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文献名1霊界物語 第63巻 山河草木 寅の巻
文献名2第2篇 日天子山
文献名3第7章 湖上の影〔1614〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじその日の夕方になり、アスマガルダの船が帰ってきた。ルーブヤはさっそく、伊太彦が妹の婿になる約束ができたことを報告した。
アスマガルダもこの結婚に賛成し、伊太彦と歌をもって挨拶をなした。一同は述懐の歌を交し合った。
晩餐を済ませた後、形ばかりの婚礼の式を行い、その日はルーブヤ宅に体を休めて翌朝、スーラヤ島に渡ることになった。
主な人物 舞台 口述日1923(大正12)年05月24日(旧04月9日) 口述場所竜宮館 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm6307
本文の文字数3055
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本文  大空は一点の雲翳もなくスーラヤの湖の面は紺碧の波をたたへた小波が静かに磯端を洗つて居る。ルーブヤ親子はアスマガルダの帰りの遅きを待ち佗て磯端に佇み、西南の海辺を眺めて、一刻も早く忰の帰れかしと、心ひそかに祈願をこらしつつあつた。
 太陽は少しく西の空に傾いた時、此方に向つて艫櫂を漕ぎ走せ来る一隻の小舟を見付けた。果してアスマガルダの船であらうか。但しは他の村人の船であらうかと一時千秋の思ひにて胸を躍らせ乍ら見つめて居ると、船は次第々々に大きく見え出し船中には三人の男が乗つて居る事迄が分つて来た。
 ルーブヤは確信あるものの如く、
『これ、バヅマラーカよ、ブラヷーダよ、どうやら兄が帰つて来たやうだ』
ブラヷーダ『お父さま、あの船がもしも兄さまのでなかつたら、どうしませうかな』
ルーブヤ『いやいや心配するには及ぶまい。屹度あれはアスマガルダの船に違ひない。あの通り三人の姿が見えて居る。二人は下男のバルにサクだらう。此村に三人乗つて行く船は外にはないからな』
バヅマラーカ『成程、親爺殿の仰有る通り、あれは兄の舟に違ひない。ブラヷーダよ、安心したがよからう』
 斯くとりどりの噂をして待つて居る所へ、船はおひおひと近づいて、船中の人は確にアスマガルダなる事が分つて来た。ブラヷーダは勇み立ち、手を拍つて磯端を右に左に躍り廻り乍ら謡ふ。
『今来る舟は兄の舟  いとしいなつかしい兄上の
 無事にお帰り遊ばした  磐楠船に違ひない
 あゝ有難や有難や  三五教の宣伝使
 伊太彦司が現はれて  神の教を説き玉ひ
 父と母との許し得て  妹背の契を結びつつ
 神の御為世の為に  誠の道に尽さむと
 親子夫婦が勇み立ち  兄の帰宅を待ち暮す
 その日の永さ一日も  百年千年の思ひなり
 兄の命の恙なく  吾家に帰り来ますなら
 此有様を聞し召し  さぞや喜び玉ふらむ
 妾はこれより三五の  神の司と諸共に
 スーラヤ山にかけ上り  八大竜王の其中で
 福徳守る善歓喜  ナーガラシャーの宝玉を
 神の力に授かりつ  恋にこがれしエルサレム
 珍の都に参向し  神の司と許されて
 百八十国の果て迄も  教を伝へ奉り
 大御恵の万分一  報はむ事の嬉しさよ
 あゝ惟神々々  御霊幸ひましませよ』
ルーブヤ『遥にかすむ海の上  小波分けて帰り来る
 磐楠船は兄の船  待ちに待つたる常磐木の
 松の緑の美はしさ  日は西空に傾きて
 空翔つ鳥も各々に  己が塒に羽急ぐ
 吾子は如何にと待つ程に  神の恵に守られて
 千尋の海原乗り越へつ  帰り来りし嬉しさよ
 嘸や忰の帰り来て  此有様を聞くならば
 喜び勇む事ならむ  思へば思へば三五の
 神の恵の有難さ  慎み感謝し奉る』
バヅマラーカ『波の上いと安らかに辷りつつ
  アスマガルダの帰り来るかも。

 朽ち果てし老の身なれど今日はしも
  若葉の緑萌ゆる心地なり。

 山青く海亦青く群鳥の
  姿も青く見えにけるかな。

 野も山も枯れ果てたりし心地して
  なげき暮せし今日の嬉しさ』

伊太彦『足曳の山河海の底ひにも
  神の恵は充ち溢れけり。

 親と子が睦び親しみ皇神の
  道を踏み行く事ぞ楽しき。

 ウバナンダ・ナーガラシャーの鎮まれる
  スーラヤ山は雲に霞める。

 明日の日はスーラヤ山に駈け登り
  竜の腮の玉にまみえむ』

 斯く歌ふ折しも、兄のアスマガルダの船は漸く磯端に横たへる事となつた。
ルーブヤ『いや、アスマガルダよ、昨日帰つて来ると思つて待つて居たのに、随分遅い事だつたな。又湖上に変事でも出来たのではないかと、どれ丈け心配したか分らなかつた。ようまア無事に帰つて来て呉れた』
アスマガルダ『ハイ、誠に遅くなつて心配をさせました。どうしたものか、昨日は一日漁がなく、もう仕方がないので帰らうかと磯端のパインの木蔭に舟を停めて休んでゐる処へ、天女の様なお姫様が犬をつれておいでになり、是非々々スーラヤの島へ渡して呉れと仰有るので、お伴をしてお送りをして来ました。随分綺麗な方で神様かと思ひましたよ』
 伊太彦は合点ゆかず「扨ては初稚姫様が吾に先立つて竜王の玉をとりにおいでになつたのではあるまいかな。又自分の手柄を人にしてやられたか」とやや心配相な顔をして俯向いて居る。
ルーブヤ『それは、兄、いい事をして来た。屹度神様の何かのお仕組だらうよ。就ては喜んで呉れ、ここに厶る宣伝使は三五教の伊太彦様と云つて、斎苑の館からお下りになつた御神徳高きお方、妹の婿になつて下さる契約が出来たので一時も早くお前に帰つて貰ひ、共に喜んで祝言の盃を取交したいと親子三人がどれ丈け待つたか知れないのだ』
と早くも両眼より涙を落して居る。アスマガルダは元来孝行者、両親の言葉には一度も背いた事はない。又妹の一生の一大事を自分の不在中に親子がきめた事も、普通の人間のやうに一言の故障も言はず、又不服にも思つて居なかつた。何事も皆神様の御恵と感謝するより外に考へはなかつた。
アスマガルダ『それは御両親様、いい事をなさいました。これも全く三五の神様の御神徳で厶いませう。いや妹、お前も安心だらう。俺も嬉しい』
と云ひ乍ら船をかたづけ、磯端を伝ふて伊太彦に目礼し乍ら先に立つて吾家に帰つて行く。
 主客九人は家に帰り休息する事となつた。先づ第一に伊太彦はアスマガルダに向ひ歌を以て、挨拶に代へた。
伊太彦『アスマガルダ兄の命に嬉しくも
  神の恵に会ひにけるかな。

 今よりは汝が妹ブラヷーダ
  姫の命と千代を契らむ』

アスマガルダ『三五の珍の教の神司
  吾妹を慈みませ。

 惟神神の恵の幸はひて
  今日は嬉しき消息聞くかな』

ブラヷーダ『吾兄の珍の言霊聞くにつけ
  笑み栄えけり妾の心も。

 朝夕に仕へ侍りし父母の
  御許離れて都へ上る』

ルーブヤ『ブラヷーダ心なやます事なかれ
  神に任せし二人の親を。

 汝は今伊太彦司と諸共に
  神の大道に安く進めよ』

ブラヷーダ『有難し吾足乳根の言の葉に
  恵の露の滴りにけり』

バヅマラーカ『待ち佗し吉き日佳き時廻り来て
  一度に開く蓮花かな』

伊太彦『アスマガルダ兄の命の御為に
  妹の命を媒介めまつらむ。

 さり乍ら珍の都のエルサレム
  詣でし後と思召し玉はれ』

 斯くの如く互に心のたけを述べ終り晩餐を済ませ、形ばかりの婚礼の式を行ひ其夜はルーブヤの家に伊太彦、外二人も足を伸ばして休息し、翌早朝よりアスマガルダに送られてスーラヤの島に渡る事となつた。
(大正一二・五・二四 旧四・九 於竜宮館 北村隆光録)
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