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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第4篇 怨月恨霜よみ(新仮名遣い)えんげつこんそう
文献名3第19章 野襲〔1144〕よみ(新仮名遣い)やしゅう
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじイルナ城の奥の間には、黄金姫、清照姫、ヤスダラ姫、セーリス姫の四人が火鉢を囲みながら神話にふけり、やがて話題はカールチンの身の上に移った。黄金姫と清照姫は、カールチンは本当に改心したわけではないだろうから、用心しなければならないと警戒している。ヤスダラ姫はイルナの城に暗闘が絶えないことを嘆いた。黄金姫は、これもセーラン王の治世が開けるために通らなければならない道であろうと諭した。そして右守も同じ神様の分霊であり、善導しなければならないと自ら戒めた。そこへセーラン王は竜雲他を引き連れて現れ、黄金姫たちに挨拶し感謝の意を述べた。一同はそれぞれ述懐の歌を歌った。にわかに玄関口が騒がしくなり、レーブが視察に出た。すると右守をはじめユーフテス、マンモス、その他十数人が地面に坐して酒を飲み、歌ったり刀を引き抜いて空を切ったり駆けまわったりしている。レーブはこのありさまを王に復命した。王は、やがて目が覚めるまでそのままにしておくのがよかろうと答えた。一同はそれぞれの寝室に入って夜を明かした。
主な人物 舞台イルナ城(入那城、セーラン王の館) 口述日1922(大正11)年11月24日(旧10月6日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月1日 愛善世界社版223頁 八幡書店版第7輯 722頁 修補版 校定版228頁 普及版96頁 初版 ページ備考
OBC rm4219
本文の文字数4916
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本文  入那城の奥の一間には、黄金姫、清照姫、ヤスダラ姫、セーリス姫の四人は火鉢を中に囲みながら、神話に耽り、話は転じてカールチンの身の上に移つた。
黄金『右守司も種々雑多として刹帝利の位にならうと思ひ、工夫に工夫を廻らしてゐたが、とうとう清さまの美貌に迷ひ、欲と恋との二道を歩まむとして、一も取らず二も取らず、しまひの果には諦めたと見え………兵士をハルナの国へ遣はして、翼奪られしやもめ鳥あはれ………なぞと王様の前で泣言をいつて帰つて了つたが、併しあれは本気で改心をしたのではありますまい。キツと今晩あたり、失恋組を語らうてむし返しに来るかも知れませぬから、皆さま、決して油断はなりませぬぞや』
セーリス『左様な御心配は要りますまい。………かくならば最早右守の神司、君の御前に命捧げむ………と云つたのですから、ヨモヤそんな事は出来ますまい。三百騎の味方は既にハルナの国へ派遣し、武力は既に既に根底から削がれてゐるのだから、何程向ふ見ずの右守だつて、そんな馬鹿なことは致しますまいよ。………いざさらば命をめせよセーラン王、欲と恋とに迷ひし吾を………と云つて、命まで差出したのですからな』
清照『さう楽観は出来ますまいよ。恋の意地といふものは恐ろしいものですからなア。私がヤスダラ姫様になりすまして、力一杯翻弄したのだから、男の面を下げて、どうしてあのまま泣き寝入りが出来ますものか。お母アさまの仰有る通り、キツと今晩あたり、失恋組が暗殺隊を組織してやつて来るに違ひありませぬ………思はざる人に思はれ恋はれしと、思ひしことを悲しくぞ思ふ………と云つて、未練らしく愚痴をこぼしてゐましたもの、キツと此儘で泣き寝入りは致しますまい』
セーリス『それでも右守司は………今よりは生れ赤子になり変り、神と君とに誠捧げむ………と王様の前で言明したではありませぬか。あの時こそ私は右守司の心の底から出た言葉と感じました』
ヤスダラ『如何してマア此入那の城は暗闘が絶えないのでせう。昔から左守、右守は犬猫同様ぢやと聞いてゐました。仲の悪い者同志の標語は犬と猿とではなくて、入那城の左守、右守と云ふ用語迄出来てゐるではありませぬか。何とかしてかういふことのないやうに守つて貰ひたいものでありますなア』
黄金『ヤア是も誠の道の開ける径路かも知れませぬ。イヤ之が却て神様の尊き御守護ですよ。王者争臣五人あれば其位を失はず、諸侯争臣三人あれば其国を失はず、大夫争臣二人あれば其家を失はずとかいひまして、如何しても争ひといふものは根絶するものではありませぬ。又争ひの根絶した時は国家の亡ぶる時ですから、動中静あり、静中動ありといふ惟神の御経綸でせう。右守司の陰謀があつた為、セーラン王様も御威勢が天下に輝くのでせう。いつもかも平穏無事であれば、王様を始め人心弛緩して国家はますます衰頽し、政治を怠り、遂には国家自滅の悲運に陥るものです。これを思へば右守司だつてヤツパリ入那の国の柱石、心の企みは憎むべきであるが、彼が謀反を企んだ為に王の位置はますます鞏固となり、入那城の弛んで居つた箍は緊張し、国家百年の基礎を造つたやうなものですから、右守司にして改心した以上は、何処までも許してやらねばなりますまい。なア、ヤスダラ姫様、貴女は如何に思召しますか』
『何事も善悪正邪は神様が御審判遊ばすのですから、吾々としては右守司の罪を糺弾することは出来ますまい。又自分に省みて見れば、罪に汚れた吾々同志が、如何にして人を審判く事が出来ませうぞ。只惟神に御任せするより仕方はありませぬ』
『さうですなア。右守司だつて吾々と同じ神様の分霊、もとより悪人ではありませぬ。悪神に憑依されて、良心の許さぬ野心を遂行しようとしたのですから、其悪神を憐れみ肉体を憐れんで、善道に立帰るやうにせなくては、吾々宣伝使の職務が勤まりますまい。同じ神様の氏子だから、只の一人でもツツボにおとしては神界へ済みませぬ。右守司は春秋の筆法を以て論ずれば、右守司王位を守る入那城に忠勤を励むと見直し聞直すことも出来ませう。言はば入那城に対する救ひの神ですワ。あの鷹といふ鳥は、生餌ばかり食つて生きてる猛鳥だが、冬になると爪先が冷えて、吾身が持てないので、温め鳥といつて、小鳥を捕獲し、両足の爪でソツと握り、吾爪を温め、ソツと放してやるといふことだ。そして其小鳥の逃げて行つた方向をよく認めておいて、三日が間は其方面の小鳥を捕へないといふぢやありませぬか。鳥でさへもそれ丈の勘弁があるのだから、いはば王様は鷹で、右守司は温め鳥のやうなものだ。キツと賢明な王様は右守司の罪をお赦し遊ばすでせう。どうで今宵は夜襲に来るでせうが、大江山の眷族旭、月日、高倉明神様がお守りある以上は、キツと目的を得達せず、改心を致すでせう』
 かく話す所へ、セーラン王は竜雲其他の忠実なる臣下を従へ現はれ来り、黄金姫に向ひ、
『いろいろ雑多の御心配りに依つて、入那城も稍安泰の曙光を認めました。全く黄金姫様母子の御守護の賜物で厶います。返す返すも有難く存じます』
と感謝の意を述べ立てる。黄金姫は歌を以て之に答ふ。
『月も日も入那の城に現はれて
  三五の月の教照らせり。

 三五の神の教を畏みて
  これの大道を守りませ君。

 世の中に善しも悪しきも分ちなく
  守らせ給ふ神の御稜威は』

セーラン『今となり神の教の尊さを
  悟りし吾ぞ愚なりけり。

 愚かなる心に智慧の御光を
  照らさせ給ひし三五の神』

ヤスダラ『大君の御為国の御為と
  思ひ悩みて神を忘れつ。

 神なくて如何でか国の治まらむ
  われはこれより神に一筋。

 神と君仰ぎまつりて国民に
  誠を教へ諭し行かなむ』

竜雲『三五の大道を進む身なりせば
  醜の曲津もさやるべきかは。

 村肝の心ねぢけし竜雲も
  神に照らされ真人となりぬ。

 神を知り教を知るは人の身の
  先づ第一の務めなるらむ』

清照『皇神の御稜威は空に清照姫の
  神の司も心輝く。

 今ははや入那の城を包みたる
  雲霧払ひし心地こそすれ』

黄金『今しばし醜の雲霧包むとも
  神の伊吹に払ひよけなむ。

 セーランの王の命よきこしめせ
  今宵は右守のすさびあるべき』

セーラン『よしやよし右守司の荒ぶとも
  神の守りの繁き吾身ぞ。

 惟神神の教に任してゆ
  心にかかる村雲もなし。

 悲しみも亦戦きも消え失せぬ
  神の光に照らされし吾は』

セーリス『大君よ心ゆるさせ給ふまじ
  ひまゆく駒の繁き世なれば』

レーブ『われは今神の司に従ひて
  高天原に住む心地なり。

 さりながら高天原も苦しみの
  交らふ世ぞと心許さず』

カル『かけまくも畏き神の御光を
  仰ぎ敬ふ身こそ安けれ。

 黄金姫貴の命に従ひて
  入那の城に来りし嬉しさ』

テームス『照りわたる尊き神の御教に
  常世の国の暗を照らさむ。

 常世ゆく天の岩戸に隠れます
  皇大神を引出しまつれ。

 今は早天の岩戸の開け口
  イルナの国もやがて栄えむ』

清照『大神と君と国との其為に
  心尽しの果までゆかむ』

セーリス『よからざる事と知りつつユーフテスを
  あやつり来りし心恥し。

 さはいへど神と君との為ならば
  許させ給へ三五の神』

清照『われも亦よからぬ事と知りながら
  右守の司をあやなしにけり。

 カールチン右守の司よ赦せかし
  清照姫のいたづら事を。

 右守をばもとより憎しと思はねど
  道の為には是非もなければ』

竜雲『何事も皇大神は許すべし
  身欲の為のわざにあらねば』

 かく歌ふ時しも、俄に玄関口の騒がしさに、レーブは一同の許しを受け、視察のために表へ駆け出した。レーブは息を凝らして外の様子を窺ひ見るに、右守司を始めユーフテス、マンモス其他十数人は、庭に敷物も敷かずドツカと坐し、携へ持つた瓢の酒をグビリグビリと呑みながら、手を拍つて切りに歌つてゐる。かと思へば、大刀を引抜き空を切り、右へ左へかけまはりつつ、バタリと倒れては起上り、一種異様の狂態を演じてゐる。レーブは不審晴れやらず、直に奥殿に引返し、王の前に復命した。
『申上げます、庭先の騒々しさに、命に依つて何事ならむと覗ひみれば、豈はからむや、右守司、門先に十数人の部下と共にドツカと坐し、酒を汲み交し、歌つて居るかと見れば、長刀を引抜き、前後左右に切り捲つて居りました。察する所、白狐さまに騙されて、月照る土の上によい気になつて酒宴を催してゐるのでせう。右守司は大変ないい声で詩吟をやつてゐました………月卿雲客或は長汀の月に策をあげ、或は曲浦の波に棹をさし給へば、巴猿一度叫んで舟を明月峡の辺に停め、胡馬忽ち嘶いて道を黄沙磧の裏に失ふ………なんて意気揚々と剣舞をやつてゐましたよ。あの詩から考へて見ますれば、畏くも王様を放逐し、あとの天下を握つた夢を見てゐるらしう厶います。実に乱痴気騒ぎといつたら見られたものぢや厶いませぬ』
『軈て目が醒めるだらうから、明日の朝まで打ちやつておくがよからう。折角天下を取つた夢を見て喜んでゐるのに、中途に醒してやるのは気の毒だ。夢になりとも一度天下を取つて見たいといふ者がある世の中だから、一刻も長く目の醒めぬやうに楽ましてやるがよからう。アハヽヽヽ』
黄金『オホヽヽヽ王様も余程仁慈の心が発達しましたねえ。其御心でなくては、人の頭にはなれませぬぞ。サア皆さま、明日の朝まで、ゆつくりと就寝致しませう。明日は又面白い芝居が見られませうからなア』
『お母アさま、御願ですが、私だけ一寸其場へ出張させて頂く訳には行きませぬか。メツタに心機一転して、右守司様に秋波を送るやうなことは致しませぬから………』
『オホヽヽヽ何と云つても剣呑で堪らないから、清さまは母の側を一寸も離れちやなりませぬ、猫に鰹節だからなア。オホヽヽ』
『お母アさまの御心配なさらぬやうに、セーリス姫様、貴女と二人参りませうかねえ。さうすりや、お母アさまだつて心配はなされますまい』
『イエイエ、それでも貴女はカールチンさまに、私はユーフテスさまに揶揄つた覚えがあるのだもの、袖ふり合ふも多生の縁と云つて、万更の他人ではありませぬからねえ。ヒヨツとして出来心が起つたら、又お母アさまに要らぬ気を揉ませねばなりますまい。モウやめませうか』
『だつて貴女、此儘寝るのも、何だか気が利きませぬワ』
『コレ清さま、腹の悪い。又しても老人に気を揉まさうと思つて揶揄つてゐるのだなア。モウ何時だと思つてゐなさる。山河草木も眠る丑満の刻ですよ』
『王様の前だから………左様ならば、今晩はドツと譲歩しまして、お母アさまの提案に盲従致しませう。盲従組のお方は起立を願ひます。オホヽヽヽ』
 セーラン王は微笑を泛べながら独り寝室に入る。黄金姫其他一同も微笑しながら、それぞれ設けられた寝室に入つて夜を明かす事となつた。
(大正一一・一一・二四 旧一〇・六 松村真澄録)
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