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文献名1霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻
文献名2第5篇 洗判無料よみ(新仮名遣い)せんばんむりょう
文献名3第23章 盲動〔1359〕よみ(新仮名遣い)もうどう
著者出口王仁三郎
概要
備考
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あらすじ文助は、秋の時雨の季節を現した八衢の関所で、路傍の石に腰かけて門を通る数多の精霊の審判を聞いていた。高姫は妖幻坊にさらわれて空中をかけり、途中で取り離されて空中から転落し、デカタン高原のある地点の砂原に気絶していた。その間に精霊が八衢にやってきた。高姫はあたりかまわず日の出神の生き宮を振り回し、自分は時置師神・杢助の妻だと威張り散らしている。八衢の守衛は杢助は斎苑の館でずっと総務を取っていると高姫をたしなめるが、高姫はまったく聞かず、守衛たちを嘲弄する。文助は高姫に声をかけ、幽冥界の役人に乱暴な言葉を使わないように注意するが、高姫の態度は変わらない。そこへ、伊吹戸主神様に御用がある本物の杢助が天の一方からやってきた。高姫は杢助に一緒に帰ろうと声をかけるが、本物の杢助は、高姫が妖幻坊という妖怪にだまされていること、自分は高姫と祠の森で会っていないし曲輪城も知らない、と事実を説いて聞かせた。高姫は杢助の話を信じず、門内に入ろうとする杢助にすがって泣き喚いた。杢助は高姫をポンとけって街道に転げさせ、文助を招いて門内に入って行った。高姫は八衢の街道に転がりながら、自分は常世姫の再来、高宮姫だと大音声に呼ばわっている。この声をききつけて、八衢に来る精霊が集まってきた。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年02月10日(旧12月25日) 口述場所 筆録者松村真澄 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年1月28日 愛善世界社版269頁 八幡書店版第9輯 476頁 修補版 校定版277頁 普及版120頁 初版 ページ備考
OBC rm5223
本文の文字数5125
本文のヒット件数全 1 件/五六七神政成就=1
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本文  一しきり雨が降るかと思へば、又一しきり晴れわたる秋の時雨の季節を現はした八衢の関所に、文助はロハ台に腰打ちかけて、此関門を通る数多の精霊の審判を、胸を轟かせながら聞いてゐた。そこへやつて来たのは、顔に白粉をベツタリとつけた、高慢さうな面付をした婆アである。文助は不思議な奴が出て来たものだなア、さぞ彼奴の審判は面白いだらうと、稍興味を以て待つてゐた。これは肉体のある精霊とみえて、稍俯いてヒヨロリ ヒヨロリとやつて来る。関所の門にトンと突き当り、額を打ち、
『アイタタ、こんな所に、断りもなく赤門を拵へ、通行人の頭を打たすとは以ての外だ。日の出神の義理天上さまがお通り遊ばすのに、何と云ふ不都合だ……ヤアお前はここの門番と見えるが、なぜ職務を大事に致さぬのかい。こんな怠惰な事をして居ると、日の出神が承知致しませぬぞや』
とエライ権幕である。文助は日の出神といふ声を聞いて、よくよく透しみれば高姫であつた。高姫は妖幻坊にかつ攫はれ、空中を翔り行く途中に於て、デカタン高原の或地点で妖幻坊に取放され、空中より砂つ原に顛落して気絶してゐた。其間に精霊が此処へ迷うて来たのである。されど高姫は自分が正気を失つた事も、霊界へ来てゐることも少しも気がつかず、依然として現界を歩いてゐるやうな心持であつた。赤色の守衛は大喝一声、
『高姫、暫く待て、取調べることがある』
と呶鳴りつけた。
『ヘン門番の分際として、義理天上日の出神様を取調べるとは片腹痛いワ。それよりも此方から取調べにやならぬ事がある。三五教の三羽烏の一人、時置師の神様を何処へ隠したか。サ、キツパリと白状しなさい。グヅグヅ致すと、天の八衢はまだおろか、地獄の釜のドン底へ堕しますぞや』
『其方はデカタン高原に於て、妖幻坊といふ悪魔のために空中から取落され、気絶を致して此処へやつて来た亡者であるぞ。最早此処へ来れば冥土の規則に従はねばならぬ。これから其方の罪状を調べるに依つて、包まず隠さず申開きを致したがよからうぞ』
『オホホホホ、あのマア鹿爪らしい顔わいの、一石の米が百両するやうな、其しやつ面は何だい、お前も余程此頃は生活難に襲はれて、会計が辛いと見える。日の出神の義理天上さまに従うて来れば、此世の中に不景気もなければ心配もいりませぬ。三千世界の救ひ主、日の出神の生宮高姫さまで厶るぞや。さてもさても、世の中に可哀相な人民が沢山あるものだなア。これだから一時も早く現界、幽界、神界の立直しを致さねば、五六七神政成就は致さぬと仰有るのだ。あああ、世界中の人民を助けねばならぬ日の出神様も、此高姫の肉宮も、並大抵ぢやありませぬワイな、ああ惟神霊幸倍坐世』
 赤の守衛は、余りきつい高姫の脱線振に、取調べる訳にも行かず、又生死簿には死んでゐない、近き中に現界へ帰る奴だから、本真剣に調べる訳にも行かず、いい加減にあしらつて追ひ帰さむものと思ひながら、
『オイ、高姫、お前はここを何と心得てるか』
『ヘン、釈迦に経を説くやうな事を云ふものぢやありませぬぞや。馬鹿にするにも程がある。此処は大門神社の一里許り手前ぢやないか。お前達は素盞嗚尊の厄雑神の眷属だらう。こんな所にしやちこ張つて居るよりも、此義理天上の肉宮の教を聞いて、一度大門開きの御用に立つたら何うだ。結構な事を聞かしてやるぞや』
 文助は高姫の袖を引いて、
『モシモシ高姫さま、珍しい所でお目にかかりました。私は三五教の文助で厶いますよ』
『ヤア、最前から怪体な男が居ると思うたら文助だな。ても扨ても淋しさうな面をして、こんな所に何をしてゐるのだい。サ、文助どん、高姫に跟いて厶れ。ウラナイ教の誠生粋を聞かして上げよう。こんな赤面や青瓢箪面が、何を知つてゐるものか。世の元の根本の根本の元を掴んだ、此高姫ぢやぞえ。途中から湧いた神や、学で知恵の出来た鼻高が、何うして誠の事が分るものか。……聞きたくば訪ねて厶れ。神が表に現はれて、義理天上日の出神、高宮姫命となつて、世界の事を何もかも説いて聞かすぞや。……こんな門番を致して居るやうな、途中の鼻高に、ヘン、神界の誠が分つてたまりますかい。サアサア文助どん、私に跟いて厶れ』
赤『高姫、まだ其方がここへ来るのはチツと早い。これから現界へ帰り、充分に狂態振りを発揮し、手も足も出なくなつてから始めて気がつくだらう。さうすれば三五教の尊い事や、素盞嗚尊様の御心が分るであらう。事務の妨げとなるから、トツトと此処を立ち去れ』
『ヘン、赤さまは、私が居ると都合が悪いでせう。ハハア、ここは案に違はず、ヤツパリ三五教の門口だな。時置師の神様を、うまく引張り込みやがつたに違ない。挺でも棒でも動きは致さぬぞや。ササ早く時置師の神様を、此処へ出して下され』
『時置師の神様は、斎苑の館の総務をして厶るのだ。まだ現界にゐらつしやるから、此処へお越しになる筈がない。さてもさても分らぬ代物だなア』
『ヘン、うまい事仰有いますワイ、ホホホホホ、流石は変性女子の悪の教を腹へ締め込みて居るとみえて、上手に嘘をつきますな。そんな事にチヨロまかされるやうな義理天上ぢや厶りませぬワイな、赤さま』
と目を細うして頤をしやくつて嘲弄する。
文助『モシ高姫さま、此処は冥土の八衢の関所ですよ。決して現界ぢやありませぬから、そんな事を言ふものぢやありませぬ。ササ、トツトと帰りなさい。そして三五教にお詫をして誠の魂に立帰り、改めて天国に昇れるやうに御願ひなさりませ』
『ようマア、文助どん、しらばくれますね。お前も余程変性女子の霊が憑つたとみえますワイ。嘘は一つも言はれぬお道ですよ。嘘で固めた三五の道、オホホホホ、高姫誠に感心致しました。お前は目が悪いから、夢でも見て居るのだらう。チツと確りしなさらぬかいな』
と横面をピシヤピシヤと撲りつけた。文助は少しばかりムツとして、
『コリヤ高姫、これだけ事を分けて知らしてやるのに、まだお前は分らぬのか。なぜお役人さまの言葉を守つて帰りなさらぬのだ。皺だらけの面に白い物を塗つて、何だ。まるきり気違ひの所作ぢやないか』
『ヘン、お構ひ御無用。これでも、トさまが可いと仰有るのだから、別にお前の様な盲共に見て貰はなくても宜しい。サ、之から奥へ踏み込んで、トさまにお目にかかり、厭でも応でもウラナイ教へ連れて帰らなおきませぬぞや。かう見えても、此高姫は今迄とは違ひますぞや。曲輪城の城主高宮彦の妻、高宮姫とは日の出神の生宮の事だ。そんな事を言はずに、一遍浮木の森の曲輪城まで私に従いて来てみなさい。いかなお前でも、あの御殿を見たら吃驚致すぞえ。神変不思議の曲輪の法によつて、中天高く飛行の術を習ひ覚えた此高姫、最早天下に恐るる者はチツともありませぬ。どうか其積りで交際つて下さいや』
と高姫は浮木の森の妖怪のばれた事はまだ気がついて居らぬらしい。斯かる処へ大きな獅子に乗つて驀地に天の一方から降つて来たのは、まがふ方なき杢助であつた。
 高姫は此姿を見て大に喜び、
『ホホホホホ、お手柄お手柄、杢助さま、お前は何うしてマア、それ程偉いお方になつたのだ。これほど猛悪な唐獅子を自由自在に使ふとは、ヤツパリ私の夫だな。コレ文助どん、アレ御覧、曲輪の法力によつて、あんな離れ業が出来るのだもの、ウラナイ教は偉いものでせう。三五教の奴に一人だつて、こんな事が出来ますか。初稚姫や治国別、言依別や東助に、杢助さまの、天晴武者振を見せてやりたいものだなア。エヘヘヘヘ、南無杢助大明神様』
と手を合はして拝む可笑しさ。杢助は獅子の背からヒラリと飛びおり、高姫には目もくれず、赤の守衛に向ひ、
『御役目御苦労です。一寸伊吹戸主神様にお目にかかりたいと、三五教の杢助が申し入れたと伝へて下さい』
 赤の守衛は幾度も腰を屈め、敬礼を表しながら走早に門内に入る。高姫は杢助の言葉に少し合点の行かぬ節があるとは思へども、ワザとあんな事を言つて居るのであらう、杢助さまは洒落が上手だから……と心の中にきめて了ひ、
『コレ杢助さま、ええ加減に洒落ておきなさい。斎苑の館の東助に放り出され、アタ汚らはしい、三五教の杢助なんて、言ふものぢや厶りませぬぞや。サア、一緒に帰りませう』
『高姫殿、お前さまは妖幻坊にチヨロまかされ、其悪魔を杢助だと思ひ詰め、随分狂態を演じてるやうだが、此杢助にはお前さまに会つて、ウラナイ教の話をした事もなし、又祠の森で面会した事もない。まして曲輪城などには足踏みも致して居らぬから、よく胸に手をおいて、真偽の判別を願ひたいものだ』
『ホホホホホ、白々しい、杢さまの言ひ様、人の前だと思つて、そんな体裁を作るものぢやありませぬぞや。コレ高宮彦さま、そんな六ケしい顔せずに、ササ早く曲輪城へ帰りませう。コレ文助どん、何うだえ、高姫の三国一の婿といふのは、此杢助さまだぞえ。三羽烏の一人と聞えたる時置師神様、今はウラナイ教の大教主、曲輪城の城主様だ。サ、私に従いて厶れ。昔の厚誼で、キツと立派な役にして上げよう。小北山の受付位して居つてもはづみませぬぞや』
文助『あああ、困つた人だな、盲と気違と馬鹿位始末に了へぬものはないワ。私も、モツと高姫さまは偉い人だと思うて居つたに……現在八衢へ来てゐながら、執着心が深い為、ヤツパリ娑婆だと思うてるらしい。ああ気の毒なものだなア』
と呟く。高姫は耳敏く之を聞き取つて、
『ヘン、気違だの、馬鹿だのとよう仰有いますワイ。オホホホホ、日の出神の心の鏡にお前の迷妄暗愚な魂が写つたのだよ。……人の事だと思うてゐると皆吾事であるぞよ。今の人民は皆盲聾ばかりであるぞよ。日の出神が現はれて、夜の守護の世の中を日の出の守護に致し、五六七の世が参りたならば、盲も目があき、聾も耳が聞えるやうになるぞよ……と変性男子の筆先にも現はれてゐませうがな。日の出神の真似の筆先にもチヤンと出てますよ。……コレ杢助さま、エエ加減にとぼけておかんせいな』
 かかる所へ赤の守衛は恭しく杢助の前に現はれ、
『三五教の杢助様、伊吹戸主神様が、早速お目にかからうと仰有います。サ、私に従いてお越し下さいませ』
『ハイ有難う厶います。此ライオンは暫く御預りを願ひます』
『ハイ宜しう厶います。叮嚀に保護致します。コレ白さま、お前さま此処に守つてゐて下さい。……サア杢助様、かうお出でなさいませ』
と先に立つて行かうとする。杢助も後に従ひ門を潜りかけた。高姫は袖にすがり、金切声を出して、涙交りに、
『コレ杢助さま、余りぢや厶んせぬか。ここは三五教の奴等の集まる場所、なぜあれ程固い約束をしながら、今となつて変心をなさるのだえ。義理天上日の出神は恐れませぬか』
『高姫さま、拙者は拙者の権利を以て、伊吹戸主様にお目にかかるのだ。貴女は之からお帰りなさい』
と行かうとする。高姫は袖に喰ひついて放さず、
『イエイエ何と仰有つても、此高姫の目の黒い中は、一足たりとも、三五教の門は潜らせませぬぞや。アンアンアンアンアン、男の心と秋の空、変ると言うても余りだ。エーエ残念や残念や、クク口惜しい』
『アハハハ、何と、面白い芝居を見せて貰うたものだ。ああ文助殿、拙者の後へついて厶れ』
と言ひながら、ポンと蹴れば、高姫は思はず裾を放し、二つ三つコロコロコロと街道に毬の如く転げて、其終点でパツと大の字に拡がり倒れて了つた。
 杢助、文助は門をガタリと締めて、奥庭へ姿を隠した。高姫は大の字になつて、手足を動かせながら、
『此女は、元を糺せば、変性男子の体をかつて、生れ出でたる常世姫命の再来、高宮姫。若い時から、男女と綽名を取つたヤンチヤ娘、一度は東助さまと夫婦になり、子までなしたる仲なれど、余り東助の心が無情冷酷なるが故、斎苑の館でキツパリ暇をくれて、祠の森に立帰り、杢助さまと夫婦となり、今は浮木の森に曲輪城を築き、高宮姫と名を改めてウラナイ教の神柱、先をみてゐて下されよ』
と大音声に呼ばはつてゐる。八衢へ来る精霊は此声を聞きつけ、各歩を急ぎバラバラと駆けつけた。
(大正一二・二・一〇 旧一一・一二・二五 松村真澄録)
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