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文献名1霊界物語 第66巻 山河草木 巳の巻
文献名2第1篇 月の高原
文献名3第5章 愁雲退散〔1687〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物【セ】オール、コース(二人とも国王の勅使)、里庄ジャンク、照国別、梅公、インカ親分、タクソン、エルソン、照公【場】白髪異様の老翁(シーゴー)【名】トルマン国の国王トルカ王、大黒主、大足別、スガコ姫、サンダー、サンヨ、花香、バンコ、セール(ジャンク家の受付)、バラモンの大神、神素盞嗚大神、大自在天大国彦 舞台タライの村の里庄ジャンクの家 口述日1924(大正13)年12月15日(旧11月19日) 口述場所祥雲閣 筆録者北村隆光 校正日 校正場所
OBC rm6605
本文の文字数5443
本文のヒット件数全 1 件/神素盞嗚の大御神=1
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本文  トルマン国バルガン城の国王トルカ王より勅使として、ジャンクの家に入り来りし二人の男はオール、コースと云ふ。オールは厳然として正座に直り、里庄のジャンクに国王の令を伝へた。
『我トルマン国は建国以来、上下一致、王と民との間は親子の如く兄弟の如く夫婦の如し。天恵豊にして地味は肥え、印度全国の宝庫楽園と称せられ、国民和楽し、太平の夢を結びたること茲に三千年なり。然るに図らざりき、今回ハルナの都に君臨し玉ふ大黒主の命の軍勢、ウラル教征伐の為、遙々軍卒を派遣し玉ふ。然るに全軍の将たる大足別は性質暴戻にして虎狼の如く、我国内の民を苦しめ、婦女を姦し財物を掠奪し、甚しきは民家を焼き、暴状至らざるなく、勢に乗じてトルマン国の首府バルガン城を攻略せむとす。汝等忠良の民、忠勇義烈の赤心を発揮し、前古未曽有の大国難を救ふべく、凡ての男子は十八才以上六十才以下は各武器を携帯し王城の救援に向ふべし。汝等が祖先の開きし国土を守るは此時なるべし。汝里庄、村民に吾意のある所を伝達し、時を移さず軍に従ふべし。トルマン国、バルガン城トルカ王の使者オール、コース、国王殿下の聖旨を伝達するもの也』
と読み聞かすや、里庄ジャンクは謹んで席を下り、
ジャンク『力なき吾々には候へど、御勅命に従ひ速に義勇軍を召集し、王城並に国家の危難に殉じ奉りませう』
 勅使オール、コースの両人は「満足々々」と笑を洩らし挨拶し乍ら、ジャンクが勧むる茶も呑まず、急いで玄関口に立ち出て、待たせおいたる十数名の士卒と共にヒラリと駒に跨り、紅の手綱ゆたかに、蹄の音もカツカツカツと隣村さして進み行く。
 ジャンクは照国別一行の居間に帰り来り、稍緊張したる面色にて、
ジャンク『御一同様、えらい失礼を致しました』
照国『いや、どう致しまして、勅使の趣、如何で厶いましたか。実は御心配申上げて居りました』
ジャンク『ハイ、有難う厶います。私も、もはや国家の為一家一命を棄てねばならぬ時が参りました』
と憂愁に沈み、意気銷沈しきつたる老人にも似合はず、どこともなく決心の色が現はれて居る。
照国『一身一家を棄てねばならぬとは何事で厶いますか』
ジャンク『只今バルガン城のトルカ王様よりの御勅使によれば、「印度の国を守るべき大黒主様の軍隊大足別将軍なるもの、トルマン国の城下の民を脅かし、民家を焼き婦女子を奪ひ人種を絶やし、尚飽き足らず王城を攻め落し、国王を放逐せむとする勢で厶いますれば、此際国民は男子は十八才より六十才以下のもの、一人も残らず国難に殉ずべし」との御厳命で厶いますれば、私も本年は五十八才、老耄たりとは云へ、まだ適齢がかかつてゐます。もはや娘の事は断念致しました。華々しく軍に従ひ、国家のために屍を山野に曝す覚悟で厶います』
照国『成程、承れば承る程、お気の毒で厶います。国王の御命令とあらば国民として、此際お起ちなさるのが義務で厶いませう。私も宣伝使として天下の害を除くべく遙々月の国へ神命を受けて参つたので厶いますから、どうか参加させて頂き度いもので厶いますな』
ジャンク『ハイ、有難う厶います。何分よろしく』
梅公『ア、先生、よくお考へなさいませ。善言美詞の言霊を以て、あらゆる万民を言向和す無抵抗主義の三五教では厶いませぬか。殺伐なる軍隊に参加し、砲煙弾雨の中に馳駆するのは決して宣伝使の本分ぢや厶いますまい。三五教は決して軍国主義では厶いませぬよ』
照国『ハヽヽヽヽ、吾々はお前の云ふ通り、決して敵を憎まない。又殺伐な人為的戦争はやり度くない。義勇軍に参加しようと云ふのは傷病者を救ひ、敵味方の区別なく誠の道を説き諭し、平和に解決し、このトルマン国は申すに及ばず、印度七千余国の国民を神の慈恩に浴せしむる為だ。其第一歩として従軍を願つて居るのだ』
梅公『ヤア、それなら分りました。別に文句もありませぬが、然しながら当家の娘スガコ嬢やサンダーさまはどうなさる考へですか。此方々も見捨てる訳には参りますまい』
照国『ア、それも気にかかるが、それはインカ親分にお願ひしたらどうだ』
梅公『それもさうですな。もしジャンク様、先生は、あゝ仰有いますから貴方と一緒に従軍を遊ばすなり、私共はサンヨの妹娘花香さまも救はねばならず、当家のスガコさまもサンダーさまも見殺にする訳にも行かないから、此捜策は拙者にお任せ下さいませぬか』
ジャンク『御親切は有難う厶いますが、もはや今日となつては、娘の事等云つてる場合ぢやありませぬ。国王様のため国家のために全身の力を尽さねばなりませぬ。どうか貴方も照国別の宣伝使と行動を一にして下さいませ。自分の娘のために宣伝使様を頼んだと云はれては末代の恥で厶います。ついてはインカの親分さま、貴方も国民の一部、義勇軍の将となり、私と一緒に出陣下さいませ。娘の事やサンダーの事は次の次で厶いますから』
インカ『成程、天晴見上げたお志、それでなくては里庄様とは申されますまい。私だつて弱きを扶け、強きを挫く侠客渡世、国王様のお達示を聞いて、之が安閑として居られませうか。お言葉に従ひ従軍致しませう』
タクソン『もし、ジャンク様、イヤ御主人様、私もお伴致しませうか』
ジャンク『イヤ、其方は、もはや承れば三五教の宣伝使のお伴になると云ふ約束をしたさうだ。トルマン国の男子の一言は金鉄も同様だ。照国別様のお弟子として参加して下さい』
エルソン『もし里庄様、私も照国別のお弟子となりましたが、国民の一部として里庄様と共に軍に従ひませうか』
ジャンク『イヤイヤ貴方も、もはや三五教の宣伝使の部下だ。タクソンと行動を一にするが宜からう』
エルソン『ハイ有難う厶います。然らば尊き宣伝使のお伴を致し、剣を持たず只コーランを手にして、天下万民の為に最善の努力を尽さして頂きませう』
ジャンク『ア、よしよし、それで私も安心した。もし照国別様、どうか両人の身の上を宜しくお願ひ申します』
照国『ヤ、感じ入つたる皆様のお志、委細承知致しました』
 門番のバンコや受付のセールに命じ、村内一同に国王の令を伝へ、明朝を期して出陣すべく伝達せしめた。村内は俄に騒然として火事場の如く殺気漲つて来た。ジャンクは村の男子を軍隊に仕立て、自ら将として出陣する事となつた。
インカ『吾村にも必ずや同様の命令下りしならむ。お先へ御免』
と云ひ乍ら一同へ挨拶をなし、尻引まくり大地をドンドン響かせ乍ら、飛ぶが如くに帰り行く。
 ここに一同は三五の大神、バラモンの大神に前途の勝利を得む為とて一大祈願を凝らし、首途の祝として夜の明くる迄、直会の宴を催した。何れも勇気頓に加はり山河を呑むの勢である。祭典も終り、愈直会の宴に移り、酒汲み交して室内は和気靄々恰も春の如き空気が漂うた。
 ジャンクは、ホロ酔ひ機嫌になつて声も涼しく二絃琴を弾じつつ謡ひ初めた。
ジャンク『千早振る皇大神の造らしし  トルマン国の目出度さは
 時じく花の香に匂ひ  果物豊に実りつつ
 五穀は栄え民は肥え  牛馬駱駝羊豚
 鷄までもよく肥り  天の下四方の国々安らけく
 いと平けく治まりて  神代の儘の人心
 何れの家も押並べて  怒り妬み悲しみの
 声さへもなく日に夜に  歓ぎ楽しむ天津国
 常世の春を喜びしが  天津御空の日の影は
 漸く光褪せ給ひ  月の面も薄曇り
 星のみ独りキラキラと  瞬き初めて何となく
 此地の上は騒がしく  鳥の声さへ悲しげに
 謡ふ御代とはなりにける  月日は進み星移り
 天の下なる民草の  心は漸く曇り果て
 強きは強く弱きもの  虐げられて秋の夜の
 霜に悩める虫の如  怨嗟の声は満ち満ちぬ
 人の心は日に月に  益々悪く曇り果て
 山の尾の上や河の瀬に  荒ぶる神の屯して
 又もや民家を苦しめつ  人の妻女を奪ひ取り
 悪き災日に月に  相重なりて国人は
 薄き氷を踏む如く  涙に咽ぶ折もあれ
 大足別の率ゐたる  醜の曲霊の軍人
 弥益々に醜業の  募り来りてトルマンの
 国をば荒らし国主まで  打滅して欲望を
 遂げむとするぞ忌々しけれ  あゝ惟神々々
 神の此世に在すならば  我国民の災を
 一日も早く除きませよ  バルガン城は永久に
 トルカの国主は幾千代も  寿長く栄えまし
 トルマン国を包みたる  醜の雲霧吹き払ひ
 再び天土晴明の  珍の世界に還しませ
 吾は老木の行末の  いとも短き身なれども
 一つの生命を国の為め  君の御為献り
 万民安堵の道のため  捧げ奉らむ吾が生命
 諾なひ給へ三五の  神素盞嗚の大御神
 梵天帝釈自在天  大国彦の大御神
 偏に願ひ奉る  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ  御霊幸はひましませよ』
 照国別は又謡ふ。
照国別『蒼空一点雲もなく  日月星辰明かに
 輝き亘る世の中も  天に風雨のなやみあり
 地には地震洪水の  百の災湧き来る
 浪静かなる大海も  只一塊の雨雲の
 中より吹き来る荒風に  波立ち騒ぎ島々を
 呑まむ例もあるものを  此地の上に住む人は
 如何で悩みのなかるべき  天変地妖ある毎に
 世は晦冥に進み行く  かかる汚れし世の中は
 一度天地の大神の  大活動を要すべし
 バラモン軍や醜神の  醜の猛びは強くとも
 誠一つの三五の  神の光に敵すべき
 心安けくましませよ  大日は照るとも曇るとも
 月は盈つとも虧くるとも  天は地となり地は天に
 上る激変あるとても  只惟神々々
 神に任せし身にしあれば  いかなる事も恐れむや
 仰ぎ敬へ神の徳  祝へよ祝へ神の恩
 神は吾等と倶にあり  神は汝等と倶に在す
 人は神の子神の宮  誠の神に敵すべき
 曲霊の如何で来るべき  あゝ勇ましし勇ましし
 今神軍の首途に  ジャンクの君を初めとし
 梅公、照公、タクソンや  エルソン司と諸共に
 神の御前に慴伏して  前途の幸を祈るこそ
 実に壮快の至りなり  あゝ惟神々々
 御霊幸はひましませよ  御霊幸はひましませよ』
梅公『思ひきや軍の庭に立たむとは
  今の今迄さとらざりけり。

 さり乍ら吾は神軍言霊の
  武器より外に持つものはなし』

照公『大空に日は照公の吾なれば
  あわてる事は一つも要らず。

 照国の別の命に従ひて
  道照公の吾は進まむ』

タクソン『照国別神の命の御威勢に
  吾は全たくそん敬をぞする。

 おめでたくそん厳無比の大神の
  御前に幸を祈る嬉しさ』

エルソン『常暗の世を立替へて神の代に
  開かむ人ぞ人の人なる。

 沸きかえるそん内一同の騒ぎをば
  いかに静めむ由もなきかな』

ジャンク『天津日を隠さむとする村雲を
  払はむ為の今日の神軍。

 老いぬれど吾魂は若々と
  甦りつつ出陣やせむ。

 白髪を染めて軍に向ひたる
  武士もあり吾も習はむ。

 国難に殉ずる吾と白髪の
  輝きを見て驚くならむ』

照国別『面白し神の任さしの神業の
  一歩を進むる時は来にけり。

 オーラ山嵐はいかに強くとも
  神の御息に吹き払ふべし。

 小夜更て武士共が語り合ふ
  軍の庭の心地するかな。

 明けぬれば百の軍人を率連れて
  バルガン城に駒を進めむ』

梅公『駒並めて大野ケ原を進み行く
  勇士の姿吾目に躍るも』

照公『早已にバルガン城の敵軍を
  討ち払ひたる心地しにけり』

タクソン『面白し吾師の君に従ひて
  神の軍の功績立てむ』

エルソン『恋雲もいつしか晴れて国の為
  世人のために尽さむとぞ思ふ』

 漸くにしてコケコツコーとテイハ(鷄)の声、四隣より聞え来る。ジャンクは先づ立上り、
『もはや鷄鳴、皆様、御用意なされませ。いよいよ出陣の時近づきました』
と勇気凛々雄健びし乍ら、マサカの時の用意と蓄へおきたる具足をとり出し武装に着手した。
 かかる所へ白髪異様の老翁現はれ来たり『頼まう頼まう』と玄関口より呶鳴つてゐる。果して此老翁は何者だらうか。
(大正一三・一二・一五 旧一一・一九 於祥雲閣 北村隆光録)
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