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文献名1霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
文献名2第3篇 転化退閉よみ(新仮名遣い)てんかたいへい
文献名3第21章 大会合〔1830〕よみ(新仮名遣い)だいかいごう
著者出口王仁三郎
概要
備考
タグ データ凡例 データ最終更新日2019-02-15 13:11:10
あらすじ
主な人物 舞台 口述日1926(大正15)年07月01日(旧05月22日) 口述場所天之橋立なかや別館 筆録者北村隆光 校正日 校正場所 初版発行日1929(昭和4)年4月3日 愛善世界社版259頁 八幡書店版第12輯 695頁 修補版 校定版271頁 普及版102頁 初版 ページ備考
OBC rm7221
本文の文字数4669
本文のヒット件数全 1 件/国常立尊=1
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本文  スガの港の百万長者と聞えたる薬種問屋の奥の室には、若主人のイルクを初め老父のアリスにダリヤ姫、ヨリコ姫、花香姫、門番のアル、エス及びスガの宮の神司たりし玉清別迄が首を鳩めて密談に耽つてゐる。
ヨリコ『アリス様、イルク様、其他皆さまに、妾はお詫を致さねばなりませぬ、折角大枚なお金を出して、立派なお宮を造つて頂き、道場の主と迄任けられまして、身に余る光栄に浴して居りましたが、ツイ妾の慢心より宗教問答所等と看板を掲げたのが災の因となり、妾を初め玉清別様、ダリヤ姫様、及び御一門に対し、非常の損害をおかけ致し其罪誠に万死に値致します。熟々考へますればオーラ山に立籠り泥棒の親分とまでなつて悪事悪行を敢行して来た罪深い体、どうして神様のお屋敷に勤める事が出来ませう。折角の聖地もウラナイ教の高姫さまに渡さねばならないやうな破目になりました。これ皆妾の至らぬ罪で御座いますから何卒々々思ふ存分の御成敗を願ひたう御座います』
アリス『ヨリコ姫様、左様なお心遣は御無用にして下さい。三万や五万の金を使つてお宮を建てた処で、別に私の宅の財産が傾くと云ふ訳でもなし、一旦、ウラナイ教に渡した以上は是非なしとして、再び以前に幾層倍増した立派な御神殿を造り上げ、ウラナイ教の向ふを張つて見せてやらうぢやありませぬか。なア悴、お前はどう思ふか、老いては子に従へと云ふ事もあるから、お前の意見に任しておく』
イルク『当家の財産は、もとより罪の固りで出来たのですから、何程立派なお宮を建てても、神様の御用に立たないのは必然の結果です。決して私は惜しいとは思ひませぬ。神様の御許しあれば、当家の財産全部を投げ出して立派なお宮を造り度う御座います』
アリ『成程、悴の云ふ通りだ、お前に何も彼も一任しておく。皆さま、悴とトツクリ相談して下さい、私は老年の身、失礼致しまして、離棟で休まして貰ひます』
と座敷杖をつき乍ら病み上りの体を引き摺つて離棟をさして出でて行く。
玉清『私も永年の間神谷村で苦労艱難を致し、何とかして三五の道を再興させ度いものと千辛万慮の結果、当家の発起によつて立派な宮が建て上り、大神様の神司となり、先祖も業をつむ事になつて大変に喜び勇んで奉仕して居りましたが、モウかうなれば、何とも致し方が御座いませぬ。私はこれより神谷村に立帰り、もとの如く里庄をつとめ、村民を安堵させてやりませう』
ダリヤ『モシ、玉清別様、あまりお気が短いぢやありませぬか。どうぞ暫く、何とか定る迄待つてゐて下さいませ。やがて間もなく、三五教の宣伝使がお出で遊ばすでせうから、その上トツクリ御相談遊ばしての上の事に願ひ度う御座います』
玉清『敗軍の将は兵を語らず、然らば少時お言葉に甘へ、逗留さして頂きませう』
アル『モシ若旦那さま、決して御心配要りませぬよ、キツトあの高姫と云ふ奴、今に尻尾を出しますからマア暫く待つてゐて下さい。私とエスとが一生懸命に彼奴の素性を探索してゐます。モウここ十日と経たない中に、キツト杢助夫婦を叩き出して御覧に入れます。キユーバーの野郎も臭い代物です。少時成行に任して見てゐたらどうでせう』
イルク『いかにも、彼奴ア、私も怪しい奴だと思つてゐる、キツト神様が善悪を裁いて下さるだらう。大国常立尊様、神素盞嗚尊様は、あのやうな悪人に聖場を任して、安閑と見て御座るやうな、ヘドロい神様ぢや御座いますまい』
 斯く話してゐる処へドヤドヤと入り来るは三五教の宣伝使照国別、照公、玄真坊、コオロ、コブライの五人連れであつた。
照国『御免なさいませ、拙者は三五教の宣伝使照国別で御座います。梅公が何時やらは、いかいお世話に預つたさうで御座いますが、まだ彼は当家へは帰つて居りませぬか』
イル『ハイ、貴方が噂に高き照国別の宣伝使様で御座いましたか、私は当家の主、イルクと申します、いい処へ来て下さいました。サアサアどうか奥へお通り下さいませ』
照公『拙者は照国別様の弟子、照公と申します、何分宜しく』
玄真『拙者は玄真坊と申す修験者で御座います、何分よろしく御見知りおき下さいまして以後御懇意に願ひます』
コオ『奴輩はコオロと申す、あまり、善くもない、悪くもない三品野郎でげす。不思議にも照国別様一行に難船した処を救けられお伴になつて参りました。どうか門番にでも使つてやつて下さい』
コブ『奴輩はコブライと申しまして、チツト斗り名の売れたやうな、売れぬやうな侠客渡世を致しますもので御座います。何分よろしくお願申します』
イル『ヤア皆様、よくこそお出で下さいました。何は兎もあれ照国別宣伝使様と共に奥へお通り下さい、チツト許り当家には心配事が起りまして、相談の最中で御座います』
照公『いかなる御心配か知りませぬが、幸ひ先生もゐらつしやるし、及ばず乍らお力になりませう』
イル『ハイ、有難う御座います。何分よろしく』
と挨拶し、自ら茶を出し菓子を出し、力限りに饗応する。
照国『当家は非常な旧家と見えますな、庭石の苔むしたる趣と云ひ、石燈籠と云ひ、旅の疲れを慰むるには屈強のお座敷、イヤ、どうも立派なお座敷を汚して済みませぬ』
イル『何を仰有います。見る影もなき破家に駕を抂げられまして、一家一門の光栄之に過ぎたる事は御座いませぬ。子孫の代迄云ひ伝へて喜ぶで御座いませう』
玉清『私は神谷村の玉清別と申す三五教の信者で御座います。照国別様とやら、何卒々々お見知りおかれまして、今後共、よろしく御指導の程をお願申します』
照国『ヤア貴方は噂に承はつた玉清別様で御座いますか、これは珍しい処でお目にかかりました。何分よろしくお願致します。時にイルクさま、今一寸承はれば当家には何か取込事があつて御相談の最中だと聞きましたが、どうかお邪魔になれば席を外しますから』
イル『イヤ、決して御心配には及びませぬ、実の処はスガの宮の件に就きまして……』
と一伍一什を詳細に物語つた。
 照国別は「ウーン」と云つたきり双手を組んで少時思案にくれて居たが、何か期するところあるものの如く膝をハタと打ち三つ四つ頷いて、
『ヤ、分りました、どうか私に任して下さい、この解決はキツトつけて上げませう』
イル『何分よろしく、お頼み申します』
ヨリ『照国別の宣伝使様、妾は貴方の御弟子梅公別さまに非常なお世話に預つたもので御座います。此処に居りまするのは花香と云つて妾の妹で御座いますが、不思議の縁で梅公別様の妻にして頂く事に内定してゐるもので御座います。何分よろしく御とりなしをお願申し上げます』
照国『ヤ、かねて梅公別からヨリコ姫様の事も花香姫様の事も聞いて居ります、何事も神様の思召次第ですからな』
花香『これはこれはお師匠様、初めてお目にかかります。妾は今姉の申しました通り、梅公別さまに大変な御贔屓に預つてゐる花香で御座います。何分よろしく……今後のお世話をお願申しまする』
 斯く互に挨拶なせる折しも、梅公別の宣伝使は重たげに大きな葛籠を背負ひ、エチエチ入り来り、
梅公『ア、御免なさい、梅公別です、大変な御無沙汰を致しました』
 番頭のアルは頭をピヨコピヨコ下げ乍ら、
『ヤア、よう来て下さいました、先生、若旦那様も、大旦那様も大変、先生のお越しをお待ちで御座いました。之から一寸奥へ申して来ますから』
梅公『イヤ、それには及びませぬ、照国別の宣伝使が見えてゐるでせう。……私の方から伺ひます』
と、大葛籠を玄関にソツと下し、案内もなく奥内さしてニコニコし乍ら進み入る。
梅公『ヤ、先生初め皆さま、御一同、お早う御座いましたね』
照国『ヤ、今当家へ伺つた所だ、実はお前が、あの暴風雨に小舟を出して浪の上に消えて了つたものだから、少し許り心配してゐたのだ。ヤ、無事で結構々々、花香姫も先づ先づ御安心だらう』
ヨリ『梅公別の先生様、お久しう御目にかかりませぬ、先づ先づ御無事でお目出度う御座います。花香も大変にお待申した様子で御座います、これ花香、早く御挨拶を申さないか』
 花香姫は顔を赤らめ乍ら恥しさうに手をついて、
『アノ、旦那様、イーエ、梅公別の宣伝使様、お久しう御座います、妾、どれ程待つてゐたか知れませぬのよ』
 梅公別は無雑作に愛想よく、
『ヤ、奥さま、イヤ奥さまと云つては済まないが、花香姫さま、先づ先づ御壮健でお目出度う、私だつてヤツパリ花香さまの事ア何時でも忘れてゐやしませぬよ』
花香『ハイ、有難う御座います。そのお言葉を聞いて得心致しました』
照公『オイ、梅公、馬鹿にすない、何かおごつて貰はうかい。俺の前で、おやすくない処を見せつけやがつて、あまりひどいぢやないか、アツハヽヽ』
ヨリ『梅公別さま、当然ですわね、これ花香さま、何もオヂオヂする事はありませぬよ、云ひ度い事あれば人さまの中でも構はない、ドシドシ云つたがよい、憚りながら姉さまがついて居りますからな』
照公『ヤ、これは堪らぬ、お面、お小手、お胴、お突と御座るワイ。ヤ、斯うなりやいよいよ敗北だ。照公砲台も沈黙せなくちやなるまい、ウツフヽヽヽ』
梅公『仇話は扨おいて海上からほのかにスガ山の聖地を見れば怪しい雲が立つてゐました。何か変つた事はありませぬかな』
イル『ハイ、お察しの通り、その事に就きまして今、相談会を開いて居つた処で御座います』
梅公『高姫、杢助、キユーバー等の悪人が聖地を占領せむとしてゐるのでせう』
イル『ハイ、已に占領されて了つたのです。最早今となつては、手の出しやうも御座いませぬので……』
梅公『決して心配なさるな、梅公別がキツト解決をつけませう、悪人輩を一言のもとに叩き出し、もとの聖地に回復せむは吾方寸に御座います。ヨリコさまもダリヤさまも、玉清別さまも安心して下さい、キツトもとの通りにしてお目にかけませう。大方、高姫と云ふ奴、ヨリコさまの素性を洗ひ、理窟づくめに放り出したのでせう』
ヨ『ハイ、お察しの通で御座います。何分汚れた魂で御座いますから聖場を守る等云ふ大それた事は出来ませぬ、妾の慢心から柄にも合はぬ宮仕を致しまして聖場を汚し、皆さまに対し申訳がないので、この通り悄れ返つてゐるので御座います』
梅公『昔は昔、今は今、仮令如何なる悪事があつても、悔い改めた以上は白無垢同然、一点の罪も汚れもあらう筈がありませぬ、左様な御心配は御無用になさいませ』
と慰めおき、照国別、イルク、玉清別を別室に招き、高姫追放の計画に密議をこらし悠然として再びもとの座に帰り来り、
梅公『大空に塞がる黒雲吹き払ひ
  月日を照す科戸辺の神。

 よしやよし醜の黒雲包むとも
  科戸辺の神吹きや払はむ』

 これより一同はスガ山回復の策戦計画の準備に各々手分けをして取かかり、明日を期して大挙スガ山に神軍を進むる事とした。あゝ惟神霊幸倍坐世。
(大正一五・七・一 旧五・二二 於天之橋立なかや旅館 北村隆光録)
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【霊界物語誕生百周年】
大正10年(1921年)10月18日に王仁三郎が霊界物語の著述を開始してから
令和3年(2021年)10月18日で百年目を迎えます。
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