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文献名1霊界物語 第42巻 舎身活躍 巳の巻
文献名2第5篇 出風陣雅よみ(新仮名遣い)しゅっぷうじんが
文献名3第21章 応酬歌〔1146〕よみ(新仮名遣い)おうしゅうか
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2022-12-29 12:45:21
あらすじ
北光神は、宣伝歌を歌いながらどこからともなくイルナ城の一同の前に現れた。

神が人間をこの世に下し給うたのは、天国浄土の繁栄を開くためである。

選び清めた魂が高天原に現れて霊的活動をなし、天男天女が産み落とした霊子が地上世界に産み落とされ、人間界の夫婦に巻き付けられる。

人間はこうして神の御子として地上に生まれ、教育を受け、霊肉共に発達し、この世を捨てて天国の御園に帰るのである。

肉体とは、天人の霊子が発育を遂げる苗代なのである。種がまかれ苗が育ち、天国に移植される。そのとき人は現界を離れて天に復活し、天国浄土の神業に参加する時なのである。

神の御国を天国浄土の写しとしてこの世に建設し、短きこの世を楽しみつつ、元津御霊を健やか磨き育て、神の国に帰るのである。

イルナの国のセーラン王をはじめ、右守、ヤスダラ姫らは三五教の教えを聞いて、ようやく人生の尊き使命を悟り、改心することができたことのうれしさ、めでたさよ。

一同は北光神を最敬礼をもって迎えた。北光神は莞爾として一同に対して改心ができたことに対する祝歌と教歌を歌った。一同はこれに対して述懐の歌と改心の覚悟を表す歌を歌って答えた。

セーラン王はこれまでのいきさつを述懐しつつ、自ら改心後の治世に対する思いを読み込んだ宣伝歌を歌った。
主な人物 舞台イルナ城(入那城、セーラン王の館) 口述日1922(大正11)年11月25日(旧10月7日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年7月1日 愛善世界社版255頁 八幡書店版第7輯 734頁 修補版 校定版262頁 普及版110頁 初版 ページ備考
OBC rm4221
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本文 『神が表に現はれて  善神邪神を立別ける
 抑神が人間を  此世に下し給ひしは
 天国浄土の繁栄を  開かむための思召し
 選り清めたる魂と魂  高天原に現はれて
 夫婦の道を開きつつ  現界人と同様に
 霊的活動を開始して  情と情との結び合ひ
 天人男女は相共に  美斗能麻具倍比なしながら
 清き正しき霊子を  地上の世界に生み落し
 人間界に活動する  夫婦の体に蒔きつける
 天より降せし霊子は  父と母との御水火にて
 忽ち母体に浸入し  動静解凝引弛分合の
 八つの力や剛柔流  三つの体をもととして
 十月の間母の身に  潜みて身体完成し
 霊子の宮を機関とし  此世に現はれ来るなり
 人の子として生れたる  神の御子なる人々は
 地上に於ける教育を  完全無欠に受けながら
 霊肉ともに発達し  其成人の暁は
 此世を捨てて天国の  御園に帰るものぞかし
 抑人間の肉体は  天津御国に住ひたる
 天人どもの霊の子が  発育遂ぐる苗代ぞ
 種蒔き苗立ち天国の  田畑に移植する時は
 人は愈現界を  離れて天に復活し
 天国浄土の神業に  参加しまつる時ぞかし
 あゝ惟神々々  神の御国は目のあたり
 此地の上に建設し  天国浄土の移写として
 短き此世を楽しみつ  元津御霊を健かに
 磨きつ育てつ雲霧を  押分け帰る神の国
 あゝ有難し有難し  イルナの都の刹帝利
 セーラン王も今までは  天津御国の消息を
 知らざるために種々と  地上に於ける欲望に
 心を駆られ居たりしが  三五教の御教を
 聞きてやうやう人生の  尊き使命を悟りつつ
 短き此世に欲望を  達成せむと企みたる
 悪逆無道の右守をば  直日に見直し聞直し
 救ひ与へし健気さよ  吾は北光彦の神
 天の目一つ神司  高照山を立ち出でて
 汝が命の身辺を  守り救はむその為に
 暗に紛れて来て見れば  実にも目出度き今日の空
 月日の光も爽かに  入那の城は永久に
 花咲き匂ふ世となりぬ  黄金姫や清照姫の
 貴の命やヤスダラ姫  竜雲司を始めとし
 テームス、レーブ、カル、リーダー  其他百の司等の
 清き心の花を見て  喜び勇む胸の裡
 三五教の御教が  普く地上に亘りなば
 敵もなければ味方なし  善悪邪正おしなべて
 尊き神の御恵に  潤ひまつり天国の
 姿を地上に現はすは  今目のあたり見る如し
 実にも尊き国の祖  国治立大御神
 瑞の御霊の大御神  天教山に在れませる
 木花咲耶姫の神  大地をかねて守ります
 金勝要大御神  御稜威輝く日の出別
 日の出神の神徳に  忽ち開く常暗の
 天の岩戸は永久に  塞がであれや惟神
 神の御前に北光の  天の目一つ神司
 至仁至愛の神の心もて  天地万有一切に
 代りて願ひ奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸はへましませよ』
と歌ひながら、北光の神は悠然として奥の間より現はれ来る其不思議さ。セーラン王始め一同は突然の目一つ神の降臨に驚嘆やるかたなく、最敬礼を以て之を遇し、北光神を正座に招ぎ奉つた。
 北光神は莞爾として一同を見廻し、

『千早振る神の教の開け口
  誠一つの手力男神。

 手力男神の命は何処なる
  誠を守る人の心に。

 高天の原の御国は何処なる
  誠に強き人の心に。

 国治の立命の御舎は
  汝が肉体の臍下丹田に。

 入那山木の葉のさやぐ醜風も
  凪ぎて静けき今日の空かな。

 高照の山を立出で北光の
  神の光は輝きにけむ』

セーラン『霊幸はふ神の光に照らされて
  入那の闇は晴れ渡りけり。

 恋ひ慕ふヤスダラ姫の肉体を
  忘れ果てけり神のまにまに。

 ヤスダラ姫神の命よ心せよ
  汝をば憎む心にあらぬを。

 さりながら誠の道に照らされて
  消え失せにけり恋の黒雲。

 美はしくいとしく思ふ吾胸は
  今も昔も変らざりけり。

 道の為め世人のために荒れ狂ふ
  心の駒を引きしばり行く。

 心にもあらぬ美辞を述ぶるより
  神のまにまに打明かしおく』

ヤスダラ『有難し吾大君の御心は
  幾世経ぬとも忘れざらまし。

 大君よサマリー姫と常永遠に
  御国を守れ神のまにまに。

 今よりは三五教の神司
  世人のために鹿島立ちせむ。

 サマリーの姫の命に物申す
  誠を捧げ王に仕へよ』

 サマリー『心安く思召しませ姫命
  朝な夕なに清く仕へむ。

 君行かば後に残りし吾々は
  心淋しく日を送るらむ。

 さりながら神の御手に抱かれし
  吾身の上を案じ給ふな。

 大君に誠心を捧げつつ
  吾国民を安く守らむ』

黄金『村肝の心の悩み失せにけり
  姫と姫との和らぎを見て』

清照『天津日は御空に高く清照の
  姫の心は輝き渡る。

 カールチン右守の司に物申す
  吾悪戯を許し給はれ。

 何事も見直しするは神の道
  もとより悪しき心ならねば』

カールチン『有難し清照姫の御言葉は
  淋しき吾の生命なりけり。

 今日よりは賤しき心取直し
  神と君とに誠を尽さむ』

セーリス『斯くすれば斯くなるものと知りながら
  引くに引かれぬ場合なりけり

 天地の皇大神よ許しませ
  知りて犯せし詐りの罪を』

北光『何事も皆惟神々々
  霊幸はへませ教子の上に。

 善しと云ひ悪ししと云ふも人の世の
  かりの隔てと聞直す神。

 吾こそは天津誠の御教を
  四方の国々開く神司。

 さりながら月に村雲花に風
  雪に朝日のあたる世の中。

 何事も神の御胸にまかすこそ
  高天の原にのぼる架橋』

 セーラン王は声も涼しく歌ふ。其歌、
『神が表に現はれて  イルナの城に蟠まる
 醜の枉津を追ひ払ひ  言向け給ひし尊さよ
 吾はイルナの刹帝利  バラモン教の神司
 鬼熊別の御教を  朝な夕なに謹みて
 仕へまつりし甲斐ありて  妻子と在れます黄金の
 姫の命や清照の  貴の司に助けられ
 又もや北光神司  其外忠義の人々に
 身を守られて入那城  再び王と君臨し
 世を常久に守り行く  嬉しき身とはなりにけり
 朝日は照るとも曇るとも  月は盈つとも虧くるとも
 仮令大地は沈むとも  三五教の御教は
 堅磐常磐に忘れまじ  三五教やウラル教
 バラモン教と種々に  教の名称は変れども
 天地を造り給ひたる  誠の神は一柱
 国治立大神の  一つに帰するものぞかし
 梵天帝釈自在天  盤古大神塩長の
 彦の命の御守護  愈高く深くして
 宇内唯一の三五の  教に導き給ひたる
 宏大無辺の神徳を  謹み感謝し奉る
 左守の司のクーリンス  右守の司のカールチン
 心を清め身を浄め  いざこれよりは入那城
 セーラン王の聖職を  輔翼しまつり国民に
 塗炭の苦しをば逃れしめ  天国浄土の真諦を
 導き諭し天国を  地上に細さに建設し
 人と生れし天職を  上下睦み親しみて
 仕へまつらむ吾心  麻柱ひませよ惟神
 神に誓ひて諸々の  司の前に宣り伝ふ
 あゝ惟神々々  御霊幸はへましませよ』
(大正一一・一一・二五 旧一〇・七 北村隆光録)
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