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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第2篇 恋海慕湖よみ(新仮名遣い)れんかいぼこ
文献名3第7章 女武者〔1132〕よみ(新仮名遣い)おんなむしゃ
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじカールチンはテーナ姫と王位に就く願望成就の前祝の酒を酌み交わしていた。カールチンは、自分の王位簒奪が争いをせずに成就したので、反乱討伐で多忙の大黒主に援軍を出そうとテーナ姫に提案した。カールチンはテーナ姫をおだてて、大黒主への援軍の大将に任命してしまった。テーナ姫は軍を引き連れて遠征の途に上ることになった。テーナ姫を遠征に出したカールチンは、出勤日だから登城するとサモア姫に留守を預け、共も連れずに一人で城内に進んで行った。
主な人物 舞台 口述日1922(大正11)年11月14日(旧09月26日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月1日 愛善世界社版94頁 八幡書店版第7輯 676頁 修補版 校定版98頁 普及版36頁 初版 ページ備考
OBC rm4207
本文の文字数4378
本文のヒット件数全 4 件/イルナの国=4
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本文  秋も漸く深くして  澄み渡りたる朝日影
 東の窓をおしあけて  今日は心もカールチン
 テーナの姫と諸共に  目出度い目出度い、お目出度い
 鯛や鰹の生魚  夫婦はここにさし向ひ
 水も漏らさぬ親しみの  色を表に現はして
 酒汲み交す右守司  ホロ酔機嫌の高笑ひ
 盃重ねてフナフナと  腰のあたりも怪しげに
 恋(鯉)に迷うた目の光り  どことはなしにキラキラと
 月(盃)にさし込む朝日子の  眩きばかりヤスダラ女
 女房となつてほしの空  天の河原を中にして
 年に一度は七夕の  逢ふ瀬も清き恋の川
 そしらぬ顔に盃を  女房にさせばテーナ姫
 さも嬉しげに頂いて  これが別れの盃と
 知らぬが仏神心  胸に一物たたみたる
 右守の司の布袋顔  やうやう右守は顔をあげ
 『テーナの姫よ、吾妻よ  いよいよ願望成就の
 時こそ迫り来りけり  吾はイルナの刹帝利
 汝は妃の貴き身よ  陰と陽との息合はせ
 イルナの国を永久に  守るも嬉し松の御代
 待つ甲斐あつて妹と背の  夫婦の喜び千代の縁
 勇み喜び舞ひ歌へ  梵天帝釈自在天
 大国彦の御恵みは  天津御空も只ならず
 大海原のいと広く  恵みの露を遠近の
 青人草に垂れ給ふ  蒼生は神の御子
 尊き神の珍の宮  御子と宮とを預かりて
 イルナの国に君臨し  堅磐常磐に世を守る
 吾身の上ぞ楽しけれ  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ  朝日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  仮令大地は沈むとも
 汝と吾とは永久に  夫婦の仲も睦じく
 八千代の椿優曇華の  花咲く春を楽しみて
 神の大道に仕ふべし  梵天帝釈自在天
 神の御前に真心を  誓ひて祈り奉る』
と一杯機嫌で、右守の司は妻のテーナ姫と共に酒酌み交しながら歌つて居る。テーナ姫は気もさえざえしく笑を満面に湛へて、夫に盃をさしながら節面白く歌ひ始めた。
『大梵天王自在天  大国彦の大神の
 恩頼は目のあたり  現はれ来り吾夫は
 イルナの国の刹帝利  四民の親と仰がれて
 時めき給ふ時は来ぬ  妾も同じ妻司の
 麻に連れ添ふ蓬ぞよ  君が高きにのぼりなば
 妾も高き位につき  月日並べて永久に
 天津御空の星のごと  群集はり居る蒼生を
 いと平けく安らけく  神のまにまに治めゆき
 イルナの国の生神と  名を万世に轟かし
 尊き神の御柱と  なるぞ嬉しき夫婦仲
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましまして
 一日も早く片時も  此目的を委曲に
 立てさせ給へと願ぎまつる  思へば思へば先の世で
 吾等夫婦は天地の  神の御前に身を尽し
 誠を尽せしものならむ  忽ち入り来る福の神
 大黒主は云ふも更  右守の司の恵比須顔
 小事を苦にせぬ布袋つ腹  命も長く福禄寿頭
 弁財天の御利益で  珍の宝を積み重ね
 毘舎門天の武勇をば  四方の国々果てしなく
 発揮しまつり天国の  目出度き様を地の上に
 築き上ぐるも目のあたり  あゝ頼もしや頼もしや
 神は吾等を守りまし  吾等は神を敬ひつ
 神人和合し敬愛し  名位寿富の大徳を
 千代万代に永久に  授け給へよ自在天
 元津御祖の大神の  御前に畏み願ぎまつる
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
『テーナ姫、日頃の大望もどうやら成功の機運に向つたやうだなア。今日は一入酒の味もよいぢやないか。お前も前祝ひに今日は十分飲んだらよからう。エーン』
『左様で厶いますなア、これと云ふのも日頃信ずる大自在天様の御利益で厶いませう。何卒旦那様、貴方は御出世なさつても私を捨てない様にして下さいませや。出世をなさればなさる程気の揉めるは女の常です。お見捨てない様に呉れ呉れもお願申して置きますよ』
『アハヽヽヽまたしてもまたしても、取越し苦労をする女だなア。仮令三千世界を手に入れるとも、お前と別れて暮すのなら、何の楽しみもないぢやないか。お前は二十年以上も添うて置いて、まだ私の心が分らぬのぢやなあ。エーン』
『旦那様が其お心ならば私は嬉しう厶います。その代りどんな事を仰有つても、決して背きは致しませぬわ。こんな親切な旦那様に背くやうな事があつては、大自在天様の御冥罰が恐ろしう厶いますからなア』
『イヤ好く云つて呉れた。それでこそ俺の女房だ。併しお前に一つ相談があるが、キツト聞いて呉れるだらうなア』
『オホヽヽヽ、聞いて呉れえなんて、そりや又何を仰有います。夫が女房に頼むお人が何処の世界に厶いませうか。貴方のお望みとは何事で厶いますか。何卒手取り早く仰有つて下さい、貴方のお頼みが一刻も早く聞きたう厶います』
『アハヽヽヽ、実の処は是からお前にハルナの都まで出陣して貰ひ度いのだ。夫の言葉をよもや背きは致すまいなア。エーン』
『ハテ心得ぬ其お言葉、今や大黒主様から五百騎の兵士をお送り下さる筈になつて居るぢやありませぬか。それに又反対に此方から軍隊を連れて行くとは、どういふお考へでございますか』
『もはやセーラン王様は御決心遊ばしたなり、軍隊の必要は些しもないのぢや。大黒主様は近国に騒動が起り、沢山の兵を御派遣になり、ハルナの城は守備全く薄弱となつて居る。一方は三五教征伐に鬼春別を出し、一方はウラル教征伐に大足別が出陣して居る。云はば国家多事の時だ。こんな時に戦争もないのに援軍を乞ふとは全く済まないぢやないか。さうしてカールチンは神力が足らないものだから、大黒主様から軍隊をかりて、非望を遂げたなど云はれては末代の恥だ。それよりも此方より軍隊をさしむけ大黒主様のお手伝ひをしようものなら、吾々の武勇は天下に轟き、大黒主様の御覚えも目出度う、吾々の守護する社稷は金剛不壊の如意宝珠の玉のやうなものだ。エーン、テーナ、合点が行つたか』
『旦那様のお言葉に背く訳ぢや厶いませぬが、さう楽観も出来ますまい。寸善尺魔の世の中、何時どんな事が突発するか分つたものぢや厶いませぬ。こればかりは篤り御思案を願ひたいものです』
『英雄の胸中が女童に分つて耐らうか。オイ、テーナ、其方は夫の命令に反抗する積りか。ヨシ、ヨーシ、それならそれで此方にも了簡がある。今日限り夫でないぞ、女房でないぞ、サア一時も早く此館を立ち去り召され。エーン』
と声を尖らし語気を強めて叱りつけた。
『それは余り非道なお言葉、あまりと云へば余り水臭いぢやございませぬか』
『決して俺は水臭い事はない、其方こそ夫の言葉に背く冷淡至極の女だ。俺だつて長らく添うて来た女房を放り出すやうな約らぬ事は致し度くないのだ。お前が余り頑固だから腹が立つたのだ。エーン』
『貴方は実際私を愛して呉れては居ませぬなア。どうも此ごろの御様子がちつと怪しいぢや厶いませぬか』
『嫌ぢや、嫌ぢやで十年暮れた、到底々々で添ひ遂げた、と云ふ世間の噂もあるぢやないか、さう気に入つた女房ばかりあるものぢやない。併し俺はお前に対して一度も嫌なイの字も思うた事はない。お前のやうなよい女房がどこにあらうかと実は感謝して居るのだ。余り可愛いものだから、つひこんな事を云うたのだ。これテーナ姫、堪忍へて呉れ、この通りだから』
と手を合して拝んで見せる。テーナ姫は俄に機嫌を直し、いそいそとして肩を揺ぶりながら、
『ホヽヽヽ、あのまア男らしいお顔だち、今更のやうに新枕の昔が思ひ出されて嬉し涙が零れます。それなら吾夫様、仰せに従ひハルナの都に参りませう』
 カールチンは仕済したりと私かに打ち喜び、態と厳かな口調で、
『ヤア天晴れ天晴れ、サアこれより汝はハルナの国に立ち向ひ、五百騎の応援軍を元へ帰し、大黒主様の御加勢に出陣致せ。吾は都に留まり、汝が凱旋の日を指折り数へて待ち暮らさむ。サア一時も早く』
とせき立てる。テーナ姫は部下の士卒を残らず集め、茲に三百余騎を引き連れ、イルナの都を後にハルナの都をさして遠征の途に上る事となつた。
 後にカールチンは、やれ、股の腫物がうんで潰れたと云ふやうな心持で、一人笑壺に入り、
『エヘヽヽヽ、遉は右守さまだ。吾々の神謀奇策には疑ひ深い女房も、とうとう納得して出て行きやがつた。エヘヽヽヽ、三寸の舌鋒をもつて五百の応援軍を喰ひとめ、女房を動かして、又もや三百の兵士を大黒主様に差し向けた俺の力には、大自在天様だつて舌を巻き給ふだらう。あゝしてテーナ姫を陣頭に立たせた以上は、討死するは当然だ。ウフヽヽヽ、イヤもう、とんともう根つから葉つから面白くなつて来たワイ。サアこれから弁財天のやうな、ヤスダラ姫のお顔を拝見して来うかなア』
と思はず知らず大声を出した。隣室に居たサモア姫は、すつかりカールチンの独言を聞いて了ひ、目を丸くし舌を巻いて呆れかへつて居た。併し何喰はぬ顔をして足の運びも淑やかにカールチンの傍に進み、
『旦那様、お奥様が御出陣遊ばし、嘸お淋しい事で厶いませうなア。私も女で厶いますが、まさか奥様の代理を勤めると云ふ訳にも参らず、御心中お察し申上げます。併し乍ら、旦那様は本当に偉い方ですなア。ヤスダラ姫様がお待ち兼ねでせうから、一度お顔を拝ましてお上げなされましたらどうでせうか』
『これこれサモア、滅多なことを云ふではないぞ。ヤスダラ姫如きにこの方は用事はないわ』
『ホヽヽヽヽ、さうでせうとも、御用事はありさうな筈はありませぬわねえ』
『これサモア姫、今日は俺の出勤日だから登城して来る、留守を頼むぞ。さうして下僕共の行動を監督して呉れ』
『ハイ畏まりました。急いで又転げないやうになさいませや。ホヽヽヽヽ』
『エー、いらぬ事を云ふな』
とゆるゆる叱りつけ、供をも連れず唯一人、裏門より城内さして進み行く。
(大正一一・一一・一四 旧九・二六 加藤明子録)
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