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文献名1霊界物語 第62巻 山河草木 丑の巻
文献名2第6篇 聖地の花よみ(新仮名遣い)せいちのはな
文献名3第29章 神洲〔1604〕よみ(新仮名遣い)しんしゅう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年05月16日(旧04月1日) 口述場所教主殿 筆録者明子 校正日 校正場所 初版発行日1925(大正14)年10月16日 愛善世界社版344頁 八幡書店版第11輯 244頁 修補版 校定版375頁 普及版61頁 初版 ページ備考
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本文の文字数1674
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本文
  第五三二

    一

 宮柱太敷建てし其昔を
  偲ぶは一人われのみならず。

    二

 円山の姿はとみに変れども
  御空の月はいよよさやけし。

    三

 新聞の記者の囁き腐鶏の
  暁またで鳴きたつるかな。

    四

 円山の宮は再び建ちぬべし
  打ち砕きたる醜の哀れさ。

    五

 醜弓のひきて返らぬ過ちに
  的射外せし鬼のはかなさ。

  第五三三

    一

 桶伏の山に八重雲棚曳きて
  紫の空に月はかがよふ。

    二

 紫の御空を広くしめながら
  かがやき渡る円山の月。

    三

 本宮山木の葉のさやぎ静まりて
  洗ふが如き夏月照れり。

    四

 礎の跡を照らして夏の月
  恵の露の雨を濺げり。

    五

 只さへに清けきものを円山の
  月にかがやく礎の露。

  第五三四

    一

 円山の底津岩根に厳かに
  昔を語る珍の礎。

    二

 円山の月にあこがれ登り見れば
  露を三年の涙あふるる。

    三

 月清し礎清し円山の
  木々の梢はいとど清しも。

    四

 金竜の池に浮べる魚族も
  醜の嵐を恐れざりけり。

    五

 西東南ゆ北と醜神の
  襲ひし昔も夢となりぬる。

  第五三五

    一

 梓弓春の円山緑して
  梢の露に月を宿せり。

    二

 人の世は百度千度移るとも
  月は昔の姿なりけり。

    三

 限りある人の命は草におく
  露の干ぬ間の朝顔の花。

    四

 円山にかかりし雲のあと晴れて
  今はさやけき月を見るかな。

    五

 みちのくの月を見むとて来て見れば
  聖地に劣りて濁れる心地す。

  第五三六

    一

 照る月の光に変りなけれども
  人の心の空はいろいろ。

    二

 円山に啼き残したる杜鵑
  心悲しげに仇し野になく。

    三

 何人も御空の月はめづるものを
  花に心を取られ往くなり。

    四

 仇花の茂り合ひたる仇し野に
  色香妙なる白梅はなし。

    五

 皇神の深き恵を白梅の
  花手折らむと仇し野彷徨ふ。

  第五三七

    一

 照る月の真下に住めばわが影の
  いとも小さく見ゆるものかな。

    二

 月影の傾く時はわが影の
  いと長々しく見ゆるものなり。

    三

 小夜衣かけはなれても赤心の
  通ひし友はなつかしきかな。

    四

 有難さに落つる涙の玉の神諭は
  わが永久の生命なりけり。

    五

 空包む夜の帳もあきの空に
  輝く月の影の恋しさ。

  第五三八

    一

 木の花の神の命の永久に
  鎮まり居ます富士の神山。

    二

 瑞御霊厳島姫永久に
  竹生の島に鎮まりたまふ。

    三

 高熊の峰に現れます玉照彦の
  光輝く時は来にけり。

    四

 黄金なす峰の麓に現れし
  玉照姫の御世となりぬる。

    五

 桶伏の山にひそめる杜鵑
  五月の空を待ちつつ経るも。

  第五三九

    一

 一箸の運びの間にも死の影は
  人のまはりをつけ狙ひ居る。

    二

 もてなしのいと懇な昼食こそ
  味も殊更美しきかな。

    三

 花かざす乙女の玉手にくめる湯は
  いと香ばしき薫り漂ふ。

    四

 日に月に清き心のます鏡
  のぞくも嬉し金竜のうみ。

    五

 起き伏しの草の露にも輝きぬ
  瑞の御霊の月の御影は。

  第五四〇

    一

 大前に天のさかてを只一人
  うつの山鳩下り来にけり。

    二

 大前の榊にかけし十寸鏡は
  清けき神の心なりけり。

    三

 曇りなき鏡の面を眺むれば
  わが心根の恥かしきかな。

    四

 円山に昇る月影いと清く
  ミロクの御代を守りますらむ。

    五

 神代より清く流れし和知川の
  水瀬に澄める秋の夜の月。

  第五四一

    一

 巌窟をあけし鏡をたづぬれば
  御空に澄める月と答へむ。

    二

 御剣も鏡も玉も瑞御霊
  岩戸を開く宝なりけり。

    三

 神つ代の世の有様をたづねむと
  月にとへども月は答へず。

    四

 地に降り草葉の露に身を寄せて
  むかしを語る月の大神。

    五

 榊葉にたれたる瑞の白木綿は
  神も心をかけてや見るらむ。
(大正一二・五・一六 旧四・一 於教主殿 明子録)
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