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文献名1霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻
文献名2第4篇 鷹魅糞倒よみ(新仮名遣い)ようみふんとう
文献名3第18章 毒酸〔1292〕よみ(新仮名遣い)どくさん
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-06-30 09:13:08
あらすじ
高姫と杢助は酒を酌み交わしながらひそびそ話にふけっている。高姫は、結局お寅たちを引き戻すことができなかったこと、イルたち五人が団結して交渉しに来たことなどを気に病んでいる。

杢助は、珍彦夫婦はこの祠の森館の正式な主人なのだから、珍彦の権限をもってイルたち五人を追い出せばよいと言い出した。そのためには、彼らを毒で殺し、魔術で二人の死体を自分たちの体に変じ、自分たちは珍彦と静子に変化して入れ替わればよいと画策した。

ためらう高姫に、杢助は悪をやるなら徹底的にやるのだと説き、高姫は珍彦と静子に毒酸を入れた御馳走をふるまうことに同意してしまった。

杢助と高姫が祠の森乗っ取り計画を相談していたところ、ふすまの前の廊下に小さい足音がして表の方へ消えてしまった。高姫は誰かに聞かれたかと心配したが、杢助は山猫や山狆だろうと取り合わなかった。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月19日(旧12月3日) 口述場所 筆録者加藤明子 校正日 校正場所 初版発行日1924(大正13)年11月5日 愛善世界社版273頁 八幡書店版第9輯 132頁 修補版 校定版281頁 普及版126頁 初版 ページ備考
OBC rm4918
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本文
 高姫は杢助と二人、酒を汲み交しながら、ひそびそ話に耽つて居る。
高姫『杢助さま大変な事が出来たのよ。私心配でならないわ』
杢助『ハヽヽヽ、ヨルやお寅、魔我彦が本当に珍の館へ行つたのが苦になるのであらう、そんな事は心配はいらないぢやないか。幾何でも方法手段はあるのぢや』
高姫『それだと云つて杢助さまの魔術も一寸も当にならぬぢやありませぬか。三人の奴が甘く帰つて来たと思へば、何奴も此奴も、猿や熊や古狸のやうなものだし、テルやハル公の魔法使もサツパリ幻影だつたし、此儘で居たなら、此義理天上もここ五日と居れぬぢやありませぬか。彼奴等三人がイソの館に往きよつたら、きつと、一伍一什を云ふに違ひない。さうすればキツト立退き命令を喰はされる事は知れた事、何うかして、此処に居坐りたいがお前さまどうかして、とつときの智慧を出して考へて下さるまいかな』
杢助『アハヽヽヽ、日の出神様の考へでも往きませぬかな。矢張り何程神力のある神でも悪い事は駄目だと見えるのう』
高姫『善悪不二、正邪一如だから義理天上は悪に見せて善を働くのだから、キツト神様も許して下さるだらう。イル、イク、サール、ハル、テルの五人の奴が云ふのには、「吾々五人は厳の御霊だ。玉国別さまに命令を受けた祠の森の常置品だから、お前達に左右される者ぢやない。グヅグヅ云ふのなら出て往つて呉れ」などと、最前も酒に喰ひ酔つて責めて来るのだから困つたものだ。私はこの先どうなるかと思ふて、心配でなりませぬわ』
杢助『此館は珍彦夫婦が全権をもつて居るのだから、珍彦の命令なら、彼奴等五人を放逐するのは何でもない事だ』
高姫『それはよい所へお気が着きました。成る程珍彦さまが全権を握つて厶るのだから、珍彦さへ此方の薬籠中のものとして置けば大丈夫ですな。併し珍彦が此方の云ふ事を聞かなかつたらどうしませうかなア』
杢助『そんな心配が入るか。変身の術を使つて杢助は珍彦に化け、お前は静子に化けたらよいのだ』
高姫『夫だと云つて、顔形迄がさう甘く往きませうかなア』
杢助『いかいでか、チツトも違はないやうに化けて見せる。お前も化けさせてやる』
高姫『同じ館に二人も珍彦、静子姫があつては露顕のもとぢや厶いませぬか』
杢助『何さ、甘く両人をたらし込んで酒や飯の中に毒を入れ、そつと○○して了ひ、さうして高姫杢助の体に二人を変じ、甘く葬式を営み、後に吾々両人が、珍彦静子と化け変るのだ、さうすれば安心だらう』
高姫『杢助さま、お前は正直の方だと思つて居たが、随分悪い智慧が出ますなア』
杢助『極つた事だよ。今の世の中は善の仮面を被つて悪事をするもの程、立派な人間と云はれるのだ。お前も杢助の女房となつた以上は、も一段改悪せなくては駄目だよ。鬼の夫に蛇の女房と云ふぢやないか』
高姫『それだと云つて余り非道いぢやありませぬか。お前はまるで悪魔のやうな事を云ひますな』
杢助『アハヽヽヽ、悪をやるならばお前のやうな中途半は駄目だ。徹底的に悪をやるのだ。中途半の善悪混交的悪なら、止めた方が余程気が利いて居るよ。此杢助は到底お前のやうな善人とは意志が合はないから、今の中に別れようぢやないか。お前では到底私について来る事は出来ない。改悪が足らぬからなア』
高姫『杢助さま、もう斯うなつた以上はどこ迄もついて行きます。どうぞ私を末長う可愛がつて下さいませ』
杢助『ヨシヨシそんなら私の云ふ通りにするなア』
高姫『ハイ、どんな事でも厭とは云ひませぬ』
杢助『それなら今之をお前にやるから、酒の中や御飯の中へこの粉を振り撒くのだ。これは毒酸と云つて印度の群魔山に出来た果物の実をもつて製造した毒だから、サア是をお前に与へて置く、うまく両人を此処へ引つ張り出し、御馳走して○○するのだなア』
高姫『ハイ承知致しました。きつとやつて見せませう、併し二人は○○した所であの楓はどうしたらよいのでせう』
杢助『あの楓か、あれや放つて置いたらよいのだ。珍彦は杢助の肉体に変形して死に、静子はお前の肉体と変形し、さうして死体を土中に埋めて了へば、後は立派な珍彦、静子となつて納まり返つて居られると云ふものだ。さうすれば斎苑の館から何程立退命令が来ても大丈夫ぢやないか』
高姫『成る程、これは妙案奇策、日の出神の義理天上の生宮も感心致しましたよ。オホヽヽヽヽヽ、何と魔法と云ふものは都合のよいものですなア』
杢助『サア早く御馳走の用意にかかつて呉れ。グヅグヅして居ると露顕の恐れがある。謀は早いがよいからなア』
高姫『アヽ忙しい事だ。御飯もたかねばならず、煮〆もせなならず、杢助さま、お前さまお酒の燗だけ手伝つて下さいな。是で珍彦、静子両人を甘く片付けて仕舞へば天下泰平だ。お前と私が祠の宮に永久に鎮まつて、三五教の向ふを張り、表向は三五教とし、実はウラナイ教を開かうではありませぬか』
杢助『アハヽヽヽ、お前も俺に大分感化されたと見えて、余程改心が出来たわい』
高姫『誰かに珍彦夫婦を呼びにやらせませうかなア』
杢助『珍彦夫婦は何と云つても此処の主人だ。お前は準備をちやんと整へたら、辞を低うし、ちやんと叮嚀にお前が迎へに往て来ねば、もしも嫌だなんて云はれては大変だよ』
高姫『アヽそれやさうです。そんなら早く御飯の準備へをして置いて私が参りませうかなア、願望成就時節到来これが甘く往けば大丈夫です。惟神霊幸倍坐世、義理天上日の出の神様、何卒この計略が甘く往きますやうに』
とポンポンポンポンと四拍手して、暗祈黙祷を始めた。
杢助『アハヽヽヽ、よく聞いて下さるだらうよ』
高姫『さうです。悪の事は悪神に頼めばいいぢやありませぬか』
杢助『それやさうだ。餅は餅屋だからな、甘く悟られない様にやつて呉れよ』
 此時襖の前の廊下に小さい足音がして表の方へ消えて仕舞つた。高姫は其足音を耳に挿み、
高姫『アヽ杢助さま、足音がしたぢやありませぬか。此秘密を誰かに聞かれたのでは厶いますまいかなア』
杢助『何あに、あれは猫か狆の足音だよ』
高姫『狆も猫も此処には居ないぢやありませぬか』
杢助『山中の事だから山猫や山狆が沢山居るから、余り御馳走の香がするので嗅ぎつけて来よつたのだ。そんな事は心配するに及ばない』
高姫『それでもねえ、何だか気掛りですわ』
(大正一二・一・一九 旧一一・一二・三 加藤明子録)
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