テルモン湖には、バラモン教で罪を犯した者を流罪にするツミの島があった。ここは波が逆巻く孤島であり、罪人は食物も与えられずにここに捨てられるのであった。
バラモンの荒くれ男、ハール、ヤッコス、サボールの三人は船が難破して、ツミの島に打ち上げられた。そこには殺人罪で島に捨てられ、露命をつないでいたダルとメートがいた。ハールたち三人は食糧難の飢えに堪えかねて、ダルとメートを殺して食べようと付け狙った。
ダルとメートは激しく抵抗し、その勢いに辟易した三人の隙を狙って逃げ出した。ちょうど玉国別たちの船がツミの島に近づいたとき、五人は食うか食われるかの死闘を磯端に繰り広げていた。
玉国別たちが近づいてみると、五人は死闘の末に息も絶え絶えになってそれぞれ倒れていた。船頭は人食いの罪人たちを助けて罪になることに反対したが、玉国別は自分が責任を負うと請け負って船をつけさせた。
玉国別たちは島に上陸し、五人が倒れている磯端にやってきた。ヤッコスとメートはこれまでの経緯を語り、助けてほしいと玉国別たちに懇願した。一行は五人に食料を与えて船に乗せ、介抱しつつ船を出した。
真純彦、伊太彦は舟歌に述懐を乗せながら歌い、船は進んで行く。