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文献名1霊界物語 第67巻 山河草木 午の巻
文献名2第1篇 美山梅光
文献名3第1章 梅の花香〔1703〕
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日----
あらすじ
主な人物【名】ヨリコ姫、梅公、シーゴー、玄真坊、大国常立尊、神素盞嗚大神、照国別、花香姫、サンヨ、サンダー、スガコ姫、ジャンク 舞台オーラ山、タライの村 口述日1924(大正13)年12月19日(旧11月23日) 口述場所教主殿 筆録者松村真澄 校正日 校正場所
OBC rm6701
本文の文字数4206
本文のヒット件数全 1 件/地教山=1
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本文  オーラ山の曲の企みも大杉の怪しき夜這星は神の伊吹に吹消され、一旦包みし木下暗、晴れては清き三千世界の梅の花香、峰の尾上を包みし黒雲もサラリと散りて、宇宙晴の大広原、真夜中の空には、宝石を鏤めた様な一面の星光瞬き、鬼の囁き、猛獣の健び、狐狸の鳴き声も虫の音も、ピタリと止まつて天地静寂、恰もふくらむだ庭の砂に、程々に水を打つたるが如く、一点の風塵もなく、雲霧もなし。微風徐に人の面を吹き、五臓六腑に静涼の気浸み渡る。諸行無常の鐘の声、是生滅法の杜鵑の啼く音、生滅々已の梟の叫び、何れも寂滅為楽の清浄界となり果てぬ。丹花の唇、木蓮の莟の如き鼻の格好、黒豆に露を帯びたやうな優しく床しく光る二つの眼、地蔵の眉、所在美の極、善の極、愛嬌を満面にしたたらして、心に豺狼の爪牙を蔵し、天下を掌握せむと、昼夜肝胆を砕いて、外面如菩薩内心如夜叉、羅刹悪鬼の権化とも譬ふべき山賊の大頭目、ヨリコ姫女帝は、梅公が口より迸る天性の神気に打たれて、忽ち心内に天変地妖を起し、胸には革新軍の喇叭の音響き、五臓六腑一度に更生的活動を起して、専制と強圧と尊貴を願ふ欲念と、自己愛の兇党連は俄に影を潜め、惟神の本性、生れ赤児の真心に立帰り、一身の利欲を忘れ、神に従ひ神を愛し、人を愛し万有一切を愛するの宇宙的大恋愛心に往生したのである。
 斯くヨリコ姫が心に悔悟の花開き、愛善の果実みのり、信真の光輝と、慈味に浴したる刹那に於て、其真心は天地に感応し、天は高く清く澄み亘り、一点の雲もなく、七宝を鏤めたるが如き星の大空をボカして、見渡す東の原野より千草を分けて昇り来る上弦の月光、恰も切れ味のよい庖丁を以て、円満具足せる西瓜を真中より二つに手際能く切りわけし如き、輪廓の判然とした白銀の半玉、忽ち天地を照り輝かし、地上に往来する蟻の姿さへも明瞭に見えて来た。
 白髪童顔の山賊の巨頭、修験者と化けすまし、三千の部下を使役し、豺狼の欲を逞しうし、ヨリコ姫を謀師と仰ぎ、大親分と崇め、大胆不敵にもハルナの都の大黒主を征伐し、印度七千余国の覇権を握らむと、霜の晨雨の夕、夢寐にも忘れぬ胸裡の秘密深く包んで、雲に聳えたオーラ山に立籠り、霧を帯にし、靄を被衣となし、木の葉のそよぎを扇の風と見做し、青空を天井と定め、草を褥となし、髑髏を仮睡の枕となし、虎狼獅子熊の肉を嗜み、阿修羅王の如く魔王の如く、時あつては彗星の如く、妖邪の気を四方に吐散らし、一本の錫杖に四海を征服し、心に秘めた魔法の剣に、諸天諸善を悩ませ苦しめ、吾儘を振舞ひ、天地を自由に攪乱せむものと、夢の如き、虹の如き蜃気楼の如き空中楼閣的妄念を抱いて、得々として、其無謀なる目的に心身を傾注したる、彼れシーゴーは、三五教の神司梅公が言霊に其心胆を奪はれ、五臓六腑の汚濁を払拭され、彼が神気に打たれ、心気忽ち一転して、夜嵐にそよぐ枯尾花の手振にも驚き慄ふ、いとも弱き落武者とならむとする一刹那、力と頼みしヨリコ姫の打つて変つた言行に、今は尚更反抗の勇気もなく、今迄包みし心天の黒雲はオーラ山の荒風に吹散らされて、心も清き上弦の月、忽ち大地に鰭伏して、其慈愛と温雅と清楚なる月神の美影に渇仰憧憬し、本然の性に立返り、悪魔は忽ち煙と消え、胸の奥深き所に神の囁きを聞き、其霊光に触れ、信真なる愛の情味に接し、全く別人の如く成り、白き長き彼れの髪は白金の色、益々艶やかに、其顔色は天上の女神かと疑はるる許り、純化遷善し、罪もなく穢もなく、一点の憎悪心もなく、欲望の雲霧もなし。只此上は天地神明の加護に依り、誠の道を踏み、誠の業を行ひ、戦々恟々として神を畏れ神を愛し、日夜心力を神に捧げむ事を希求するに至つた。
 次に天来の救世主、天帝の化身、オーラ山の活神と揚言し、毒舌を揮つて天下万民を誑惑し、悪事の限を尽さむとしたる、奸侫邪智の曲者、玄真坊、天下唯一の色餓鬼、情欲の焔に苦められ、煩悶苦悩の結果、恥を忘れて獣畜の行為に及ばむとせし、偽救世主、偽予言者なる、彼れ売僧は、三五教の神光に打たれ、正義心の神卒に攻め立てられ、遂に悔悟して、大頭目のヨリコ姫及シーゴーと行動を共にせむ事を誓ふに至つた。オーラ河の水は緩に流れ、深く青くして底さへ見えぬ河の面にきらめく星の大空を映し、そよと吹く小波に月光如来の千々に砕くる慈愛の御影を宿して、天地燦爛光明界の現象を泛ばせたり。東の大空は紅の雲、紫の霞棚引き初め、木々の百鳥は千代々々と永遠無窮の前途を寿ぎ、せせらぎの音は何事か宇宙の神秘を語るが如く、風の響にさへも神の御声の宿るかと疑はる。ヨリコ姫を始め、其他の兇党が心の天地忽然として蓮の花の開くが如く、薫り初めたる一刹那、五色の雲を押し分けて、忽ち昇らせ給ふ黄金鴉、旗雲の中にまん丸き日の丸を印し、愈日の出の神代の祥兆を天地万有に示し給ふ。瑞祥開く聖の御代の魁とぞ、神も人も、此山に集まれる曲人も禽獣虫魚も、一斉に五六七の御世を寿ぎまつる思ひあり。あゝ惟神霊幸倍坐世。
    ○
 現幽神の三界を浄め、天地開闢の昔の祥代に立替立直し、神人万有を黄金世界の恩恵に浴せしめ、宇宙最初の大意志を実行せむと天より降りて厳の御霊と現じ、大国常立尊と現はれて神業を開始し給ひし、宇宙唯一の生神、朝な夕なに諄々として神人万有を導き給ふ。愛善と信真の大神教を天下に布衍し、五六七神政出現の実行に着手せむと、ウブスナ山に聖蹟を垂れ、瑞の御霊と現じて三界の不浄を払拭し、清浄無垢の新天地を樹立せむと、神素盞嗚の大神は、世界各山各地の霊場に御霊を止め、数多の宣伝使を教養し、之を天下四方に派遣し給ひぬ。派遣されたる神柱の一人、照国別の宣伝使の従者となり、ハルナの都の魔神の言向戦に従軍したる梅公司は、勇気凛々たる壮者にして、其心鏡は惶々として照り亘り、能く神に通じ、万民が心の奥底迄、玻璃を通して伺ふが如く、通観して過らず、且心は清浄潔白にして神律を弁へ、道理に通じ、挙措常に軽快にして且つ軽からず重からず、中庸を得たる好漢なり。彼れの行く所、百花爛漫として咲き満ち、地獄は忽ち天国と化し、猛獣の猛る原野は鳥唄ひ蝶舞ふ百花爛漫の天国と化するの慨あり。精神剛直にして富貴に阿らず威武に屈せず、常に其職に甘んじ、何事も神意と解して、如何なる境遇に在るも不平を洩らさず、悲しまず、如何なる悲境に沈淪するも悲観せず、悠々閑々として自ら楽み、自ら喜び、災の来る時は、之れ天の恩恵の鞭となし、喜びの来る時は天の誡と警戒し、寸毫も油断なく、且つ楽天主義を以て世に処す。実に神人の典型、宣伝使の模範、言心行何れの方面より見るも、一点の批評をさしはさむの間隙だになし。彼れは照国別に従つて、能く師弟の情誼を守り、自分の師に優れる数多の美点を隠して、其徳を長上に譲り、同情に富み、僚友を能く愛し、目にふるる者、耳に入る物、何れも彼が感化の徳に浴せざるはなし。元来梅公は大神より特に選まれたる神柱にして、無限の秘密を蔵し、神妙秘門の鍵を授かり、宇宙間一の怖るる者なき大神人なり。夫れ故彼は平然として悪魔の巣窟に単騎出入し、豺狼の群に入つて、機に臨み変に処し、一男二女の危難を救ひ、且つ他の宣伝使の如く、千言万語を費すの要なく、さしも兇悪なる悪神の巨頭、ヨリコ姫等の一派を翻然として悔悟せしめたる英雄なり。彼が師の照国別宣伝使も彼が神格の一部分を窺知する事さへ出来なかつた。併し乍ら彼は和光同塵的態度を以て、愛善の徳と信真の光の劣れる照国別を神の経綸として、吾師の君と尊敬し、照公其他の同僚に対しても、常に後輩者として行動せむ事を望んでゐた。果して梅公司は魔か神か真人か、但しは大神の化身か、今後の物語に依つて読者の自ら判知されむ事を望む。
 之よりヨリコ姫は梅公花香の勧めにより、タライの村に立帰り、母のサンヨに面会し、今迄の不孝不始末の罪を謝し、今後は悔い改めて、老後の母の心を安んじ、且つ神の御為世の為に、愛善の道に生涯を投ぜむ事を誓つた。母のサンヨは二人の姉妹が梅公司の艱難辛苦の結果と慈愛心の発露に仍つて、無事母子の対面が出来た事を涙片手に感謝し、梅公を真の生神として尊敬して止まなかつた。次にシーゴー坊や玄真坊の両人はサンダーの家に至り、彼が両親に向つて、今日迄の悪業を謝し、且悔改めて天下万民の為に神業の一部に奉仕せむ事を誓つた。サンダーの両親は夢かと許り喜んで、梅公其他に対し、百味の飲食を調理して之を饗応し、且つシーゴーには数多の所有地を与へ開拓の事業に従事せしむる事となつた。彼れシーゴーはサンダー、スガコ姫に従ひ、両人を主人と仰ぎ、スガコ姫が父のジャンクが所有せる無限の山林田畑を開墾し、三千の部下をして之に従事せしめ、大都会を造つて………………新しき村を経営し、タライの村の真人と謳はれて生涯を送つた。父のジャンクは遥にサンダー、スガコの無事に帰宅せし事、梅公司に救はれし事、及シーゴーを一の番頭となし、数千の部下を使役して開墾の業に従事せしめ、日々事業の発展しつつある事を聞知し、大に喜んで、全く神の恩恵となし、一生を神に捧げ、神業に参加し、屍をさらす迄、吾郷里に帰らなかつた。そしてジャンクは義勇軍の勇士としてバルガン城下に驍名を走せた。
 一旦悔い改めたる玄真坊は再び悪化して、シーゴーと論争し、三千の部下の中、不平組三百余名を引率し、オーラの峰を渉つて民家を掠奪し乍ら、地教山方面指して姿を隠したのである。
 惟神神の心は白梅の
  旭に匂ふ姿なりけり。

 梅の花香ひ初めたる如月の
  空に瞬く珍の星影。

 何事も神の教にヨリコ姫
  世の神柱となりし雄々しさ。

 現世の罪をば恐れシーゴー(死後)を
  思ひて神に帰るつはもの。

 サンダーやスガコは生れし己のが村に
  帰りて新村永久に開きぬ。

 光暗行きかふ曲の玄真は
  心変りて鬼となりぬる。

 村肝の心曇りし曲人と
  山野に迷ふ玄真の果。

(大正一三・一一・二三 新一二・一九 於教主殿 松村真澄録)
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