三五教の宣伝使国依別命が、神素盞嗚大神の末女、末子姫を娶ってより治めていた珍の国(アルゼンチン)が舞台となります。
天下泰平、四民和楽の治世も、次第に常世の国よりウラル教の思想が入り来たり、国内には他にもさまざまな悪思想がはびこり始めていました。
物語は、国司・国依別の補佐を長年勤めて来た松若彦が、部下の伊佐彦・岩治別に辞任の意を漏らすところから始まります。
松若彦は自分の老齢と、現代の情勢の厳しさを考え、退任して部下のいずれかに後を任せようとします。
伊佐彦:これまでのやり方を守り、あくまで松若彦を中心にして国を治めるべき。
岩治別:年老いた松若彦は早く退陣し、新しい考えをもった自分が国司の補佐となり、元の太平を取り戻す覚悟。
伊佐彦、岩治別は互いに意見が合わず、言い争っている。そこへ、国司国依別の長子、国照別がやってきます。若君は、浴衣の上に帯をグルグル巻きにして、鼻歌を歌いながら登場。
国照別:3人とも中途半端な骨董品だから、自分が親父に勧告して、皆職を解き、平民となって気楽に余生を送らせたいと思っているのだ。。。と3人を煙に巻いて退散します。
松若彦は若君のこの有様を見て逆に発奮し、隠退の言を撤回します。そして改革派の岩治別の任を解いてしまいます。
それだけでなく、松若彦・伊佐彦は岩治別を捉えて獄に投じようと画策します。しかし岩治別は国照別の手引きにより、城を脱出していずこかへ姿をくらまします。