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文献名1霊界物語 第50巻 真善美愛 丑の巻
文献名2第4篇 神犬の言霊
文献名3第17章 偽筆〔1311〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ高姫の機嫌が悪くなってきたので、イル以下四人は戻ってきてやけくそになり、またグイグイと酒を飲み始めた。イルは酔って神がかりの真似を始めた。義理天上日の出神が筆先を出すと怒鳴ると、サールは墨をすって綴じた紙と共にイルに差し出した。
イルは横柄な面をしながら筆をひったくって、首を振りながら何事か一生懸命に書きつけた。そして高姫の作り声で結構な筆先を腹に入れるように、と言って皆に差し出した。サールは笑いながら受け取り、他の者に拝読して聞かせた。
一同が高姫を滑稽に真似たイルの筆先に笑い興じていると、斎苑の館から出張した役員の安彦と国彦がやってきた。二人は珍彦に用があるとイルたちに伝えた。イルは二人を珍彦館に案内した。
残されたサールたちは、酒盛りの最中に本部の役員が訪ねてきたので、対応しながらバツの悪い思いをして来意を勘繰っている。そこにイルが帰ってきて、冗談を交えつつ、本部の使いの役員たちは、珍彦と初稚姫と奥の間で密かに会っていると報告したので、一同はてっきり高姫の沙汰についての訪問だと直感した。
そこへ高姫がやってきて、イルに自分の間にちょっと来てほしいと依頼した。しかしイルは諧謔で高姫を煙に巻くばかりだったので、ハルを代わりに連れて行った。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年01月23日(旧12月7日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm5017
本文の文字数5450
本文のヒット件数全 1 件/木花姫=1
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本文  高姫の形勢意外にも不穏の景況を呈し、何時低気圧の襲来するやも図り難き殺風景の場面となつて来た。イル以下四人は自棄糞になり、グイグイと又もや酒を飲み始めた。そしてイルは大きな声で、
『義理天上日出神の生宮であるぞよ。結構な結構な筆先を生宮に書かすによつて、筆と墨と紙との用意を致されよ』
と呶鳴り出した。サールは矢庭に墨をすり、紙を綴ぢ筆を洗つて恭しくイルに渡した。イルは故意と横柄面をしながら其筆をひつたくり、木机を前に置き、何事か首をふりながら一生懸命に書きつけた。イルは高姫の作り声をして、
『これ皆の者共、否八衢人足や、今義理天上日出神がお筆先を書いたによつて、有難く拝読を致すがよいぞや。斯んな結構な筆先は又と見ることは出来ぬぞや。此筆先さへ腹へ入れこめて居れば、万劫末代人が叩き落しても落ちぬお神徳が頂けるぞや。イヒヒヒヒヒ、此筆先は誰にも読ます筆先ではないぞや。後の証拠に書かして置いたなれど、受付に居る役員が肝腎の事を知らぬと話がないから、一寸読ましてやるぞよ』
サール『アハハハハハ、何を吐しやがるのだい。管を巻きやがつて、然し何んな事を書きよつたか。一寸読んでやらうかい。おい、ハル、テル、イク、謹聴するのだぞ』
と云ひながら恭しく押戴き、故意と剋面な顔をして大きな声で読み始めた。
『伊豆の霊変性男子がイルの肉体を借りて三千世界の事を書きおくぞよ。しつかりと聞いて置かぬと後で後悔致す事が出来るぞよ。此イルは伊豆の霊と申して湯本館の安藤唯夫殿の身魂が憑りて居るぞよ。サールの身魂は杉山当一殿のラマ教の時の身魂であるぞよ。今はバラモン教をやめて三五教に這入りて居るなれど、何を申しても変性女子のヤンチヤ身魂が憑りて居るから、過激な事を申して仕様がないぞよ。此義理天上日出神の伊豆の身魂が申した位では中々聞きは致さぬぞよ。ラジオシンターでも飲まして目を覚してやらぬ事には駄目だぞよ。それでも治らねば谷口清水と申すドクトル・オブ・メヂチーネの御厄介になるが良いぞよ。伊豆の湯ケ島には因縁があるぞよ。湯本館と云ふ因縁の分りたものは此高姫、オツト、ドツコイ日出神の生宮のイルでないと分りは致さぬぞよ。それぢやによつて沢山の人民が水晶の温泉にイルの身魂と申すぞよ。今の内に改心を致さぬとサールもハルもテルもイクも、皆アオ彦の身魂の憑りて居る北村隆光に書きとめさして置いて、末代名を残さして置くぞよ。それでも改心を致さねば摩利支天の身魂の憑りて居る松村真澄に細かう書き残さすぞよ。それで足らねば夕日の御影、加藤竿竹姫の身魂の手を借りて書き残さすぞよ。義理天上日出神の生宮は蟇の身魂の憑りた黒姫と因縁ありて、伊豆の御魂の御屋敷へ暫らく逗留致し、昔からの因縁を調べておいたぞよ。開いた口がすぼまらぬ、牛糞が天下をとると云ふ事が出来るぞよ。あんまり聞かぬと浅田の様に首もまはらぬ様に致すぞよ。浅田殿は御苦労な御役であるぞよ。そして其身魂はテルの身魂であるから、ラジオシンターをつけ過ぎて困りてをるぞよ。それでも此イルが申す様に致したならば、直に癒してやるかも知れぬぞよ。ハルの身魂は福井の身魂であるぞよ。何時も辛い辛い山葵ばかりを作りて居るから、顔までが辛さうにしがんで居るぞよ。チツと改心致さぬと鼻が高いぞよ。イクの身魂は誠に結構な身魂でありたなれど、あまり慢心を致したによつて守護神は現はしてやらぬぞよ。此方の申す事を誠に致せばよし、聞かぬにおいては杉原の身魂をひきぬいて来て、佐久に酔はして何も彼も白状致さすぞよ。人民が何程シヤチになりても神には叶はぬぞよ。早く此方の申す様に致して下されよ。改心致さぬと『霊界物語』の種と致すぞよ。そこになりたら何程地団駄踏みて口惜しがりても、神は許しは致さぬぞよ。之は大神が申すのではないぞよ。妖幻坊の身魂獅子虎の身魂イルの肉体を一寸借用致して皆の八衢人間に気をつけたのであるぞよ。今に高姫の様に斎苑の館から立退き命令を蒙らねばならぬぞよ。改心なされよ。足もとから鳥が立つぞよ。アハハハハ』
と笑ひ興じてゐる。そこへ斎苑の館より神勅を帯びて出張した二人の役員があつた。一人は安彦、一人は国彦であつた。
安彦『祠の森の受付の主任は誰方で厶るかな。拙者は斎苑の館より教主八島主命の命により出張致したもので厶る。何卒一刻も早く当館の神司珍彦に面会が致したい』
イル『ヤー、これはこれは直使のおいで、先づ先づ之にて御休息願上げ奉りまする。とり乱したる処を御覧に入れ、真に赤面の至りで厶りまする。おい、ハル、テル、サール、イク、早くお二人様のお足の湯を湧かして持つて来ぬか』
『いや、決してお構ひなさるな。珍彦の司にお目にかかりたければ、直様御案内を願ひたい。沢山に徳利が並んでゐられますな。桜の花の如き盃が彼方此方に散つて居る風情は何とも云へぬ風流で厶る。国彦殿、実に羨望の至りでは厶らぬか』
『如何にも、落花狼藉、夜半の嵐に散らされて、打落された桜木の麓の様で厶る』
イル『いや、もう此頃はチツとシーズンは早う厶りますれど、ここは日当りがよいので、早くも桜が散りかけまして厶ります。さア御案内致しませう』
安彦『それは恐れ入ります』
とイルの後に従ひ珍彦の舘に進み行く。後四人は顔見合せ、頭を掻きながら、
テル『おい、如何だ。サツパリぢやないか。エー、こりや一通りの事ぢやないぞ。屹度俺達にキツーイお目玉を頂戴するのかも知れないぞ』
サール『何、俺達にはチツとも関係はないわ』
『貴様はラマ教だから放逐の命令に接したかも知れないぞ。あの御直使がお前の顔を非常に覗いて厶つたぢやないか』
『何、そんな事があるものかい。祠の森の受付にサール者ありと聞えたる敏腕家は此男だなアと、感嘆の眼を以て御覧になつて居つたのだよ』
『さう楽観も出来ないぞ』
『俺の考へでは、如何も高姫の身の上に関してぢやなからうかと愚考するのだ』
イク『そら、さうだ。それに決まつてるわ。兎に角、誰の事でもよい。高姫の事としておけば安心ぢやないか。俺等には、よく勤めたによつて賞状を遣はすと云ふ恩命に預かるのかも知れないぞ、何と云つても、あれだけ八釜し家の高姫に、おとなしく仕へてゐるのだからな』
 斯く話す所へ、イルはニコニコしながら帰つて来た。
サール『おい、イル、何ぞよい事があるのか。大変嬉しさうな顔ぢやないか』
『ウツフフフフ(声色)某は斎苑の館の教主八島主命の直命により、祠の森を主管する珍彦の館に神命を伝達するものなり。確に承はれ。
一、此度、イル事、義理天上日出神の生宮と現はれし上は、汝をして斎苑の館の総監督に任ずべし。水晶魂の生粋の其方なれば、義理天上日出神の生宮として、決して恥かしくなき人格者也。神命ならば謹んでお受け致されよ。(笑声)ウエーヘエツヘヘヘヘヘ。
一、サールなる者、朝から晩まで事務を忽かに致し酒を呷り管を巻き、イルの命令を奉ぜず、同僚が事務の妨害をなすこと、以ての外の悪者也。故に逸早く鞭を加へて放逐致す可きもの也。イツヒヒヒヒヒ。
一、イク事、サールに次ぐ不届者にしてバラモン教を失敗り、行く所なくして已むを得ず祠の森に座敷乞食を勤むる段、中々以て許し難き不届者なれば、之亦鞭を加へて放逐す可きもの也。
一、ハル事、大胆不敵の曲者にして、頭をハル事此上なき名人なり。否侫人也。斯くの如きもの聖場にあつては神の名を汚し、教を傷つくる事最も大也、且酒癖悪く、上げも下しもならぬ動物なれば、これには箒を以て頭を百打叩き、一時も早く放逐す可きもの也。キユツツツツツ、ウツフフフフフ。
一、テル事、比較的好々爺にして、よくイルの申す事を服従するにより、之は少しく教を説き聞かした上、汝が僕に使用すべきもの也。ウエヘツヘヘヘヘヘ、ホホホホホ、エヘヘヘヘヘ』
テル『こりや、イル、馬鹿にするない』
『あいや、決して馬鹿には致さぬ。八島主命の御直命なれば、襟を正して行儀よく承はりなされ』
サール『おい、イル、杢助、高姫は如何だ』
『やア者共、騒ぐな騒ぐな、静かに致せ。杢助は誠に以て完全無欠なる悪魔なれば、一刻も早く放逐すべし。又高姫は自転倒島の生田の森に追返すべし。珍彦は一切の事務をイルに引継ぎ、逸早く此場を退却す可きもの也。
右の条々決して相違これあるもの也。オツホホホホホ』
サール『ナーンダ、馬鹿にしてゐやがる。俺の胸が雨蛙の様になりよつた。のうイク、ハル、テル。イルの奴、あまり馬鹿にするぢやないか。一つここらで袋叩きにやつてやらうぢやないか』
イク『そりや面白い、併しながらお直使の御入来だから、まアまア今日は見逃しておけ。おい、イルの奴、貴様は仕合せものだ。今日から、しようもない芸当をやると叩きのばすぞ』
『叩き伸ばして太るのは鍛冶屋さまだ。然しながら貴様等も本当に形勢不穏だぞ。確り致さぬと、どんな御沙汰が下るやら分らぬから気をつけたが宜からうぞ。本当の事は俺等には分らぬのだ。初稚姫と珍彦さまが奥の間でソツと御用を承はつて厶るのだ』
イク『成程、大方タ印の事だらうよ。何卒うまく行くといいがな』
イル『あんな奴がけつかると参詣者も碌に詣つて来ないからな。然し小さい声で襖の間から初稚姫の声で、イルさまイルさまと仰有るのが聞えたよ。イヒヒヒヒヒ何か此奴ア、宜い事があるに違ひない。何せよ昨夜の夢が乙だからな。その声を聞くと忽ち俺の胸は躍る、腕は鳴る、俺の精神は生れ変つた様になつて来た。人間は一代に一度や二度は運命の神が見舞ふものだから、此風雲に乗ぜなくちや人生は嘘だ。之からこのイルさまは立派な立派な宣伝使になつて驍名を天下に輝かし、月の国へでも行つて大国の刹帝利になるのかも知れぬぞ。さうすれば貴様らを右守、左守の司に任命してやるからな』
サール『ヘン、梟鳥の又宵企みだらう。初稚姫様が何程イルさまと仰有つたつて、あの男は受付にイルか、要らないものか、或は道楽者だから此処にイル事はイルさまと仰有つたかも分らないぞ。兎も角貴様も用心せないと駄目だ。気をつけよ』
『ヘン、何と云つても一富士、二鷹、三茄子と云ふ結構な夢を見たのだからな。こんな夢は出世する運のいいものでなければ、メツタに見られぬからのう』
『そんな夢が何いいのだ。よく考へて見ろ。富士の山程借金があつて、如何にも斯うにも首が廻らず、鷹い息もようせず、高姫には喚かれ、箒で叩かれ、又その借金は茄子(済す)事も出来ず、高姫の圧迫に対しても如何とも茄子ことが出来ない貴様は腰抜けだよと天教山の木花姫さまが夢のお告げだよ。アツハハハハハ、お気の毒様、のうイク、ハル、テル、俺の判断は当つとるだらう』
テル『そりや貴様、当るに定つてらア。当一と云ふぢやないか。ウヘツエエエエエ』
 斯く話す所へ足音高くやつて来たのは高姫であつた。
『これ、イルさま、お前一寸此方へ来てお呉れ。御用が出来たから』
『はい、行かぬ事は厶いませぬが、一体何の用で厶りますかな。御用の筋を承はらねばさう軽々しく行く訳には行きませぬ。此イルさまに畏れ多くも今日只今より、斎苑の館の八島主さまより祠の森の神司と任命されたかも知れませぬぞや。それぢやによつて、今迄のイルとはチツと位が違ひますから、御用があればお前さまの方から、言葉を低う頭を下げて尾をふつて賄賂でも喰はへて御出でなさらぬと、貴女の地位は殆ど砂上の楼閣も同様で厶りますぞや』
『エーエ、辛気なこと。早く来なさらぬかいな。誰も斎苑館から来てゐないぢやないか』
『高姫さま、貴女「エー辛気」と仰有いましたね。そら、さうでせう。蜃気楼的空想を描いて、此館を独占せむとする泡沫の如き企みだから、蜃気楼が立つのも無理はありませぬわい。イツヒヒヒヒ』
『エーエ、仕方のない男だな。又酒に酔うてゐるのだな。それならイルは今日限り此処を帰つて貰ひませう。其代りにハルや、一寸私の傍へ来ておくれ。御用を云ひ聞かしたい事があるから。お前は一寸見ても賢かりさうな、よう間に合ひさうな顔付きだ』
『はい、参る事は参りますが、何卒箒で叩かぬやうに願ひますよ。私も国には妻子が残してあり……ませぬから、箒なんかで叩かれちや、まだ持たぬ妻子がホーキに迷惑致し、宅の大切の夫やお父さまを虐待したと云つて悔みますからな』
『エーエ、文句を仰有らずに出て来るのだよ』
『おい、俺が行つたら屹度貴様等ア、首だからな。其用意をして居れよ。然し大抵の事なら、俺の高姫様が信認の力によつて、千言万語を費し、弁護の結果助けてやるかも知れないから、俺の後姿を義理天上さまだと思うて、恭敬礼拝してゐるがよからうぞ。エヘン』
と肩肱怒らし、高姫の後から握り拳を固めて空を打ちながら、一寸後を振り返り、長い舌をニユツと出して四人に見せ、腮をしやくり尻を振り従いて行く。
(大正一二・一・二三 旧一一・一二・七 北村隆光録)
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