文献名1霊界物語 第48巻 舎身活躍 亥の巻
文献名2第2篇 幽冥摸索よみ(新仮名遣い)ゆうめいもさく
文献名3第8章 亡者苦雑〔1262〕よみ(新仮名遣い)もさくさ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ
データ凡例
データ最終更新日2023-05-23 16:04:29
あらすじ精霊が肉体を脱離して精霊界の関所に来たとき、その初めの間の容貌は、現界にいたとき同様である。このときはまだ外分の状態にあり、内分が開いていないゆえである。しばらくしてその面貌、言語などはおいおい転化して、ついにまったく以前の姿と相違する。精霊が現界にあったとき、その心の内分においてもっとも主となっていた愛すなわち情動の如何に相応するからである。死してまだ時を経ない精霊は、その面貌や音声にて知己・兄弟・親・親族たるを一目で認識することができるが、時を経るにしたがって互いに相知ることができないまでに変化するものである。霊界にあっては、わが有するところの愛と相反した面貌を装うことはできない。その思想・意志・情動のままが表に現れる。霊界にある者は内分の度の如何によって円満となり善美となる。最高第一の天国および霊国の天人の面貌や姿の美しさは、いかなる画伯が技術を尽くしても万分の一も描き出すことはできない。ランチ将軍、片彦将軍、ガリヤ、ケースたちは関所の門口で赤面の守衛に取り調べを受けた。片彦は守衛にいちいち生前の悪事を突き付けられて汗をかいている。予審が済んだ片彦は館の中に拘引され、本審を待つことになった。次にランチが取り調べを受けた。番卒は、片彦に比べればまだ罪が軽く、正直なところも見られると判じたが、取り調べ中に偽善の罪を造ったことによって、地獄行きに決まってしまった。二人の副官もその利己心から地獄行きと判じられて引き立てられた。赤の守衛が休息する間、お民は白の守衛の側に進み寄って話しかけた。白の守衛はお民が悪をなしながらも正直なところから、中有界で修業をすれば天国に行けるだろうと答えた。そしてランチ将軍やお民たちが、不思議にもまだ生死簿に生命が残っていると語った。そこへ蠑螈別とエキスがやってきた。そしてはるか向こうからお寅婆さんが近づいてくる。蠑螈別はここが冥途だと気付かず、お民としばらく押し問答になる。白の守衛は、蠑螈別の酔いが覚めるまで休息するから、自分の代わりにしばらく帳面の番をしてくれとお民に依頼した。お民は白の守衛の霊に充たされて門番をつとめることになった。そこへお寅がやってきた。これは、お寅婆さん本人が改心したために遁走した副守護神が、お寅の容貌をそのまま備えてここに迷ってきたのである。お寅の副守は蠑螈別を見つけると、ゆすり起こして鼻をねじ上げた。そして蠑螈別が九千両の金をエキスたちに上げてしまったと聞くと、今度はエキスに詰め寄って鼻をねじりあげた。すると番をしていたお民がお寅の罪状を読み上げて、予審の取り調べを始めた。お寅の副守護神は、お民を認めるとののしり、狼のような声をあげてお民にむしゃぶりついた。お寅とお民は取っ組み合ってもみあっている。そこへ蠑螈別とエキスが割って入って仲裁しようとするが、蠑螈別もやけくそになって殴る蹴る、皆誰彼なしにわめきたてる。この声を聞きつけて赤と白の守衛がこの場に現れた。赤は大きな鉄棒を振り上げて一喝した。この声に驚いて、お民、お寅、蠑螈別、エキスたちは散り散りバラバラに逃げ去ってしまった。赤と白の守衛は、皆の命が尽きていないので、娑婆に追い返したのであった。ただ、お寅の副守護神だけはどうしても捕えて地獄に落とさなければならないため、番卒を派遣して捕縛させることになった。
主な人物
舞台
口述日1923(大正12)年01月13日(旧11月27日)
口述場所
筆録者松村真澄
校正日
校正場所
初版発行日1924(大正13)年10月25日
愛善世界社版103頁
八幡書店版第8輯 625頁
修補版
校定版107頁
普及版52頁
初版
ページ備考
OBC rm4808
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