霊界物語も凡百の艱難を排し、ようやく第三十六巻まで完結を告げた。四百時詰め原稿用紙四万五千枚、着手日数は百八十日におよんだ。
しかしながら過去・現代・未来における顕・神・幽三界の際限なき物語であれば、とうてい三輯や四輯で大要を述べ尽くすことはできない。
神命によれば、三十六巻を一集としてもこれを四十八集を口述しなくては徹底的に解くことはできないとの話である。そこで神界をお願いして十輯・百二十巻くらいで神示の大要を口述したい。
ついては、瑞月王仁が霊界に仕えた経路をあらかじめ述べておく必要があるとみとめ、第四輯『舎身活躍』の初めにおいて穴太の幽祭修行の状況や、綾部に来たって出口教祖に面会し神業に奉仕した次第を述べて、読者の参考に供することにした。
『舎身活躍』は『海洋万里』の継続的物語である。神素盞嗚尊は数多の神人を教養し、これを宣伝使として四方の国々に遣わして八岐大蛇や邪神悪狐の霊魂を言向け和した。
そして出雲の日の側上において村雲の剣を得て天照大御神に奉り、五六七神政の基礎を築き固め、天下万民の災害を除いて救世の大道を樹立したもうた長大な物語である。