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文献名1霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻
文献名2第4篇 怪妖蟠離よみ(新仮名遣い)かいようばんり
文献名3第19章 屁口垂〔1355〕よみ(新仮名遣い)へこたれ
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2023-12-16 19:59:47
あらすじ四人はおならと名乗るイタチの妖怪の屁に吹き飛ばされて負傷し、やけになって互いに川柳を口ずさんで体の痛みを紛らわそうとした。それぞれひとしきり屁についての川柳をひねると、苦痛を忘れて笑い興じた。それから題なしの川柳にかかり、口々に思い思いのことをしゃべりだし笑いに紛らわした。一同が出放題の句をひねり出して笑い興じていると、大きな足音をさせて、曲輪城の城主・高宮彦がやってきた。四人は、巨大な男が睨みつけているので驚いて内心打ちふるえている。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年02月09日(旧12月24日) 口述場所 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年1月28日 愛善世界社版233頁 八幡書店版第9輯 463頁 修補版 校定版241頁 普及版104頁 初版 ページ備考
OBC rm5219
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本文  浮木の森の物見櫓の上から、おならと名告る妖怪の屁に吹き飛ばされて階段から転げ落ち、頭や脛等をしたたか負傷したガリヤ、ケース、初、徳の四人はヤケ糞になり、互に川柳を口ずさみ、身体の痛みを笑ひに紛らさむと力めてゐた。
ガリヤ『どうも俺達は神様に戒めを食つたと見えて、散々の目に遇つたぢやないか。実に閉口頓首だ。一つ川柳会でも催して笑はなくちや、やりきれぬぢやないか。凡て人間が他愛もなく笑ふ時は、凡ての苦痛の去る時だからな』
ケース『狸につままれ屁に吹き飛ばされたのだから、屁と云ふ題を出して、一つ駄句らうぢやないか』
 ガリヤ、初、徳の三人は手を拍つて賛成した。
ガリヤ『狸には騙されおならには臭い屁を
 嗅がされ何処で男が立たう』
ケース『臭い屁に屁古垂れよつて四人連れ
 物見櫓で又も閉口』
初『おならとは名を聞いてさへ臭い奴』
徳『尻の毛を臭い曲津に引き抜かれ
 屁つ放り腰の態の悪さよ』
ガリヤ『おい、屁に関する事なら何でもよいから、思ひきり面白い奴を駄句らうぢやないか。其処ら中が之だけ痛くちや、やりきれない。先づ屁と笑ひで吹き散らすのだな』
ケース『グルグルと腹の中にて模様なし。
 おとなしう見せて踵で屁を殺し』
初『屁を放りに屋根から下りる宮大工。
 貴様等は何を笑ふと隠居の屁』
徳『屁の論に泣くも流石は女なり。
 屁を放つて嫁は雪隠出にくがり。
 屁を放つたより臭いのはおならなり』
ガリヤ『風呂中の屁は偶然の軽気球。
 念仏も唱へ屁も放る炬燵かな』
ケース『屁を放つて裾あふぎたる団扇かな。
 俺よりも遙か上手な屁放り虫』
初『長き日や沈香も焚かず屁も放らず。
 馬が屁を放りながら行く春野かな。
 賑かさ浮木の森に屁が絶えず』
徳『屁を放つた長太郎探すお師匠さん。
 大笑ひ下女の寝言に屁が交り。
 幇間金になる屁を三つ放り』
ガリヤ『姑が屁を放つたので気がほどけ。
 屁を放つて可笑しくもない独身者。
 姑の屁を喜ぶも家大切』
ケース『女礼式虫も殺さず屁を殺し。
 屁を殺し四辺四五人かかり合ひ』
初『己が屁をオヤオヤオヤと子にかづけ。
 外で屁を放る雪隠の居催促』
徳『風呂の屁で発明したか水雷火。
 紙張の放屁風船に入る空気かな。
 屁を放つてもう十二時とシヤレて居る。
 屁の様な理窟に俺も鼻抓み』
ガリヤ『炬燵から猫も呆れて飛んで出る。
 蝋燭の火を屁で消した自慢振り。
 よい機嫌便所で謡ひ屁を放りつ。
 花嫁の屁は自動車に弁護され。
 屁の種子も最早之にてきれにけり』
『アハハハハ』
と一同は苦痛を忘れて笑ひ興じた。それより題なしの川柳にかかり、口々に思ひ思ひの事を喋べり出し笑ひに紛らした。
ガリヤ『鉄道の議事速かに進行し。
 手にあまる子は両親の脛かじり。
 身代が痩せて壁まで骨を出し。
 転ぶ筈銀杏返しに結うた髪』
ケース『忍ぶ仲竹藪だけが知つて居り。
 辻堂の地蔵は横目で涎くり。
 脱線の一座に下戸は折を下げ。
 貴方だと屁を譲り合ふ睦じさ。
 痩せた蚊は戸棚の隅に愚痴を云ひ。
 夕立や座敷の中の大盥。
 芸なしは末座で茶碗叩くなり』
初『馴れ初めを話せば女房目で叱り。
 暢気者欠伸に節をつけてゐる。
 酒機嫌等とごまかす翌くる朝』
徳『高島田又蚊を蚊帳の中へ入れ。
 一方の足が長いと跛足云ひ。
 小説は謀反人かと下女が由井』
ガリヤ『昼花火物干竿が追駆ける。
 脱線の汽車が寝転ぶ春の土手』
初『戸棚から猫が真面目な顔を出し。
 戸棚から臭いおならが顔を出し』
徳『その芸に惚れたと息子負惜み』
ガリヤ『アカンベエをさせて眼医者は金貰ひ』
ケース『釣竿や暢気な顔で話し合ひ。
 洋服で職工下駄を穿いて来る。
 芸者論浮世の馬鹿が喧嘩腰』
ガリヤ『家柄と目方にかける持参金。
 新聞で見た事にする遠い火事』
ケース『強情を線香と灸がおつかける。
 死顔へ碁石握つてかけつける』
初『食卓で又もめて居る子沢山
 お話中受話器をヤケにひきかける。
 欠伸から欠伸へ移る夜の長さ。
 似た顔へキマリの悪い挨拶し』
徳『牛肉屋下駄を並べて客を引き。
 三味太鼓故に浮世は捨てられぬ』
ガリヤ『失敗が虫を殺して持参金。
 物干と屋根と話すは遠い火事』
ケース『強情を直すに乳母の智慧を借り。
 食ひ足らぬ団子に子供串をなめ。
 食卓が机に代る二階借』
初『立聞の話がすむと咳払ひ。
 夜長さや盗人飯を食つて逃げ。
 顔だけは見ぬいても写真物云はず』
徳『茶柱にすねて居る程よい女。
 湯に行くと出た儘亭主帰り来ず。
 炬燵から手を出してゐる年賀状。
 初夢に追駆けられて汗をかき』
ガリヤ『蚤が飛ぶ後から後へ指が飛び。
 乞食にはデモクラシーでくれぬなり。
 意気地なし屁に散らされて顛落し』
ケース『一笑ひさせて弁士は暗に消え。
 湯豆腐も粉々になつて酔ひつぶれ。
 茶柱に無線電話の装置あり』
初『湯の礼に背中を流す賑やかさ。
 諦めの悪い男の年賀状』
徳『勝手から八百屋が汗の首を出し。
 蚤が出て話も他所へ飛んで了ひ。
 終ひ風呂デモクラシー風邪を引き』
初『地団駄を他人にふます意気地なし。
 悲劇物泣く程弁士褒められる』
徳『湯豆腐の皿へ盲の箸が外れ。
 居催促どつちも飽きたやうな顔。
 四股踏んで嬶が塵紙倹約し。
 前垂が塵紙さんの代理をし。
 居催促煙管をむごい目に遇はし』
 斯く出放題の句を捻り出し笑ひ興じてゐる。そこへドシン ドシンと大きな足音をさせてやつて来たのは曲輪城の城主高宮彦であつた。高宮彦は四人の姿を見て、口をモヂモヂさせながら無言の儘睨みつけてゐた。四人はあまり巨大な男の姿に稍驚きを感じ、内心私かに打慄うてゐる。
(大正一二・二・九 旧一一・一二・二四 北村隆光録)
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