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文献名1霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻
文献名2第1篇 千万無量よみ(新仮名遣い)せんまんむりょう
文献名3第5章 三人組〔1042〕よみ(新仮名遣い)さんにんぐみ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-10-31 14:12:24
あらすじ
喜楽は弟の幸吉と道々、神様の話にふけりながら北へと進んで行った。修行場に到着すると、心配していた四方春蔵ら三人の姿が見えない。

聞けば、教祖様が直々に使いをよこして連れて行ったという。四方平蔵氏は、いくら上田先生の言いつけでも、教祖様のお言葉に逆らうことはできないと抗弁した。

四方氏はあくまで教祖様の言葉を神様の御用だと信じ、喜楽が綾部に三人を連れ戻しに行くつもりだということを急告した。綾部では、自分が上谷の修行場に帰ってきたと聞いた福島寅之助と四方春蔵らは、奇妙な神がかりを始めたという。

自分はしかたなく、翌日も修行者の鎮魂をしていた。すると午前十時ごろに綾部から四方祐助爺さんがやってきて、福島寅之助らが近所の家の大黒柱を掘り返したりして警察が来る騒ぎになっているという。

二三日立つと足立正信氏らがやってきて、教祖様が警察を怒鳴りつけたが、何のお咎めもないので、それが神様の御威徳によるものだと喜んでにこにこしている。

また、教祖様の長女・お米さんが九年ほど気狂いになっていたが、先日大広間にやってきたとき、教祖様がお米の夫は大江山の酒呑童子の御魂、お米は教祖様の娘ながらこの世を乱した大蛇の御魂だと宣言たという。

そして、これまで見せしめのために罰として気狂いとしていたが、改心したら赦してやろう、と言うと、お米さんはその場に倒れて昏倒してしまった。一時間ほど経つとお米さんが息を吹き返したが、その言行は普通の人間と同じようになっていたので、信者一同神様の神力に感嘆した、と熱心に語るのであった。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年10月14日(旧08月24日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年4月3日 愛善世界社版47頁 八幡書店版第7輯 174頁 修補版 校定版47頁 普及版23頁 初版 ページ備考
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本文
 喜楽、幸吉の二人は、道々神話に耽り乍ら、虎口を逃れた様な心持で北へ北へと進み行く。

 穴を出て穴に入るまで穴の世話
  穴恐ろしい穴の世の中

 一休禅師の歌や、

 故郷は穴太の少し上小口
  只茫々と生えし叢

等と観音の化身が詠んだと云ふ狂歌を謡ひ乍ら、足に任せて十余里の道程を、漸くにして上谷の修行場へ安着した。帰つて修行場を調べて見ると、第一懸念して居た黒田きよ、四方春三、塩見せいの三人の姿が見えぬので、留守中を依頼したる四方氏に尋ねて見ると、
四方『一昨日の夕方教祖が態々御出でになつて……神様の御命令だ……と仰有つて、私の留めるのを諾かずに、三人を連れて帰られました』
との答である。
 『あゝ頼み甲斐のない人ぢやなア…』と思ひ乍ら、四方甚之丞と云ふ修行者を綾部へ遣はして、三人の修行者を今夜の中に是非とも上谷へ帰つて来る様にと厳しく申付たら、側に居た四方平蔵氏が口を出し、
四方『上田先生が何と云はれても、教祖様の御言葉ですから、御三体の大神様のお憑り遊ばしたお三人様を今夜の中に呼び寄するなんて、そんな途方もない事は出来ませぬ』
と首を振つてゐる。自分は重ねて、
喜楽『三人の者を明日の朝迄綾部へおく事は出来ぬ。邪神が憑つて又々狂態を演じ、其筋のお手数に預らねばならぬ様な事が出来するから、是非とも今夜の中に、三人を此処へ連れて帰つて貰ひ度い』
と厳しく云ひ張つても、四方平蔵氏始め一同腹を合して聞き入れぬのみか、
四方『先生に今帰つて貰ふと、神さまの肝賢のお仕組の邪魔になるから、お迎へに来る迄綾部へは決して帰つて下さるな。貴方は緯役で、大神様のお仕組の反対をなさるお役ぢやさうなから……』
と妖魅の言葉を信じきつて居る。
 四方平蔵氏は自分に隠れて、ソツと綾部の金明会へ馳せ帰り、幸吉と云ふ弟と共に上谷迄帰つた事を急告した。
 サアさうすると、福島寅之助を始め三人が慌出し、
『何、上田が上谷迄帰つて来たか。そりや大変ぢや、早う上田の帰らぬ中に、仕組をせねばならぬぞ』
と四人は襖を閉めきつて、奇妙奇天烈の神懸を続行してゐた。
 自分は仕方なしに幸吉と共に、上谷に残つてる修行者を鎮魂して居た。其翌日の十時頃になると、四方祐助爺サンが顔色を変へて出て来て、震うてゐるので自分は、
喜楽『祐助サン、碌な事で来たのぢやなからうな』
と問ひかくれば、爺サンは直に大地へ手をついて、
祐助『ハイハイ恐れ入りました。外の事では御座りませぬが、綾部は大変で御座います。お三体の大神様がお三人サンへお憑り遊ばして、口々に……三人世の元、結構々々……と百遍ほども仰有つて、終ひには新宮の安藤金助サン処の庭に、大地の金神金勝要の神さまが埋もつて居るから、之を掘り出して鄭重にお祀りせんならんと云つて、三人がおいでになり金助サンとこの大黒柱の根元を三四尺ばかり、一生懸命になつて掘り出しなさつたけれども、石一つ碌に出て来ぬので未だ掘り様が足らぬのだ。もつともつとと云つて、三人サンは水をかぶり白衣を着け、緋の袴を穿いて掘つて居られた処へ、警察の署長サンが前を通つて、此有様を見つけ、……一体お前等はそんな風をして何をしてゐるのか、尋ね度い事があるから一寸来い……と云つて、三人共警察へ連れて去なはりましたので、私も吃驚して早速其由を教祖様に申ましたら、教祖さまは平然として……何事も皆神様の御都合ぢや、チツとも心配は要りませぬ、又土の中から形のある御神体が出るのではない、大地の金神様の霊気が、地の上へおでましになる事ぢや……と仰有つて居られますが、此爺には根つから合点が参りませぬ。四方春三サンや外二人は、警察へひかれたきりで未だ帰つて来られず、如何しやうと思案に暮れて、皆サンに隠れて爺の心で先生にお伺ひに出ました』
とオドオドし乍ら、半泣きになつて居る。然し此事件は何ともなしに治まり、自分は依然として幸吉と共に上谷で審神をつとめて居た。
 二三日経つと、今度は足立正信氏の代理として、新宮の四方源之助、西原の西村文右衛門の両氏が、上谷へ態々やつて来てニコニコし乍ら、
『上田先生、喜んで下さいませ。今日から教祖様は、出口お直さまと申さずに、信者一同から出口の神と崇敬致す様になりました。神さまと申す訳は、二三日以前に綾部の警察から、署長サンが二人も巡査をつれて来て、何か怪しいものを祀つて沢山の人を騙し金儲けをして居るのぢやないかと疑ふて、大広前を隅から隅迄調べて見ましたが、別に胡乱の事がないので、何とも云はれずに帰られましたが、其時教祖さまが署長サンに向ひ、大きな声で……明治廿五年から出口直は神の因縁ありて、表向き狂人の様に致して、警察の側において、世界の事を言はして気を付けてありたぞよ。それに此神の誠が分らぬか……と呶鳴られましたが、相手にもならず帰られましたが、これ全く神の御神徳で御座います。万一私等が警察の署長サンに向つて、そんな事でも云はうものなら、官史侮辱だとか云つてやられて了ひます。何と教祖様の御神徳といふものは偉いもので御座います。も一つ恐れ入つた御神徳は外でもありませぬが、出口の神の総領娘のお米サンが、西町の大槻鹿造の嫁になつて居られまして、明治廿五年から今年迄足掛け九年振り、神様の罰が当つて丸狂人になつて居られた所、一昨日其お米サンが、金明会の大広前へおいでになると、出口の神の仰せには……大槻鹿造は大江山の酒天童子の霊魂であるぞよ。其女房となつて居るお米は出口直の子であれど、大蛇の霊魂で此世を乱して、世界の人間を苦しめた極悪神であるから、世界の見せしめの為めに、今日迄狂人に致して懺悔を曝さして、九年振り懲戒致したなれど、今日限り改心したらば許してやらう……と仰有つたら、あら有難や、あら不思議や、其場でお米サンが打倒れ、サツパリ正念がない様になつて了ひ、体がダンダンと冷たくなつて来ました。死人同様に息一つ出ませぬので、私達役員は……サア水ぢや、お神酒ぢや、おひねりさまぢや……と云つて騒ぎ出しましたら、出口の神さまは平気な者で……何も皆サン、御心配には及びませぬ。神様の御都合ぢやから後で分ります……と仰有つて、奥の間へ這入つて、知らぬ顔でお筆先をお書きになつて居られましたが、教祖様の仰せの通り、一時間ばかり経つとお米サンが息を吹き返し、元の体となり、其れきりさしも猛烈な狂乱も俄に平癒しまして、其言行が普通の人間とチツとも変はらぬ様になつたので、皆の信者が感心して、思はず知らず出口の神様と口で一斉に唱へたので御座ります。九分九厘迄死んで生きかへると云ふ様な事は到底普通の神力では出来ませぬ。人間業では無い。正しく神様のお力である、誠の艮の金神様に間違ひはないと合点して、今迄疑ふて居た無礼を一同がお詫致しました。それだから先生も一時も早う我を折つて、出口の神さまにお詫をして下さる様にお知らせに来ました』
と熱心面に現はしての永い物語であつた。自分は、
『はあはあ』
と云ひ乍ら二人の話を聞了り、茶等を進めて一寸一服して居ると、二人は又ソロソロ綾部の話をし出し始めた。
(大正一一・一〇・一四 旧八・二四 北村隆光録)
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