々様々介抱し  労はり守るぞ尊けれ
 折りしも聞ゆる宣伝歌  謹み敬ひ心をば
 すまして嬉しみ聞く程に  小糸の里に現はれし
 天の目一つ神司  涼しき声を張り上げて
 煙を分けて響きたる  其神姿ぞ雄々しけれ
 あゝ惟神々々  神は吾等を守りまし
 道に背きし人々も  残らず助け給ひけり
 吾等も一度は竜雲が  汚き仕業を憎みしが
 直日に見直し聞直し  反省すれば尊しや
 彼も神の子神の宮  もとより汚れし者ならず
 知らず知らずに曲神に  心の根城を奪はれて
 道に外れし曲業を  行ひ居たる憐れさよ
 決して責むべきものならず  責むべきものは吾心
 少しの油断ありしより  神地の都の上下を
 騒がせたるも吾なりと  思へば恐ろし神の前
 詫ぶる由なき吾罪を  許させ給へ天地の
 神の御前に慴伏して  畏み畏み祈ぎ奉る
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  神地の城は焼けるとも
 神の心の弥広く  吾の身魂のいと清く
 怨みも仇も谷川の  早瀬に捨ててスクスクと
 清き心のパラダイス  上下尊卑の分ちなく
 老若男女の隔てなく  教の道の如何をば
 省みずして相共に  仕へ奉らむ神の前
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 ケールス姫や竜雲の  醜の司を始めとし
 従ひ奉りし諸人の  罪をば許させ給へかし
 サガレン王が今此処に  心の誠を現はして
 皇大神の御前に  畏み畏み祈ぎ奉る
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
 天の目一つの神は立ち上り祝歌を謡ふ。
『天と地とを造らしし  此世の御祖と現れませる
 国治立の厳霊  豊国姫の瑞霊
 御霊を十字に綾なして  三五の月の御教を
 四方に開かせ給ひけり  瑞の御霊の神霊
 神素盞嗚大神は  厳と瑞との御教を
 麻柱ひ給ひて八乙女を  メソポタミヤに遣はされ
 バラモン教に立て籠る  鬼雲彦を言向けて
 豊葦原の瑞穂国  残る隈なく三五の
 仁慈無限の御教に  百の神人救はむと
 心配らせ給ひけり  さはさり乍ら曲神の
 勢ひ仲々猛くして  山の尾の上や川の瀬に
 砦を造り汚れたる  教を四方に布き並べ
 世は益々に曇り行く  天の下なる神人は
 苦しみ歎き山河は  何処の果ても枯れ干して
 木葉の露も光りなく  月日は雲に包まれぬ
 かくも怪しき常暗の  大海原を晴らさむと
 天教地教の山上に  百の神等呼び集へ
 此世を救ふ生神の  大御心を照らすべく
 神の司を任け給ひ  国の八十国八十の島
 洩れなく落ちなく救世の  大福音を宣べ給ふ
 あゝ惟神々々  神の御言を畏みて
 沐雨櫛風厭ひなく  教を伝ふる宣伝使
 中にも尊き君子姫  清子の姫の神司
 鬼雲彦に仕へたる  曲の司に捕はれて
 百千万の苦しみを  受けさせ給ひ荒波の
 伊猛り狂ふ海原を  半ば破れし棚なしの
 小舟に乗りて海中に  清く浮びしシロの島
 ドンドラ岬に安着し  神の恵みの弥深く
 河森川の谷道を  遡りつつ松浦の
 小糸の里に着き給ひ  千代の住家の岩窟に
 隠ろひ居ます神司  サガレン王に面会し
 誠の道を説き明かし  神の軍を引率し
 白雲山の山麓に  薨も高く聳りたつ
 神の館に蟠まる  醜の司の竜雲や
 ケールス姫を救はむと  サガレン王と諸共に
 葦毛の駒に跨りて  進み来れる雄々しさよ
 シロの館の四方より  黒煙忽ち立ち昇り
 紅蓮の舌は許々多久の  建造物を嘗め尽し
 ケールス姫や其外の  人の生命は風前の
 灯火の如く見えければ  吾身を忘れて三五の
 神の司を始めとし  バラモン教の神司
 サガレン王は逸早く  身を躍らして黒煙の
 中に進ませ給ひつつ  厳しき下知の其下に
 神地の城の人々は  一人も残らず救はれて
 尊き神の御恵を  感謝せしこそ尊けれ
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましまして
 醜の魔神に襲はれて  身を隠したるサガレン王の
 司の命も恙なく  神の恵みに相浴し
 タールチンやキングスや  テーリス、エームス、ゼム、エール
 其外百の司達  心の底より打ち解けて
 今日の酒宴に相並ぶ  上下和楽の楽しみは
 天国浄土も目の前  娑婆即寂光浄土ぞと
 祝ふも尊し神の前  謹み敬ひ祝ぎ奉る
 あゝ惟神々々  御霊幸はひましませよ』
(大正一一・九・二四 旧八・四 北村隆光録)
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