文献名1霊界物語 第37巻 舎身活躍 子の巻
文献名2第3篇 阪丹珍聞よみ(新仮名遣い)はんたんちんぶん
文献名3第13章 煙の都〔1025〕よみ(新仮名遣い)けむりのみやこ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日2024-03-08 17:21:54
あらすじ松岡天使の命令によって、喜楽はただ一人で初めて大阪の布教を試みようと、汽車に乗ってやってきた。煙突の煙や行きかう人馬の音に圧倒されながら、多田亀の元の妻で多田琴の母である、お国という女の宅を頼ろうと探していた。多田琴が布教がてらお国の元に行っていたので、協力して大宣伝をしようと思ったのである。しかし想像だにしない大都会でたくさんの家や通りがあり、住所を探し当てることができなかった。ふと、自宅の隣家出身の斎藤佐一という人が、夫婦で天満橋近くに餅屋をしていることを思いだした。初めての人力車に乗って、佐一の店に行った。佐一老夫婦とは久しぶりに顔を合わせたが、喜楽が祈祷を始めたことを知っており、お茶を出して親切にもてなしてくれた。佐一は宿を紹介してくれた。そこに二週間ばかり滞在したら、家屋敷を抵当に入れて借りた持ち金はすっかりなくなってしまった。大阪への別れに、天満天人様に参拝したところ、小林易断所と書いてある店の爺が声をかけてきた。易者は喜楽が丹波から来たことを当て、今大阪へ出てきたのは時機が早く、十年ばかり丹波で修行を積んだうえで再度大阪に来るように、と告げた。易者はこれからの喜楽の艱難辛苦は並大抵のものではないが、神様のため、世の中のためだから辛抱するように、と涙ながらに諭した。喜楽は思わず落涙にむせんでいた。しばらくして頭を上げると、小林勇といった老易者の姿は跡形もなく消えていた。不思議にあってしばらく呆然としていたが、松岡天使の教訓が今さらのごとく胸に浮かんできた。邪神のすさぶ今の世に、至粋至純なる惟神の大道を研究し、身魂を清め、立派な宣伝使となって世界を覚醒させなくてはならない。神の僕となって暗黒世界の光となり、冷酷な社会の温味となり、身魂を清める塩となり、癒す薬となれ。四魂を磨き五情を鍛えて誠の大和魂となり、天地の花・果実と謳われ喜ばれ、世のため道のために尽くさなくてはならない。今後十年の間は研究の時期であり、その間に起こる艱難辛苦は非常なものだ。さりながら少しも恐れるに足らない。神様を力に、誠を杖にして猛進せよ。一時の失敗や艱難で心を変じてはならない。五六七の神の御心を遵奉し、世界へ拡充せよ。神々は汝の身を照らし、身辺に付き添って使命を果たすべく守りたまうであろう。特に十年間はもっとも必要な修行時代だ、というものであった。これより社前に額づき、拍手再拝して天津祝詞を奏上した。
主な人物
舞台
口述日1922(大正11)年10月10日(旧08月20日)
口述場所
筆録者北村隆光
校正日
校正場所
初版発行日1924(大正13)年3月3日
愛善世界社版163頁
八幡書店版第7輯 92頁
修補版
校定版171頁
普及版80頁
初版
ページ備考
OBC rm3713
本文のヒット件数全 1 件/豊国=1
本文の文字数4922