文献名1霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
文献名2第5篇 金竜世界よみ(新仮名遣い)きんりゅうせかい
文献名3第25章 神雲〔1600〕よみ(新仮名遣い)しんうん
著者出口王仁三郎
概要
備考
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データ凡例
データ最終更新日----
あらすじ
主な人物
舞台
口述日1923(大正12)年05月15日(旧03月30日)
口述場所教主殿
筆録者明子
校正日
校正場所
初版発行日1925(大正14)年10月16日
愛善世界社版296頁
八幡書店版第11輯 230頁
修補版
校定版323頁
普及版61頁
初版
ページ備考
OBC rm6225
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本文
第四九二
一
せまり来る神代も更に白河の
関の戸開く人の少き。
二
草枕旅に出でては思ふかな
綾の高天の大前如何にと。
三
白雲の遠く隔ちし国々ゆ
御稜威慕ひて来る神垣。
四
敷島の大和島根の神の庭は
千代に八千代に動かざらまし。
五
さざれ石の巌となれる姿見れば
神の都の御栄えを知る。
六
皇神の珍の教は万代に
弥広らかに栄えますらむ。
七
神垣の木々の緑は萌え出でて
神代の春を長閑に語れり。
八
杜鵑声涸れ果てて御恵の
露奥津城に忍び音になく。
第四九三
一
四尾山峰の諸木も緑して
迎へ待つらむミロクの御代を。
二
桶伏の山の聖地に杜鵑
夜な夜な来りてひた啼きになく。
三
三千年の長き月日を啼き明し
今なほ叫ぶ山杜鵑。
四
風の宵雨の晨は一入に
物悲しもよ桶伏の山。
五
人の目に壊たれたりと見ゆれども
珍の高殿永久に建てり。
六
本宮山若葉をふくむ山鳩の
影さへ見えぬ闇夜なるかも。
七
谷の戸を押しわけ歌ふ鶯の
声は常世の春の魁。
八
咲くとても手折る人なき松の花
葉末の露の恵知らねば。
第四九四
一
神垣の松の梢に御空飛ぶ
鶴舞ひ下り千歳を契る。
二
月なくて如何で木草の茂るべきや
天津光の影のみにして。
三
又しても月の面のみを讃め称へ
焦れ顔なる夕暮の空。
四
金竜の池の面に澄む月は
世の乱れをも知らず顔なる。
五
水鳥のいと安らけく浮ぶとも
足にひまなき月の御心。
六
神思ふ珍の心につながれて
あこがれ出できぬ糸のまにまに。
七
君知るや高天原の神の園に
身はよそながらかかる心を。
八
神垣の月の光をながめつつ
したたる雫に霑ひにけり。
九
神垣の松の落葉をかきよせて
常夜の暗の篝火とせむ。
一〇
大丈夫の中に淋しく只一人
交こるわが身も神国のため。
第四九五
一
千早振神の教にしたがひて
御国に尽す外なかりけり。
二
楠船ののり越す波のいや深く
真心ひとつに御国に尽さむ。
三
花の色は昔ながらに変らねど
移ろひにけり心の花は。
四
木下蔭に淋しげに咲きし兄の花も
天津光をうけて栄ゆる。
五
空蔽し醜の古木の倒れてゆ
白梅の花は世に出でにけり。
六
山深み日影もささぬ谷の底に
薫る桜も月の恵ぞ。
七
花は散り木の葉も落ちて杣人の
手斧の錆となる老木かな。
八
桶伏の御山の花は散らされて
わが面影にのみぞ残れる。
第四九六
一
古の神の都に吹き捲る
嵐の浪の打ちかへしかも。
二
科戸辺の風吹きかへす朝ぼらけ
浪逆まきて仇船沈めむ。
三
来て見れば山の諸木は緑すれど
浦悲しけれ宮居の跡は。
四
三千年の醜荒浪に漂ひて
現れましし神の宮居こぼちぬ。
五
桶伏の山登り往く信徒の
心の空に時雨しにけり。
六
宮脇に潜める醜の曲神の
荒ぶがままに任したまひぬ。
七
皇神の心は広し和田の原
秘密の底は知るよしもなし。
八
桶伏の山に夜な夜な只一人
祈る真人のありと知らずや。
第四九七
一
白妙の衣の袖に梅薫る
綾の高天に詣で来しより。
二
家族親族うち連れ立ちて神園の
教の花に酔ふぞ楽しき。
三
和衣の綾部に薫る白梅は
心の花の眼さませり。
四
昔見し白梅の木は老いぬれど
花の色香はいとど目出度し。
五
足曳の深山の奥に潜むとも
花は咲くなり鳥歌ふなり。
六
青垣を四方に繞らす山里に
清き清水の流れけるかな。
七
都路の塵に汚れし御霊をば
来りて滌げ玉の井の水に。
八
山里に身は老いぬれど霊魂は
神の都の花と薫れる。
第四九八
一
神園の松に御霊を取りかけて
神去りましぬ教御祖は。
二
白梅の花に心を残しつつ
露奥津城に眠りたまひぬ。
三
木花の咲耶の姫の生れましし
黄金の峰は雲に聳えつ。
四
瑞御霊珍の教をうつそみの
世は木の花と永久に栄えむ。
五
西へ行く思ひは誰人もあるものを
見捨てて入るな大空の月。
六
憐れみの心は誰も広けれど
育くむ袖の狭きが憂れたき。
七
限りなき恵の御手を差し伸べて
救はせたまふ瑞の大神。
八
頂に霜降り添ひて白雪の
心の空は清くなりぬる。
第四九九
一
五月蠅なす声は激しくなりにけり
世の別れ路の近づきしより。
二
曲神の荒む闇世もすみがまの
黒き煙と消ゆる神代なり。
三
あゝ神と唱ふる声に夢醒めて
打ち出て見れば月は傾く。
四
厳御霊教の光なかりせば
如何でか月に心を懸けむや。
五
苗代の水は乾きぬ天の河
放ちてみづの御霊たまひぬ。
六
梅散りて御園の桃は咲きにけり
薫り目出度き神のまにまに。
七
春山に朝啼く雉子の声すなり
神の御教の若芽摘めとや。
八
月の夜に生育ちたる姫小松の
葉末の露は玉と照らへり。
第五〇〇
一
池水にうつりて咲ける梅の花を
手折るはみづの心なりけり。
二
吾行かむ後まで散らず待てよかし
薫り床しき神園の梅。
三
久方の御空に咲ける桃の花を
手折らむよしも泣き暮しつつ。
四
よしや身は山河遠く隔つとも
心に手折らむ神園の桃。
五
真清水も霜にこほればひた曇る
昔にかへれみづの御霊に。
六
山桜彼方此方に立ち交り
松の緑に眺望添へぬる。
七
嵐山花のまにまに緑なくば
錦の峰と誰か称へむ。
八
風に散る花の姿を眺むれば
人の浮世の憂たくもあるかな。
第五〇一
一
散りて又再び花の咲く春を
待つよしもなく滅び行くかな。
二
永久の花咲き匂ふ天津国の
春こそ永久の住家なりけり。
三
讃め称へ見上ぐる花の足許に
散りて踏まるる山桜かな。
四
九重に咲く山吹の果敢なけれ
散りたる後に実さへなければ。
五
世の中は往来の道も見えぬまで
闇の帳に包まれにけり。
六
闇の戸を押しわけ昇る朝日子の
日の出の神を待ちあぐみつつ。
七
東雲の空を眺めて神の子の
月松の代を焦れ慕ひつ。
八
露霜の置きて褪せたる白菊の
花はあやしく葉末に慄ふ。
(大正一二・五・一五 旧三・三〇 於教主殿 明子録)