文献名1霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
文献名2第1篇 言海霊山よみ(新仮名遣い)げんかいれいざん
文献名3第4章 神慈〔1579〕よみ(新仮名遣い)しんじ
著者出口王仁三郎
概要
備考
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データ凡例
データ最終更新日----
あらすじ
主な人物
舞台
口述日1923(大正12)年05月10日(旧03月25日)
口述場所松雲閣
筆録者隆光
校正日
校正場所
初版発行日1925(大正14)年10月16日
愛善世界社版41頁
八幡書店版第11輯 151頁
修補版
校定版44頁
普及版61頁
初版
ページ備考
OBC rm6204
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本文
第二八二
一
由良の河瀬の音高く 枕に響く並松の
松雲閣の離れの間 横に臥しつつ敷島の
煙にうさを散じつつ 山河草木己丑の
巻物語初め行く。
二
新緑滴る初夏の候 川の流を聞きながら
猫の産した話なぞ 面白可笑しく聞き乍ら
鼻の尖つた北村氏 竿竹姫と諸共に
讃美歌もどきの雑歌を あらあらここに詠み出でぬ。
三
ほのかに聞ゆる水の音 並松通ふ車の響
赤児の泣声聞き乍ら 猫の鳴く音と怪しみつ
南枕に西向いて いやいや乍ら述べて行く。
四
筆を含みし麦畑 菜種子の花も彼方此方に
黄金の色をかざしつつ いとも静に夏の日を
迎へゐるこそ床しけれ 流れも清き小雲川
流れの音の轟々と 世に響くなる言霊の
三十一文字の物語 筆にとどめて後の世の
ためしと茲に述べておく。
第二八三
一
日は西に傾きそめて醜神の
伊猛り狂ふ世とはなりぬる。
二
常世行く暗を晴らして昇ります
月こそ神の守なりけり。
三
振ひ立つ枉も御空の月影に
所得ずして逃げ失せにけり。
四
厳御霊瑞の御霊の御守に
魔の棲む世にも心安かり。
五
皇神の大御恵を世に伝へ
御名を現はす人となりたき。
六
苦みの中にも永久の希望あり
いかに幸あるわが身ならずや。
七
皇神の厳の御旨に叶ひなば
御国の門は独り開かむ。
第二八四
一
伊都の御霊や美都御霊 玉の御声は爽かに
天津空より聞え来ぬ あゝ諸人よ諸人よ
耳をすませて逸早く 神の吹きます角笛の
御許に勇み寄り集へ 神は愛なり力なり。
二
海山隔てし遠方の 異国人に御恵の
訪れ伝へ得ずとても せめては間近き住人に
神の御教を宣べ伝へ 安けき国に導きて
錦の機の神業に 一人も多く仕ふべく
諭させ玉へ惟神 御前に畏み願ぎ奉る。
三
瑞の御霊の宣り玉ふ 力のこもりし言の葉は
語り得ずとも村肝の 心の限り身を尽し
仁慈の神の御心を 洽く世人に布き教へ
神の御楯と逸早く ならしめ玉へと願ぎ奉る。
四
雲井に高く住む人や 鄙に住へる人々に
珍の教を詳細に 諭させ玉へと朝夕に
祈りをこらす神司 卑しき伏屋に身を起し
女童に至るまで 悟り安きを旨となし
卑近な言葉を相並べ 厳の言霊打出して
救ひの栞となし玉ふ 教祖の御功績は
天地に並ぶものもなし あゝ惟神々々
厳の御魂の尊さよ 為す業なしと世の業を
怠り仇に日を暮す 人は此世の曲津神
眼を覚し省みよ 曇り果てたる世の人の
身魂は亡びに近づけり 神の教を畏みて
四方にさまよふ同胞に 神の救ひの御声を
宣べ伝へつつ神の子と 生れ出でたる務めをば
完全に委曲に尽すべし 神は汝と倶にあり
人は神の子神の宮。
第二八五
一
道のため励しめ宣使花における
きらめく露の消えぬ間にこそ。
二
時は過ぎ日は暮れやすし朝日子の
光照る間に道に励しめ。
三
天津日の光輝き給ふ間に
勉め励しめ神の宣使等。
四
日の御足矢よりも速し昼の間に
神の言葉を宣べ伝へてよ。
五
励しみて仕へ奉れよ青田吹く
涼しき風の通へる間に。
六
業休み寝に就く夜はいと早し
日の入るまでに道に励しめ。
第二八六
一
収穫の時早や迫り来りけり
何故淋しげに野良に立てるか。
二
友来る時を待つ間に日は暮れぬ
ひきて帰らぬ征矢の如くに。
三
夜とならば如何になすべき術もなし
日影あるうち谷川渡らへ。
四
世を恵む神の御旨を畏みて
仇に暮すな神の御子たち。
五
雨の朝風の夕べも厭ひなく
励しみまつれ惟神の道。
六
黄金なす瑞穂の稲を山の如
収穫果てて倉に納めよ。
七
御教の種子をば四方に蒔きし人の
収穫時の賑しきかな。
八
厳御霊瑞の御霊の大前に
功績を立てて謳ふ嬉しさ。
第二八七
一
皇神の大御心を糧となし
励しみ勤めよ日々の業務に。
二
夢よりも果敢なき此世の栄えをば
棄てて神国の栄え楽しめ。
三
御栄光と生命の冠を賜ふべき
時近づきぬ励しみ勤めよ。
四
現し世の空しき旅をなす人に
誠の道を諭せ神使。
五
功績もなく仇に此世を過しなば
神国の父に会はむ顔なし。
六
目を覚し主まつものの頭をば
撫で慈しむ時は近みぬ。
第二八八
一
常暗の危き旅路を今日までも
守り玉ひし尊き神はも。
二
瑞御霊厳の御栄光あれかしと
祝ひ謡へよ神の御子たち。
三
わが主の御名に頼りて受くるものは
悪しき汚き影だにもなし。
四
玉の緒の命の消ゆる時来れば
神の御名こそ力なりけり。
第二八九
一
益良夫は世をば恐れず皇神の
御稜威の光畏れて住むなり。
二
強きをば言向和し弱きをば
助くる人ぞ神の御使。
三
村肝の己が心を楯とせず
神に従ふ人は神なり。
四
皇神の掟を守り畏みて
百の艱難に勝つ人ぞ神。
五
世の中の憂に先だちよく憂ひ
共に喜ぶ人は神なり。
六
わが友と仇なす人と区別なく
誠変へざる人は神なり。
第二九〇
一
麻柱の大神教のそのままを
過つ事なく語らしめてよ。
二
千早振る神の正しき大道に
まどへる人を救ふ楽しさ。
三
飢渇く人の身魂に皇神の
厳の糧をば恵ませ玉へ。
四
皇神の厳の力にわが魂は
充たされ人を救ふ身となりぬ。
五
瑞御霊わが身体に憑りまし
使はせ玉へ御心のままに。
六
天地の厳の喜び身に受けて
栄光の御顔仰ぐ嬉しさ。
第二九一
一
皇大神の御前を 斎き奉るは外ならず
神国を望み黄泉の国 百の責苦を怖ぢ恐れ
逃れむ為に非ずして 力なき身も厭はずに
庇ひ玉へる御心の いと尊さに報ふ為。
二
皇大神の御恵は 百の艱難を凌ぎつつ
仇なす身をも恵みまし 天津御国の幸はひも
根底の国の暗きをも 照させ玉ふ有難さ
その御恵に報いむと 御祭仕へ奉る。
三
神に仕ふる吾々は 何の報いか望むべき
此世を造り玉ひたる 神の功績を称へつつ
愛の恵に報いむと 真心こめて大前を
祝ひまつりつ永久の 守りの主と仰ぐのみ
あゝ惟神々々 いや永久にましませよ。
(大正一二・五・一〇 旧三・二五 於松雲閣 隆光録)