宮町の町民たちと元悪酔怪員たちは、ワックスら悪者にごまかされて暴動を続け、大神の道に背いたことを悔いた。そして懲戒のためにワックスら四人に鞭を加えて追放することを主張した。
三千彦はむち打ちに反対したが、この町の昔からの不文律とのことでにわかに破るわけにもゆかず、しぶしぶむち打ち刑を許した。
むち打ち刑の夜は暗夜であったのを幸い、三千彦は四人の尻に銅のたらいをくくりつけた。タンクとトンクのむち打ち役が鞭を振り上げて打つたびごとに、カンカンと妙な音がする。タンクとトンクはくたくたになりがなら四人に規定のむち打ちを加えた。
むち打ちが終わって四人が解放されるとたん、金盥が音を立てて芝生の上に転がり、かがり火に輝いた。タンクとトンクはむちに打たれすぎた四人の尻の血がにじんで固まって落ちたと説明し、町民たちも溜飲が下がったと口々に家に帰り行く。
三千彦は、自分の慈悲の行為を悟って町民たちにうまく説明したタンクとトンクの真心を感謝する歌を歌った。